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発明の名称 採光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−149809
公開日 平成11年(1999)6月2日
出願番号 特願平9−314033
出願日 平成9年(1997)11月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
発明者 横谷 良二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 建物に設けられた採光口の東西方向に対向する端部の少なくとも一方の近傍に下端が設置され且つ上端が東西方向の採光口の外側に傾斜する1次反射鏡と、採光口の東西方向に対向する端部のうち1次反射鏡の下端に対向する端部と1次反射鏡の間に1次反射鏡の下端と略平行な下端を有し且つ1次反射鏡に近接する側に上端を有する放物面鏡より成る2次反射鏡とを備えた採光装置であって、1次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、下端が採光口の法線方向に対して採光口と略同じ高さに設置され且つ東西方向に対して少なくとも採光口の端部より外側に位置し、上端が少なくとも2次反射鏡の上端より上方に位置するように形成され、2次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、法線方向に対して採光口の外側に位置するとともに上端が少なくとも1次反射鏡の上端より採光口側にあり、焦点が法線方向に対して採光口の外側になく且つ東西方向に対して採光口の端部より内側に位置するように形成されたことを特徴とする採光装置。
【請求項2】 1次反射鏡が平面鏡から成ることを特徴とする請求項1記載の採光装置。
【請求項3】 1次反射鏡の水平面とのなす角度を45°以上としたことを特徴とする請求項1又は2記載の採光装置。
【請求項4】 2次反射鏡の上端が、東西方向に対向する採光口の一方の端部の略真上に位置することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の採光装置。
【請求項5】 採光口の東西方向略中央に対して東西両側に1次反射鏡及び2次反射鏡が設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の採光装置。
【請求項6】 1次反射鏡の北側に設置される補助反射鏡と、一方の面に複数のプリズムを有し1次反射鏡の南側に設置される鋸歯状プリズムとの少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の採光装置。
【請求項7】 1次反射鏡及び2次反射鏡の少なくとも一方がプリズムにて形成されたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の採光装置。
【請求項8】 1次反射鏡と水平面とのなす角度を略60°としたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の採光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物に設けられた採光口に太陽光を導く採光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図27は任意の1日における太陽の軌跡(日の出から日没までの太陽が通る道筋)を表した模式図である。太陽の軌跡は季節によって変化し、その変化は春分及び秋分の頃を中心として夏至並びに冬至の頃に最大となるが、その変化はさほど大きなものではなく、1日の中では東から西へ一平面上を移動している。
【0003】ところで、従来より太陽光を建物の中に導いて採光する装置が種々提案されている。例えば、特開平7−27425号公報に記載されている集光装置及び蓄熱装置は、拠物鏡(放物面鏡)で太陽光を1次反射させるとともに、この1次反射光を拠物鏡内面側に設置された凹面鏡で2次反射させ、拠物鏡中央部に設けた開口部に導光するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に記載されている従来装置では、拠物鏡の焦点を通る拠物鏡の対称軸に平行な光が凹面鏡近傍の焦点に集光され、凹面鏡を介して拠物鏡の開口部に設けられた光ファイバ等の光伝送手段に導光することができるが、拠物鏡に入射する光が上記対称軸方向からずれるにつれて拠物鏡での1次反射光が焦点付近に集光しなくなり、よって凹面鏡に入射する光も少なくなるために光伝送手段への導光量も減少してしまう。
