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発明の名称 ホットメルトインクジェットプリンタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−20191
公開日 平成11年(1999)1月26日
出願番号 特願平9−182567
出願日 平成9年(1997)7月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男 (外2名)
発明者 金本 成一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ヘッド本体をプリンタフレーム内で記録媒体の幅方向に移動させつつ、加熱溶融させたホットメルトインクを該記録媒体に吐出させることによりプリントを行うホットメルトインクジェットプリンタであって、前記ヘッド本体を前記幅方向に往復移動自在に支持するキャリッジと、加熱溶融されたホットメルトインクを貯留する主室及び副室並びに前記主室と前記副室とを結ぶ連通路を備え、前記キャリッジに支持されるインクタンクと、前記インクタンクに支持部材を介して取り付けられ、前記ホットメルトインクを記録媒体に吐出させるノズルヘッドと、前記主室から前記ノズルヘッドヘの前記ホットメルトインクの供給処理を行うための往路と、前記ノズルヘッドから前記副室への前記ホットメルトインクの帰還処理を行うための復路と、前記副室と前記復路とを結ぶインク帰還孔、及び前記副室と前記連通路とを結ぶインク供給孔を開閉するバルブ手段と、前記バルブ手段と係合して前記バルブ手段を前記インク帰還孔または前記インク供給孔の開位置または閉位置に移動させるカム手段と、前記キャリッジを前記帰還処理位置へ移動させた際に、前記カム手段と当接して前記カム手段により前記バルブ手段を前記インク帰還孔の開位置に移動させる前記プリンタフレーム側の当接部材と、前記キャリッジを前記帰還処理位置から離脱させた際に、前記カム手段と前記プリンタフレーム側とを係合させ前記カム手段により前記バルブ手段を前記インク帰還孔の閉位置に移動させ、前記離脱方向の力の大きさに応じて前記係合を解く方向に移動自在に設けられた係合部材と、を備えたことを特徴とするホットメルトインクジェットプリンタ。
【請求項2】 前記係合部材は、前記プリンタフレーム側または前記カム手段に取り付けられた係合凸部を有する弾性部材であり、前記カム手段または前記プリンタフレーム側には前記係合凸部に離脱可能に係合する係合凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタ。
【請求項3】 前記係合部材は、前記カム手段に対向するように前記カム手段の移動方向に延びて形成され、前記プリンタフレーム側に取り付けられた板ばね部材であることを特徴とする請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホットメルトインクジェットプリンタの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来のホットメルトインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと表記することもある。)のヘッドは、図14に示す様に、ホットメルトインクX(以下、単にインクと表現することもある。)を加熱溶融して溜めておくことができる主室PA2、副室PA3、及び主室PA2と副室PA3との間の隔壁に孔を開けることにより設けられた連通路PA4を備えるインクタンクPA1とインクXを被記録媒体に墳射するノズルヘッドPA5と、主室PA2とノズルヘッドPA5とを結ぶインク供給路PA6と、副室PA3とノズルヘットPA5とを結ぶインク供給路PA7と、インク供給路PA6及びPA7に沿って設けられる脱気装置PA8とを備える。
【0003】主室PA2内の気圧は、常時大気圧に保持されており、気圧調整口PA21に連通するコンプレッサPA22が稼働することによって昇圧される。
【0004】副室PA3は、インク供給装置PA32と連通するインク供給口PA31を備え、適宜インクXが供給される。また、インクX内のゴミは、インク供給口PA31付近に設けられたフィルタPA33によって除去される。
