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発明の名称 ミシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−19366
公開日 平成11年(1999)1月26日
出願番号 特願平9−199231
出願日 平成9年(1997)7月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
発明者 加藤 哲
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ミシンモータで主軸を介して駆動される縫針と、縫針と協働して糸輪を捕捉する全回転釜とを備えたミシンにおいて、前記全回転釜の釜軸を軸方向に位置調節する為の位置調節機構を設け、前記全回転釜の内釜の係合部に係合して内釜の回転を規制する釜止めを全回転釜と一体的に軸方向へ移動可能に構成したことを特徴とするミシン。
【請求項2】 更に、前記全回転釜を回転駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動軸に対して釜軸を軸方向移動可能で且つ駆動力を伝達可能に連結する連結手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
【請求項3】 前記位置調節機構は、少なくとも釜軸を回転可能に且つ釜軸と一体的に軸方向へ移動可能なスリーブ部材を備え、このスリーブ部材に釜止めを連結し固定する釜止め保持部材を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のミシン。
【請求項4】 前記駆動手段は、ミシンモータとは独立の電動モータで釜軸を駆動するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のミシン。
【請求項5】 前記駆動手段は、主軸を駆動するミシンモータで釜軸を駆動するように構成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のミシン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全回転釜を備えたミシンに関し、特に全回転釜に取付けられた釜軸を軸方向へ位置調節したときには、全回転釜の内釜の回転を規制する釜止めも同時に軸方向へ移動させるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通常のミシンにおいては、そのベッド部内に、縫針と協働して糸輪を捕捉する全回転釜とその全回転釜を駆動する釜軸(下軸)とが配設され、縫針と全回転釜とを同期駆動させる必要から、ミシンモータで主軸を介して縫針を上下に駆動するのと同時に、全回転釜を取付けた釜軸も主軸で駆動するように、主軸連動型として構成してある。最近、全回転釜を専用の駆動モータで主軸とは独立に駆動することにより、全回転釜を主軸に同期駆動させつつ、縫製条件に応じて全回転釜の時々刻々の回転状態を制御することができる。
【0003】例えば、特開昭60─21750号公報には、縫針を駆動する針駆動モータと、全回転釜を駆動する釜駆動モータとを設け、縫針と全回転釜とが同期作動するようにミシンモータと釜駆動モータとを同期制御し、一連の縫目を形成するようにした釜軸独立駆動型のミシンが提案されている。ところで、これら主軸連動型のミシンや釜軸独立駆動型のミシンにおいては、縫針の出合い位置に対する全回転釜の出合い位置を、常に所定の位相関係となるように全回転釜を釜軸に取付けてある。
【0004】しかし、縫針と剣先との隙間寸法である針隙を縫製条件に応じて変更する場合に、釜軸に全回転釜を固着してある取付けビスを緩めたときには、全回転釜の出合い位置と針隙の両方が調整不良になることから、釜軸に全回転釜を固定するときには、これら出合い位置と針隙の調整を行うことになり、調整作業が複雑化し且つ多大の調整作業時間を要するという問題がある。そこで、本願の発明者は、特願平9−54012号において、全回転釜の釜軸を駆動する釜駆動モータをミシンモータとは独立に設け、その釜駆動モータの駆動軸に対して釜軸を軸方向移動可能で且つ駆動力を伝達可能なカップリングを設け、更に、釜軸を軸方向に位置調節する為の位置調節機構を設け、針隙だけを簡単に調節できるようにしたミシンを提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、全回転釜としては、基本的に、ボビンケースを収納する内釜と、糸輪を捕捉する剣先を有し回転駆動される外釜とで構成され、外釜の回転で内釜が回転しないように、内釜の係合凹部に外側から係合することで内釜の回転を規制する釜止めが設けられているのが一般的である。前述したように、本願の発明者が特願平9−54012号において、位置調節機構により全回転釜をその釜軸の軸方向に位置調節することで、針隙だけを簡単に調節できるようにしたミシンを提案したが、釜止めを内釜に対向させて、針板を取付ける針板土台に固定的に固定してあるので、位置調節機構により全回転釜の取付け位置を調節したときには、釜止めは移動しないので、内釜の係合凹部に対する釜止めの取付け位置に誤差が生じることになり、その釜止めの取付け位置を調節することから、調整作業が複雑化するという問題がある。