【0005】従って、上記従来装置では太陽を追尾しない限りは、太陽の移動に伴う拠物鏡での1次反射光の焦点からのずれに対応できず、安定した採光ができないという問題がある。本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、太陽を追尾することなく太陽光を容易に採光口に導くことができ、小型の採光口でも有効に採光可能な採光装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記目的を達成するために、建物に設けられた採光口の東西方向に対向する端部の少なくとも一方の近傍に下端が設置され且つ上端が東西方向の採光口の外側に傾斜する1次反射鏡と、採光口の東西方向に対向する端部のうち1次反射鏡の下端に対向する端部と1次反射鏡の間に1次反射鏡の下端と略平行な下端を有し且つ1次反射鏡に近接する側に上端を有する放物面鏡より成る2次反射鏡とを備えた採光装置であって、1次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、下端が採光口の法線方向に対して採光口と略同じ高さに設置され且つ東西方向に対して少なくとも採光口の端部より外側に位置し、上端が少なくとも2次反射鏡の上端より上方に位置するように形成され、2次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、法線方向に対して採光口の外側に位置するとともに上端が少なくとも1次反射鏡の上端より採光口側にあり、焦点が法線方向に対して採光口の外側になく且つ東西方向に対して採光口の端部より内側に位置するように形成されたことを特徴とし、太陽高度が水平面と1次反射鏡とのなす角度よりも大きくなったときに1次反射鏡の反射光の少なくとも一部が2次反射鏡で反射されて採光口に導かれ、太陽を追尾することなく太陽光を容易に採光口に導くことができ、小型の採光口でも有効に採光が可能となる。しかも、1次反射鏡が水平面となす角度を変えることで採光範囲並びに採光量を容易に調整することができる。
【0007】なお、請求項2の発明のように、1次反射鏡は平面鏡から成るものであることが望ましい。また、請求項3の発明のように、1次反射鏡の水平面とのなす角度を45°以上とすれば、昼間の採光量を確保しつつ可能な限り採光範囲を拡げることができる。
【0008】さらに、請求項4の発明のように、2次反射鏡の上端が、東西方向に対向する採光口の一方の端部の略真上に位置するようにすることが望ましい。請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、採光口の東西方向略中央に対して東西両側に1次反射鏡及び2次反射鏡が設けられたことを特徴とし、採光範囲をさらに拡げ且つ採光量を増大させることができる。
【0009】請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、1次反射鏡の北側に設置される補助反射鏡と、一方の面に複数のプリズムを有し1次反射鏡の南側に設置される鋸歯状プリズムとの少なくとも一方を備えたことを特徴とし、季節による太陽の軌跡の変化に対して補助反射鏡や鋸歯状プリズムにより採光量の減少を抑えることができ、年間を通じて安定した採光が可能となる。
【0010】請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、1次反射鏡及び2次反射鏡の少なくとも一方がプリズムにて形成されたことを特徴とし、採光範囲をさらに拡げることができる。請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、1次反射鏡と水平面とのなす角度を略60°としたことを特徴とし、比較的に効率良く採光することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1に本発明の実施形態1の斜視図を示す。家屋やビルディング等の建物に長手方向が南北方向に略一致した矩形の採光口10が設けられ、その採光口10の上に本実施形態の採光装置が設置される。この採光装置は、矩形のアルミ板の片面に銀を蒸着して正反射率の高い鏡面1aが形成された1次反射鏡1と、断面形状が放物線となる面(以下、このような面を「放物面」と呼ぶ。)を有する矩形のアルミ板の内側面に銀を蒸着して正反射率の高い鏡面2aが形成された放物面鏡から成る2次反射鏡2と、ガラスやアクリル樹脂のような透光性を有する部材により蒲鉾型に形成され、1次反射鏡1、2次反射鏡2並びに採光口10を覆うように採光口10の上方に設置されるカバー3とを備えている。