【0005】連通路PA4は、副室PA3から主室PA2へ向かう方向にのみインクXを通過させる一方向弁PA41を備え、インクXが連通略PA4を逆流しない構造になっている。
【0006】脱気装置PA8は、インク供給路PA6及びPA7の壁面を構成する透気性薄膜PA81と、インクX内の気泡を吸引するための負圧発生装置PA82とを備える。
【0007】ホットメルトインクXは、融点が室温よりもかなり高いので、プリンタが稼働していない時には凝固する。凝固する時には体積が減少するので、インク供給路PA6及びPA7等に隙間が生じる。そして、プリンタが稼働してインクXが融解すると、隙間に溜った空気が気泡となってインクX内に取り込まれる。この気泡がインクXと一緒にノズルヘッドPA5から噴射されると、気泡の分だけインクXの噴射量が減少し、印刷が正しく行われない。
【0008】そこで、プリンタ起動時等に、コンプレッサPA22によって主室PA2内を加圧し、インク供給路PA6、ノズルヘッドPA5、インク供給路PA7を経由して、インクXを副室PA3まで強制的に循環させ、インク供給路PA6及びPA7等に存在する気泡を、副室PA3へ追いやるのである。
【0009】そして、この作業が済むと、プリンタは通常の稼働状態になり、印刷作業が行われる。そして、印刷する際等にヘッドが左右に移動されると、インクXに慣性力が働き、一方向弁PA41の性質によってインクXが主室PA2側に流入し、図の様な液面高差hが生じる。そして、この液面高差hによる圧力差によって、インク供給路PA6、ノズルPA5、インク供給路PA7を経由して、インクXを副室PA3までゆっくりと循環させるのである。
【0010】しかし、ノズルヘッドPA5からインクXが噴射されている場合には、インク供給路PA6及びPA7の両方に吸引力が働くので、副室PA3からノズルヘッドPA5ヘインクXが逆流し、副室PA3へ追いやった気泡もノズノヘッドPA5へ導かれてしまう。
【0011】そこで、逆流した気泡がノズルPA5まで到達しない様に、常時脱気装置PA8によって気泡を吸引して除去する必要があった。
【0012】しかし、このような装置では、脱気装置の設置により装置が大型化すると共に、インクを循環させるために主室と副室の液面高差をつける複雑な制御が必要になるという問題点があった。
【0013】そこで、副室に設けられたノズルヘッド側の連通孔と主室側の連通孔の双方を開閉する弁を備え、気泡除去時には主室側の連通孔を閉じてノズルヘッド側の連通孔を開け、印刷時にはノズルヘッド側の連通孔を閉じて主室側の連通孔を開ける機構を有する装置が提案された。
【0014】このような装置の一例を図15に示す。この装置では、4色のインクを用いるために、パネル30aには4個のノズルヘッドが取り付けられており、各ノズルヘッドに対して往路により連通する主室11、及び各ノズルヘッドに対して復路により連通する副室13がそれぞれ4個ずつ設けられている。なお、図15には、1個の主室13と1個の副室のみを点線にて示した。
【0015】この副室13には、前記復路と連通する入口と、前記主室と連通する出口が設けられており、当該入口と出口は、揺動自在に設けられた弁開閉レバー24によって交互に開閉されるようになっている。
【0016】そして、この弁開閉レバー24を揺動させるのが、カム50であり、カム50が図15に示す矢印B方向に移動することによって弁開閉レバー24は図示しない板バネの付勢力によって図15に示す矢印C方向に揺動して前記入口を閉じて前記出口を開ける。一方、カム50が図15に示す矢印A方向に移動することにより、カム面50bが弁開閉レバー24を図15に示す矢印D方向に押し、弁開閉レバー24は前記入口を開けると共に前記出口を閉じる。
【0017】この装置によれば、副室13は常に入口と出口のいずれかのみが開いているので、気泡除去時には主室に気泡を送り込むことがなく、かつ、印刷時には、ノズルヘッド側に気泡を含んだインクを逆流させることがない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の装置においては、前記カム50の移動を、記録媒体の幅方向に移動自在に設けられた図示しないキャリッジの移動と、スプリング51の付勢力を利用して行っていたため、キャリッジを移動させるモーターに大きな負荷がかかるという問題があった。
