米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> キヤノン株式会社

発明の名称 現像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−7189
公開日 平成11年(1999)1月12日
出願番号 特願平9−177546
出願日 平成9年(1997)6月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
発明者 志田 昌規 / 小林 克彰 / 日比野 勝 / 小澤 一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を収容するとともに、現像剤を担持して回転する像担持体と対向した現像部へ搬送し、現像剤を像担持体上に形成された静電潜像の現像に供する、内側に磁石が非回転に配置された回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の層厚を規制して、現像に供する現像剤の量を調節する、現像剤担持体に対した規制部材とを有する現像容器に、現像剤トナー濃度制御装置の濃度検知手段を備え、前記検知手段はコイルセンサーであって、コイルのインダクタンスを利用して現像容器内の現像剤の見かけの透磁率の変化から、現像容器内の現像剤のトナー濃度を検知する現像装置において、前記非磁性トナーは、重合法により製造した球形状のトナーであることを特徴とする現像装置。
【請求項2】 前記非磁性トナーの形状係数SF−1が100〜140、形状係数SF−2が100〜120である請求項1の現像装置。
【請求項3】 前記現像剤担持体の回転方向が、像担持体との対向部で像担持体と逆方向に移動する向きであり、前記規制部材を現像剤担持体の下方に配置した請求項1または2の現像装置。
【請求項4】 前記現像容器に現像剤撹拌手段を有し、前記コイルセンサーの設置位置を、撹拌手段による現像剤の撹拌時にコイルセンサーの検出面を流れる現像剤の流動が一定である箇所とした請求項1〜3のいずれかの項に記載の現像装置。
【請求項5】 前記磁性キャリアは、バインダー樹脂、磁性金属酸化物および非磁性金属酸化物から重合法により製造した高抵抗の樹脂磁性キャリアである請求項1〜4のいずれかの項に記載の現像装置。
【請求項6】 前記樹脂磁性キャリアの形状係数SF−1が100〜140、形状係数SF−2が100〜120である請求項5の現像装置。
【請求項7】 前記樹脂磁性キャリアの比抵抗が1010〜1014Ωcmである請求項5または6の現像装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式、静電記録方式等の複写機、プリンタ、記録画像表示装置、ファクシミリなどの画像形成装置において、像担持体上に形成した静電潜像を現像して可視化するのに使用する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真方式などの画像形成装置では、像担持体上に静電潜像を形成し、その潜像を現像装置により現像剤を用いて現像することを行なっている。
【0003】現像装置は、現像剤を担持して像担持体の表面近傍に搬送する現像剤担持体を有し、像担持体の表面近傍に搬送された現像剤により、現像剤担持体と像担持体との間に交互(交番)電界を印加しながら静電潜像を現像し、潜像を可視化する。一般に、像担持体には感光ドラムが、現像剤担持体に現像スリーブが用いられることが多い。
【0004】上記の現像方法として、たとえばキャリア粒子とトナー粒子からなる2成分現像剤により、内部に磁石を配置した現像スリーブの表面に磁気ブラシを形成させ、微小間隙を保持して対向させた感光ドラムにこの磁気ブラシを摺擦または近接させ、そして現像スリーブと感光ドラムの間(S−D間)に交互電界を印加させることにより、現像スリーブ上のトナー粒子を感光ドラムとの間で転移および逆転移を繰り返して、感光ドラム上の潜像を現像させるいわゆる磁気ブラシ現像法が知られている(たとえば特開昭55−34060号、同59−165082号公報を参照)。