【0012】1次反射鏡1は、長手方向に対向する一方の端(下端)が採光口10の東側の端部近傍に設置され、他方の端(上端)が採光口10の外側(東側)へ採光口10を含む平面とのなす角度が60°となるように傾斜させてある。また、1次反射鏡1の上端及び下端の長さは採光口10の長手方向の長さ(南北方向の長さ)と略同一にしてあり、さらに採光口10を含む平面と上端との距離(高さ)が後述する2次反射鏡2の高さの2倍にしてある。
【0013】一方、2次反射鏡2は、採光口10の西側の端部近傍に下端が設置され、鉛直線を軸とし焦点が採光口10の東端と一致するような放物面を有している。また2次反射鏡2の上端及び下端の長さは採光口10の長手方向の長さ(南北方向の長さ)と略同一にしてあり、さらに採光口10を含む平面と2次反射鏡2の上端との距離(高さ)が南北方向に対向する採光口10端部の長さの2倍にしてある。このため、2次反射鏡2の上端が採光口10の東端の真上に位置することとなる。
【0014】ここで本実施形態の採光装置は、1次反射鏡1及び2次反射鏡2が春分及び秋分の頃の太陽の軌跡面M(図27参照)と直交するとともに採光口10に対する垂線が春分及び秋分の南中方向を向くように設置してある。なお、1次反射鏡1及び2次反射鏡2は銀の代わりにアルミを蒸着したり、あるいはアルミ板の代わりに鋼板やステンレス板の表面にアルミや銀を蒸着して成るものでもよい。また、本実施形態を含めて以下の全ての実施形態において、採光口10は建物に直接取り付けられる所謂採光窓を意味するものではなく、採光装置の真下に設けられた太陽光の取り入れ口である。
【0015】本実施形態においては、太陽高度が採光口10を含む面と1次反射鏡1のなす角(=60°、この角を傾斜角θと呼ぶ。)よりも高くなると、図2(a)に示すように1次反射鏡1の鏡面1aで反射される太陽光(1次反射光)が2次反射鏡2の鏡面2aに入射するようになる。而して、2次反射鏡2が放物面形状であるから、1次反射光の一部が2次反射鏡2の鏡面2aに対して採光口10を含む平面よりも上からの角度で入射した場合にその反射光(2次反射光)が全て2次反射鏡2の焦点よりも2次反射鏡2側を通ることになる。さらに2次反射鏡2の焦点が採光口10の東西方向の端部よりも内側で且つ採光口10を含む平面以下(下方)に位置するため、1次反射光の入射角度が採光口10を含む平面よりも上方向であれば、2次反射鏡2による2次反射光の全てがその下方に位置する採光口10に入射することになる。なお、太陽高度が上記傾斜角θ近傍である場合には、採光装置による採光以外に1次反射鏡1と2次反射鏡2の隙間から直接採光口10に入射する光(太陽光)もあり、全体の採光量は1次反射鏡1と2次反射鏡2の反射による採光量と上記直接光による採光量との和になる。
【0016】ここで、採光装置の有無による採光量の違いを比較する場合、採光口10並びに1次反射鏡1の受光面積の太陽光に垂直な平面への正射影の面積で表すことができ、図2及び図3に示すように採光装置を用いた場合の方が採光口10のみで採光する場合に比較して採光量が増加することは明らかである。また、採光装置により採光が可能な太陽高度の範囲(以下、これを「採光範囲」と呼ぶ。)は、本実施形態の場合には太陽光が1次反射鏡1の鏡面1aに入射する角度(=60°)から、1次反射光が採光口10に対して略水平方向に反射される角度(=120°)までの間である。但し、上記角度は東方向を0°として規定している。また、本実施形態においては、太陽高度が90°を越えると2次反射鏡2によって遮られるために1次反射鏡1の鏡面1aに入射する太陽光が少なくなり、採光量も減少する(図2(b)参照)。従って、効率良く採光できる採光範囲は60°〜90°の間ということになる。
【0017】本実施形態によれば、太陽光を容易に集光し小型の採光口10であっても有効に採光することができ、単位面積当たりの採光量を増加させることが可能となる。また、太陽の移動に関わらず、採光装置を固定した状態で安定して採光することができる。但し、簡易な可動構造を具備することでより安定した採光が可能となる。さらに、構成が簡単であることからコストが安く、且つ軽量であって屋根等に設置する場合にも施工がし易いなどの利点がある。しかも、1次反射鏡1の傾斜角θを変えることで採光範囲や採光量を容易に調整することができる。