【0006】本発明の目的は、全回転釜と内釜の回転を規制する釜止めとを一体的に移動させることで、剣先と縫針との隙間寸法である針隙の調節作業を簡単化し得るようにしたものに関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、ミシンモータで主軸を介して駆動される縫針と、縫針と協働して糸輪を捕捉する全回転釜とを備えたミシンにおいて、全回転釜の釜軸を軸方向に位置調節する為の位置調節機構を設け、全回転釜の内釜の係合部に係合して内釜の回転を規制する釜止めを全回転釜と一体的に軸方向へ移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0008】ミシンのアーム部に配設された主軸はミシンモータで回転駆動され、縫針はその主軸の回転に連動して上下駆動される。ミシンのベッド部に設けられた全回転釜は縫針の上下動と協働して縫針から延びる糸輪を捕捉することで、縫目が形成される。位置調節機構により、全回転釜の釜軸を軸方向に位置調節することで、全回転釜の剣先と縫針との隙間寸法である針隙を調節することができる。ところで、位置調節機構により全回転釜の取付け位置を位置調節したときには、全回転釜の内釜の係合部に係合して内釜の回転を規制する釜止めは、全回転釜と一体的に軸方向へ移動して、釜止めと内釜とは常に所定の位置関係が保持される。
【0009】請求項2のミシンは、請求項1の発明において、更に、全回転釜を回転駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動軸に対して釜軸を軸方向移動可能で且つ駆動力を伝達可能に連結する連結手段とを設けたことを特徴とするものである。この場合には、駆動手段は連結手段を介して全回転釜を駆動する。このとき、連結手段により駆動手段の駆動軸に対して釜軸を軸方向移動可能であることから、全回転釜の軸方向への位置調節に際して駆動軸を移動させることがない。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
【0010】請求項3のミシンは、請求項1または2の発明において、前記位置調節機構は、少なくとも釜軸を回転可能に且つ釜軸と一体的に軸方向へ移動可能なスリーブ部材を備え、このスリーブ部材に釜止めを連結し固定する釜止め保持部材を設けたことを特徴とするものである。この場合には、釜軸は位置調節機構のスリーブ部材により回転可能に枢支されるとともに、そのスリーブ部材と一体的に軸方向へ移動されるので、スリーブ部材が位置調節部材で位置調節されたときには、全回転釜の位置が位置調節されるのと同時に、スリーブ部材に連結し固定された釜止め保持部材を介して釜止めも位置調節される。その他、請求項1または2と同様の作用を奏する。
【0011】請求項4のミシンは、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記駆動手段は、ミシンモータとは独立の電動モータで釜軸を駆動するように構成されたことを特徴とするものである。この場合には、全回転釜をミシンモータに連結させて駆動する連結駆動機構を省略して、釜軸をミシンモータとは独立の電動モータで直接駆動することができる。その他、請求項1〜3の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0012】請求項5のミシンは、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記駆動手段は、主軸を駆動するミシンモータで釜軸を駆動するように構成されたことを特徴とするものである。この場合には、駆動手段としては、主軸を駆動するミシンモータで釜軸を駆動するように構成されているので、全回転釜をミシンモータで駆動する従来からある主軸連動型のミシンであってもよい。その他、請求項1〜3の何れか1項と同様の作用を奏する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態は、3台の刺繍ミシンを備え、各刺繍ミシンに設けられた全回転釜をミシンモータとは独立の釜駆動モータで回転駆動するようにした多頭型刺繍ミシンに本発明を適用した場合のものである。この多頭型刺繍ミシンMについて説明すると、図1に示すように、左右方向に延びるベースフレーム1の上面の後部側には、左右方向に所定長さを有する平面視略矩形状のミシン支持板2が配設され、このミシン支持板2の後端部分には、左右方向に延びる支持フレーム3が立設され、この支持フレーム3に、3つのヘッド部4〜6が所定間隔毎に左右方向に並設されるとともに、ミシン支持板2の前端部に位置するベースフレーム1には、これらヘッド部4〜6の各々に対応させて、独立構造のユニットとして構成されたシリンダ状のベッドユニット7〜9の各後端部が夫々支持されている。
