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発明の名称 釘打ち機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−320446
公開日 平成11年(1999)11月24日
出願番号 特願平10−127781
出願日 平成10年(1998)5月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外6名)
発明者 向山 兼司 / 岩上 潤一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 上下動するピストンを内蔵する釘打ち機本体部と、前記ピストンに取り付けた釘打ち込み用のドライバーと、前記釘打ち機本体部に対して上下動可能な釘保持用の釘ガイドを備え、前記ドライバーの下限位置に対する前記釘ガイドの上限位置を段階的に規制して釘の打ち込み深さを選択的に調整可能な構成とした釘打ち機。
【請求項2】 請求項1記載の釘打ち機であって、釘ガイドにストッパブロックを設ける一方、釘打ち機本体部に、上下方向に高さの異なる複数の段差面を備えた切り換え部材を移動可能に設け、該切り換え部材の位置を変更して前記ストッパブロックの上方に任意の段差面を位置させ、該段差面に前記ストッパブロックを当接させて、前記釘ガイドの上限位置を選択的に調整可能な構成とした釘打ち機。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば釘打ち込み用ドライバーの先端にセットした釘を多段階で打ち込むタイプの釘打ち機(いわゆる「ばら釘打ち機」)であって、特に釘の打ち込み深さを調整するための機構を備えた釘打ち機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ばら打ちタイプの釘打ち機は、例えば特開平7−308870号公報に開示されているように、釘打ち機本体部に釘打ち込み用のドライバーを備えたピストンを内蔵するとともに、該本体部の下面に釘案内用の釘ガイドを上下動可能に備えた構成となっており、トリガの引き操作により上記ピストンを上下動させて釘ガイドに保持した1本の釘をドライバーガイドによって打撃し、これを繰り返すことにより当該1本の釘を打ち込む構成となっている。
【0003】この従来の釘打ち機において、上記釘ガイドは釘打ち込み材に押し付けられ、釘の打ち込み深さが深くなるに従って相対的に上動する。また、釘ガイドが上限位置に至った状態で、ピストンが下限位置に至るとドライバーが釘ガイドから僅かに突き出されるよう各部が設定されている。従って、当該釘打ち機本体部を釘打ち込み材に向けて押し付けつつトリガを操作して多数回の打撃を繰り返すことにより1本の釘が徐々に深く打ち込まれていき、最終的に釘ガイドが上限位置に至った段階で釘が完全に打ち込まれる(釘の頭部が釘打ち込み材から突き出さない状態になる)ようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、釘の打ち込み深さについては、上記のように完全に打ち込む場合の他、頭部を僅かに打ち残した状態に止めたい場合もあり、上記従来の釘打ち機ではこのような要求に答えることが困難であった。そこで、本発明は、釘の打ち込み深さを簡単に調整することができ、汎用性の高い釘打ち機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載の釘打ち機は、上下動するピストンを内蔵する釘打ち機本体部と、前記ピストンに取り付けた釘打ち込み用のドライバーと、前記釘打ち機本体部に対して上下動可能な釘保持用の釘ガイドを備え、前記ドライバーの下限位置に対する前記釘ガイドの上限位置を段階的に規制して釘の打ち込み深さを選択的に調整可能な構成とした。
【0006】この構成によれば、釘ガイドの上限位置を段階的に調整することにより、該釘ガイドの上限位置に対するドライバーの下限位置を調整することができ、これにより釘ガイドが上限位置に至った段階において、ドライバーが釘ガイドの先端よりも僅かに引っ込んだ状態をも実現することができ、ひいては釘の打ち込み深さを任意に変更することができる。
【0007】請求項2記載の釘打ち機は、請求項1記載の釘打ち機であって、釘ガイドにストッパブロックを設ける一方、釘打ち機本体部に、上下方向に高さの異なる複数の段差面を備えた切り換え部材を移動可能に設け、該切り換え部材の位置を変更して前記ストッパブロックの上方に任意の段差面を位置させ、該段差面に前記ストッパブロックを当接させて、前記釘ガイドの上限位置を選択的に調整可能な構成とした。