【0018】なお、1次反射鏡1の長手方向の寸法は本実施形態に限定されるものではなく、長ければ長い程採光時間の初期(太陽高度が低い期間)における採光量を増加させることができるが、長さの増加量に対する採光量の増加の割合は小さい。また、1次反射鏡1の上端及び下端の長さも採光口10の長手方向の長さよりも長くしてもよい。その場合には、季節に応じて太陽の軌跡面Mが南北方向にずれて本実施形態の採光装置に対して太陽光が斜め方向から入射した場合でも安定した採光が可能となる。さらに、本実施形態とは逆に1次反射鏡1を採光口10の西端近傍に設置するとともに2次反射鏡2を採光口10の東端近傍に設置するようにしてもよく、その場合には採光範囲が変化するものの同様の効果を奏することができる。
【0019】(実施形態2)本実施形態は、実施形態1の構成において、図4に示すように1次反射鏡1の傾斜角θを45°とすることにより、昼間にも充分な採光量を確保しつつ可能な限り採光範囲を拡げるようにした点に特徴があり、他の構成は実施形態1と共通であるから説明は省略する。
【0020】図5(c)に示すように、太陽光が鉛直方向から1次反射鏡1の鏡面1aに入射する場合(およそ正午頃)、鏡面1aでの1次反射光が採光口10に対して略水平となるため、このときの太陽高度が採光範囲の上限となる。また、このことから1次反射鏡1の傾斜角θが45°以下になると、正午頃の太陽光の1次反射光が採光口10を含む平面に対して上向きとなり、2次反射鏡2の鏡面2aに対しては採光口10を含む平面より下方向からの入射光となるため、2次反射鏡2の鏡面2aにおける2次反射光が採光口10の外側に照射され、採光口10から採光することができない。従って、図5(a)及び(b)に示すように昼間にも充分な採光量を確保しつつ可能な限り採光範囲を拡げることができる1次反射鏡1の傾斜角θの下限値が45°ということになる。
【0021】(実施形態3)図6に本発明の実施形態3の斜視図を示す。本実施形態は、採光口10の東西方向略中央に対して東西両側に1次反射鏡11 ,12 及び2次反射鏡21 ,22を設けた点に特徴があり、基本的な構成に関しては実施形態1と共通であるので、共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0022】図6及び図7に示すように、採光口10の東西両端近傍に各々採光口10を含む平面に対して所定の傾斜角θで採光口10の外側に傾斜するように1次反射鏡11 ,12 の下端が設置されるとともに、各1次反射鏡11 ,12 の鏡面1aと鏡面2aが対向するように2次反射鏡21 ,22 の下端が採光口10の東西方向略中央に設置されている。
【0023】而して本実施形態では、太陽が東寄りにある場合には東側の1次反射鏡11 並びに2次反射鏡21 で採光し、太陽が西寄りにある場合には西側の1次反射鏡12 並びに2次反射鏡22 で採光するため、実施形態1に比較して採光範囲を約2倍にすることができる。但し、1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2 を調節することにより、全ての反射鏡11 …を用いて採光することができ、効率の良い採光が可能となる。
【0024】なお、図8及び図9に示すように、1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2をそれぞれ45°とすれば、太陽高度が45°〜90°の範囲では東側の1次反射鏡11 及び2次反射鏡21 で採光し、太陽高度が90°〜135°の範囲では西側の1次反射鏡12 及び2次反射鏡22 で採光することができ、昼間にも充分な採光量を確保しつつ可能な限り採光範囲を拡げることができるとともに実施形態2に比較して採光範囲を約2倍にすることが可能となる。
【0025】ところで、1次反射鏡11 …、2次反射鏡21 …並びにカバー3から成る採光装置は、例えば図10に示すように一般の住居や工場等の建物Hの屋根上に設置され、内面にアルミや銀が蒸着されて鏡面処理が施されたダクトDを通して採光した光が屋内に導かれるようになっている。なお、ダクトDの終端には拡散透過板11が配設されており、導入された光が拡散されて室内に照射される。なお、ダクトDの代わりに復数本の光ファイバを束ねたものを用いて採光した光を屋内に導くようにすることも可能である。あるいは、図11に示すように吹き抜けの中庭(アトリウム)Cを有するビルBの屋上に設けられた採光口10の上に採光装置が配設されたり、図12に示すように所謂ライトガイドGに連通する導光ダクトDの採光口10の上に採光装置が配設され、採光した光を導光ダクトDを通してライトガイドGに導き、照明器具等による人工光と併用される場合もある。