【0014】即ち、ベースフレーム1上には、へッド部4とベッドユニット7とを備えた多針式刺繍ミシンM1と、へッド部5とベッドユニット8とを備えた多針式刺繍ミシンM2と、へッド部6とベッドユニット9とを備えた多針式刺繍ミシンM3とが並設されている。これら刺繍ミシンM1〜M3のヘッド部4〜6の各々の前端部には、左右方向に1列状に配列された12本の針棒10を上下動可能に支持するとともに、各針棒10に対応させて設けられた12個の天秤12を揺動可能に支持する針棒ケース13が左右方向移動可能に夫々取付けられ、各針棒10の下端には縫針11が着脱可能に取付けられている。
【0015】各針棒ケース13は、針棒変更機構を介して針棒変更モータ(図示略)で一斉に左右方向に移動されて、刺繍縫いの糸色を同時に変更可能になっている。また、ミシン支持板2の前側でベッドユニット7〜9の上面と同一高さになるように、作業用テーブル15が水平に配設され、この作業用テーブル15を含み、この作業用テーブル15の左右両側に設けられた1対の補助テーブル16,17に亙って、左右方向に延びる平面視矩形枠状の可動枠18が載置され、この可動枠18は図示外のX軸駆動機構でX軸方向(左右方向)に移動駆動されるとともに、Y軸駆動機構でY軸方向(前後方向)に移動駆動される。
【0016】ここで、各刺繍ミシンM1〜M3毎に設けられ、針棒10を上下駆動する針棒上下駆動機構、天秤12を上下駆動する天秤駆動機構については、通常の刺繍ミシンと同様であり、これらの機構はミシンモータ(図示略)で駆動されるミシン主軸を介して駆動されるものであり、その説明を省略する。次に、ベッドユニット7〜9について、図2〜図4に基づいて説明する。ここで、3つのベッドユニット7〜9は同様の構成なので、左端のベッドユニット7について説明する。
【0017】前後方向に延びる断面略U字状のベッドケース20は、その後端部において、ミシン支持板2の前端部に固着した1対の支持ブラケット21に取付けられ、ベッドケース20の前端部分には、ユニットとして構成された釜モジュール30(図3、図4参照)が着脱可能に固定されている。ここで、ベッドケース20の上側は、その前端部分において針板22で覆われ、針板22に連続させてカバー板23で覆われている。
【0018】次に、釜モジュール30について説明する。図3〜図4に示すように、ベッドケース20の前端部には、取付けブロック31がビス32により着脱可能に固着され、この取付けブロック31の後端側には、パルスモータからなる釜駆動モータ33が取付けられている。一方、取付けブロック31の前端側には、全回転釜34が設けられ、この全回転釜34に固着されて後方に延びる釜軸37は、前後方向(軸方向)に位置調節可能に取付けブロック31に枢支されている。
【0019】そして、釜軸37の後端部と釜駆動モータ33の駆動軸33aとはカップリング40(連結手段に相当する)で連結されている。次に、このカップリング40について説明すると、図3〜図5に示すように、駆動軸33aに取付けられた第1連結部材41と、釜軸37に取付けられた第2連結部材42と、これら両連結部材41,42に挟着された緩衝部材43とで構成されている。ここで、駆動軸33aを有する釜駆動モータ33が駆動手段に相当する。
【0020】即ち、図5に示すように、第1連結部材41には、その軸穴41bの外側に略半円状で軸方向に平行な駆動力出力部41aが、前方突出状に形成されるとともに、第2連結部材42には、その軸穴の外側に略半円状で軸方向に平行な駆動力入力部42aが後方突出状に且つ駆動力出力部41aに対向状に形成されている。そして、これら出力部41aと入力部42aとの間には、硬質ゴム製の緩衝部材43が挟着されている。更に、釜軸37は、第2連結部材42と緩衝部材43とを挿通し、第1連結部材41の軸穴41bに嵌入され、これら釜軸37と駆動軸33aとは同心状に連結されている。
【0021】前記第1連結部材41には、ディスクエンコーダ44が取付けられ、このディスクエンコーダ44に形成された複数のスリットを光学的に検出して、釜駆動モータ33のモータ基準位置信号と、クロックパルス信号とからなるエンコーダ信号を出力するフォトセンサからなるエンコーダセンサ45が取付けブロック31に取付けられている。そして、釜駆動モータ33の駆動により、駆動軸33aとカップリング40とを介して釜軸37が回転駆動されて、全回転釜34が所定の回転方向に、ミシン主軸に対して2倍の回転速度で回転駆動される。ここで、ベッドユニット7の前端部は、ベッドケース20の前端部の下端にヒンジ機構を介して開閉可能に枢支された保護カバー46で覆われている。
