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発明の名称 柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造及び固定方法並びに該固定構造を有する建物ユニット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−29985
公開日 平成11年(1999)2月2日
出願番号 特願平9−185351
出願日 平成9年(1997)7月10日
代理人
発明者 西山 明博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 柱の上端部である柱頭又は柱の下端部である柱脚に固定具挿通孔を穿設し、該固定具挿通孔に挿通した固定具により、上階の柱と下階の柱とを垂直に接合するための接合金具を固定する固定構造であって、前記固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填してなることを特徴とする柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造。
【請求項2】 前記柱頭又は柱脚に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設したことを特徴とする請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造。
【請求項3】 前記固定具の頭部に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設したことを特徴とする請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造。
【請求項4】 前記グラウト材は、2液常温・硬化形樹脂接着剤からなることを特徴とする請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造。
【請求項5】 前記柱頭又は柱脚に、接合金具を固定する柱頭又は柱脚への接合金具の固定方法であって、前記柱頭又は柱脚に、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定した固定具挿通孔を穿設して、該固定具挿通孔に挿通した固定具により接合金具を仮固定し、位置決めして本固定し、前記固定具挿通孔に通ずる柱頭、柱脚又は固定具の頭部に穿設されたグラウト材充填孔を通して固定具が挿通された前記固定具挿通孔にグラウト材を充填し硬化することを特徴とする柱の頭部又は柱脚への接合金具の固定方法。
【請求項6】 下階の柱の上端部である下階柱頭又は上階の柱の下端部である上階柱脚に、上階の柱と下階の柱とを垂直に接合するための接合金具を固定してなる下階用又は上階用の建物ユニットであって、前記下階柱頭又は上階柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填してなることを特徴とする建物ユニット。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造及び固定方法並びに該固定構造を有する建物ユニットに係り、特に、木質柱同士の接合に適する柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造及び方法並びに建物ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建物の工業生産化率を高める一方式として、ユニット建物が普及している。このユニット建物は、一棟の建物を予めいくつかの運搬可能な大きさのユニットに分けて工場で生産した後、これらのユニットを建築現場に輸送し、予め準備した基礎の上で施工・組立する方式の建物である。組立は、まず、下階となる建物ユニットを基礎の上に据え付けてから相互に連結し、次に、据え付けられた下階建物ユニットの上に上階となる建物ユニットを据え付けてから相互に連結し、さらに、上階建物ユニット(上階部分がない場合には、下階建物ユニット)の上に対応する屋根ユニットを据え付け、これら屋根ユニットを相互に連結することで行われる。
【0003】また、最近では、このようなユニット建物の組立簡易性・施工迅速性・作業安全性の一層の向上を図ることを目的として、上階建物ユニットと下階建物ユニットとを、対応する柱同士を相互に突き合わせて重ねるだけで、自動的に締結できる係合固定式の柱頭柱脚接合構造が、例えば、この出願人の出願に係る特願平7−154597号、特願平8−078729号等によって提供されている。
【0004】上記特願平7−154597号の出願に係る柱頭柱脚接合構造では、図7に示すように、予め下階建物ユニットの四隅に配される柱(図では、木質柱の例を示す)100の上端部(下階柱頭)101に、上面開口の凹部102を形成してこの木口にピン固定板103が設けられ、ピン固定板103の下側に収納固着された裏ナット104に、輪帯状の凹段部105を有する円錐型のねじ付きピン106が螺着されている。一方、上階建物ユニットの四隅に配される柱110(図では、木質柱の例を示す)の下端部(上階柱脚)111に下面開口の凹部112を形成してこの木口に支持固定板113及びこれに支持材114を介して支持された係止部材固定板115を設け、この係止部材固定板115に固着された裏ナット116に、可撓性を有する素材によって形成された二股状の可撓性係止部材117が吊り下げ状態で収納螺着されている。
