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発明の名称 直接噴射式ディーゼルエンジン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−93673
公開日 平成11年(1999)4月6日
出願番号 特願平9−273538
出願日 平成9年(1997)9月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
発明者 葛谷 佳史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ピストンに上面開口の円形の燃焼室が形成された直接噴射式ディーゼルエンジンであって、燃焼室内にスワール流を形成する空気を導入し、燃焼室内に臨む燃料噴射ノズルから燃料を燃焼室の周壁面に向けて噴射するようになした直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、燃焼室の周壁面に、周方向に等間隔をおいて、底面がスワール流の上流側から下流側へと緩やかな曲面をなして徐々に深くなり、最深部から急な勾配の曲面をなして浅くなる複数の凹部を形成し、かつ上記燃料噴射ノズルには、噴射方向を上記各凹部に設けた複数の噴孔を形成したことを特徴とする直接噴射式ディーゼルエンジン。
【請求項2】 ピストンに上面開口の円形の燃焼室が形成された直接噴射式ディーゼルエンジンであって、燃焼室内にスワール流を形成する空気を導入し、燃焼室内に臨む燃料噴射ノズルから燃料を燃焼室内に噴射するようになした直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、上記燃料噴射ノズルの噴孔を、燃料噴射ノズルの径方向に対してスワール流の下流側へ向けて形成したことを特徴とする直接噴射式ディーゼルエンジン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直接噴射式ディーゼルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】直接噴射式のディーゼルエンジンは、ピストンに上面開口の燃焼室を形成し、これに臨む燃料噴射ノズルから燃料を燃焼室の周壁面に向けて噴射する構成のもので、一般に、燃焼室に燃料が噴射される前に予め燃料と空気の混合を行う副室式のタイプに比べ熱効率がよく、出力当たりの二酸化炭素(CO2 )の排出量が少ないため、大型の車両を中心に広く採用されている。
【0003】一方で直接噴射式ディーゼルエンジンは、予め燃料と空気の混合が行われないので排気ガス中の窒素酸化物(NOx )やパティキュレート(PM)等が発生しやすく、これらの低減が特に要請されている。直接噴射式ディーゼルエンジンにおけるこれらの発生量は燃焼室における燃焼過程に強く影響を受け、特にスモーク、PMの排出量は、燃焼室に噴射された燃料と空気との混合状態が悪いと極端に増加する。そこで直接噴射式ディーゼルエンジンでは、燃料と空気との混合を促進するため、燃焼室を円形とするとともに、吸気系統に、吸気に渦巻き流を発生させるヘリカルポートやシリンダ接線方向に空気を導入するディレクショナルポートを採用して燃焼室内に導入される空気がスワール流を形成するようにすることで、燃料と空気との混合状態の改善を図っている。
【0004】燃料の噴射量が多く噴射期間が長い高負荷時には、燃料の噴射が上死点後も長く続くため、燃焼室の形状として、ピストン上面の開口部を絞ってスワール流の保存性を高めたもの(リエントラント燃焼室)や、リエントラント燃焼室において底面中央部に突起を形成してスワール流を整流しさらにその保存性を高めた中央突起付きのものが採用されている。
【0005】特開平8−326543号公報には、リエントラント燃焼室の周壁面にらせん状にリブを形成して螺旋状のスワール流が形成されるようにし、混合状態の改善を図ったものがある。