【0022】ここで、全回転釜34について簡単に説明すると、図3〜図4、図6に示すように、下糸ボビンを収容するボビンケース38を保持する内釜35と、この内釜35の外側を回転する外釜36とからなり、その外釜36には、縫針11の目孔から延びる上糸を引っかけて上糸ループを形成する為の剣先36aが形成されている。そして、主軸の位相が約190°のときに、剣先36aと縫針11の目孔とが出合う出合いタイミングとなり、この出合いタイミングのときに、剣先36aは縫針11の目孔から延びる針側の上糸を引っかけて、外釜36の回転により、内釜35と外釜36との間を移動する上糸ループを形成し、その後天秤12の糸引き締めにより、下糸ボビンから延びる下糸と上糸とが絡むことで縫目が形成される。
【0023】図3〜図4に示すように、取付けブロック31の円筒壁部31aの内側には、円筒状のスリーブ部材47が前後方向に移動可能に設けられ、このスリーブ部材47内には、釜軸37を回転可能に支持するベアリング48が前方から圧入されている。これにより、全回転釜34に取付けられた釜軸37が、スリーブ部材47のベアリング48により、回転可能に支持され且つスリーブ部材47と一体的に軸方向(前後方向)へ移動可能になっている。次に、釜軸37を前後方向(軸方向)に位置調節する位置調節機構50について説明する。
【0024】図3〜図4に示すように、取付けブロック31の円筒壁部31aの左側面に形成されたピン穴31bには、偏心ピン51が回転可能に設けられるとともに、その偏心ピン51の先端の偏心ピン部51aがスリーブ部材47の外周部に形成された上下に細長いピン穴47aに係合している。一方、円筒壁部31aの右側面には、スリーブ部材47を固定解除可能なセットビス52が螺着されている。即ち、セットビス52を緩める一方、偏心ピン51を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることにより、偏心ピン部51aとピン穴47aとの係合を介して、スリーブ部材47を前方又は後方に、つまり軸方向に微小距離(例えば、1〜2mm)だけ移動でき、同時に釜軸37を介して全回転釜34の位置を前後方向に微調節できることから、縫針11と剣先36aとの隙間寸法である針隙を簡単に調節することができる。
【0025】ところで、図3〜図4、図6〜図7に示すように、内釜35の上端部の係合凹部35a(係合部に相当する)に係合して内釜35の回転を規制する釜止め55は、スリーブ部材47に連結した釜止め保持板56(釜止め保持部材に相当する)に固定されている。即ち、釜止め保持板56は、スリーブ部材47の前端部に略環状に一体形成されたフランジ47aに対応する略二股状の垂直壁部56aと、その垂直壁部56aの上端から針板土台24の下面に沿って前方に一体的に延びる矩形枠状の水平壁部56bとからなる側面視略L字状の板部材である。
【0026】そして、垂直壁部56aはフランジ47aに1対の固定ビス57で夫々固定され、矩形枠状の水平壁部56bの先端部には、左右方向に水平状に延びる細長い釜止め55の左右両端部が夫々ビス58で前後方向位置調節可能に固定され、釜止め55の左右方向の中央部に形成された係合突起55aが係合凹部35aに前方から係合している。ここで、釜止め55は、その係合突起55aと係合凹部35aとの係合が所定の係合関係となるように、つまり係合凹部35aに対する正規の取付け位置となるように調節されて釜止め保持板56に取付けられている。これにより、全回転釜34とスリーブ部材47とは一体的に前後方向に移動するのと同時に、釜止め55も釜止め保持板56を介してスリーブ部材47と一体的に前後方向に移動する。
【0027】以上のように構成された多頭刺繍ミシンMにおける位置調節機構50の作用について説明する。釜駆動モータ33の駆動軸33aと全回転釜34の釜軸37とはカップリング40を介して連結されているので、駆動力出力部41aからの駆動力が緩衝部材43を介して駆動力入力部42aに伝達され、釜駆動モータ33で全回転釜34の外釜36を回転駆動される。また、対向状の駆動力出力部41aと駆動力入力部42aとにより、釜軸37の位相と駆動軸33aの位相にズレを生じることなく釜軸37を駆動軸33aに対して軸方向に移動させることができる。