【0008】この釘打ち機によれば、当該釘打ち機本体を釘打ち込み材に向けて押し付け操作しつつ釘打ち動作を繰り返して、最終的に釘ガイドのストッパブロックが切り換え部材の段差面に当接すると、その後、上記押し付け操作を継続しても釘ガイドが上動しないので、ピストンが上動せず従って釘打ち動作を停止する。すなわち、予め切り換え部材の位置を選択して任意の段差面をストッパブロックの上方に位置させておくことにより、以後、釘の打ち込み深さを気にすることなく、当該釘打ち機本体を押し付け操作しつつ釘打ち動作を繰り返せば、最終的に釘は所望の深さに打ち込まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図1〜図18に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る釘打ち機1の全体を示している。この釘打ち機1は大別すると、本体部10と、本体部10の下端面から突き出された打ち込み案内部50と、本体部10の側部から側方へ突き出されたハンドル部80から構成されている。先ず、本体部10の詳細が図2に示されている。この本体部10は略円筒形状のハウジング11に内装されている。ハウジング11の上部にはキャップ12が取り付けられている。図中13は、ハウジング11のほぼ中心に沿って一定の範囲で上下動可能に支持したシリンダであり、このシリンダ13の内部にはピストン14が上下動可能に内装されている。ピストン14には釘打ち込み用のドライバー15が取り付けられており、このドライバー15は上記打ち込み案内部50に至っている。このドライバー15が下動することにより、当該打ち込み案内部50にセットした1本の釘Nが釘打ち込み材Wに打ち込まれる(図3〜図10参照)。また、このドライバー15の上端部はピストン14の上面から突き出されており、この上端突き出し部15bにはシールリング15aが取り付けられている。ピストン14の周面には上下2個のシールリング14a,14bが装着されて、ピストン上室22とピストン下室24が気密に仕切られている。シリンダ13の下端部には外周側に張り出すフランジ部13aが形成されている。このフランジ部13aの周面にはシールリング13bが装着されており、これにより当該シリンダ13の下端部がハウジング11の内周面に摺動可能に支持されている。また、このフランジ部13aの下面とハウジング11の底面との間には圧縮ばね25が介装されており、これにより当該シリンダ13が上動側に付勢されている。
【0010】一方、このシリンダ13の上端部は、ハウジング11とキャップ12との間に介装した隔壁板18の内周側にシールリング13cを介して摺動可能に支持されている。また、シリンダ13の上端部は開口されており、この開口部にはシリンダキャップ17が取り付けられている。このシリンダキャップ17の中心には排気孔17aが形成されている。ピストン14が上動してドライバー15の上端突き出し部15bがこの排気孔17aに挿入されると、ピストン上室22と排気路81との間が気密に遮断される。後述するようにシリンダ13が上端位置まで上動すると上記シリンダキャップ17が、キャップ12の内面に取り付けたシール板12aに当接し、これによってもピストン上室22と排気路81との間が気密に遮断される。シリンダ13が下動すると、シリンダキャップ17はシール板12aから離間し、従ってピストン上室22が排気路81に連通され、ひいては大気開放される。排気路81は、ハウジング11およびキャップ12内において、隔壁18および仕切壁11bにより蓄圧室Aと区画されている。後述するようにこの排気路81はハンドル部80の先端を経て大気に連通されている。さらに、シリンダ13の上部には周方向に沿って複数の空気孔13d〜13dが形成されている。
【0011】次に、シリンダ13の外周には同じく円筒形状のスリーブ弁16が独立して上下動可能に取り付けられている。このスリーブ弁16の上部とシリンダ13との間はシールリング16aにより気密にシールされている。また、スリーブ弁16の中央付近には、周方向に沿って複数の空気孔16b〜16bが形成されている。この空気孔16b〜16bを経て蓄圧室Aとスリーブ弁16の内周側、すなわち当該スリーブ弁16とシリンダ13との間の隙間が常時連通されている。この空気孔16b〜16bの下側にはストッパリング19が取り付けられている。このストッパリング19に対応してハウジング11の内周面には、円環形状のストッパブロック20が取り付けられている。