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発明の名称 帯電装置及び画像形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−15234
公開日 平成11年(1999)1月22日
出願番号 特願平9−181757
出願日 平成9年(1997)6月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 平林 純 / 石山 晴美 / 永瀬 幸雄 / 児野 康則
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 被帯電体に接触させ、電圧を印加した帯電部材から被帯電体への電荷の直接注入を支配的に生じさせて被帯電体表面を帯電させる帯電装置において、被帯電体上に、抵抗値が1×1010Ω・cm以下の層を塗布する手段を有することを特徴とする帯電装置。
【請求項2】 被帯電体上に塗布される層がグリセリンの層であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】 像担持体に接触させ、電圧を印加した帯電部材から像担持体への電荷の直接注入を支配的に生じさせて像担持体表面を帯電させる工程を含む作像プロセスを像担持体に適用して画像形成を実行する画像形成装置において、像担持体上に、抵抗値が1×1010Ω・cm以下で、厚さが1μmを越えない層を塗布する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 像担持体に形成させた潜像の液体現像手段を有し、現像で使用される液体と、像担持体上に塗布される層が不溶性であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】 像担持体に対する画像露光手段を有し、像担持体上に塗布される層が画像露光に対して無色であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】 被帯電体に塗布する層がグリセリンの層であることを特徴とする請求項3ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被帯電体の帯電装置に関する。より詳しくは、被帯電体に電圧を印加した帯電部材を当接させて被帯電体を帯電する接触方式の帯電装置に関する。
【0002】また該帯電装置を像担持体の帯電手段として使用した、複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真装置や静電記録装置等の画像記録装置において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体(被帯電体)を所要の極性・電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0004】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定に帯電させるものである。
【0005】近時は、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから、前記したように被帯電体に電圧を印加した帯電部材を当接させて被帯電体を帯電する接触方式の帯電装置(接触帯電装置)が実用化されてきている。
【0006】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、接触帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0007】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、■コロナ帯電系と■直接注入帯電系の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0008】■.コロナ帯電系接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じるコロナ放電などの放電現象による放電生成物で被帯電体表面が帯電する系である。
【0009】コロナ帯電は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0010】例えば、接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式は帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられているが、このローラ帯電はその帯電機構はコロナ帯電系が支配的である。
【0011】即ち、帯電ローラは導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。帯電ローラは被帯電体との一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、被帯電体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ上のムラや被帯電体の付着物による帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電ではその帯電機構はコロナ帯電系が支配的である。
【0012】より具体的に説明すると、被帯電体としての厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させて帯電処理を行なわせる場合には、帯電ローラに対して約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。このしきい(閾)値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0013】つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方法を「DC帯電方式」と称する。
