| 発明の名称 |
複合金属制振板 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平11−201226 |
| 公開日 |
平成11年(1999)7月27日 |
| 出願番号 |
特願平10−6771 |
| 出願日 |
平成10年(1998)1月16日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】穂上 照忠 (外1名)
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| 発明者 |
藤本 隆裕 / 岡村 一男 |
| 要約 |
目的
構成
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特許請求の範囲
【請求項1】主金属板の上面および下面に補助金属板を断続的に接合した波板であることを特徴とする複合金属制振波板。 【請求項2】主金属板が波板であり、その波板の上部および下部に補助金属平板が断続的に接合されていることを特徴とする複合金属制振平板。
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発明の詳細な説明
【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数枚の金属板だけを積層した制振板に関し、特に溶接が可能で、強度および曲げ剛性が高く、しかも軽量な複合金属制振板に関する。 【0002】 【従来の技術】制振材料には、マグネシウム合金、黒鉛鋳鉄、クロム鋼、Cu−Mn合金、Fe−Cr−Al合金等からなる制振金属、または2枚の鋼板の間に高分子樹脂材料を挟んだサンドイッチ型制振鋼板がある。いずれも溶接による接合が困難であるとか、たとえ溶接が可能であっても溶接後の制振性能が低下するものが多い。 【0003】これを解消するものとして、金属板を積層して点溶接法または栓溶接法で部分的に結合することによって構成した複合金属制振板が提案されている(たとえば、特開昭61-37316号公報、特開昭61-37317号公報、特開昭61-119390号公報、特開昭61-182820号公報、特開平1-114432号公報参照)。また、ボルト接合方法または部分溶接の後加圧する方法で金属層間隔が50μm以下となる面積率を70%以上とする複合金属制振板が提案されている(たとえば、特開平5-196091号公報、特開平5-208212号公報参照)。 【0004】図3は、上記提案された複合金属制振板の一例を示す斜視図である。同図に示すように、この種の複合金属制振板M3は、主金属板1を2枚の補助金属板2-2で挟み、それぞれを貫通して接合する接合部3を複数箇所に設けた平板である。補助金属板2-2は、接合部3によって所定の間隔で主金属板1に直接または間接に結合され、主として制振性能を発現させる。主金属板1は、強度部材として用いられている。 【0005】このような複合金属制振板では、振動が伝播されると主金属板1と補助金属板2-2とは完全に一体的に接合されていないので、それぞれの金属板で振動モードが異なり、相互干渉作用が生じる。その結果、金属板どうしがこすれあい、その摩擦力による減衰作用によって優れた制振性能が得られる。また、それぞれの金属板は、成分組成に対する制限がないので、強度、靱性等の確保も容易である。さらに、制振性を付与するため有機物を使用しないので、金属板の端面を突き合わせ溶接を行うことも可能であり、溶接性、耐久性、耐火性などにも優れており、例えば船舶の床材や建築物の壁材などの構造材料として使用されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の複合金属制振板では、補助金属板には強度部材としての効果を期待できないので重量が嵩み、重量に対する曲げ剛性が小さい。したがって、重量を低減させるために補助金属板の板厚を小さくすることで対処しているが、補助金属板の厚さは制振性の面から主金属板の厚さの約1/16までが限界である。また、構造物に必要な曲げ剛性を得るためには主金属板の厚さをたとえば10mm以上必要とする、という問題がある。 【0007】本発明は、制振性および溶接性を損なうことなく、強度および曲げ剛性に優れ、軽量化された複合金属制振板を提供するにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、複合金属板について研究を重ね、複合金属板を波状に成形することによって制振効果、強度および曲げ剛性が向上することを確認し、本発明を完成した。その要旨は、下記■または■に示す複合金属制振板にある(図1参照)。 【0009】■主金属板1の上面および下面に補助金属板2を断続的に接合した波板である複合金属制振波板M1。 【0010】■主金属板1が波板であり、波板の上部および下部に補助金属板2-1が断続的に接合されている複合金属制振平板M2。 【0011】波板の形状は、波高さが20〜50mm、波ピッチ長さが50〜100 mmとするのが望ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】板材の曲げ剛性を向上させる方法として、板の形状を波形、あるいはハット型の凹凸を多数形成する方法が知られているが、上記のような複合金属制振板に適用した例は見られない。 