【0005】上記の2成分磁気ブラシ現像用の現像装置は、主として図4に示すように構成されている。図4において、符号105は2成分磁気ブラシ現像用の現像装置の現像容器で、現像容器105内には非磁性トナーと磁性キャリアを混合した2成分現像剤103が収容されている。現像容器105は、感光ドラム100と対面した箇所に開口部を有し、この開口部に内側にマグネットローラ107が固定配置された現像スリーブ109が、感光ドラム100と所定の間隙を開けて近接置されている。現像容器105の現像スリーブ109上方の部分には、現像スリーブ109上に担持した現像剤の層厚を規制して、現像スリーブ109の表面に現像剤の薄層を形成する規制ブレード111が配置されている。現像容器105内の略下半分は隔壁113により現像室R1、撹拌室R2に区画され、撹拌室R2の上方に補給用トナー119を収容したトナー貯蔵室R3が設置されている。
【0006】現像スリーブ109は、感光ドラム100との対向部が同方向に移動する向きの順方向に回転される。現像スリーブ109は、マグネットローラ107の作用により現像容器105内の2成分現像剤103を担持して、回転により感光ドラム100に搬送する。現像スリーブ109上の現像剤が、感光ドラム100に接触する状態で現像できるように、現像スリーブ109と感光ドラム100の間隙125が設定されている。
【0007】現像容器105内の2成分現像剤103のトナー濃度、つまりトナーとキャリアの混合比(T/C比)は、トナー貯蔵室R3の下部の補給口121からトナー119を、現像により消費されたトナーに見あった量で落下補給することにより、一定に保もたれている。
【0008】この現像容器105内現像剤のT/C比の検知および維持には、従来種々の方法が提案され実用化さている。たとえば、感光ドラム100の周辺に光学式の濃度センサーを設置し、感光ドラム100上の潜像を現像したトナー像に光を当て、このときの透過光あるいは反射光からトナー像の濃度を検知してトナー補給量を調整し、これによりT/C比を一定に維持する。あるいは、現像スリーブ109上に光学式の濃度センサーを設置し、現像スリーブ109上に担持された現像剤に光を当てたときの反射光からT/C比を検知して、トナー補給量を調整する。
【0009】しかし、前者の感光ドラム100上のトナー像の濃度検知を基に現像容器105内現像剤のT/C比を維持する方法は、複写機や画像形成装置の小型化にともない、センサーを設置するスペースが確保できなくなる問題がある。後者の現像スリーブ109上の現像剤のT/C比検知から容器105内現像剤のT/C比を維持する方法は、トナー飛散等によりセンサーが汚れる場合があり、現像スリーブ上現像剤のT/C比を正確に検知できなくなる。
【0010】これに対し、現像容器105中にコイルセンサーを設置し、コイルセンサー近傍の一定体積の現像剤の見かけの透磁率をコイルのインダクタンスを利用して検出し、その透磁率の変化から現像剤のT/C比を検知し、トナー補給量を調整する方法がある。
【0011】コイル方式のトナー濃度検知センサーを利用した方法では、たとえば一定体積内の現像剤の透磁率が大きくなった場合、その一定体積内の現像剤のT/Cが低くなったこと、つまり現像剤のトナー濃度が減ったことを意味するので、トナーの補給を開始する。逆に一定体積内の現像剤の透磁率が小さくなった場合、その一定体積内の現像剤のT/Cが大きくなったこと、つまり現像剤のトナー濃度が増したことを意味するので、このときはトナー補給を停止する。以上のようなシーケンスに基づきT/C比を制御する。
【0012】このコイル方式のトナー濃度検知センサーは、センサー単体のコストも安価なことに加え、上記のようなスペースの問題、トナー飛散によるセンサーの汚れの影響を受けないため、T/C比検知手段(ひいては濃度制御装置)は、低コスト、小スペースの複写機あるいは画像形成装置にとって最適である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コイル方式のトナー濃度検知センサーの場合、現像容器105内の現像剤のかさ密度が何らかの影響により変化すると、現像剤の見かけの透磁率も変化するので、容器105内現像剤のT/C比が一定なのに、センサー出力が変わってしまう。その結果、現像剤中のトナーが減っていないのに、トナーが減ったことを示す信号が出力されて、トナー補給が開始されたり、あるいは現像剤中のトナーが減っているにもかかわらず、トナーが減ったことを示す信号が出力されず、トナー補給が開始されない事態を生じる。