【0014】しかし、DC帯電方式においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗が変動するため、また、被帯電体としての感光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0015】このため、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これは、ACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体としての感光体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0016】しかしながら、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から被帯電体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯電に必要とされる、接触帯電部材に印加する電圧は、被帯電体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0017】また、帯電均一化のためにAC帯電を行なった場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界による接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生、また、放電による被帯電体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0018】■.直接注入帯電系接触帯電部材から被帯電体へ電荷が直接注入されることで被帯電体表面が帯電する系である。特開平6−3921号公報等で提案されている。
【0019】中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この直接注入帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。
【0020】より具体的には、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電磁気ブラシ等の接触帯電部材に電圧を印加し、像保持体(感光体)表面にあるトラップ準位または電荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して直接注入帯電(接触注入帯電)を行なう方法である。放電現象が支配的でないため、帯電に必要とされる電圧は所望する像担持体表面電位のみであり、オゾンの発生もない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、接触帯電のうちでも■の直接注入帯電系は低電圧・オゾンレス等の利点があり、例えば、画像形成装置における像担持体の帯電手段として用いて有効・効果的である。
【0022】しかしながら、直接注入帯電系における問題点として、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらの発生がある。即ち、直接注入帯電系においては、被帯電体上の接触帯電部材と接触が行われなかった領域或は接触が不十分であった領域には電荷が注入されず或は電荷の注入が不十分となる。そのため、帯電性が不十分になることがあった。
【0023】その課題を解決するために、接触性の高い吸水性のスポンジローラを用いた帯電方法が特開平7−140729号公報で提案されている。しかし、水を使用しているため、環境変動が大きく、画像形成装置の像担持体(感光体)の帯電手段とした場合には像担持体内部に水が浸透し画像流れを生じたりするという問題があった。また、像担持体表面に水が付着しないように、水の抵抗値を高くする必要があった。
【0024】そこで本発明は、接触帯電のうちの直接注入帯電系における上記の、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらの発生の問題を上記のような不都合なく解決することを目的とする。
【0025】また、帯電性に優れ、環境安定性の高い、良質な画像を安定して出力する、直接注入帯電系の接触帯電を使用した画像形成装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特徴とする帯電装置及び画像形成装置である。
【0027】(1)被帯電体に接触させ、電圧を印加した帯電部材から被帯電体への電荷の直接注入を支配的に生じさせて被帯電体表面を帯電させる帯電装置において、被帯電体上に、抵抗値が1×1010Ω・cm以下の層を塗布する手段を有することを特徴とする帯電装置。
【0028】(2)被帯電体上に塗布される層がグリセリンの層であることを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0029】(3)像担持体に接触させ、電圧を印加した帯電部材から像担持体への電荷の直接注入を支配的に生じさせて像担持体表面を帯電させる工程を含む作像プロセスを像担持体に適用して画像形成を実行する画像形成装置において、像担持体上に、抵抗値が1×1010Ω・cm以下で、厚さが1μmを越えない層を塗布する手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0030】(4)像担持体に形成させた潜像の液体現像手段を有し、現像で使用される液体と、像担持体上に塗布される層が不溶性であることを特徴とする(3)に記載の画像形成装置。