このストッパブロック20の上面内周側に形成した断付き面20aに上記ストッパリング19が上側から干渉することにより、当該スリーブ弁16のハウジング11に対する下限位置が規制されるようになっている。ストッパリング19がストッパブロック20の断付き面20aに当接する位置まで下動すると、当該スリーブ弁16の上端面16eが上記隔壁板18の下面に取り付けたシール板21から離間し、これによりスリーブ弁16が開かれて、シリンダ13のピストン上室22が上記空気孔13d〜13dを経て蓄圧室Aに連通される。一方、スリーブ弁16が上動すると、その上端面16eがシール板21に当接し、これにより当該スリーブ弁16が閉じられる。但し、スリーブ弁16の上端面16eは、外周側の一部がシール板21に対して当接し、内周側の一部は当接しないように設定されている。このため、当該上端面16eの内周側が常時ピストン上室22に露出されている。
【0012】次に、スリーブ弁16の下端部には、外周側へ張り出すフランジ部16cが形成されており、このフランジ部16cの周面にもシールリング16dが取り付けられている。このフランジ部16cを介して当該スリーブ弁16の下端部がハウジング11の内周面に摺動支持されている。上記スリーブ弁16のフランジ部16cと、前記シリンダ13のフランジ部13aとの間が変圧室23とされ、この変圧室23は、シリンダ13とスリーブ弁16との間の隙間及び空気孔16b〜16bを経て蓄圧室Aに常時連通されている。また、上記したようにストッパリング19がストッパブロック20の断付き面20aに当接してスリーブ弁16が下限位置に至った状態においても、当該スリーブ弁16のフランジ部16cがシリンダ13のフランジ部13aに当接しないよう上記ストッパリング19およびストッパブロック20の断付き面20aの位置が設定されており、これにより上記変圧室23の体積が常時一定以上確保されるようになっている。この変圧室23の側壁を構成するシリンダ13にはその周方向に沿って複数の空気孔13e〜13eが形成されている。ピストン14が一定距離上動して、下側のシールリング14aがこの空気孔13e〜13eよりも上側に変位すると、この空気孔13e〜13eを経て変圧室23がピストン下室24に連通される。ハウジング11の下部内面には、ピストン14の下端位置の衝撃を緩和するためのダンパー30が取り付けられている。上記シリンダ13が上動するとその下端とダンパー30との間に隙間31(図7〜図9参照)が発生する。また、ハウジング11の下面には排気孔11a〜11aが設けられている。このため、シリンダ13が上動すると、上記隙間31および排気孔11a〜11aを経てピストン下室24が大気開放される。
【0013】次に、図1に示すようにハウジング11の下面中心には、略円筒形状の保持スリーブ51が取り付けられており、この保持スリーブ51の内周側には同じく略円筒形状をなす釘ガイド54とドライバガイド52がそれぞれ一定の範囲で独立して上下動可能に支持されている。釘ガイド54と保持スリーブ51の下端面との間には圧縮ばね55が介装されているため、当該釘ガイド54は図示下向き(釘打ち込み方向、以下同じ)に付勢されている。釘ガイド54の上端側部にはストッパブロック54aが側方へ張り出し状に設けられている。このストッパブロック54aは、保持スリーブ51に形成した軸方向に長いガイド溝51aに挿入されている。このため、釘ガイド54は、このストッパブロック54aがガイド溝51aの下端に当接することにより下限位置が規制されている。また、このストッパブロック54aにより当該釘ガイド54の上限位置が多段階に規制され、これにより釘の打ち込み深さを調整できるようになっている。これについては後述する。
【0014】釘ガイド54の先端面は釘打ち込み材Wに押し当てる部分(材料押し当て面54b)であり、この材料押し当て面54bは当該釘ガイド54の軸線に対して若干傾斜している。その傾斜方向は、ドライバー15に対して当該釘打ち機1の重心Gが位置する側の方が長手方向により長くなる方向となっている。本実施形態の場合、当該釘打ち機1の重心Gは、図1においてドライバー15の右側に位置しており、従って材料押し当て面54bは図1において左側(反重心G側)へ上る方向(以下、前上がり方向という)に傾斜している。このように材料押し当て面54bをドライバー15に対して前上がり方向に傾斜させることにより、釘打ち時の反動により釘から釘ガイド54が外れてしまうことを防止することができる。その詳細が図14に示されている。
