米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> エーザイ株式会社

発明の名称 α−トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−92474
公開日 平成11年(1999)4月6日
出願番号 特願平9−253866
出願日 平成9年(1997)9月18日
代理人
発明者 広瀬 徳康
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 下記化学式で表されるα-トコフェロール酸性コハク酸エステルと【化1】

酢酸カルシウムを含水メタノール溶液中で反応させることを特徴とする、下記化学式で表されるα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩結晶の製造法。
【化2】

発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩結晶の製造法に関するものであり、詳しくはα-トコフェロール酸性コハク酸エステルのメタノール溶液中に酢酸カルシウムの水または含水メタノール溶液を滴下して塩交換を行わせることによるのカルシウム塩を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩は、本来、油状のビタミンEをα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩として結晶化させることによって、物理的にも化学的にも安定な粉末として得られるため、製剤上きわめて有利であり、とくに錠剤直打用のビタミンE原薬としてビタミンE含有の錠剤に配合され、繁用されている。
【0003】α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造に際しては、α-トコフェロール酸性コハク酸エステルの水酸化カルシウムによる直接的なカルシウム塩結晶化が困難なために、従来の製造方法としては以下の方法が採られている。すなわち、α-トコフェロール酸性コハク酸エステルを水酸化リチウムで中和して、一旦、リチウム塩とした後(特公昭43-29005号公報)、またはアンモニウム塩にした後(US-2407726号公報)、塩化カルシウムのメタノール溶液と反応させて塩交換を行う方法がある。また、リチウム塩経由による二段階反応の煩雑さを解消するためにα-トコフェロール酸性コハク酸エステルに無水コハク酸と水酸化カルシウムから調製したコハク酸カルシウムのアルコール溶液を加えてα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩を製造する方法もある(特公昭60-4185号公報)。
【0004】しかしながら、前二者は二段階の製造法であるため工程が長く煩雑であることに加え、リチウム塩を経由する方法においては水酸化リチウムが強塩基性であるためその取り扱いが不便であるうえに、エステル結合部位での鹸化を防ぐためにα-トコフェロール酸性コハク酸エステルの水酸化リチウムによる中和操作に際しては正確な中和点の測定が必要であるなどの操作上の欠点があり、またアンモニウム塩を経由する方法においては収率が低いなどの欠点がある。加えていずれの方法も塩化カルシウムで塩交換を行うことによって目的とするα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩を沈殿させているため、製品中に塩化物が不純物として混入することがさけられず、その除去に多くの手間をかけねばならないなど工業的に不利である。
【0005】一方、コハク酸カルシウム塩との塩交換によるα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製法に関しては、コハク酸カルシウム塩溶液調製に使用される無水コハク酸が比較的高価である上に、カルシウム塩化反応の後に多量に産出するコハク酸を産業廃棄物として処理しなければならない欠点を有している。また、無水コハク酸からコハク酸カルシウム塩への反応が定量的とは言えないため、α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩化に際しては量的関係が一定しないなどの操作上の問題点があるうえに、副成するコハク酸の結晶が不純物としてα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩結晶の表面に付着して製品の純度を低下させるなど工業的に不利な点が多い。
【0006】
【本発明が解決しようとする問題点】本発明者は、前述した従来技術の欠点を解決すべく、より安全で経済的な方法について鋭意検討した。具体的には、(1)塩交換による二段階のカルシウム塩化反応を直接的なカルシウム塩化反応に切り替えること、(2)水酸化リチウム、水酸化カルシウムなど作業者の健康を害する苛性アルカリ原料を用いない方法を用いること、(3)α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の純度を高めるためカルシウム塩化に用いる原料としては純度の一定しない未精製中間体の使用を避け、(4)安価で品質の安定した一般工業用試薬を利用すること、の4項目を満足する方法について研究を重ねてきた。
【0007】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者は次の方法により所期の目的を達成することができることを見いだし、本発明を完成した。即ち、本発明はα-トコフェロール酸性コハク酸エステルをメタノール溶液中で酢酸カルシウムの水溶液または含水メタノール溶液と反応させることによって一段階でカルシウム塩化して、目的とするα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の結晶を均一な好ましい粒度で晶出させ、高収率、高純度で得ることを特徴とする、下記化学反応式で表されるα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造方法に係るものである。
【0008】
【化3】