【0014】前者の場合には、トナーの過補給が生じて画像濃度が濃くなったり、トナー量増加にともなう現像剤量の増加により、現像剤が現像容器105から溢れたり、現像剤中のトナー比率の増加にともないトナーの帯電量が低下し、トナー飛散等の問題を引き起こす。後者の場合は、現像剤中のトナー量減少による画像劣化、画像の濃度薄、あるいはトナーの帯電量増加による画像の濃度薄等の問題を引き起こす。
【0015】上記の現像剤のかさ密度の変化には、本発明者らの詳細な検討の結果、つぎの3つの態様のものがある。
【0016】その第1は、従来一般に使用されている粉砕トナーで起こりやすいもので、粉砕トナーは個々のトナーが凹凸形状で個々に異なることから、現像剤の静止状態、流動状態あるいは放置状態において、現像剤にかさ密度の変動を招きやすく、しかも長期使用によるトナー形状の変化が引き起こすかさ密度の変動が大きい。
【0017】第2は、現像スリーブが感光ドラムに対し順方向に回転し、さらに現像スリーブ上での現像剤のコートむらを防止するために、現像スリーブの規制ブレード近傍で現像剤を溜め、現像剤を圧縮する機構に起因するものである。さらに図4より、現像スリーブ109がマグネットローラ107の作用により現像容器105内の2成分現像剤103を担持するには、マグネットローラ107の磁極N3、S2に高い磁力のマグネットを用い、その作用により現像剤を汲み上げねばならず、現像スリーブ109と規制ブレード111間の磁気的拘束が強まり、現像剤は徐々に機械的、磁気的に圧縮され、トナーの形状が変化して現像剤のかさ密度が変化し、あるいは外添剤の埋め込まれによりかさ密度が変化する。
【0018】第3は、トナー帯電量の変動による。特に現像スリーブの順方向回転では、上記のとおり、現像スリーブの規制ブレード近傍で現像剤が溜って詰まり、現像剤が圧縮されやすいために、現像スリーブの回転にともなう現像剤同士の摩擦力も増し、現像スリーブが回転すればするほどトナーの帯電量が増加して、初期のトナー帯電量からの帯電量変化が大きくなる。トナーの帯電量の変化が大きいことは、現像剤間の反発力の変化が大きいことを意味し、トナー帯電量が大きいほど現像剤間の反発力も大きくなって、現像剤同士の間が広がるため、現像剤のかさ密度が減少する。
【0019】本発明の目的は、コイル方式のトナー濃度検知センサーにより2成分現像剤のトナー濃度を検知して、現像剤のトナー濃度を制御する現像装置において、使用による現像剤の劣化等に起因した現像剤のかさ密度の変化を抑えて、検知センサーにより現像剤のトナー濃度を正確に検知して、良好な濃度制御を可能とした現像装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にかかる現像装置にて達成される。要約すれば、本発明は、非磁性トナーと磁性キャリアを混合した現像剤を収容するとともに、現像剤を担持して回転する像担持体と対向した現像部へ搬送し、現像剤を像担持体上に形成された静電潜像の現像に供する、内側に磁石が非回転に配置された回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体上に担持された現像剤の層厚を規制して、現像に供する現像剤の量を調節する、現像剤担持体に対した規制部材とを有する現像容器に、現像剤トナー濃度制御装置の濃度検知手段を備え、前記検知手段はコイルセンサーであって、コイルのインダクタンスを利用して現像容器内の現像剤の見かけの透磁率の変化から、現像容器内の現像剤のトナー濃度を検知する現像装置において、前記非磁性トナーは、重合法により製造した球形状のトナーであることを特徴とする現像装置である。
【0021】本発明によれば、好ましくは、前記非磁性トナーの形状係数SF−1が100〜140、形状係数SF−2が100〜120である。前記現像剤担持体の回転方向が、像担持体との対向部で像担持体と逆方向に移動する向きであり、前記規制部材を現像剤担持体の下方に配置した。前記現像容器に現像剤撹拌手段を有し、前記コイルセンサーの設置位置を、撹拌手段による現像剤の撹拌時にコイルセンサーの検出面を流れる現像剤の流動が一定である箇所とした。