【0015】図14(A)(B)は、ドライバー15に対して材料押し当て面54cが直角に形成されている場合を示し、図14(C)(D)は上記したように前上がり方向に傾斜させた場合を示している。前者の場合、図14(A)に示すように釘ガイド54を釘打ち込み材Wに直角に押し当てて、材料押し当て面54cを釘打ち込み材Wにほぼ全面当たりさせた状態で釘Nの打ち込みを行うと、その時の衝撃により当該釘打ち機1はその重心Gの位置関係より図中矢印で示す方向(当該釘打ち機1を図示時計回り方向に回転させる方向)の反動を受ける。一方、釘Nの打ち込みが進行するほど受ける反動は大きくなり、当該釘打ち機1が傾きやすくなる(踊り現象)。また、使用者がハンドル部80を把持して釘打ち機1を釘打ち込み材Wに押し付ける際には、当該釘打ち機1を前方へ押す方向の力が加わりやすく、その結果当該釘打ち機1ひいては釘ガイド54が図14(B)(D)に示すように反重心方向に傾きやすい。このような理由から、材料押し当て面54cがドライバー15の打撃方向に対してほぼ直角であると、図14(B)に示すように釘ガイド54が反重心方向に傾いて材料押し当て面54cの図示右端部側が釘打ち込み材Wから浮き上がった状態になりやすく、この状態で図示矢印方向の反動を受けると釘Nから釘ガイド54が外れてしまう。
【0016】これに対して、前上がり方向に傾斜する材料押し当て面54bによれば、釘ガイド54が反重心方向に傾いても、材料押し当て面54bが釘打ち込み材Wにほぼ全面当たりし若しくはそれに近い状態になってその右端部が釘打ち込み材Wから浮き上がりにくいので、この時点で釘打ち込みにより図示矢印方向の反動を受けても、釘ガイド54が釘Nから外れにくく、最後まで釘の打ち込みができる。
【0017】また、釘ガイド54の先端側部には、セットした釘Nの姿勢を保持しておくためのマグネット56が取り付けられている。このマグネット56によりセットした釘が吸着されて釘ガイド54の先端部に保持される。
【0018】次に、ドライバガイド52の下端部は上記釘ガイド54の内周側に挿入されている。このドライバガイド52の外周面にはフランジ部52eが形成されており、このフランジ部52eと保持スリーブ51の底面との間にも圧縮ばね53が介装されている。このため、このドライバガイド52も下向きすなわち釘打ち込み方向に付勢されている。保持スリーブ51の側部にはストッパボルト51bがねじ込まれており、このストッパボルト51bの先端は内周側に突き出され、上記フランジ部52eの下側に至っている。このストッパボルト51bによりドライバガイド52の下限が規制されている。このように支持されたドライバガイド52の内周側に前記ドライバ15が径方向にほぼがたつきなく上下動可能に挿通されている。
【0019】ドライバガイド52の下端面には、打ち込む釘の頭部の大きさに合わせて円弧形状の段付き部52a〜52dが階段状に形成されている。この段付き部52a〜52dは、図12に示すように最も径の大きな円弧を有する段付き部52aが最も高い位置に形成され、最も小さい径の円弧を有する段付き部52dが最も低い位置に形成されており、頭部の径が小さい釘ほど釘ガイド54に取り付けたマグネット56に近い位置にセットされるようになっているため、釘の頭部が小さく短い釘でも釘の傾きが少なくなる。また、上記マグネット56の上側であって、釘ガイド54の内壁面にはその軸方向に長い逃がし凹部54dが形成されている。この逃がし凹部54dは、セットした釘Nの頭部を逃がして該釘Nを極力真っ直ぐに正立させた状態でマグネット56に吸着させる機能を有している。
【0020】次に、ドライバガイド52の上端部には、コンタクトアーム57が一体に設けられており、このコンタクトアーム57は図1,11に示すようにハンドル部80の基部に設けたロック解除用のトリガ60の近傍にまで延びている。トリガ60は、ハウジング11の側面下部に支軸61を介して回動可能に設けられている。また、このトリガ60は圧縮ばね62により図示時計回り方向に付勢されている。上記トリガ60の支軸61の下側にはコ字型の受けブラケット63が取り付けられており、この受けブラケット63により上記コンタクトアーム57の先端部が受けられて、ドライバガイド52の上下動に伴う当該コンタクトアーム57の上下方向の移動が案内されている。