【0006】また特開平8−105368号公報には、燃料噴射ノズルの噴孔の、スワール流の下流側をカットして噴射燃料のスワール流下流側への拡散性を向上せしめることで、混合状態を改善したものがある。また特開平8−105369号公報には、燃料噴射ノズルの噴孔の、燃焼室の形成されたピストン側をカットして、燃焼室底部側への燃料の拡散性を向上せしめたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしリエントラント燃焼室等の円形の燃焼室を備えた直接噴射式ディーゼルエンジンでは、空気の割合の多い低負荷時には、特に高速時にスワール流が強すぎ、スワール流に流される噴射燃料が遠心力を受けて燃焼室の周壁面に衝突して付着し、これが排気時に未燃の状態のまま白煙となって排出される。スワール流を弱くすると、燃料噴射量の多い高負荷時に燃料と空気の混合が不十分になるおそれがある。
【0008】また上記特開平8−105368号公報、特開平8−105369号公報記載のものでも、負荷に応じた適切なスワール流が得られず、高負荷時にスワール流が不足して混合が十分に行われないか、あるいは高速低負荷時にスワール流が強すぎて噴射燃料が周壁面に衝突して付着するおそれがある。
【0009】そこで本発明は、高負荷時には燃料と空気の混合が促進され、高速低負荷時には燃焼室内壁面に燃料が付着しない直接噴射式ディーゼルエンジンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明では、ピストンに形成された上面開口の円形の燃焼室内に、スワール流を形成する空気を導入し、燃焼室内に臨む燃料噴射ノズルから燃料を燃焼室の周壁面に向けて噴射するようになした直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、燃焼室の周壁面に、周方向に等間隔をおいて底面がスワール流の上流側から下流側へと緩やかな曲面をなして徐々に深くなり、最深部から急な勾配の曲面をなして浅くなる複数の凹部を形成する。かつ上記燃料噴射ノズルには、噴射方向を上記各凹部に設けた複数の噴孔を形成する。
【0011】噴射された燃料はスワール流に流されて遠心力を受け燃焼室の径方向の速度が増す。燃料の噴射量の少ない低負荷時には特に増速する。しかし凹部の最深部までの上流部では燃料の粒子の速度の周壁面に対する鉛直方向成分が小さくなって、燃料粒子の飛行方向と周壁面とがより平行に近くなり、燃料の付着が防止される。また凹部の最深部よりも下流側では、燃焼室の周方向に空気が十分整流されずスワール流が乱れ遠心力の作用は小さい。しかしてスワール流の強い高速低負荷時であっても、燃焼室周壁面への燃料の付着が防止される。
【0012】また凹部におけるスワール流に乱れを生じさせる作用により、空気と噴射された燃料の混合が促進されるとともに、高負荷時におけるオーバースワールが防止できる。
【0013】請求項2記載の発明では、ピストンに形成された上面開口の円形の燃焼室内に、スワール流を形成する空気を導入し、燃焼室内に臨む燃料噴射ノズルから燃料を燃焼室の周壁面に向けて噴射するようになした直接噴射式ディーゼルエンジンにおいて、上記燃料噴射ノズルの噴孔を、燃料噴射ノズルの径方向に対してスワール流の下流側へ向けて形成する。
【0014】かかる構成により燃料の噴射がスワール流の下流方向に向けて行われるので、燃料の噴霧はスワール流に乗ってスムーズに流れる。すなわち燃料の噴射量に応じてスワール流が強化される。噴射量の少ない低負荷時には、スワール流の強化の程度は低く燃料の燃焼室壁面への付着が防止される。また噴射量の多い高負荷時には、スワール流が十分に強化されて空気と噴射された燃料の混合が促進される。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1、図2に本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンの要部を示す。図1はエンジンの気筒部の上面図で、シリンダヘッド等を省略し、シリンダ内を往復運動するピストン1と燃料噴射ノズル4のみを描いている。図2は図1のA−A線に沿う縦断面である。