【0022】また好ましくは、前記磁性キャリアは、バインダー樹脂、磁性金属酸化物および非磁性金属酸化物から重合法により製造した高抵抗の樹脂磁性キャリアである。前記樹脂磁性キャリアの形状係数SF−1が100〜140、形状係数SF−2が100〜120である。前記樹脂磁性キャリアの比抵抗が1010〜1014Ωcmである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の現像装置の一実施例を示す断面図である。現像装置1は、非磁性トナーと磁性キャリアとを混合した2成分現像剤3を収容した現像容器5を備え、現像容器5の感光ドラム100と対面した開口部に、現像スリーブ9が感光ドラム100と所定の間隙を開けて近接置されている。現像スリーブ9の内側にはマグネットローラ7が固定配置される。マグネットローラ7は、磁極N1、S1、N2、N3、S2を有する。
【0025】また現像スリーブ9には規制ブレード11が所定の間隙で近接配置されている。本発明によれば、この規制ブレード11は、現像剤3の劣化等を抑え、これに起因した現像剤のかさ密度の変化を抑制できるようにするために、現像スリーブ9の下方位置に配置している。
【0026】現像容器5内の略下半分は、現像スリーブ9の方向に突出した隔壁13により現像室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー15、17が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー19を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口21が設けられている。
【0027】現像剤搬送スクリュー15は回転することによって、現像室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ9の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁13には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー15によって現像室R1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁13の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー17に受け渡される。スクリュー17の回転方向はスクリュー15と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像室R1から受け渡された現像剤およびトナー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー15とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁13の他方の開口を通って現像室R1に送り込む。
【0028】現像スリーブ9は、アルミニウムや非磁性ステンレス等の非磁性材料の円筒からなっており、その表面には適度な凹凸が設けられている。本発明によれば、この現像スリーブ9は、現像剤3の劣化等を抑え、これに起因した現像剤のかさ密度の変化を抑制できるようにするために、矢印a方向に回転する感光ドラム100との対向部が逆方向に移動する向きの矢印b方向の回転、つまり逆方向回転(カウンター方向回転)とされる。
【0029】上記構成の現像装置1により、感光ドラム100上に形成された静電潜像を現像するには、まず、現像スリーブ9がカウンタ方向に回転し、その表面に現像室R1内の現像剤3がマグネットローラ7の磁極N3、S2により汲み上げられ、担持される。現像スリーブ9上に担持された現像剤は、現像スリーブ9の回転にともない規制ブレード11に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ9と感光ドラム100とが対向した現像領域25に至る。マグネットローラ7の現像領域25に対応した部位には、磁極(現像極)S1が位置されており、現像極S1が現像領域25に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域25に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム100に接触し、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ9の表面に付着しているトナーが、感光ドラム100上の静電潜像の領域に転移して付着し、潜像が現像されトナー像として可視化される。