【0021】一方、トリガ60の下壁部60aは支軸61の下側にまで形成されている。図11(A)に示すようにトリガ60を引き操作せず、圧縮ばね62の付勢力によりオフ側に位置させた状態では、上記壁部60aの上端部に設けたストッパ部60bがコンタクトアーム57の上方に張り出して、当該コンタクトアーム57の上方への相対変位を阻止する状態となる。コンタクトアーム57ひいてはドライバガイド52が相対的に上方へ変位不能な状態であると、ピストン14が上動不能であるので当該釘打ち機1は作動不能な状態となる(打ち込みロック状態)。これに対して、図11(B)に示すようにトリガ60を引き操作すると、その下壁部60aのストッパ部60bがコンタクトアーム57の上動経路上から退去するので、当該コンタクトアーム57ひいてはドライバガイド52が上動可能となり、従って当該釘打ち機1を押し操作することにより釘の打ち込みが可能な状態となる(ロック解除状態)。このようにトリガ60を引き操作しなければ、当該釘打ち機1は作動しないようになっている。このことから、トリガ60は不用意な釘の打ち込みを防止するための安全装置64として機能する。従来のバラ釘打ち機(例えば、特公昭48−12913号公報参照)にあってはこのような安全装置を備えていなかった。
【0022】次に、図1に示すようにハンドル部80は、前記ハウジング11の側部に一体形成した略円筒形状のハンドルハウジング85と、このハンドルハウジング85の先端に取り付けたハンドルキャップ86を有し、ハンドルハウジング85の内部が主として前記蓄圧室Aとされている。蓄圧室Aはハウジング11の内部であって前記スリーブ弁16の周囲に連通されている。ハンドルキャップ86は、ボルト87〜87によりハンドルハウジング85の先端に固定されている。ハンドルキャップ86には、カプラのオス側82が取り付けられており、このカプラを介して接続したエアホース(図示省略)により蓄圧室Aに圧縮エアが供給される。なお、図中82aは円板形状のフィルタを示しており、蓄圧室Aへの異物の混入が防止されている。ハンドルハウジング85とハンドルキャップ86との間には円環形状の排気リング83が回転可能に挟み込まれている。また、前記したようにハウジング11内には排気路81が設けられており、この排気路81は排気パイプ84を経てハンドルキャップ86に設けた排気室Bに連通されている。排気室Bは蓄圧室Aとは気密に区画されている一方、上記排気リング83に形成した排気孔83aを経て大気に連通されている。このような構成によれば、排気パイプ84を経て排気室Bに排気された圧縮空気は排気リング83の排気孔83aを経て大気に排出される。排気方向は排気リング83を回転させることにより任意の方向に変更することができ、使い勝手がよい。なお、このように排気方向の変更機能を優先するのであれば排気リング83に形成する排気孔83aは1カ所または2カ所程度が望ましいが、排気効率を優先させるのであればさらに多数箇所に形成してもよい。
【0023】以上のように構成した釘打ち機1によれば、1本の釘Nが以下のようにして釘打ち込み材Wに打ち込まれる。図3〜図10に当該釘打ち機1の動作状態が示されている。なお、図3〜図10ではハンドル部80は省略されている。先ず、図3は蓄圧室に圧縮空気が流入した非操作状態を示している(図1、図2も同じ)。この非操作状態では、ピストン14はダンパー30に当接して下端に位置している。このため、下側のシールリング14aは空気孔13eよりも下側に位置し、従ってピストン下室24は変圧室23から遮断されている。変圧室23は、スリーブ弁16の空気孔16b及びスリーブ弁16とシリンダ13との間の隙間を経て蓄圧室Aに連通されており、従って当該変圧室23には圧縮エアが供給されている。このため、シリンダ13はそのフランジ部13aの上面に作用する変圧室23の空気圧により圧縮ばね25に抗して下端位置に位置している。また、変圧室23の圧縮空気がスリーブ弁16のフランジ部16cに作用することにより、当該スリーブ弁23は上端位置に位置し、従ってその上端部はシール板21に押し当てられて、ピストン上室22は蓄圧室Aから遮断されている。さらに、シリンダ13が下端位置に位置することにより、その上端に取り付けたシリンダキャップ17はシール板12aから離間しており、このためピストン上室22は17aを経て排気路81に連通され従って大気開放されている。また、釘ガイド54及びドライバガイド52はそれぞれ圧縮ばね55,53により下端位置に戻されている。さらに、トリガ60は引き操作されていない。