【0019】つまり、従来においては、上述のように構成されたヘッド1をキャリッジに取り付け、キャリッジがプリンタ本体の右端側に移動した際に、カム50の当接面50aとプリンタ本体のフレーム54が当接することにより、カム50を前記矢印A方向に移動させる。一方、カム50の突起52にはスプリング51の一端が係合しており、該スプリング51の他端はヘッド1側の突起に係合しているため、前記フレーム54との当接によりカム50が弁開閉レバー24を前記矢印D方向に移動させる位置に移動した場合には、スプリング51は伸びた状態になり、カム50には前記矢印B方向に戻る方向の力が付与される。従って、キャリッジが前記フレーム54から遠ざかる方向に移動した際には、カム50はスプリング51の付勢力により前記矢印B方向に移動し、弁開閉レバー24を前記矢印C方向に戻す位置まで戻ることになる。
【0020】従って、従来の装置では、カム50の押し込み荷重が大きくなり、キャリッジの駆動源であるモーターが脱調を引き起こす場合があった。
【0021】また、弁開閉レバー24と当接するカム50のカム面50bが磨耗すると、弁開閉レバー24との当接面積が広がり、スプリング51の付勢力だけでは、押し込まれたままの状態のカム50を戻すことができず、インク供給動作に支障が生じることがあった。
【0022】そこで、本発明は、前記問題点を解決し、前記のようなカムを用いる場合でも、キャリッジの駆動モータに大きな負荷を与えることなく、確実にカムの復元動作を行うことのできるインクジェットプリンタを提供することを課題としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタは、前記課題を解決するために、ヘッド本体をプリンタフレーム内で記録媒体の幅方向に移動させつつ、加熱溶融させたホットメルトインクを該記録媒体に吐出させることによりプリントを行うホットメルトインクジェットプリンタであって、前記ヘッド本体を前記幅方向に往復移動自在に支持するキャリッジと、加熱溶融されたホットメルトインクを貯留する主室及び副室並びに前記主室と前記副室とを結ぶ連通路を備え、前記キャリッジに支持されるインクタンクと、前記インクタンクに支持部材を介して取り付けられ、前記ホットメルトインクを記録媒体に吐出させるノズルヘッドと、前記主室から前記ノズルヘッドヘの前記ホットメルトインクの供給処理を行うための往路と、前記ノズルヘッドから前記副室への前記ホットメルトインクの帰還処理を行うための復路と、前記副室と前記復路とを結ぶインク帰還孔及び前記副室と前記連通路とを結ぶインク供給孔を開閉するバルブ手段と、前記バルブ手段と係合して前記バルブ手段を前記インク帰還孔または前記インク供給孔の開位置または閉位置に移動させるカム手段と、前記キャリッジを前記帰還処理位置へ移動させた際に、前記カム手段と当接して前記カム手段により前記バルブ手段を前記インク帰還孔の開位置に移動させる前記プリンタフレーム側の当接部材と、前記キャリッジを前記帰還処理位置から離脱させた際に、前記カム手段と前記プリンタフレーム側とを係合させ前記カム手段により前記バルブ手段を前記インク帰還孔の閉位置に移動させ、前記離脱方向の力の大きさに応じて前記係合を解く方向に移動自在に設けられた係合部材とを備えたことを特徴とする。
【0024】請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、ノズルヘッドから副室へのホットメルトインクの帰還処理を行うために、キャリッジを帰還処理位置に移動させると、プリンタフレーム側の当接部材がカム手段と当接し、カム手段をバルブ手段に係合させる。その結果、バルブ手段が移動して、副室と復路とを結ぶインク帰還孔が開状態になると共に、副室と連通路とを結ぶインク供給孔が閉状態になる。従って、ノズルヘッドに残ったインクが固化する際に取り込んだ気泡は、残留インクと共に、復路を通ってノズルヘッドから副室へ搬送されて除去される。