【0026】(実施形態4)本実施形態は、図13に示すように実施形態3の構成において1次反射鏡11,12 の傾斜角θ1 ,θ2 をそれぞれ60°に設定したものである。すなわち、実施形態3のように傾斜角θ1 ,θ2 が45°に設定されると、太陽が東寄りの場合には東側の1次反射鏡11 と2次反射鏡21 により採光し、西寄りの場合には西側の1次反射鏡12 と2次反射鏡22 によって採光し、さらに正午頃のみ両方の1次反射鏡11 ,12 及び2次反射鏡21 ,22 によって採光することになる。
【0027】しかしながら、本実施形態のように傾斜角θ1 ,θ2 を60°に設定した場合、太陽高度が60°に達して採光範囲に入ったときに図14(a)に示すように西側の1次反射鏡12 による1次反射光が略水平になり、そこから太陽高度が上がるに連れて西側の1次反射鏡12 による1次反射光が水平よりも上方から2次反射鏡22 の鏡面2aに入射することになる。
【0028】図15に1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2 を45°〜65°の範囲で5°毎に変えたときの採光量を比較した結果を示す。なお、横軸は1次反射鏡11 ,12 への太陽光の入射角度、縦軸は太陽高度が90°のときに採光口10からの採光量を1とした場合の比率(採光量比率)をそれぞれ表し、曲線イが採光口10のみのとき、曲線ロが傾斜角45°のとき、曲線ハが傾斜角50°のとき、曲線ニが傾斜角55°のとき、曲線ホが傾斜角60°のとき、曲線ヘが傾斜角65°のときの採光量比率を各々表している。この図からも明らかなように、1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2 が60°の場合(曲線ホ)に入射角度60°〜90°の範囲で最も効率良く採光することができる。
【0029】一方、図16は1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2 を60°とした本実施形態の採光装置による実際の採光量を測定した結果を示すグラフである。測定場所は千葉県の某所、測定日時は6月下旬で天候は薄曇りであった。また、採光口10を縦横15〔cm〕の正方形とした。而して、太陽高度が60°(東側から60°)から120°(西側から60°)の範囲では採光口10だけの場合(同図中の曲線α参照)に比較して本実施形態の採光装置を用いることで採光量を大幅に増加ささせることができる(同図中の曲線β参照)。
【0030】上述のように本実施形態によれば、採光範囲(60°〜120°)の全てにおいて東西両側の反射鏡11 …で採光することができるため、最も効率の良い採光が可能となる。
(実施形態5)図17に本発明の実施形態5の斜視図を示す。本実施形態は、南北方向の寸法を長くした採光口10の東端近傍に1次反射鏡11 と2次反射鏡22 を並設するとともに西端近傍の1次反射鏡11 と対向する位置に2次反射鏡21 、2次反射鏡22 と対向する位置に1次反射鏡12 をそれぞれ並設した点に特徴がある。なお、その他の構成については実施形態1及び3と共通であるから説明は省略する。
【0031】上述のように2組の1次反射鏡11 ,12 、2次反射鏡21 ,22 を採光口10の東西両端近傍に設置したことにより、太陽が東寄りにある場合には南側に設置された1次反射鏡11 並びに2次反射鏡21 で採光し、太陽が西寄りにある場合には北側に設置された1次反射鏡12 並びに2次反射鏡22 で採光するため、実施形態3と同様に実施形態1に比較して採光範囲を約2倍にすることができる。但し、1次反射鏡11 ,12 の傾斜角θ1 ,θ2 を調節することにより、全ての反射鏡11 …を用いて採光することができ、効率の良い採光が可能となる。
【0032】(実施形態6)図18に本発明の実施形態6の斜視図を示す。本実施形態は、実施形態3の構成において1次反射鏡11 ,12 の北側に補助反射鏡4を設置した点に特徴があり、その他の構成は実施形態3と共通するので同一の符号を付して説明は省略する。
【0033】補助反射鏡4は略台形のアルミ板や鋼板の片面に銀を蒸着することで鏡面4aが形成され、その鏡面4aを南側(1次反射鏡11 ,12 及び採光口10の側)へ向けて設置される。ところで、補助反射鏡4を含めた本実施形態の採光装置は、採光口10の法線方向が夏至の南中方向に一致する向きに配置されている。そして、このような向きに採光装置が配置された場合には、太陽の軌跡面が季節によって南北方向に変化するため、1次反射鏡11 ,12 の鏡面1aに入射する太陽光も南側へずれることになる。この場合には各反射鏡11 ,12 、21 ,22 による反射光も南北方向にずれるので、反射光の一部が採光口10に入射せずに採光口10の北側へ外れてしまう(図19(a)参照)。而して、本実施形態では1次反射鏡11 ,12 の北側に鏡面4aを有する補助反射鏡4を設置することにより、図19(b)に示すように太陽光及び反射光のうちで北側にずれる分を補助反射鏡4の鏡面4aで南側(採光口10の側)へ反射させて採光口10への採光量を増加させることができる。