【0016】ピストン1のヘッド部11には、これに同軸に、上面に開口する円形(半径:R)の燃焼室2が形成してある。燃料噴射ノズル4は図略のシリンダヘッドに燃焼室2に同軸に固定され、その先端部が燃焼室2に臨んでいる。
【0017】燃焼室2は開口部21が絞られた、いわゆるリエントラント燃焼室であり、シリンダ内にヘリカルポート等から吸入された空気がスワール流を発生し、ピストン1の上昇に伴って吸入空気が圧縮されると、スワール流は燃焼室2内に押し込まれて増速するようになっている。また燃焼室2の底面中央部に円錐台状の突起部22が形成され、燃焼室2内に流入する空気のスワール流を整流し、さらにその保存性を高めている。
【0018】図3は、実質的に図1と同じもので、図中、B,C,D,Eは、図2の、ピストン1の横断面であるB−B線、C−C線、D−D線、E−E線に沿う断面における燃焼室周壁面23を示す仮想線である。燃焼室2の周壁面23には、同形状の凹部3が5か所に等間隔で形成してあり、ポケット部3としてある。図1におけるポケット部3を示す線は図3のDと一致している。ポケット部3は燃焼室2の周方向に長い卵形の単調な曲面をなしている。相隣れるポケット部3がD−D線に沿う断面において連続している。
【0019】各ポケット部3の形状は、例えばD−D線に沿う断面でみると、底面の深さがスワール流上流点(始点)301から中間点302まで単調増加し、中間点302から下流点(終点)303へ単調減少する形状としてある。
【0020】ポケット部3の、中間点302よりも上流側の半部31の形状は円弧上で、ピストン1の軸心X1から中間点302の方向に距離2R/5〜2R/3偏心した位置X2を中心として、始点301を通る、曲率半径が3R/5〜5R/6の円Yで規定され、始点301から徐々に深くなる緩やかな曲面をなして深くなっている。
【0021】そして中間点302から終点303までのポケット部3の下流側の半部32は、形状が上流側半部31から連続的に連なる曲面で、曲率が上流側半部31よりも大きく、終点303近くでは底面がピストン1の径方向とほぼ平行になるまで急勾配をなして浅くなっている。
【0022】図より知られるように、上流側半部31と下流側半部32の境界である中間点302においてポケット部3は最も深くなる。この最深部302は、ポケット部3の曲率を下流側半部32の方が上流側半部31よりも大きくしているからポケット部3の下流側に偏在している。すなわち図例では、各ポケット部3の周方向の長さはピストン1の軸心X1を中心とする角度で表すとθ1 =72(=360/5)°であり、また最深部302は、始点301を起点とする方位角度で表すとθ2 =62〜67°である。
【0023】かかる燃焼室2に臨む燃料噴射ノズル4は、噴孔41が5か所に形成され、72°の間隔をおいて噴孔中心線5が放射状に形成される。噴孔中心線5は方位角度θ3 が5〜15°の方向で、やや下方に向いており、噴孔41から燃料がポケット部3の最上流部に向けて噴射される。
【0024】上記直接噴射式ディーゼルエンジンの作動を説明する。
【0025】シリンダ内に吸入される空気により発生するスワール流は、ピストン1の上昇による圧縮で燃料噴射初期に最も強められる。燃料噴射ノズル4からは燃料が方位角度θ3 の方向に噴射され、空気との混合気を形成して燃焼する。
【0026】さて噴射された燃料はスワール流に流されて遠心力を受け燃焼室2径方向の速度が増す。燃料の噴射量の少ない低負荷時には特に増速する。本発明ではポケット部3の上流側半部31は底面が下流側に向けて深くなるので、燃料粒子速度の周壁面23に対する鉛直方向成分が、従来の、リエントラント燃焼室等の単純な円形の燃焼室に比して小さい。すなわち上流側半部31において、粒子の飛行方向と周壁面23とがより平行に近くなり、燃料は周壁面23に付着しにくい。
【0027】またポケット部3の下流側半部32では燃料粒子速度の周壁面23に対する鉛直方向成分が大きくなるが、下流側半部32では下流側で急に浅くなるため空気が不整流を生じてスワール流が乱れ燃料粒子に作用する遠心力は小さい。しかして下流側半部32においても燃料は周壁面23に付着しにくい。