【0025】次に、帰還処理が終了し、キャリッジを帰還処理位置から離脱させると、係合部材により、カム手段とプリンタフレーム側とが係合され、カム手段は相対的にキャリッジの移動方向とは逆方向に移動することになり、前記バルブ手段とカム手段との係合が解かれる。その結果、バルブ手段が移動して、副室と復路とを結ぶインク帰還孔が開状態になると共に、副室と連通路とを結ぶインク供給孔が閉状態になる。従って、主室と副室のインク液面は迅速に同じレベルなると共に、副室内に帰還された気泡が復路を通ってノズルヘッドに逆流することがない。
【0026】そして、前記キャリッジの離脱方向への移動が進み、前記カム手段の相対的な移動が制限される段階に至ると、前記係合部においては離脱方向の加わる力の大きさが大きくなり、次第に前記係合が解かれることになる。
【0027】従って、前記帰還処理時において、前記カム手段を押し込むのに要する力は、前記バルブ手段をインク帰還孔の開位置に移動させるのに要する力で足りる。一方、帰還処理終了後の帰還処理位置からの離脱時においては、カム手段は、前記係合部材により確実に帰還処理前の位置に戻され、更に係合部における、前記離脱方向の力の大きさに応じて前記係合が解かれるので、キャリッジの駆動系に対して大きな負荷をかけることがない請求項2に記載のホットメルトインクジェットプリンタは、前記請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタにおいて、前記係合部材は、前記プリンタフレーム側または前記カム手段に取り付けられた係合凸部を有する弾性部材であり、前記カム手段または前記プリンタフレーム側には前記係合凸部に離脱可能に係合する係合凹部が設けられていることを特徴とする。
【0028】請求項2に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、前記プリンタフレーム側または前記カム手段に取り付けられた係合凸部と、前記カム手段または前記プリンタフレーム側に設けられた係合凹部とが係合することにより、上述のようにカム手段は確実に前記帰還処理前の位置に戻されることになる。しかも、係合凸部を有する係合部材は弾性部材であり、前記係合凹部は前記係合凸部に離脱可能に係合するので、前記離脱方向の力の大きさに応じて容易に前記係合が解かれることになり、キャリッジの駆動系に対して大きな負荷をかけることがない。
【0029】請求項3に記載のホットメルトインクジェットプリンタは、前記請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタにおいて、前記係合部材は、前記カム手段に対向するように前記カム手段の移動方向に延びて形成され、前記プリンタフレーム側に取り付けられた板ばね部材であることを特徴とする。
【0030】請求項3に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、キャリッジを前記帰還処理位置から離脱させると、カム手段は、前記プリンタフレーム側にて、前記カム手段に対向するように前記カム手段の移動方向に延びて形成された板ばね部材と係合し、当該板ばね部材の付勢力によって相対的に前記帰還処理前の位置に戻されることになる。そして、キャリッジが更に離脱方向に移動し、前記カム手段の相対的な移動が制限される段階に至ると、前記板ばね部材の付勢力よりも、前記カム手段が離脱方向に移動する力の方が大きくなり、次第に前記係合が解かれることになる。従って、キャリッジの駆動系に対して大きな負荷をかけることがない【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】図1は、本発明を具体化した一実施形態のホットメルトインクジェットプリンタ(単にプリンタと呼ぶこともある)100の内部を示す斜視図である。
【0032】図1において、プリンタ100は、その筐体103内に、搬送モータ106により駆動され、被記録媒体としての記録紙Rをプリンタ100上方へ搬送する搬送ローラ105を備え、記録紙Rの搬送経路には、キャリッジ107に支承されたヘッド1が設けられている。また、キャリッジ107は、筐体103に固定された支持部材109に、記録紙Rの搬送方向に対して矢印Xに示すような直交方向に往復移動自在に支持されると共に、キャリッジモータ110により駆動されるタイミングベルト111に固定され、矢印Xに示すように往復自在になっている。