【0005】このような構成において、下階建物ユニットの上に上階建物ユニットを載置固定する際には、同図に示すように、上階建物ユニットの四隅に配された柱110を下階建物ユニットの四隅に配された柱100の上に吊り下ろして、上階柱脚111と下階柱頭101とを互いに突合せる。こうすると、上階柱脚111に設けられた可撓性係止部材117の二股先端部117aが、下階柱頭101に設けられた円錐型のねじ付きピン106によって押圧され、このとき、該ピン106が円錐状に形成されているため、可撓性係止部材117の二股先端部117aが押し広げられて、図8に示すように、ピン106の凹段部105に嵌まって係止固定される。このようにして、下階建物ユニットと上階建物ユニットとが自動的に締結固定されて組立作業が簡易・迅速・安全となる。
【0006】上記特願平8−078729号においても、同様に図9に示すように上階柱脚111に設けられた可撓性係止部材117の二股先端部117aが、下階柱頭101に螺着された円錐型のねじ付きピン106によって押圧されて、ピン106に係止固定される。
【0007】ところで、上記従来の柱頭柱脚接合構造を木質柱に適用する場合には、柱頭101の上面や柱脚111の下面に、ピン106,可撓性係止部材117や裏ナット104,116等を収納するための上部開口の凹部(切欠)102,下面開口の凹部112を設けることから、木質柱に大きな断面欠損が生じ、木質柱の強度が著しく低下してしまう。そこで、上記従来の柱頭柱脚接合構造では、図7及び図8に示すように、ピン106や可撓性係止部材117等を含む角型の筒金物120a,120bを取り付けた接合金具にし、これを柱頭101や柱脚111に取り付け、また、図9に示すように、ピン106や可撓性係止部材117等を取り付けた箱金物130に一対の取付補強プレート130a,130bを固定した接合金具にし、これを柱頭101や柱脚111に取り付けてボルト等の固定具M,Mで固定することにより、断面欠損による木質柱の強度低下を補強するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、接合金具と下階の柱及び上階の柱との間で、一方の柱に加わる力を他の柱へ、特に上階側の柱に加わる荷重を下階側の柱に確実に伝達するには、ボルト挿通孔(固定具挿通孔)をボルトMの軸外径に対してほぼ同じくする必要がある。即ち、ボルト挿通孔(固定具挿通孔)をボルトMの軸外径よりも大きくすれば、ボルトMとボルト挿通孔との間に隙間が生じて荷重を上階側の柱から下階側の柱に確実に伝達することができないからである。また、接合金具を下階の柱及び上階の柱に正確に取り付けるためには、ボルト挿入孔の孔明け位置精度も高く要求される。即ち、ボルト挿入孔の孔明け位置が正確でなければ、接合金具が正確に取り付けることができず、接合金具が柱の所定位置から突出して取り付けられた場合には、柱頭柱脚への接合金具の固定精度が狂い、組立精度の高いユニット建物が得られ難い。一方、接合金具が柱の所定位置から凹んで取り付けられた場合には、柱頭柱脚接合の係合不良が生ずるからである。
【0009】この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、接合金具の固定(取付)位置の微調整を可能にして柱頭柱脚への接合金具の固定精度を向上させ、また、柱に加わる力を接合金具を介して下方の柱に確実に伝達することができる柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造及び固定方法並びに該固定構造を有する建物ユニットを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、柱の上端部である柱頭又は柱の下端部である柱脚に固定具挿通孔を穿設し、該固定具挿通孔に挿通した固定具により、上階の柱と下階の柱とを垂直に接合するための接合金具を固定する固定構造であって、前記固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填してなることを特徴としている。
【0011】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造に係り、前記柱頭又は柱脚に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設したことを特徴としている。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造に係り、前記固定具の頭部に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設したことを特徴としている。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の柱頭又は柱脚への接合金具の固定構造に係り、前記グラウト材は、2液常温・硬化形樹脂接着剤からなることを特徴としている。