【0031】(5)像担持体に対する画像露光手段を有し、像担持体上に塗布される層が画像露光に対して無色であることを特徴とする(3)または(4)に記載の画像形成装置。
【0032】(6)被帯電体に塗布する層がグリセリンの層であることを特徴とする(3)ないし(5)の何れか1つに記載の画像形成装置。
【0033】〈作 用〉a)被帯電体表面に低抵抗な層を塗布して接触帯電部材による被帯電体の直接注入帯電を実行させることで、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらがあっても、被帯電体上の低抵抗な塗布層中で電荷が拡散して、被帯電体上の接触帯電部材と接触が行われなかった領域或は接触が不十分であった領域にも電荷が回り込んで十分な直接注入帯電がなされる。
【0034】これにより、直接注入帯電系において問題の、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらが生じない。
【0035】b)被帯電体に対する塗布層は抵抗値(抵抗率)が1×1010Ω・cmよりも大きいものを用いた場合には、抵抗が高すぎるために、上記の接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらを防止する効果はなかった。そのため、良好な帯電性を得るためには1×1010Ω・cm以下である必要がある。
【0036】c)画像形成装置にあっては、被帯電体である像担持体表面に低抵抗な層を塗布して接触帯電部材による像担持体の直接注入帯電を実行させることで、接触帯電部材の像担持体面に対する接触むらによる帯電むらを防止できるとともに、像担持体に対する塗布層の厚みは1μmを越えない薄層にすることで画像流れを発生させることがなく(1μmより厚い場合には画像流れが生じた)、帯電性に優れ、環境安定性の高い、良質な画像を安定して出力する、直接注入帯電系の接触帯電を使用した画像形成装置を構成することができた。
【0037】d)液体現像を用いた画像形成装置において、現像で使用される液体と、像担持体上に塗布される層が不溶性であることにより、帯電性および現像性を低下させることがない。
【0038】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉(図1)
図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模型図である。
【0039】本実施例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用、直接注入帯電方式、プロセスカートリッジ式のレーザープリンタであり、低抵抗層を感光体表面に塗布する装置を設けることにより、安定した帯電性を得ることを特徴としている。また本実施例のプリンタは反転現像を用い、ネガ感光体を用いている。
【0040】(1)本例プリンタの全体的な概略構成[像担持体]1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子写真感光体である。本実施例の感光体1は直径30mmの負極性OPC感光体であり、矢印の時計方向に94mm/secの周速度をもって回転駆動される。
【0041】[帯 電]2は接触帯電部材としての導電性ファーブラシ(ファーブラシ帯電器)である。本例のファーブラシ帯電器2は芯金21上に導電性のファー22をブラシ状に密に植毛したものであり、ファーブラシ部分22を感光体1に接触させて配設してあり、回転する感光体1の外周面がファーブラシ部分22で摺擦される。aはファーブラシ部分22と感光体1との接触部である帯電ニップ部である。
【0042】S1はファーブラシ帯電器2に対する帯電バイアス電源であり、本例においてはこの電源S1からファーブラシ帯電器2の芯金21に回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電されるように帯電バイアスが印加される。
【0043】本実施例においては、ファーブラシ帯電器2のファーブラシ部分22の植毛密度が密であることと、感光体1の回転周速度が速いことにより、ファーブラシ帯電器2の感光体1に対する接触性・帯電性がよくて、感光体1の接触帯電は直接注入帯電が支配的となる。
【0044】[露 光]そして回転感光体1の帯電処理面に対して、レーザーダイオードやポリゴンミラー等を含む不図示のレーザービームスキャナから出力されるレーザービームによる走査露光Lがなされる。レーザービームスキャナから出力されるレーザービームは目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたものであり、このレーザービームによる走査露光Lにて回転感光体1の外周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0045】[現 像]3は反転現像装置であり、回転感光体1の外周面に形成された上記の静電潜像はこの現像装置3により現像剤像(トナー像)として反転現像される。
【0046】本例の反転現像装置3は現像剤31として負帯電性の平均粒径7μmの非磁性1成分絶縁現像剤を用いたものである。32はマグネット33を内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブ32に上記現像剤31をコートし、感光体1表面との距離を500μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ32に現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加する。現像バイアス電圧は、−400VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、現像スリーブ32と感光体1の間の現像部位bで1成分ジャンピング現像を行なわせる。