【0030】この現像剤の際、バイアス電源23により現像スリーブ9に感光ドラム100との間で、直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアスを印加し、現像を促進させることが好ましい。また現像スリーブ9の周速度Vbは、感光ドラム100の周速度の130〜200%の周速比であることが好ましい。感光ドラムに対する現像スリーブの周速比が130%未満では、十分な画像濃度が得られず、また200%を超えるとトナーの飛散が生じる。より好ましくは、現像スリーブの周速比は150〜180%である。
【0031】現像を終えた現像剤は、現像スリーブ9の回転にともない現像容器5内に戻され、磁極N2、N3間の反撥磁界により現像スリーブ9から剥ぎ取られ、現像室R1および撹拌室R2内に落下して回収される。
【0032】上記の現像により現像容器5内現像剤3のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現像剤のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3からトナー19を現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に落下補給し、現像剤3のT/Cを一定量に保つが、本発明では、その容器内5現像剤3のT/C比の検知に、コイル方式の濃度検知センサーを使用する。
【0033】図1に示すように、コイル方式の濃度検知センサーは、検出部としてコイルセンサー27を有し、本実施例では、このコイルセンサー27を撹拌室R2内の搬送スクリュー17の設置高さの位置に設置した。これは、この位置では、コイルセンサー27の検出面に、コイルのインダクタンスを利用して現像剤3の見かけの誘電率変化により現像剤のT/C比の変化を検知するのに十分な層厚の現像剤が接し、かつ搬送スクリュー17等の撹拌による現像剤の流動が一定状態を有するからである。従って、このような特性を有する位置ならば、原則として現像容器5のどこでも位置可能である。
【0034】本発明では、現像剤3の使用による劣化等を抑え、これに起因した現像剤のかさ密度の変化を抑えて、コイル方式のトナー濃度検知センサーにより現像剤のトナー濃度を正確に検知することを可能とするために、現像剤の構成成分の1つである非磁性トナーとして、重合法で製造した球形状のトナー(重合トナー)を使用した。本実施例では、モノマーに着色剤および荷電制御剤を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁重合した、懸濁重合法のトナーを使用した。しかし、重合法は上記に限られるものではなく、乳化重合法等を用いても構わず、また他の添加物が入っていても構わない。
【0035】重合トナー、特に懸濁重合法による重合トナーは、形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120である。この形状係数SF−1、SF−2とは、日立製作所製の電子顕微鏡FE−SEM(S−800)を用い、無作為にトナー粒子を100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製の画像解析装置(Lusex3)導入して解析し、下式より得られた値として定義した。
【0036】SF−1={(MXLNG)2 /AREA}×(π/4)×100SF−2={(PERI)2 /AREA}×(π/4)×100ただし、AREA:トナー投影面積、MXLNG:絶対最大長、PERI:周長【0037】形状係数SF−1は球形の度合を示し、数値が大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸の度合を示し、数値が大きくなると表面の凹凸が顕著になる。
【0038】従来の粉砕トナーでは、形状係数SF−1が180〜220、SF−2が180〜200であるから、形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120の重合トナーは、粒子形状が真円に近いことが分かる。