【0014】また、請求項5記載の発明は、前記柱頭又は柱脚に、接合金具を固定する柱頭又は柱脚への接合金具の固定方法であって、前記柱頭又は柱脚に、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定した固定具挿通孔を穿設して、該固定具挿通孔に挿通した固定具により接合金具を仮固定し、位置決めして本固定し、前記固定具挿通孔に通ずる柱頭、柱脚又は固定具の頭部に穿設されたグラウト材充填孔を通して固定具が挿通された前記固定具挿通孔にグラウト材を充填し硬化することを特徴としている。
【0015】また、請求項6記載の発明は、前記柱の上端部である下階柱頭又は下端部である上階柱脚に、上階の柱と下階の柱とを垂直に接合するための接合金具を固定してなる建物ユニットであって、前記下階柱頭又は上階柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填してなることを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定したため、固定具による接合金具の仮固定後、接合金具の固定位置の微調整が可能になって、柱頭柱脚への接合金具の固定精度が向上する。したがって、最終的にユニット建物の精度が向上する。また、固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を充填するため、固定具挿通孔に挿通された固定具と固定具挿通孔が緊密に固定することができる。
【0017】請求項2記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔が穿設されているため、グラウト材充填孔を通して固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を確実に充填することができ、固定具挿通孔に挿通された固定具を固定具挿通孔に確実に固定できる。
【0018】請求項3記載の発明によれば、固定具の頭部に固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔が穿設されているため、柱頭又は柱脚にグラウト材充填孔を設ける必要がない。したがって、柱頭又は柱脚の強度を弱めない。
【0019】請求項4記載の発明によれば、グラウト材が、2液常温・硬化形樹脂接着剤からなるため、チクソトロピック性(揺変性)があり、低い圧力で微細な部位まで注入でき、強力な接着固定が可能となる。また、硬化するまで垂れがないため、垂れによる接着剤の汚れがない。
【0020】請求項5記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定した固定具挿通孔を穿設して該固定具挿通孔に挿通された固定具により仮固定し、位置決めして本固定するため、接合金具を所定位置に正確に固定できる。また、柱頭又は柱脚に穿設された固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設し、このグラウト材充填孔を通して固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を充填し硬化するため、グラウト材により固定具挿通孔に挿通された固定具が確実に固定されて、荷重を一方の柱から他の柱に確実に伝達させることができる。
【0021】請求項6記載の発明によれば、下階柱頭又は上階柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填するので、接合金具の固定位置を調整して、その後本固定ができる。したがって、精度の高い建物ユニットが得られ、また、固定具を固定具挿通孔に緊密に固定し、一方の柱に加わる力を接合金具を介して他の柱に確実に伝達し、強度の大なる建物ユニットが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
◇第1実施例図1は、この発明の第1実施例である柱頭への接合金具の固定構造を示す図で、同図(a)は、正面図、同図(b)は、図1(a)のA−A線に沿う分解垂直断面図、図2は、第1実施例である柱脚への接合金具の固定構造を示す図で、同図(a)は、正面図、同図(b)は、図2(a)のB−B線に沿う垂直断面図、図3は、柱頭柱脚とを接合する状態を示す要部断面図、また、図4は、下階側の柱上端部である下階柱頭に雄型の接合金具を固定する固定方法を示す分解斜視図である。この例の柱頭柱脚への接合金具の固定構造においては、図1に示すように、柱1Aは、下階建物ユニットの四隅に配された下階側の柱(例えば、404材(89×89mmの製材又は集積材))で、この柱の上端部(下階柱頭)2Aに上部開口の凹部3Aが設けられ、また、接合金具固定用のボルト挿通孔(固定具挿通孔)4,4が屋内外の立側面5,5に直交して相対向する立側面6,6間を貫いて上下に穿設されている。このボルト挿通孔4,4は、挿通されるボルトM(例えば、M12)の軸外径よりも所定寸法大きく(例えば、15mmφ)設定されている。また、下階柱頭2Aの屋内側5には、それぞれボルト挿通孔4,4に通ずる例えば、6mmφのエポキシ樹脂充填孔(グラウト材充填孔)12,12がそれぞれ左右に穿設されている。