【0047】[転 写]4は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光体1に所定に圧接させて転写ニップ部cを形成させてある。この転写ニップ部cに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ4に転写バイアス電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光体1側の現像剤像が転写ニップ部cに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0048】本実施例で使用の転写ローラ4は、芯金41に中抵抗発泡層42を形成した、ローラ抵抗値5×108 Ωのものであり、+2000VのDC電圧を芯金41に印加して転写を行なった。転写ニップ部cに導入された転写材Pはこの転写ニップ部cを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されている現像剤像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0049】[定 着]5は熱定着方式等の定着装置である。転写ニップ部cに給紙されて感光体1側の現像剤像の転写を受けた転写材Pは回転感光体1の面から分離されてこの定着装置5に導入され、現像剤像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0050】[感光体クリーニング]7は感光体1のクリーニング装置である。転写材Pに対する現像剤像転写後の回転感光体1は、感光体面に残留の転写残トナー等の付着汚染物がこの装置7のクリーニング部材71、本例では感光体1面に当接させたウレタンゴム製のクリーニングブレードによって掻き落されて清掃され、繰り返して作像に供される。感光体1面からクリーニングブレード71により掻き落された転写残トナー等はクリーナ容器内部に回収される。
【0051】[低抵抗層塗布装置]6は感光体1表面に対する低抵抗層塗布装置である。本例の場合は、感光体1表面に低抵抗液体であるグリセリンを薄層に塗布するスポンジローラであり、接触帯電部材としてのファーブラシ帯電器2と感光体クリーニング装置7との間の位置において感光体1に当接させて配設してある。
【0052】このスポンジローラ6は芯金61とその外側に同心に具備させたスポンジローラ部62からなり、スポンジローラ部62にはグリセリン63を含ませてあり、感光体1に従動して回転し、回転感光体1の外周面にグリセリンを塗布する。回転感光体1の外周面に塗布されるグリセリンの層の厚さは1μm以下になるように設定してある。
【0053】このように感光体には低抵抗液体が塗布されることから、使用する感光体1は表面に塗布される低抵抗液体が浸透しにくい表面層を持つ方が良質の画像を長期間得ることができ、好ましい。
【0054】[カートリッジ]本実施例のプリンタは、感光体1、接触帯電部材2、現像装置3、クリーニング装置7、グリセリン塗布装置6の5つのプロセス機器をカートリッジケースに包含させてプリンタ本体に対して一括して着脱自在のカートリッジCとしてある。カートリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限られるものではない。
【0055】(2)低抵抗層塗布装置本実施例において低抵抗層塗布装置であるローラ6のスポンジローラ部62に含ませている低抵抗液体であるグリセリン63はその抵抗率は5×101 Ω・cm程度であった。
【0056】このグリセリンの抵抗率は、ガラス製の円筒中にグリセリンを注入しその両端に白金電極を取り付け、その間の電気抵抗値を測定し求めた。
【0057】被帯電体である感光体1の表面に塗布する低抵抗液体はその抵抗率が1×1010Ω・cmよりも大きいと、抵抗が高すぎるために、接触帯電部材であるファーブラシ帯電器2の感光体1面に対する接触むらによる帯電むらを防止する効果はなかった。
【0058】そのため、被帯電体の表面に塗布する低抵抗液体はその抵抗率が1×1010Ω・cm以下である必要がある。
【0059】また像担持体である感光体1の表面に塗布形成する低抵抗液体層の厚みは1μmより厚い場合には、画像流れが生じた。そのため像担持体の表面に塗布形成する低抵抗液体層の厚みは1μmを越えない必要がある。
【0060】本実施例では被帯電体(像担持体)である感光体1の表面に塗布する低抵抗液体としてグリセリンを用いたが、これに限られるものではなく、アセトン等の他の適当な低抵抗液体を使用することができる。また、画像露光を遮らないように、画像露光に対して無色であることが望ましい。
【0061】而して、接触帯電部材であるファーブラシ帯電器2による回転感光体1の直接注入帯電はファーブラシ帯電器2と感光体1の接触部である帯電ニップ部aにおいてファーブラシ部分22が接触した感光体表面上の点に電荷の注入がなされることでなされるが、感光体表面に対してファーブラシ部分22の接触むらがある場合には、ファーブラシ部分22が接触しなかった感光体表面部分には電荷が注入されない。このように感光体1表面に対してファーブラシ部分22の接触むらが生じているような場合であっても、感光体1の表面にグリセリン塗布ローラ6により低抵抗液体であるグリセリンの薄層が形成され、そのグリセリン層の存在下において帯電ニップ部aで接触帯電部材であるファーブラシ帯電器2が感光体1に接触することで、感光体表面上の低抵抗な塗布グリセリン層中で電荷が拡散して、感光体1上のファーブラシ部分22と接触が行われなかった領域或は接触が不十分であった領域にも電荷が回り込んで十分な直接注入帯電がなされ、直接注入帯電系において問題の、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらが生じない。