【0033】次に、本実施形態におけるホットメルトインクジェットプリンタ100のヘッド1について詳しく説明する。
【0034】ヘッド1は、図2に示すように、インクタンク10、フロントパネル30、溶融タンク40、カム50及び制御基板ステージ70を備えている。
【0035】インクタンク10は、フロントパネル30を取り付けるための傾斜した前面部15と、ホットメルトインク(以下、単にインクと表記することもある。)を溜めておくことができ、カラー出力(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)用の四組の主室11及び副室13と、インクタンク上蓋19と、インクタンク10の裏面に取り付けられたインクタンクヒータ17とを備え、さらに、図4(a)に示すように、インクタンク10の点線で示す各々の主室11及び副室13の底面裏側に、下方へ開口した連通路21を備えている。
【0036】主室11は、図3に示すように、上方から見た形状がL宇型の形状をしており、連通路21ヘ通じる主室入口21aと、フロントパネル30へ通じる主室出口22aと、フィルタ29とを備えている。
【0037】フィルタ29は、ステンレススチールの繊維を焼結させて紙状にした後、プレスすることによって製作されたものであり、各繊維が複雑に曲折して重なり合い、厚さ方向に多数の層を形成したもので、三次元構造の通路を有するものである。
【0038】副室13は、連通路21へ通じる副室出口21bと、フロントパネル30へ通じる副室入口22bと、図2に示すように、副室出口21b及び副室入口22bのどちらか一方を塞ぐと他方が開放されるほぼ逆T字型のバルブ手段としての弁開開レバー24を備えている。
【0039】弁開閉レバー24は、アルミニウム合金ダイキャスト製であり、図6〜図8に示す様に、副室出口21bと副室入口22bとの間に設けられたレバー台座25を支持点として揺動可能な状態で取り付けられている。また、弁開閉レバー24は、圧接弁27及び28を備えており、板バネ26に付勢されることによって、通常時には圧接弁28が副室入口22bを密閉する状態を保持している。ここで、圧接弁27の圧接面は球面形状、それに対応する副室出口22bの口縁部はテーパ面形状であり、圧接弁28の圧接面は平面形状、それに対応する副室入口22bの口縁部は環状に突出した形状である。また、圧接弁27及び28は、シリコーンゴム製であり、ショア硬さは約40°、耐熱温度は約200℃である。
【0040】インクタンク上蓋19は、図2に示すように、フロントパネル30の形状に合わせたフロントパネルカバー部19aと、副室13をカバーする副室カバー部19bと、弁開開レバー24の上端部24aを露出させるための長孔19cと、溶融タンク40から副室13ヘホットメルトインクを供給するためのインク投入口19dと、各主室11へ図示しないコンプレッサから圧縮空気を送るための空気室20と、コンプレッサから空気室20へ通じる貫通孔20bと、空気室20を封じるための空気室蓋20aとを備えている。なお、インクタンク上蓋19の空気室20は、図7(a)に示す様に、主室11へ通じる貫通孔23を備えている。
【0041】インクタンクヒータ17は、図4(a)の断面線A−Aを示す図4(b)に示すように、インクタンク10の連通路21を塞ぐように厚さ55μmのACヒータ17aが貼り付けられ、そして、外側に厚さ55μmのDCヒータ17bを重ねて貼り付け、さらに、外側に厚さ25μmのポリイミドの絶縁シート17cを重ねて貼り付けたものである。
【0042】ACヒータ17aは、厚さ30μmのエッチングされたステンレスのパターンを蛇行させるように形成した電気抵抗線と、温度センサーであるサーミスタとを備えた厚さ25μmのポリイミドの絶縁シートで作られている。そして、電気抵抗線は、点線で示す連通路21の部分を避けるようなパターンに形成されている。