【0009】さらに詳しく述べれば、α-トコフェロール酸性コハク酸エステルのメタノール溶液中に攪拌しながらα-トコフェロール酸性コハク酸エステルの1/2モルに相当する酢酸カルシウムの水溶液または含水メタノール溶液を徐々に滴下させることによって塩交換をさせ目的とするα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩結晶を得ることができる。
【0010】酢酸カルシウム溶液の滴下時間は1時間から3時間が好ましく、緩徐な滴下が均一な粒度のカルシウム塩結晶の晶出を導き、反応温度は室温から-15℃が選択され、好ましくは室温近辺での結晶析出が良好な粒度のカルシウム塩の晶出をもたらすが、これらの条件に限定されるものではない。酢酸カルシウムを溶解させる溶剤としては水または含水メタノールが選択されるが、酢酸カルシウムが澄明に溶解している状態であればよく、その何れを用いても好ましい粒度の目的とするカルシウム塩を得ることができる。含水メタノールを選択する場合は、酢酸カルシウム溶液の安定性を保つためと、晶出速度を緩やかにしてより粒度のそろった結晶を得るに、50〜70%含水メタノールがより好ましい。
【0011】酢酸カルシウムは刺激性・吸湿性もなく安定であり、高品質の原料として安価に供給される市販の酢酸カルシウム・1水和物が使用される。また、本発明で反応溶媒として使用されるメタノールはα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の晶出能に優れていることに加え、含水反応系からのメタノールの回収に際しても水との共沸がないために他のアルコール類に比して、高純度にメタノールを回収し再利用できるなどの長所を有している。本発明の方法で得られるα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の精製法は晶出したカルシウム塩結晶を濾取し、メタノールで洗浄後、得られた湿体ケーキを真空下で棚型乾燥機またはコニカル乾燥機で乾燥してα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩を白色の粉末として得ることができる。
【0012】従来技術の項でも述べたごとく、α-トコフェロール酸性コハク酸エステルのリチウム塩を経由する製造法は二段階を要する間接法であり工程が煩雑な上に、交換塩としての高価なリチウム化合物を塩化リチウムとして廃棄しなければならないなど、操作上および経済上のデメリットがある。一方、コハク酸カルシウム塩との塩交換による製造法では、コハク酸カルシウム塩を無水コハク酸と水酸化カルシウムを反応させて調製しなければならず、結果的には二段階反応と同じであって手間がかかる上に、両者の反応が定量的でないためにコハク酸カルシウムの含量が一定せず、製品の品質が安定しない欠点がある。加えて、カルシウムの担持体として使用され、反応後は産業廃棄物として処理されねばならない無水コハク酸は高価である上に主原料のα-トコフェロール酸性コハク酸エステルと等モルを使用しなければならないという欠点がある。すなわち、カルシウムの担持体として用いられる無水コハク酸は、主原料のα-トコフェロール酸性コハク酸エステルをα-トコフェロールと無水コハク酸から合成する際に使用される無水コハク酸と同量が必要とされ、塩交換後は廃棄物として処理されねばならないという製造コストにおよぼす大きな経済的デメリットがある。
【0013】本発明による製造法は、高品質で安価に供給される一般工業原料の酢酸カルシウムを使用して、α-トコフェロール酸性コハク酸エステルを煩雑な操作を要せず、一段階で直接にカルシウム塩化することが出来、経済的に大きな効果をもたらした。すなわち本法では、高価な水酸化リチウムや無水コハク酸を中間体や担持体として使用せず安価な酢酸カルシウムによって直接、カルシウム塩に変換できるため、製造コストの低減化をもたらし経済的に大きく貢献することが可能となった。
【0014】日本薬局方に記載されているα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩(日局名:コハク酸トコフェロールカルシウム)の含量は96〜102%と規定されている。α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩製造の原料として用いられるα-トコフェロール酸性コハク酸エステルは簡便な精製法がないため未精製(純度94〜96%)のままカルシウム塩化反応に使用され、カルシウム塩としての結晶化工程での精製効果による純度アップをはかっている。しかし従来法で製造する場合は、しばしばα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩結晶の表面に塩化物やコハク酸が付着して製品の含量(純度)を低下させたり、塩化物やコハク酸などの夾雑物が規格値を上回り、品質的に不適になることがあった。本発明の製造法ではカルシウム塩化試薬に酢酸カルシウムを用いているため、塩交換後に生成する酢酸はメタノール溶媒中に容易に移行しα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の結晶表面には付着することがなく、製品の純度(含量)向上に大きく貢献した。
【0015】まず従来技術と本発明方法を比較して、化学反応式で以下に示す。
【0016】
【化4】