【0062】また、感光体表面上の低抵抗な塗布グリセリン層は層の厚みが薄いために、画像流れも生じない。
【0063】プリンタの画像形成時には低抵抗層塗布装置であるグリセリン塗布ローラ6を回転感光体1から離間させた状態に保持させて感光体1へのグリセリンの塗布を行なわせず、非画像形成時のみ塗布ローラ6を回転感光体1に接触させて感光体1へのグリセリンの塗布を行なう構成にした場合でも効果があった。
【0064】(3)比較例上記実施例1のプリンタからグリセリン塗布ローラ6を除いた構成のプリンタの場合は、画像を出力すると、ファーブラシ帯電器2の接触むらに応じた黒い筋画像が発生した。
【0065】またファーブラシ帯電器2への−700Vの帯電バイアス電圧の印加に対して、感光体1表面は−500V程度しか帯電していなかった。
【0066】これに対して、グリセリン塗布ローラ6を具備させて回転感光体1面にグリセリンの薄層を塗布形成させてファーブラシ帯電器2による帯電を行なわせるようにした実施例1のプリンタは、接触むらに起因する黒筋のない良好な画像を出力することが出来た。また感光体1表面の帯電電位もファーブラシ帯電器2への−700Vの帯電バイアス電圧の印加に対して−690V程であった。
【0067】かくして、画像形成装置にあっては、被帯電体である像担持体表面に低抵抗な層を塗布して接触帯電部材による像担持体の直接注入帯電を実行させることで、接触帯電部材の像担持体面に対する接触むらによる帯電むらを防止できるとともに、像担持体に対する塗布層の厚みは1μmを越えない薄層にすることで画像流れを発生させることがなく、帯電性に優れ、環境安定性の高い、良質な画像を安定して出力する、直接注入帯電系の接触帯電を使用した画像形成装置を構成することができた。
【0068】〈実施例2〉(図2)
本実施例は、直接注入帯電方式で、液体現像方式の画像形成装置において、低抵抗の液体を感光体表面に塗布する装置を設け、その低抵抗液体が現像装置で使用する液体と不溶性であることを特徴とするものである。
【0069】図2は該画像形成装置例の概略構成図であり、上述実施例1のプリンタと同様に転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。実施例1のプリンタと同じ構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0070】像担持体としての感光体1は本実施例では直径30mmのアモルファスシリコン感光体(ネガ感光体)を用いており、矢印の時計方向に47mm/secの周速度をもって回転駆動される。
【0071】アモルファスシリコン感光体1は表層の体積抵抗値が約1013Ω・cmと低いことで、その接触帯電は直接注入帯電が支配的である。
【0072】帯電手段2と露光手段は実施例1のプリンタと同じファーブラシ帯電器とレーザービームスキャナである。
【0073】本例の場合も帯電バイアス電源S1からファーブラシ帯電器2の芯金21に回転感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電されるように帯電バイアス電圧が印加される。
【0074】そしてその回転感光体1の帯電処理面にレーザービーム走査露光Lがなされて回転感光体1面に静電潜像が形成される。
【0075】3Aは現像装置である。本実施例では液体現像方式の反転現像装置であり、感光体1の下側に配設してある。この現像装置3Aにより回転感光体1面上の静電潜像がトナー像として反転現像される。
【0076】34は現像容器、35はこの現像容器に満たした現像液、36は現像電極板である。現像液35は液体キャリアにトナーを分散させたものである。本実施例では液体キャリアとしてパラフロロヘキサンを用いている。液体キャリアは不図示の装置により現像容器内で循環し、また、補給される。感光体1の下面は現像容器34に満たした現像液35に浸っている。現像電極板36は現像液35中にあり、感光体1の下面に対向している。この現像電極板36に現像バイアス電源S2から本例の場合は−400Vの現像バイアス電圧が印加される。
【0077】転写手段は本実施例では感光体1に対向させて配設した転写コロナ帯電器4Aである。不図示の給紙部から被記録体としての転写材Pが感光体1と転写コロナ帯電器4Aの間の転写部Tに所定のタイミングにて給送され、また転写コロナ帯電器4Aに転写バイアス電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、転写材Pの裏面がトナーの荷電極性と逆極性に帯電されて回転感光体1面側のトナー像が転写材Pの表面側に順次に静電気力にて転写されていく。
【0078】トナー像の転写を受けた転写材Pは回転感光体1面から分離されて定着装置5に導入されてトナー像の定着を受け、画像形成物として装置外へ排出される。
【0079】低抵抗層塗布装置6は実施例1のプリンタと同じグリセリン塗布ローラである。実施例1のプリンタと同様に、回転感光体1面に低抵抗層であるグリセリンの薄層が塗布形成されて、この層の存在下において接触帯電部材であるファーブラシ帯電器2と感光体1とが接触することで、ファーブラシ帯電器2の感光体1面に対する接触むらによる帯電むらが生じない。
【0080】本実施例において、現像液35の液体キャリアとして用いたパラフロロヘキサンと、感光体1に塗布形成する低抵抗層として用いたグリセリンは不溶性である。そのため相互に悪影響を与えることがない。
【0081】現像液35に用いる液体キャリアは電気的に絶縁であることが現像性を高めるためには必要であり、また、誘電率が低いことが望ましい。液体キャリアの抵抗値は1×1010Ω・cm以上であることが望ましい。