【0028】したがってスワール流の強い高速低負荷時であっても、周壁面23への燃料粒子の付着が防止される。
【0029】また下流側半部32における空気の不整流を生じさせる作用により、空気と噴射された燃料の混合が促進され、特に燃料噴射量の多い高負荷時にも燃焼が良好に行われる。なおこの燃焼が下流側半部32がカバーする範囲を中心に行われるようにポケット部3の形状を設定することで、さらに燃焼効率を高めることができる。
【0030】またかかる燃料と空気の混合促進効果を発揮するから、強いスワール流は必要がなく、オーバースワールが防止できる。
【0031】なおポケット部3の形状は本実施形態記載のものに限定されるものではなく、底面がスワール流の上流側から下流側へと緩やかな曲面をなして徐々に深くなり、最深部から急な勾配の曲面をなして浅くなるものであればよい。
【0032】またポケット部3および噴孔41の数は、5に限定されるものではなく、4や6等でもよい。
【0033】(第2実施形態)図4は、本発明の直接噴射式ディーゼルエンジンの別の実施形態を示すもので、燃焼室(図略)に臨む燃料噴射ノズルの縦断面である。燃焼室は公知のリエントラント燃焼室等の円形の燃焼室が用いられ、燃料噴射ノズル6は燃焼室と同軸にシリンダヘッド(図略)に取り付けられる。
【0034】図4において、燃料噴射ノズル6は、燃料が圧送される燃料流路61の先端部にテーパ状のシート部62が形成され、燃料流路61にはシート部62に着座するニードル7が上下動可能に配設されている。シート部62よりも下方の、先端閉鎖のサック部63には斜め下方に向けて複数の噴孔64が形成してある。
【0035】図5は図4のF−F線に沿う断面で、噴孔64はノズル6壁を貫通して、周方向に対称位置に形成されている(図例では6か所)。
【0036】噴孔64は、従来の燃料噴射ノズルの噴孔のように、噴孔中心線が燃料噴射ノズル6の軸心X3を通る放射線X4に沿うように形成するのではなく、噴孔中心線8が軸心X3から偏心した位置を通り、かつ放射線X4に対して偏角するように形成してある。この偏角θ4 はスワール流の下流側へ5〜15°に設定され、噴孔64が燃料噴射ノズル6の径方向に対してスワール流の下流側へ向けてあり、燃料がややスワール流の下流に向けて噴射されるようになっている。
【0037】燃料噴射ノズル6の外周面65は噴孔64の開口周縁641が、スワール流下流側部分66が削られて表面が後退し、開口周縁641は、上流側から湾曲して表面が後退した下流側へ至る形状としてあり、噴口64の有効長さがスワール流下流側で短くしてある。これにより噴射燃料のスワール流下流側への拡散を良好にしている。
【0038】燃料の噴射が、燃料噴射ノズル6の径方向(放射線X4方向)に行われるのではなく、スワール流の下流に向けて行われるので、燃料の噴霧はスワール流に乗ってスムーズに流れる。すなわち燃料の噴射量に応じてスワール流が強化され、噴射量の少ない低負荷時にはスワール流はあまり強化されず、燃料の燃焼室2の周壁面23への付着が防止される。また噴射量の多い高負荷時にはスワール流が十分に強化されて空気と噴射された燃料の混合が促進される。スワール流の弱い低速時であっても燃料の噴射量に応じてスワール流が強化されるから、きわめて好適な燃料噴射となる。
【0039】また燃料の噴射方向をスワール流下流側に向けることで噴孔64と燃焼室の周壁面間の距離が長くなり、周壁面に到達する燃料の量、到達時の速度が抑えられ、さらに燃料の付着が低減する。
【0040】なお噴孔64は有効長さがスワール流下流側で短くしてあるが、要求される燃料の拡散作用によっては、噴孔64は燃料噴射ノズル6に穿孔せしめただけの簡単な構成のものでもよい。
【0041】なお上記各実施形態に示した数値等は必ずしも記載のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限り任意である。




 

 


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