【0039】この重合トナーは、従来の粉砕トナーに比べて現像剤劣化に対する粒子の形状係数の変化も少ない。たとえば現像装置を5時間稼働したときに現像剤の撹拌、圧縮にともない形状係数の変化は、粉砕トナーでSF−1が120〜150、SF−2が120〜140と球形に近くなるのに対し、重合トナーではSF−1が100〜120、SF−2が100〜120とほとんど形状変化しない。これは、粉砕トナーの場合、撹拌によるトナーとキャリアの摩擦、トナー同士の摩擦により、トナー粒子表層の凹凸が削り取られて球形に近くづくため、形状係数の変化が大きいが、重合トナーの場合はもともと真円に近く、粉砕トナーのような形状変化の要因が少ないため、形状変化が少ないことを意味する。
【0040】このように粉砕トナーは粒子形状の変化が大きく、従って現像剤同士の接触面積の変化も大きく、空隙率、かさ密度の変化も大きい。これに対し、重合トナーは粒子形状の変化が少ないから、かさ密度の変化も少ない。故にコイル方式のトナー濃度検知センサーを重合トナーを使用した2成分現像剤に適用すれば、その出力の変動を少なくでき、現像剤のT/C比(トナー濃度)をより正確に検知することが可能となる。
【0041】前述したように、従来の現像装置では、図4に示すように、現像スリーブ109を感光ドラム100に対し順方向回転し、規制スリーブ111を現像スリーブ109の上方に配置した。そのためマグネットローラN3、S2により汲み上げた現像スリーブ109上の現像剤は、現像スリーブ9上方の規制スリーブ109の近傍に次々に搬送されて詰め込まれていき、規制スリーブ11の近傍で圧縮される。
【0042】これに対し本実施例では、前記したように、現像スリーブ9を感光ドラム100に対し逆方向回転させるとともに、規制スリーブ11を現像スリーブ9の下方に配置した。従って、マグネットローラ7の磁極N3、S2により現像剤を現像スリーブ9上に汲み上げ、その現像剤を現像スリーブ9の回転により、現像スリーブ9の下方の規制スリーブ11に搬送して規制している。このため、従来の現像装置のような、現像容器から現像剤を汲み上げる機構が必要でなく、現像スリーブ9のマグネットローラ7の磁極S2、N3の磁力を従来よりも弱めることができるため、現像スリーブ9と規制ブレード11との間の磁気的拘束力を弱めることができ、また現像スリーブ9上でのコートむらを防止するための、現像スリーブ9と規制ブレード11の間の現像剤溜りを作る必要がない。これにより、現像スリーブ9上の現像剤の規制スリーブ11の近傍での圧縮が抑えられ、その結果、現像剤の劣化を防止し、またトナーの帯電量の変動を抑えることが可能である。
【0043】従って、本実施例では、現像剤の圧縮にともなうトナーの形状変化を抑え、それによる現像剤のかさ密度変化を抑制し、また現像剤の圧縮にともなうトナー帯電量変化を抑え、それによる現像剤同士の反撥から生じる現像剤のかさ密度変化を減少させることができる。その結果、コイル方式のトナー濃度検知センサーの出力変動を抑え、現像剤のT/C比(トナー濃度)をより正確に検知することが可能となる。
【0044】以上のように、本実施例では、現像スリーブ9を逆方向回転とし、規制スリーブ11を現像スリーブ9の下方に配置することにより、現像剤の圧縮によるトナー形状の変化等にともなう現像剤のかさ密度の変化を抑制するとともに、そのトナーに形状変化を生じにくい球形状の重合トナーを使用して、トナーの面からも現像剤のかさ密度の変化を抑制するようにしたので、コイル方式のトナー濃度検知センサーにより、現像剤のT/C比をより正確に検知して、良好に濃度制御することができる。
【0045】本実施例に合致するように、キヤノン製の複写機CLC700の現像器を改造して画像形成に使用し、実機により本実施例の効果を確認した。画像形成は、原稿の画像比率を異ならせて5万枚行ない、その間、現像剤のT/C比を7%を中心に±1%に維持するように、現像剤のT/C比が6%になった時点でトナーの補給を開始し、T/C比が8%になった時点でトナーの補給を停止する態様で濃度制御した。
【0046】その結果、図2に示すように、現像剤のT/C比を7%を中心に±1%に良好に制御することができた。
【0047】本発明の他の実施例について説明する。
【0048】前の実施例では、2成分現像剤のかさ密度の変化を抑制するために、現像スリーブ9を感光ドラム100に対し逆方向回転とし、規制ブレード11を現像スリーブ9の下方位置に配置し、そして2成分現像剤の非磁性トナーとして重合法による球形状トナーを用いた。本実施例では、前の実施例に加えて、磁性キャリアの材質を変えることにより、つまり高抵抗の磁性キャリアを使用することにより、2成分現像剤のかさ密度の変化を抑制するようにした。