【0043】DCヒータ17bは、ACヒータ17a同様に、厚さ30μmのエッチングされたステンレスのパターンに形成された電気抵抗線18cを備えた厚さ25μmのポリイミドの絶縁シートで作られている。そして、連通路21の部分を避けるようなパターンに形成されている。
【0044】フロントパネル30は、図2に示すように、前面に、4つのノズルヘッド31を備え、図5に示すように、裏面に、各主室11から各ノズルヘッド31へ通じる往路35及び各ノズルヘッド31から各副室13へ通じる復路37が形成されている。さらに、図2に示すように、フロントパネル30の裏面には、往路35及び復路37を覆うように蓋パネル30aが取り付けられており、そして、蓋パネル30aヘフロントパネルヒータ33が取り付けられている。なお、図5に示すように、各主室11から各往路35へは往路入口35aが、各往路35から各ノズルヘッド31へは往路出口35bが、各ノズルヘッド31から各復路37へは復路入口37bが、各復路37から各副室13へは復路出口37aがそれぞれ設けられている。
【0045】ノズルヘッド31は、その内部に図8に示す様なインクの流路を備えている。インクは、このインク流路内を図に示す矢印の様に、往路35、往路出口35b及び下分岐点31aを経由してノズル32へ至り、更に上分岐点31b、復路入口37b及び復路37を経由して副室13へと循環可能になっている。また、ノズル32は、128個の微細な噴射口を64個ずつ2列に並べて構成されており、圧電変換素子38の微少な体積変化によってインクが加圧されることによって、インクを被記録媒体へ墳射する。
【0046】カム50は、図6、図7に示す様に、インクタンク上蓋19の上に、図の左右方向へ摺動可能な状熊で取り付けられており、当接面50a付近をインクタンク上蓋19上から突出させている。また、カム50はカム面50bを4つ備えており、通常時にはカム50を図6に示す矢印A方向に押し込む力、及び矢印B方向に引っ張る力は加えられていない。
【0047】制御盤ステージ70は、図示しない制御基抜を備えており、ヘッド1の上部に取り付けられている。
【0048】こうした構成のヘッド1は、キャリッジモーター110によって、X方向へ往復移動可能になっている。また、ヘッド1の移動範囲には、ヘッド1を高速加熟するACヒータ17a及びパネルヒータ33の電源を取るための高速加熱ポジションと、パージングを行うためのパージングポジションと、プリンタ作動中にヘッド1が通常待機するホームポジションとがある。本実施形態のプリンタでは、高速加熱ポジションが左端に、パージングポジションが右端に、ホームボジションが高速加熱ボジションとパ一ジングボジションとの間の所定位置に定められている。なお、プリンタ作動中において、ヘッド1のDCヒータ17b等は、常時作動しているものとする。
【0049】次に、本実施形態におけるパージング処理について説明する。まず、図示しない駆動回路に指令を出力してキャリッジモーター110を駆動しヘッド1をプリンタ本体右端のパージングポジションまで移動する。すると、カム50の当接面50aがプリンタ本体のフレームに押し付けられる。そして、カム50はインクタンク上蓋19の上を矢印A方向に摺動する。カム50が矢印A方向に摺動すると、カム面50bは弁開閉レバー24の上端部24aを図5に示す矢印D方向に押し動かす。すると、弁開閉レバー24はレバー台座25を支点として揺動し、圧接弁28と副室入口22bとの圧接が解け、更に揺動が進むと圧接弁27と副室出口21bとが圧接し、副室入口22bが開放、副室出口21bが密閉された状態になる。
【0050】次に、ホットメルトインクの帰還処理であるパージングを行う。パージングとは、フロントパネル30及びノズルヘッド31内に残って固化しているインクを溶かし、インクが固化したとき取り込んでしまった気泡を残留インクと共に副室13に押し出す作業である。具体的には、次の様に気泡を押し出す。まず、ポンプ制御回路88によりポンプ881を駆動し、貫通孔20bから、空気室20、貫通孔23を経由して主室11内にエアを送り込むことによって、主室11内の気圧を上昇させる。副室出口21bが密閉され、副室入口22bが開放されているので、気泡を含んだインクは、主室11から、主室出口22a、往路入口35a、往路35、往路出口35b、ノズルヘッド31、復路入口37b、復路37、復路出口37a、副室入口22bを経由して、副室13へ送られる。