【0082】逆に、感光体1表面に塗布する低抵抗層の抵抗値は1×1010Ω・cmよりも低い必要がある。
【0083】本実施例では、両者が不溶性であることにより、混合を防ぎ、帯電性の劣化も現像性の劣化も生じない。
【0084】両者が可溶性であった場合に生じた問題点としては、現像液35の液体キャリア中に低抵抗な液体が混入することによる現像不良や、感光体1表面上に現像液35の液体キャリアが付着することによる帯電不良があった。
【0085】しかし、本実施例では液体キャリア中に感光体1表面の低抵抗層が溶けることも、感光体1表面に液体キャリアが付着することもない。
【0086】〈その他〉1)被帯電体面に対して低抵抗層を塗布形成する手段は実施例の塗布ローラに限らず、スプレー式などその他任意に構成できる。
【0087】2)上述の実施例においては接触帯電部材2として固定タイプのファーブラシ帯電器を用いたが、回転ローラタイプのものにすることもできる。
【0088】また接触帯電部材は、ファーブラシ帯電器に限らず、導電性弾性ローラ帯電器(帯電ローラ)、導電性弾性ブレード帯電器(帯電ブレード)、磁気ブラシ帯電器などとすることもできる。フェルト・布などの材質・形状のものも使用可能である。また、これらを積層し、より適切な弾性と導電性を得ることも可能である。
【0089】3)接触帯電における直接注入帯電は、接触帯電部材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電体との速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触する構成にする。
【0090】また、被帯電体の表面に電荷注入層を設けて被帯電体表面の抵抗を調節することで接触帯電における直接注入帯電を支配的にすることができる。
【0091】図3は表面に電荷注入層16を設けた感光体1の層構成模型図である。即ち該感光体1は、アルミドラム基体(Alドラム基体)11上に下引き層12、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体に電荷注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したものである。
【0092】電荷注入層16は、バインダーとしての光硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)としてのSnO2 超微粒子16a(径が約0.03μm)、4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの滑剤、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法により膜形成したものである。
【0093】電荷注入層16として重要な点は、表層の抵抗にある。電荷の直接注入による帯電方式においては、被帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷の授受が行えるようになる。一方、感光体として用いる場合には静電潜像を一定時間保持する必要があるため、電荷注入層16の体積抵抗値としては1×109 〜1×1014(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0094】また本構成のように電荷注入層16を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範囲に或る場合は同等の効果が得られる。
【0095】さらに、実施例2のように、表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な効果が得られる。
【0096】4)接触帯電部材2や現像装置3・3A等に対してAC電圧(交番電圧)成分を印加する場合の、そのAC電圧波形しては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0097】5)静電潜像形成のための画像露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0098】像担持体は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0099】6)現像装置構成について特に限定するものではない。正規現像器であってもよい。
【0100】7)像担持体からトナー画像の転写を受ける被記録体は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。
【0101】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、直接注入帯電系において、接触帯電部材の被帯電体面に対する接触むらによる帯電むらの発生を効果的に防止することができ、帯電むらのない良好な帯電を行うことが可能となった。
【0102】画像形成装置にあっては、被帯電体である像担持体表面に低抵抗な層を塗布して接触帯電部材による像担持体の直接注入帯電を実行させることで、接触帯電部材の像担持体面に対する接触むらによる帯電むらを防止できるとともに、像担持体に対する塗布層の厚みは1μmを越えない薄層にすることで画像流れを発生させることがなく、帯電性に優れ、環境安定性の高い、良質な画像を安定して出力する、直接注入帯電系の接触帯電を使用した画像形成装置を構成することができた。
【0103】液体現像を用いた画像形成装置において、現像で使用される液体と、像担持体上に塗布される層が不溶性であることにより、帯電性および現像性を低下させることがない。




 

 


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