【0028】一方、剣先36aと縫針11との隙間寸法である針隙を調節するときには、セットビス52を緩める一方、偏心ピン51を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることにより、スリーブ部材47を前方又は後方に微小距離だけ移動でき、同時に釜軸37を介して全回転釜34を前後方向に微調節できることから、針隙を簡単に調節することができる。このとき、釜止め保持板56を介してスリーブ部材47に連結された釜止め55は全回転釜34と同期して同様に微小距離だけ移動されるので、釜止め55と内釜35との係合関係が常に一定となり、釜止め55の取付け位置を調節することもない。
【0029】このように、ミシンモータで主軸を介して駆動される縫針11と、縫針11と協働して糸輪を捕捉する全回転釜34とを備えた多頭型刺繍ミシンMにおいて、全回転釜34の釜軸37を軸方向(前後方向)に位置調節する為の位置調節機構50を設け、全回転釜34の内釜35の係合凹部35aに係合して内釜34の回転を規制する釜止め55を全回転釜34と一体的に軸方向へ移動可能に構成したので、位置調節機構50により全回転釜34の取付け位置を位置調節したときには、釜止め55も全回転釜34と一体的に軸方向へ移動することになり、釜止め55の取付け位置調節を省略でき、剣先36aと縫針11との隙間寸法である針隙の調節作業を簡単化することができる。
【0030】また、位置調節機構50には、少なくとも釜軸37を回転可能に且つ釜軸37と一体的に軸方向へ移動可能なスリーブ部材47を備え、このスリーブ部材47に釜止め55を連結し固定する釜止め保持板56を設けたので、偏心ピン51でスリーブ部材47を位置調節するときに、釜軸37つまり全回転釜34と釜止めとを簡単な機構で一体的に移動させることができる。更に、全回転釜34は、ミシンモータとは独立の釜駆動モータ33で釜軸37を駆動するように構成されたので、全回転釜34をミシンモータに連結させて駆動する連結駆動機構を省略でき、全回転釜34や釜駆動モータ33などを一体化させた小型のユニットからなる釜モジュール30に構成することができる。
【0031】前記実施形態の変更形態として、前記釜止め保持板56は側面視略L字状の板部材に限られるものではなく、スリーブ部材47と釜止め55とを連結し固定する各種の形状のものであってもよい。また、前記実施形態に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基づいて種々の変更を加えることもあり得る。更に、全回転釜34をミシンモータで駆動するように構成された釜駆動機構を備えた各種のミシンに本発明を適用し得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ミシンモータで主軸を介して駆動される縫針と、縫針と協働して糸輪を捕捉する全回転釜とを備えたミシンにおいて、全回転釜の釜軸を軸方向に位置調節する為の位置調節機構を設け、全回転釜の内釜の係合部に係合して内釜の回転を規制する釜止めを全回転釜と一体的に軸方向へ移動可能に構成したので、位置調節機構により全回転釜の取付け位置を位置調節したときには、釜止めも全回転釜と一体的に軸方向へ移動することになり、釜止めの取付け位置調節を省略でき、剣先と縫針との隙間寸法である針隙の調節作業を簡単化することができる。
【0033】請求項2の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏するが、更に、全回転釜を回転駆動する駆動手段と、この駆動手段の駆動軸に対して釜軸を軸方向移動可能で且つ駆動力を伝達可能に連結する連結手段とを設けたので、全回転釜の軸方向への位置調節に際して駆動軸を移動させることがなく、針隙の調節作業を簡単化することができる。請求項3の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を奏するが、前記位置調節機構は、少なくとも釜軸を回転可能に且つ釜軸と一体的に軸方向へ移動可能なスリーブ部材を備え、このスリーブ部材に釜止めを連結し固定する釜止め保持部材を設けたので、位置調節部材などでスリーブ部材を位置調節するときに、釜軸つまり全回転釜と釜止めとを簡単な機構で一体的に移動させることができる。
【0034】請求項4の発明によれば、請求項1〜3の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記駆動手段は、ミシンモータとは独立の電動モータで釜軸を駆動するように構成されたので、全回転釜をミシンモータに連結させて駆動する連結駆動機構を省略でき、全回転釜や駆動手段を一体化させた小型のユニットからなる釜モジュールとして構成することができる。請求項5の発明によれば、請求項1〜3の何れか1項と同様の効果を奏するが、前記駆動手段は、主軸を駆動するミシンモータで釜軸を駆動するように構成されたので、全回転釜をミシンモータで駆動する従来からある主軸連動型のミシンであってもよい。




 

 


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