【0013】図1は、本発明の複合金属制振板の斜視図であり、(a) は主金属板の上面および下面に補助金属板を接合した複合金属制振波板、(b) は主金属板の波板の上部および下部に補助金属平板が接合されている複合金属制振平板を示す図である。 【0014】図2は、本発明の複合金属制振波板を製造するための成形装置の一例を示す断面図である。 【0015】第1の発明は、図1(a)に示すように主金属板1および2枚の補助金属板2が波形に成形されており、それぞれが点接合部3によって結合されている複合金属制振波板M1である。これは、図2に示すように、ペイオフリール4から主金属板1を、2つのペイオフリール4aから2枚の補助金属板2を送り出し、それぞれの金属板をピンチロール5によって重ね合わせ、積層した後、たとえば長手方向に溝を設けた溝付きロール成形装置6によって波形に成形し、複合された波板の山部または谷部を点溶接機7で点溶接することによって製作される。 【0016】第2の発明は、図1(b)に示すように波形に成形された主金属板1の上部および下部に2枚の平板状の補助金属板2-1を点接合部3によって結合した複合金属制振平板M2である。この複合金属制振平板M2は、主金属板を図2に示すような長手方向に溝を設けた溝付きロール成形装置5で波形に成形し、成形された波板を2枚の平板状の補助金属板2-1で挟み、点接合することによって製作される。 【0017】次に、曲げ剛性について説明する。 【0018】図4は、平板および波板の曲げ剛性を計算する方法を説明するための図であり、(a)は平板の場合、(b)は波板の場合を示す図である。厚さh、幅bo、長さaの平板の曲げ剛性Dは、下記の(1) 式で表される。 【0019】 【数1】
【0020】ここで、Eは縦弾性係数、νはポアソン比を表す。 【0021】これに対して、図1(a)に示すような波板の曲げ剛性D1 は、図4(b)に示すように波形のピッチ長さをb、波形の1波長の曲線に沿った長さをbwとすると、波形状に対して直角方向では下記の(2)式で表される。 【0022】 【数2】
【0023】ここで、I1 は断面係数を表す。 【0024】平板の曲げ剛性Dと波板の曲げ剛性D1 を比較すると、【0025】 【数3】
【0026】となるので、波板の曲げ剛性の方が大きいことがわかる。 【0027】図5は、波形高さと剛性比との関係を示す図である。同図から、板厚さhと波形のピッチ長さbを一定(50mmおよび100mm)として波形の高さbhを変えたときの曲げ剛性を平板との比D1/Dの変化を表した図である。同図から、波の高さbhが大きくなればなるほど、平板の曲げ剛性に対する波板の曲げ剛性比D1/Dを大きくできることがわかる。 【0028】図6は、剛性を等しくしたときの相当板厚比と波高さとの関係を示す図である。同図は、板厚hと波形のピッチ長さbを一定(50mmおよび100mm)として波形の高さbhを変えたとき、波の高さbhと等しい曲げ剛性になる平板の板厚ha(相当板厚という)と板厚hとの比を表した図である。同図から、波の高さbhを大きくすると相当板厚haを大きくすることができる。 【0029】 【実施例】板幅1000mm、板厚2mmの主金属板用の鋼板コイル(炭素鋼JIS SPHC)と、板幅1000mm、板厚0.7mmの2つの補助金属板用の鋼板コイル(炭素鋼JIS SPHC)から図3に示すような成形装置を使用して第1の発明である複合金属制振波板(幅1000mm、長さ1000mm、波形は表1に示す)を製作した。また、主金属板用の鋼板コイルを成形装置で波板に成形し、2枚の補助金属板用の鋼板で前記波板を挟み、スポット溶接によって結合し、第2発明である複合金属制振平板(幅1000mm、長さ1000mm、波形は表1に示す)を製作した。比較例として、板幅1000mm、板厚2mmの主金属板用の鋼板と、板幅1000mm、板厚0.7mmの2枚の補助金属板用の鋼板を主金属板用の鋼板の両面に重ね合わせ、250mm間隔でスポット溶接によって結合し、図2に示すような複合金属制振板を製作した。 【0030】 【表1】
【0031】図7は、振動試験の状況を示す斜視図である。振動試験は、同図に示すように試験体Tの長さ方向の両端を支持板8で固定して、試験体Tの中央部に加振機10を配置し、加振が定常状態に達した後、加振を中止し、その後の中央部の鋼板の変位の変化を非接触的に変位計11で測定した。変位計の出力波形から対数減衰率を求め、減衰比に換算した。また、曲げ剛性は、荷重を加えたときの最大変位量を単位面積当たりの重量で除した値で評価した。 【0032】これらの試験で得られた単位面積当たりの重量、単位重量当たりの曲げ剛性、減衰比、および相当板厚比(相当板厚/実板厚)の関係を表1に示した。 【0033】表1から明らかなように、発明例の試験体1〜7は、単位重量当たりの最大変位量が0.00045〜0.0049と小さく、比較例の試験体8および9の約1/110〜1/10である。また、試験体1〜7の減衰率は0.020〜0.048であり、試験体8に比べると遜色ないが、試験体9に比べると格段に改善されている。 【0034】 【発明の効果】本発明の複合金属制振板は、重ね合わされたそれぞれの板が波形状にされ、断続的に接合されているので、曲げ剛性が大きく、減衰率も高い。しかも、樹脂を使用していないので、溶接することができるため、構造物部材に使用できる。
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