【0023】一方、図2に示すように、柱1Bは、階上建物ユニットの四隅に配された階上側の柱で、この柱の下端部(上階柱脚)2Bに下部開口の凹部3Bが設けられ、また、接合金具固定用のボルト挿通孔4,4が屋内外の立側面5,5に直交して対向する立側面6,6間を貫いて上下に穿設されている。このボルト挿通孔4,4は、同じく挿通されるボルトM(例えば、M12)の軸外径よりも所定寸法大きく(例えば、15mmφ)設定されている。また、下階柱頭2Aの屋内側5には、それぞれボルト挿通孔4,4に通ずる例えば、6mmφのエポキシ樹脂充填孔12,12がそれぞれ左右に穿設されている。前記下階側の柱1Aの上部開口の凹部3Aを有する下階柱頭2Aには、雄型の接合金具7Aが装着固定されている。一方、階上側の柱1Bの下部開口の凹部3Bを有する上階柱脚2Bには、前記雄型の接合金具7Aに対応する雌型の接合金具7Bが装着固定されている。
【0024】雄型の接合金具7Aは、下階側の柱1Aの木口に設けられたねじ孔8cを有する箱金物支持板8Aと、箱金物支持板8A下に設けられた箱金物9Aと、箱金物9A下に収納固着された裏ナットNと、この裏ナットNに螺合する箱金物支持板8A上のねじ付ピン10Aと、箱金物9Aの前後に固着された一対の取付補強プレート11a,11bとで構成されている。また、この取付補強プレート11a,11bには、前記下階柱頭2Aに穿設されたボルト挿通孔4,4と軸心を共通にするボルト挿通孔4,4が穿設されている。
【0025】雌型の接合金具7Bは、階上側の柱1Bの木口に設けられたピン挿通孔8dを有する箱金具固定板8Bと、箱金具固定板8B上に設けられた箱金物9Bと、箱金物9B内にボルトMによって螺着された二股状の可撓性係止部材10Bと、箱金物9Bの前後に固着された一対の取付補強プレート11a,11bとで構成されている。また、この取付補強プレート11a,11bには、同じく前記上階柱脚2Bに穿設されたボルト挿通孔4,4と軸心を共通にするボルト挿通孔4,4が穿設されている。雄型の接合金具7A,雌型の接合金具7Bは、下階側の柱1Aの木口又は階上側の柱1Bの木口にそれぞれ装着されて、軸心を共通にする両取付補強プレート11a,11bの上下に穿設されたボルト挿通孔4に、両立側面6,6間を貫いて上下に穿設されたボルト挿通孔4,4に挿通されたボルトM,Mと、このボルトM,Mに螺合されるナットN,Nの締付けにより固定されている。また、ボルト挿通孔4,4に挿通されたボルトM,Mは、それぞれボルト挿通孔4,4に通ずるエポキシ樹脂充填孔12,12から充填されたグリース状の2液常温・硬化形エポキシ樹脂系接着材13により固着されている。雄型の接合金具7Aを設けた下階側の柱1Aと雌型の接合金具7Bを設けた階上側の柱1Bとの接合は、図3に示すように、雌型の接合金具7Bを雄型の接合金具7Aに当接すると、二股状の可撓性係止部材10Bが円錐型のねじ付きピン10Aにより開いてこのピン10Aに係合し接合される。なお、雌型の接合金具7Bに設けられた雄ねじ部材17は、接合解除するための解除ねじである。
【0026】このような構成によれば、下階側の柱1Aの下階柱頭2A及び上階側の柱1Bの上階柱脚2Bに穿設されたボルト挿通孔4を、ボルトMの軸外径よりも所定寸法大きく設定してある。したがって、ボルトM,ナットNによる仮固定後、接合金具7A,7Bの固定位置の微調整が可能になり、正確な固定にした後、本固定することによって正確な固定が可能になる。したがって、柱頭柱脚への接合金具7A,7Bの固定精度が向上できる。
【0027】また、ボルトMが挿通されたボルト挿通孔4に2液常温・硬化形エポキシ樹脂系接着剤13を充填するため、ボルト挿通孔4に挿通されたボルトMがボルト挿通孔4が緊密に固定されて、柱1A又は1Bに加わる力を接合された接合金具7A,7B(接合金具7A,7B及び接合金具7A,7Bを固定するボルトM,M)を介して直接他の柱1B又は1Aに確実に伝達することができる。また、下階柱頭2A及び上階柱脚2Bの立側面6,6に、ボルト挿通孔4に通ずるエボキシ樹脂充填孔12,12が穿設されているため、エボキシ樹脂充填孔12,12を通してボルトMが挿通されたボルト挿通孔4に2液常温・硬化形エポキシ樹脂系接着剤13を確実に充填することができ、ボルト挿通孔4に挿通されたボルトMとボルト挿通孔4とを確実に固定できる。
【0028】前記雄型の接合金具7Aの下階側の柱1Aの下階柱頭2Aへの取付固定は、図4に示すように、まず、下階側の柱1Aの木口(下階柱頭2A)へ雄型の接合金具7Aを装着し、軸心を共通にする両取付補強プレート11a,11bに穿設されたボルト挿通孔4と、立側面6間を貫いて穿設されたボルト挿通孔4からなるそれぞれ上下のボルト挿通孔にボルトMを挿通し、このボルトMとボルトMに取り付けるワッシャーWおよびナットNとの締付によって仮固定する。この状態で、接合金具7Aの箱金物支持板8Aを、柱1Aの木口に密着させ、垂直方向に延びている両取付補強プレート11a,11bをそれぞれ立側面6,6に密着させ、雄型の接合金具7Aの位置決めを行う。