【0017】本発明方法の優位性を立証するために、先行技術として公知の特公昭60-4185号公報記載の[実施例(1)]を比較例1(コハク酸カルシウム法)、工業的に実用化されている特公昭43-29005号公報の(リチウム塩法)を比較例2として、これとほぼ同条件下で本発明方法による実施例1および2を実施して、得られたα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の収率、純度(含量)を対比した。 その結果、本発明の方法による製造法は下表に示すごとく収量、純度ともに比較例よりも有意に優れていることが判った。
【0018】

*:日本薬局方記載のコハク酸トコフェロールカルシウムの定量法に従って含量測定をおこなった。
【0019】カルシウム塩化工程はα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩(日局:コハク酸トコフェロールカルシウム)製造の最終工程であるため、本工程の精製能が医薬品たるコハク酸トコフェロールカルシウムの品質を左右することになる。本発明の製造法によるα-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の含量は、日局の最低含量規定値96.0%を大きく上回っており、良質な医薬品原薬を医療の場に届け得るとともに、その製造に際しては含量不足による製品不適となるリスクを大きく低減することが出来た。
【0020】続いて本発明を具体的に説明するため、以下に実施例および比較例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0021】
【実施例】
実施例1 α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造水60mlに酢酸カルシウム・1水和物9.5g(0.054モル)を溶解し、この溶液にメタノール100mlを加えて澄明な酢酸カルシウムの含水メタノール溶液を調製した。次に、dl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル 53.6g(純度96%、0.097モル)をメタノール240mlに溶解し、攪拌(250rpm)しながら先に調製した酢酸カルシウム溶液を約1時間を要して滴下し、さらに30分間攪拌した。生成した白色沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄後、吸引濾過して目的とするカルシウム塩の湿体を得、減圧で乾燥してdl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩52.8g(純度98.6%)を得た。
【0022】実施例2 α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造水60mlに酢酸カルシウム・1水和物9.5g(0.054モル)を溶解して、酢酸カルシウムの水溶液を調製した。次に、dl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル53.6g(純度96%、0.097モル)をメタノール350mlに溶解し、室温で激しく攪拌(250rpm)しながら、先に調製した酢酸カルシウム溶液を約1.5時間を要して徐々に滴下し、さらに30分間攪拌を続行した。生成した白色沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄して後、吸引ろ過して目的とするカルシウム塩の湿体を得、減圧下乾燥してdl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩53.0g(純度98.9%)を得た。
【0023】実施例3 α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造d-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル5.6g(純度97.8%、0.01モル)をメタノール45mlに溶かした溶液中に、酢酸カルシウム・1水和物970mg(0.011モル)を水6mlとメタノール10mlに溶かした溶液を-10℃に冷却下攪拌(250rpmしながら30分間かけて滴下したさらに30分間攪拌してのち、析出した白色沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄後、減圧下乾燥してd-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩5.2g(純度98.6%)を得た。
【0024】比較例1 α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造(従来技術:コハク酸カルシウム法)メタノール80mlに無水コハク酸12g(0.12モル)および水酸化カルシウム4g(0.054モル)を加え、攪拌しながら30分間沸騰させたのち不溶物を濾別除去してコハク酸のカルシウム塩溶液を得た。次に、dl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル53.6g(純度96%、100%換算して0.097モル)をメタノール240mlに溶解し、攪拌(250rpm)しながら先に調製したコハク酸カルシウム溶液を1時間かかって滴下し、さらに30分間攪拌した。生成した白色沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄したのち吸引濾過し、減圧で乾燥してdl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩48.9g(純度 97.7%)を得た。
【0025】比較例2 α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩の製造(従来技術:リチウム塩法)水酸化リチウム・1水和物4.2g(0.1モル)をメタノール250 mlに溶解したのち不溶物を濾去し、水酸化リチウムのメタノール溶液を調製した。次に、dl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル53.6g(純度96%、0.097モル)をメタノール200mlに溶解した溶液に、室温で攪拌しながら、先に調製した水酸化リチウムのメタノール溶液を滴下した。反応液の液性が弱アルカリ性(pH9.3)に傾いたことを確認した後に、この溶液中に塩化カルシウム10.1g(0.1モル)をメタノール100mlに溶かした溶液を-10℃に冷却下、攪拌(250rpm)しながら約1.5時間を要して滴下し、さらに1時間攪拌を続けた。生成した白色沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄後、吸引濾過して得られた湿体ケーキを減圧で乾燥してdl-α-トコフェロール酸性コハク酸エステル・カルシウム塩50.6g(純度97.8%)を得た。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013