【0051】次に、パージ制御が2度行われたか判定し、1度しか行われていない場合には、図示しないキャリッジ駆動回路に指令を出力してキャリッジモーター110を駆動し、ヘッド1をパージングポジションからややずらす。すると、カム50の当接面50bがプリンタ本体のフレーム54から離れる。
【0052】この時、カム50を矢印B方向に摺動させることができれば、弁開閉レバー24の上端部24aは、カム面50aよって押し付けられなくなる。すると、弁開閉レバー24は、板バネ26の付勢力によってレバー台座25を支点として揺動し、圧接弁27と副室出口21bとの圧接が解け、更に揺動が進むと圧接弁28と副室入口22bとが圧接し、副室入口22bが密閉、副室出口21bが開放された状態になり、レベリングが行われる。レベリングとは、パージングにより副室13内に強制的に送られたインクを、連通路21から主室11に帰還させ、主室11と副室13の液面を同じレベルにする作業である。上記のように、ヘッド1の移動により副室13内の圧接弁28,27は副室入口22bを閉じ、副室出口21bを開く。圧接弁27は機械的に開放されるため、素早いレベリングが行われる。
【0053】こうしてレベリングを行った後は、上述手順で2回目のパージングを行う。そして、2回目のパージングが終了したら、図示しないキャリッジ駆動回路に指令を出力してキャリッジモーター110を駆動し、ヘッド1を所定のホームポジションヘ移動させる。
【0054】以上の制御によって、インクタンク10及びフロントパネル30が所定温度に保持されると共に、インクタンク10及びフロントパネル30内のホットメルトインクも所定温度に保持される。特に、ノズル孔の温度が所定の保持温度に至るよりも前の早めのタイミングでパージングを実行することにより、ノズル部分の温度がパージングによって循環された高温のインクの熱を受けて速やかに上昇する。その結果、印刷動作が行われる場合には、気泡が除去され、十分に溶融した状態のインクを用いることができる。
【0055】しかしながら、従来は、上述のようなレベリング処理を行うために、カム50をスプリングにて付勢し、スプリングの付勢力によりカム50を矢印B方向に移動させていたため、前記パージングポジションにおいてカム50を矢印A方向に押し込む荷重が増大し、キャリッジモーター110の脱調を引き起こす場合があった。また、カム面50bが弁開閉レバー24の上端部24aとの摺擦を繰り返すことにより、当該上端部24aとの当接面積が広がり、スプリングの付勢力のみによってはカム50を矢印B方向に戻すことができない場合があった。
【0056】そこで、本実施形態においては、図9に示すように、プリンタ本体のフレーム54に、係合部材としての板バネ60を取り付け、更に、カム50にも、当接面50a側に当該板バネ60と係合する係合凹部50cを設けることにより、前記板バネ60を係合凹部50cに係合させた状態でヘッド1を移動させ、カム50を矢印B方向に引くように構成した。
【0057】以下、図9〜図13を用いて、本実施形態におけるカム50の移動機構について詳しく説明する。
【0058】まず、図9に示すように、ヘッド1がパージングポジションに到達していない状態においては、カム50には他の部材から力が加えられておらず、カム50は弁開閉レバー24に対しても力を与えていない。従って、弁開閉レバー24は上述した板バネ26の付勢力によって、副室入口22bを密閉している。
【0059】次に、図10に示すように、ヘッド1がパージングポジションに到達すると、カム50の当接面50aが当接部材としてのフレーム54に当接し、カム50は矢印A方向に押し込まれる。従って、カム面50bが弁開閉レバー24の上端部24aを矢印D方向に押し倒し、その結果、副室入口22bは開状態になる。
【0060】一方、ヘッド1がパージングポジションに到達する過程において、カム50の当接面50aと板バネ60の先端部が当接することになるが、板バネ60は弾性力により撓み、ヘッド1のパージングポジション到達時点においては、図10に示すように、カム50の係合凹部50cに収容される状態となる。