【0029】次に、雄型の接合金具7Aが、下階側の柱1Aの下階柱頭2Aの固定位置に正確に装着しているか否かを確認し、ボルトMとこのボルトMに取り付けたワッシャーWおよびナットNとの締付をより強くして、雄型の接合金具7Aを本固定する。この後、接着剤用ガン(コーキングガン)14を用いて、ボルトMを挿通された各上下のボルト挿通孔4,4内に、ボルト挿通孔4,4に通ずるそれぞれ左右に設けられたエポキシ樹脂充填孔12,12からグリース状の2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤13を注入し、充填する。充填後は、下階側の柱1Aの下階柱頭2Aに固定した接合金具7Aの固定位置がずれないように取扱い、所定の場所に保管し、約半日養成する。これにより、ボルト挿通孔4,4に挿通されたボルトM,Mが、硬化した2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤13により、ボルト挿通孔4,4内に固く緊密に固定される。なお、雄型の接合金具7Aの箱金物9A下に裏ナットNが収納固着されており、その後、箱金物支持板8A上に裏ナットNに螺合するねじ付ピン10Aが螺着される。また、雌型の接合金具7Bは、図示しないが、同じようにして、階上側の柱1Bの柱脚2Bに取付固定される。
【0030】ここにおいて、使用する2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤13は、例えば、セメダインEP−40(セメダイン株式会社の商品名)を用いる。主剤(A)は、主成分がエポキシ樹脂、ちょう度(20°C)で445、粘度(cp)20°Cで18,000、30°Cで10,000である。また、硬化剤(B)は、主成分が変性ポリアミド、ちょう度(20°C)で305、粘度(cp)20°Cで200万以上、30°Cで200万以上である。主剤(A)と硬化剤(B)との配合比(重量比)は、A:B=2:1である。
【0031】この例の構成によれば、下階柱頭2A又は上階柱脚2Bに、ボルトMの軸外径よりも所定寸法大きく設定したボルト挿通孔4を穿設して接合金具7A又は接合金具7Bを装着してボルト挿通孔4に挿通されたボルトMとこのボルトMに螺合するナットNにより仮固定し、位置決めして本固定するため、接合金具7A,7Bを所定位置に正確に固定できる。また、下階柱頭2A又は上階柱脚2Bの立側面6,6に穿設されたボルト挿通孔4に通ずるエポキシ樹脂充填孔12,12を通してボルトMが挿通されたボルト挿通孔4に2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤13を充填し硬化するため、この2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤13によりボルト挿通孔4に挿通されたボルトそが確実に密着固定されて、荷重を一方の柱1Bから他の柱1A(又は柱1Aから他の柱1B)に確実に伝達させることができる。この2液常温・硬化形樹脂接着剤13は、チクソトロピック性(揺変性)があるため、低い圧力で微細な部位まで注入でき、強力な接着固定が可能となる。また、硬化するまで垂れがないため、接着剤の垂れによる汚れがない。
【0032】◇第2実施例図5は、この発明の第2実施例である柱頭への接合金具の固定構造を示す斜視図である。この図には、下階柱頭2Aに、雄型の接合金具7Cが装着固定された状態が表されている。しかしながら、図示していないが、この例において、上階側の柱脚には、雄型の接合金具7Cに対応する雌型の接合金具が装着固定されている。この例では、柱頭2Aの直交する立側面5,5と立側面6,6の両方からボルト、ナットでねじ止めできるようにした構成で、下階側の柱1Aの柱頭2Aに、箱金物固定板8Cと、箱金物固定板8Cに固着された箱金物9Cと、箱金物9Cに固着された断面L字状の取付補助プレート16からなる雄型の接合金具7Cが装着されている。雄型の接合金具7Cに固着された前記取付補助プレート16の各プレート16a,16bには、軸中心に沿ってそれぞれボルト挿通孔4,4が穿設されている。また、柱頭2Aの直交する立側面5,5と立側面6,6間に、各プレート16a,16bのボルト挿通孔4,4と軸心を共通にするボルト挿通孔4,4が穿設されている。また、軸心を共通とする立側面6,プレート16aに穿設されたボルト挿通孔4と、立側面5,プレート16bに穿設されたボルト挿通孔4とは、互いに干渉衝突しないように高さを変えて設けられている。この柱頭2Aの直交する立側面5と立側面6には、ボルト挿通孔4,4,…に通ずるエポキシ樹脂充填孔12がそれぞれ穿設されている。したがって、各ボルト挿通孔4,4,…に挿通されたボルトが、2液常温・硬化形樹脂接着剤により密着固定されて、位置決め装着された雄型の接合金具7Cが柱頭2Aに確実に固定される。