【0034】上述のように本実施形態によれば、季節により太陽光の入射方向が傾いた場合であっても、補助反射鏡4によって再度採光口10の方へ反射させることで採光量を増加させることができ、年間を通じてさらに安定した採光が可能となる。なお、補助反射鏡4の採光口10を含む平面からの高さ寸法は2次反射鏡21 ,22 の高さ以上且つ1次反射鏡11 ,12 の高さ以下とすれば、効率良く採光することが可能である。
【0035】(実施形態7)図20に本発明の実施形態7の斜視図を示す。本実施形態は、実施形態6の構成において1次反射鏡11 ,12 の南北方向の長さを採光口10の南北方向の長さ(東西方向に対向する両端の長さ)よりも長く且つ1次反射鏡11 ,12 の下端並びに上端が採光口10の南端よりも南側に突出するように設置した点に特徴がある。なお、他の構成については実施形態6と共通であるから説明は省略する。
【0036】而して、本実施形態によれば、季節により太陽光の入射方向が南側にずれることを考慮して、その南側にずれる角度分だけ1次反射鏡11 ,12 を採光口10の南側に延ばすことで1次反射鏡11 ,12 及び2次反射鏡21 ,22 による反射光をより多く採光口10へ入射させることができ、実施形態6に比較して年間を通じた採光量を増加させることができるという利点がある。
【0037】(実施形態8)図21に本発明の実施形態8の斜視図を示す。本実施形態は、実施形態6の構成において1次反射鏡11 ’,12 ’に所謂マイクロプリズムシートを用いた点に特徴があり、その他の構成は実施形態6と共通であるので説明は省略する。1次反射鏡11 ’,12 ’を構成するマイクロプリズムシートは、ポリカーボネイト樹脂等の透光性並びに可撓性を有する材料から成り、一方向に延びる微小なプリズム1b’を片面に多数互いに略平行に具備するとともにプリズム1b’のない他方の面が略平滑な面1a’となっているシート材(例えば、スリーエム社製のオプティカル・ライティング・フィルム(OLF)など)である。また、このマイクロプリズムシートは平滑面1a’側から入射する光のうちでプリズム1b’の長手方向に所定の角度で且つ平滑面に垂直な方向に所定の角度を有する範囲を通る光を全反射(正反射)するとともに当該範囲の外側を通る光をプリズム1b’側へ透過し、プリズム1b’のある側の面から入射する光の大部分を透過させるという光学的性質を有している。
【0038】なお、本実施形態では平滑面1a’を採光口10側に向けるとともに、プリズム1b’の延びる方向を上下方向に一致させてある。而して、上述のようなマイクロプリズムシートを1次反射鏡11 ’,12 ’に用いれば、図22(a)に示すように朝方の高度の低いときの太陽光が東側の1次反射鏡11 ’を透過して2次反射鏡21 の鏡面2aに入射し、2次反射鏡21で反射されて採光口10に入射することになる。また、昼に近くなり太陽高度が上がれば、実施形態6と同様に1次反射鏡11 ’,12 ’の平滑面1a’で反射された太陽光(1次反射光)が2次反射鏡21 ,22 で反射されて採光口10に入射することになる(図22(b)参照)。さらに、夕方には西側に設置されている1次反射鏡12 ’を透過して2次反射鏡22 の鏡面2aで反射された光が採光口10に入射することになる。
【0039】上述のように本実施形態によれば、1次反射鏡11 ’,12 ’をマイクロプリズムシートで構成したことにより、実施形態6に比較してさらに広い範囲(早朝から日没まで)で採光が可能になるという利点がある。
(実施形態9)図23に本発明の実施形態9の斜視図を示す。本実施形態は、実施形態8の構成において2次反射鏡21 ’22 ’をマイクロプリズムシートにより構成した点に特徴があり、その他の構成は実施形態8と共通するので説明は省略する。
【0040】実施形態8で説明したようにマイクロプリズムシートは可撓性を有する材料から成るため、2次反射鏡21 ’,22 ’のような放物面形状にも容易に加工することができる。なお、2次反射鏡21 ’,22 ’は平滑面2a’が採光口10側を向き、且つプリズム2b’の延びる方向が上下方向に一致するように設置される。