【0049】本実施例では、高抵抗の磁性キャリアとして、バインダー樹脂、磁性金属酸化物および非磁性金属酸化物から重合法により製造した樹脂磁性キャリアを使用した。しかし、他の方法で製造した高抵抗の磁性キャリアでも使用することができる。
【0050】図3は、本実施例で使用する高抵抗の磁性キャリア(樹脂磁性キャリア)と従来のフェライト系の磁性キャリアとを用いた場合の、現像剤のT/C比の変化に対するトナーの帯電量変化を示すグラフである。図3に示されるように、従来のフェライト系磁性キャリアの場合は、トナーの帯電量変化が大きいのに対し、本実施例の高抵抗の磁性キャリア(低磁化キャリア)の場合は、トナーの帯電量変化が少ない。この違いは以下のように考察される。
【0051】フェライト系キャリアはSF−1が140〜180、SF−2が145〜185であり、フェライト系キャリアは粒子表層の凹凸が大きい。このためフェライト系磁性キャリアはトナーとの接触面積が広く、トナーに対する摩擦帯電電荷の付与能力が高い。またフェライト系キャリアはキャリア自体の抵抗が低いために、トナーへの摩擦帯電電荷に対しトナーから受け取る反対電荷をキャリア内に蓄積することが少なく、キャリアの帯電が飽和しずらい。このためキャリアがトナーを高い帯電性で帯電でき、またそのトナーの帯電量がT/C比の変化、つまりトナーとキャリアの接触頻度の増減に応じて大きく変動する。しかし、T/C比が高くなると、トナーがキャリアの表面を被覆する面積が大きくなるので、トナーがキャリアと接触面積が減り、トナーの帯電量変化が小さくなる。このようなことから、図3のT/C比≒5.5〜8.5%の範囲において、トナーの帯電量がT/C比が低いところでトナー帯電量がかなり高く、T/C比の増大とともにトナー帯電量が大きく低下し、T/C比が大きいところでトナー帯電量の低下が小さくなるものと思われる。
【0052】これに対し、高抵抗キャリアは形状係数SF−1が100〜140、SF−2が100〜120であり、粒子表層の凹凸が少ないために、フェライト系キャリアほど、トナーとの接触面積が広くはなく、トナーに対する摩擦帯電電荷の付与能力も高くはない。また高抵抗キャリアはキャリア自身の比抵抗が1010〜1014Ωcmと高いため、トナーへの摩擦帯電電荷に対しトナーから受け取る反対電荷をキャリア内に蓄積することが多く、キャリアの帯電が飽和しやすい。このためキャリアによるトナーの帯電性はT/C比が変化しても大きく変化することはなく、T/C比≒5.5〜8.5%の範囲において、トナーの帯電量はT/C比の増大とともにわずかに漸減するのみで、ほとんど変化しないものと思われる。
【0053】本実施例では、2成分現像剤の磁性キャリアとして、以上のような帯電付与特性を有する高抵抗磁性キャリアを使用し、T/C比の変化に対するトナーの帯電量変化を抑制する。これによりトナーの帯電量の違いによる現像剤同士の反撥の相違を抑えて、現像剤の反撥による現像剤のかさ密度の変化を減少させることができる。従って、前の実施例における現像剤のかさ密度変化の抑制と組合せることにより、コイル方式のトナー濃度検知センサーの出力変動をさらに抑えて、現像剤のT/C比(トナー濃度)の検知をさらに一段と正確にすることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、現像装置の現像剤担持体の回転方向を像担持体との対向部で逆方向に移動する向きとし、現像剤規制部材を現像剤担持体の下方に配置し、そしてさらに現像剤の非磁性トナーに重合法で製造した球形状のトナーを使用したので、規制部材近傍での現像剤の圧縮や現像剤同士の摩擦によるトナーの劣化、トナーの形状変化、帯電量変化等を抑えて、これらに起因した現像剤の使用によるかさ密度の変化を抑えることができる。従って、コイル方式のトナー濃度検知センサーにより現像剤のトナー濃度を正確に検知して、良好な濃度制御を可能とすることができる。さらに、磁性キャリアとして重合法により製造した高抵抗の樹脂磁性キャリアを使用した場合には、現像剤のかさ密度の変化を一段と抑制することができ、現像剤のトナー濃度検知を一段と正確にでき、濃度制御の精度をさらに向上することができる。本発明の現像装置によれば、小スペース、低コストな画像形成装置に使用するのに好適である。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013