【0061】この状態で上述したようなパージング処理が行われ、次に上述したレベリング処理を行うためにヘッド1を図11に示すようにホームポジション側に少し移動させると、カム50の係合凹部50cと板バネ60の凸部とが係合する。
【0062】そして、ヘッド1を図12に示すように更にホームポジション側へと移動させると、上述のように係合凹部50cと板バネ60の凸部との係合により、カム50は相対的に矢印B方向に引かれることになる。従って、カム面50bが弁開閉レバー24の上端部24aを押し倒す力が解除されるため、弁開閉レバー24は板バネ26の付勢力により、副室入口22bを閉じる方向に揺動する。
【0063】更に、図13に示すようにヘッド1が移動していくと、カム50は矢印B方向に移動できなくなるため、カム50はヘッド1と共に板バネ60の付勢力に抗して矢印A方向に移動する。従って、板バネ60は矢印D方向に撓み、徐々に係合凹部50cと板バネ60の凸部との係合が解かれることになる。
【0064】以上のように、本実施形態によれば、パージングポジションにおいてカム50を矢印A方向に押し込む力は、カム面50bにより弁開閉レバー24を板バネ26の付勢力に抗して押し倒すのに要する力のみとなり、従来よりも減少させることができるので、キャリッジモーター110の脱調を引き起こすことがない。
【0065】また、ヘッド1がパージングポジションから離脱する場合には、カム50の係合凹部50cとフレーム54に取り付けた板バネ60とを係合させることにより、相対的にカム50を矢印B方向に移動させることができ、磨耗により、カム面50bと弁開閉レバー24の上端部24aとの当接面積が増大した場合でも、確実にカム50をパージングポジション到達前の状態に戻すことができる。
【0066】なお、本実施形態においては、係合部材の一例として、板バネ60を用い、板バネ60をフレーム54に取り付けた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、板バネ60をカム50に取り付け、フレーム54側に係合凹部を設けるようにしても良い。
【0067】また、係合部材としては、板バネに限られるものではなく、係合凹部50が形成されたカム50の端部の材質をゴム等の弾性体により形成し、フレーム側に取り付けられた凸部と当該端部とを係合させるようにしても良い。
【0068】
【発明の効果】請求項1に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、カム手段をプリンタフレーム側の当接部材に当接させることにより、バルブ手段をインク帰還孔の開位置に移動させ、キャリッジを帰還処理位置から離脱させた際には、カム手段とプリンタフレーム側とを係合させ、バルブ手段をインク帰還孔の閉位置に移動させ、離脱方向の力の大きさに応じて前記係合を解くようにしたので、帰還処理時においてカム手段を押し込む力を減少させることができ、キャリッジの駆動系に対する負荷を軽減させることができる。また、帰還処理位置からの離脱時においては、係合部材によりカム手段を確実に帰還処理前の位置に戻すことができるので、除去した気泡等の逆流がなく、良好なプリントを行うことができる。
【0069】請求項2に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、前記係合部材を、前記プリンタフレーム側または前記カム手段に取り付けられた係合凸部を有する弾性部材とし、前記カム手段または前記プリンタフレーム側に前記係合凸部に離脱可能に係合する係合凹部を設けたので、カム手段を確実に前記帰還処理前の位置に戻すことができると共に、離脱時におけるキャリッジの駆動系に対しての負荷を低減させることができる。
【0070】請求項3に記載のホットメルトインクジェットプリンタによれば、前記係合部材を、前記カム手段に対向するように前記カム手段の移動方向に延びて形成され、前記プリンタフレーム側に取り付けられた板ばね部材としたので、簡易な構成により、キャリッジの駆動系に対して大きな負荷をかけることがなく、前記カム手段を移動させることができる。




 

 


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