【0041】而して、本実施形態においては昼間の太陽高度が高い場合に、図24(b)に示すように採光口10の上方からの太陽光が2次反射鏡21 ’,22 ’を透過して直接採光口10に入射することになる。すなわち、実施形態8の構成では上記の場合に2次反射鏡21 ,22 によって遮られて太陽光が採光口10に直接入射することが殆ど無かったが、本実施形態の構成であれば2次反射鏡21 ’,22’のプリズム2b’側の面から入射する太陽光が2次反射鏡21 ’,22 ’を透過して直接あるいは補助反射鏡4に反射して採光口10に入射することになり、実施形態8に対して昼間の採光量を増加させることができるという利点がある。
【0042】(実施形態10)図25に本発明の実施形態10の斜視図を示す。本実施形態は、実施形態6の構成において、1次反射鏡11 ,12 の南側に鋸歯状プリズム5を設置した点に特徴があり、その他の構成は実施形態6と共通であるから説明は省略する。上記鋸歯状プリズム5は片方の面に複数のプリズム5aが略平行に列設されて成り、プリズム5aが列設されている面を南に向けて1次反射鏡11 ,12 の南側に設置される。
【0043】ところで、冬場の太陽光が1日の太陽高度が最も低く且つ最も南寄りとなるため、採光装置に対しても最も南寄り且つ低い角度から太陽光が入射することになり、各反射鏡11 …からの反射光の南北方向のずれ量も大きくなって補助反射鏡4を用いても採光量が減少してしまう。そこで、本実施形態のように1次反射鏡11 ,12 の南側に鋸歯状プリズム5を設置すれば、図26に示すようにプリズム5aに入射した太陽光が鉛直下向きに屈折して鋸歯状プリズム5を透過するため、冬場でも太陽光が採光口10に入射し易くなって採光量を増加させることができる。なお、プリズム5aの傾斜角は冬至の南中方向からの太陽光が南側から入射したときに、鋸歯状プリズム5の上端を透過する透過光が採光口10の北側の端に入射するような角度に設定すればよく、その場合に最も効率良く採光することができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明は、建物に設けられた採光口の東西方向に対向する端部の少なくとも一方の近傍に下端が設置され且つ上端が東西方向の採光口の外側に傾斜する1次反射鏡と、採光口の東西方向に対向する端部のうち1次反射鏡の下端に対向する端部と1次反射鏡の間に1次反射鏡の下端と略平行な下端を有し且つ1次反射鏡に近接する側に上端を有する放物面鏡より成る2次反射鏡とを備えた採光装置であって、1次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、下端が採光口の法線方向に対して採光口と略同じ高さに設置され且つ東西方向に対して少なくとも採光口の端部より外側に位置し、上端が少なくとも2次反射鏡の上端より上方に位置するように形成され、2次反射鏡は、上端及び下端の南北方向の長さが少なくとも採光口の南北方向の長さと略同一であって、法線方向に対して採光口の外側に位置するとともに上端が少なくとも1次反射鏡の上端より採光口側にあり、焦点が法線方向に対して採光口の外側になく且つ東西方向に対して採光口の端部より内側に位置するように形成されたので、太陽高度が水平面と1次反射鏡とのなす角度よりも大きくなったときに1次反射鏡の反射光の少なくとも一部が2次反射鏡で反射されて採光口に導かれ、太陽を追尾することなく太陽光を容易に採光口に導くことができ、小型の採光口でも有効に採光が可能となるという効果がある。しかも、1次反射鏡が水平面となす角度を変えることで採光範囲並びに採光量を容易に調整することができるという効果がある。
【0045】請求項3の発明は、1次反射鏡の水平面とのなす角度を45°以上としたので、昼間の採光量を確保しつつ可能な限り採光範囲を拡げることができるという効果がある。請求項5の発明は、採光口の東西方向略中央に対して東西両側に1次反射鏡及び2次反射鏡が設けられたので、採光範囲をさらに拡げ且つ採光量を増大させることができるという効果がある。
【0046】請求項6の発明は、1次反射鏡の北側に設置される補助反射鏡と、一方の面に複数のプリズムを有し1次反射鏡の南側に設置される鋸歯状プリズムとの少なくとも一方を備えたので、季節による太陽の軌跡の変化に対して補助反射鏡や鋸歯状プリズムにより採光量の減少を抑えることができ、年間を通じて安定した採光が可能となるという効果がある。
【0047】請求項7の発明は、1次反射鏡及び2次反射鏡の少なくとも一方がプリズムにて形成されたので、採光範囲をさらに拡げることができるという効果がある。請求項8の発明は、1次反射鏡と水平面とのなす角度を略60°としたので、比較的に効率良く採光することができるという効果がある。




 

 


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