【0033】以上、この発明の実施例を図面に基づいて詳述してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれることは言うまでもない。例えば、雄型の接合金具(ねじ付ピン)と雌型の接合金具(二股状の可撓性係止部材)は、図示した例のものに限らない。また、雄型の接合金具(ねじ付ピン)と雌型の接合金具(二股状の可撓性係止部材)の取付位置は、実施例とは逆にしてもよい。つまり、下階側の柱に雌型の接合金具を装着固定し、上階側の柱に雄型の接合金具の装着固定する構成とすることもできる。接合金具は、取付補強プレートが柱を挟持する形のもの、断面L字状になったものに限らず、設計に応じて、形状を変えることができる。また、上述の実施例では、固定具としてボルトを用いたが、ボルトと同様の固定機能を持つもので有ればボルトに限らない。例えば、リベットを固定具として用いることもできる。
【0034】柱や接合金具に穿設するボルト挿通孔は、必要に応じて増減でき、ボルト挿通孔の内径も、この孔に挿通されるボルトの種類、大きさ等を考慮して、所定の大きさに設定できる。同様に、このボルト挿通孔に通ずるエポキシ樹脂充填孔も、必要に応じて増減でき、柱の一方の立側面からグラウト材(2液常温・硬化形樹脂接着剤)を注入するだけでなく、他方の立側面から注入できるような構成にすることもできる。
【0035】また、このエポキシ樹脂充填孔は、柱頭又は柱脚に必ずしも設ける必要ではなく、例えば、図6に示すように、ボルトMの頭部Maに、単数又は複数のエポキシ樹脂充填孔18を穿設し、この孔から固定具挿通孔(ボルト挿通孔)4にグラウト材(2液常温・硬化形樹脂接着剤)13を注入してもよく、あるいは、ボルトをボルト挿通孔に挿通する前に、ボルト頭部側にグラウト材を塗布しておいてもよい。また、固定具挿通孔に充填するグラウト材は、2液常温・硬化形エポキシ樹脂接着剤に限らず、設計等に応じてその他のグラウト材を用いることができる。例えば、エボキシ樹脂の主剤とポリチオール及び三級アミン等からなる硬化剤とを混合して得られる接着剤、ウレタン系組成物の主剤とイソシアナート系の硬化剤からなる接着剤でもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定したことで、固定具による接合金具の仮固定後、接合金具の固定位置の微調整が可能になって、柱頭柱脚への接合金具の固定精度が向上する。したがって、最終的にユニット建物の精度を向上させることができる。また、固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を充填するため、固定具挿通孔に挿通された固定具と固定具挿通孔が緊密に固定することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に、固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔が穿設されていることで、グラウト材充填孔を通して固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を確実に充填することができ、固定具挿通孔に挿通された固定具を固定具挿通孔に確実に固定できる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、固定具の頭部に固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔が穿設されていることで、柱頭又は柱脚にグラウト材充填孔を設ける必要がない。したがって、柱頭又は柱脚の強度を弱めない。
【0039】請求項4記載の発明によれば、グラウト材を、2液常温・硬化形樹脂接着剤にすることで、チクソトロピック性(揺変性)があり、低い圧力で微細な部位まで注入でき、強力な接着固定が可能となる。また、硬化するまで垂れがないため、接着剤の垂れによる汚れがない。
【0040】請求項5記載の発明によれば、柱頭又は柱脚に、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定した固定具挿通孔を穿設して該固定具挿通孔に挿通された固定具により仮固定し、位置決めして本固定することで、接合金具を所定位置に正確に固定できる。また、柱頭又は柱脚に穿設された固定具挿通孔に通ずるグラウト材充填孔を穿設し、このグラウト材充填孔を通して固定具が挿通された固定具挿通孔にグラウト材を充填し硬化することで、グラウト材により固定具挿通孔に挿通された固定具が確実に固定されて、荷重を一方の柱から接合金具を介して他の柱に確実に伝達させることができる。
【0041】請求項6記載の発明によれば、下階柱頭又は上階柱脚に穿設された固定具挿通孔を、固定具の軸外径よりも所定寸法大きく設定し、固定具が挿通された該固定具挿通孔にグラウト材を充填するので、接合金具の固定位置を調整して、固定位置を調整後、本固定して正確に固定できる。したがって、精度の高い建物ユニットが得られ、また、固定具を固定具挿通孔に緊密に固定し、一方の柱に加わる力を接合金具を介して他の柱に確実に伝達し、強度の大なる建物ユニットが得られる。




 

 


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