【0024】このような非作動状態において、1本の釘をドライバガイド52の先端部にセットする。釘のセットは、その頭部をドライバガイド52の先端に形成した所定位置の段付き部52a(または52b〜52d)にあてがい、かつ釘胴部を釘ガイド54のマグネット56に吸着させて行う。このように釘ガイド54にセットした釘を釘打ち込み位置に位置させ、かつ釘ガイド54を直立させた姿勢に当該釘打ち機1を保持し、この状態で操作者がハンドル部80を把持しつつトリガ60を引き操作すると、釘を打ち込み可能な状態となり、この状態で当該釘打ち機1を釘打ち込み方向に押し付けると、釘の打ち込みが開始される。当該釘打ち機1を釘打ち込み方向に押し付けると、ドライバガイド52が圧縮ばね55,53に抗して相対的に上動し、またピストン14が上動する。この状態が図4に示されている。なお、釘ガイド54は、釘の打ち込みがある程度進行した段階から釘打ち込み材Wに当接し、その後釘打ち機1の押し付け操作により圧縮ばね55に抗して上動する。この段階では、ピストン14の下側のシールリング14aが空気孔13eに対して上側に変位するので、ピストン下室24が空気孔13eを経て変圧室23に連通され、これによりピストン下室24に圧縮空気が供給され、これによりピストン14が一気に上動する。この際、ピストン上室22は、シリンダ13が下端に位置しているので依然として大気開放されている。
【0025】図5に示すようにピストン14が上動してその上端突き出し部15bがシリンダキャップ17の17aに挿入されるとピストン上室22は閉塞され、この閉塞状態のままピストン14がさらに上動することによりピストン上室22が圧縮される。こうしてピストン上室22が圧縮されると、その圧力がスリーブ弁16の上端面16eに作用して、図6に示すようにスリーブ弁16が下動する。スリーブ弁16は、ストッパリング19がストッパブロック20の段付き面20aに当接するまで下動し、これによりピストン上室22が開かれて蓄圧室Aから圧縮空気が流入する。ピストン上室22に圧縮空気が供給されると、その圧力がシリンダキャップ17の下面に作用することにより、図7に示すようにシリンダ13が上動する。
【0026】シリンダ13が上動すると、シリンダキャップ17がシール板12aに押し付けられてピストン上室22が排気路81ひいては大気から遮断されるとともに、その下端部とダンパー30との間に隙間31が開かれて、ピストン下室24が排気孔11a〜11aを経て大気開放される。ピストン下室24が大気開放されると、ピストン上室22に流入する圧縮空気によりピストン14が一気に下動し、これにより釘の頭部がドライバー15の先端で1回目の打撃がなされる。この様子が図8に示されている。この段階で、スリーブ弁16の下端位置は、ストッパリング19がストッパブロック20の段付き面20aに当接することにより規制されているので、スリーブ弁16のフランジ部16cとシリンダ13のフランジ部13aとの間の間隔は常時一定以上の間隔に維持され、従って変圧室23は大気開放状態ではあるが一定の体積に維持されている。このため、シリンダ13が上動しても従来とは異なってスリーブ弁16はそのまま開き位置(下限位置)に保持され、従ってピストン上室22への圧縮空気の供給が引き続きなされる。なお、シリンダ13が上動してピストン下室23が大気開放された段階で変圧室23も空気孔13eを経て大気開放される一方、この段階においても変圧室23は、空気孔16b及びシリンダ13とスリーブ弁16との間の隙間を経て蓄圧室Aに連通されている。しかしながら、空気孔16bの流路面積に比して空気孔13e〜13eの流路面積が十分に大きいため、当該変圧室23は大気開放状態に維持される。
【0027】図9に示すように1回の打撃が終了してピストン14が下端位置に至ると、下側のシールリング14aが変圧室23の空気孔13eに対して下側に変位し、これにより変圧室23とピストン下室24とが遮断される。変圧室23が大気連通状態のピストン下室24から遮断されるので、当該変圧室23は蓄圧室Aから供給される圧縮空気により再び高圧化する。変圧室23が高圧化すると、その圧力がフランジ部16cの下面に作用することによりスリーブ弁16が上動してピストン上室22が蓄圧室Aから遮断され、この段階でピストン上室22への圧縮空気の供給が停止される。一方、変圧室23の圧力がフランジ部13aの上面に作用することにより、シリンダ13が圧縮ばね25に抗して下動し、これによりシリンダキャップ17がシール板12aから離間してピストン上室22が排気路81に連通され、ひいては大気開放され、以上で当該釘打ち機1の1サイクルが終了する。この段階の様子が図10に示されている。引き続き当該釘打ち機1を押し操作し続けることにより、上記動作が繰り返されて多段階で釘が打ち込まれていく。
【0028】次に、前記したようにシリンダ13は圧縮ばね25により常時上動側に付勢されている。この構成によれば、前記カプラのオス側82から一旦エアホースを外した後に再度接続して蓄圧室Aに圧縮空気を再供給した場合において当該釘打ち機1のエア漏れを防止してピストン14を確実に初期位置に戻すことができる。すなわち、前記従来の釘打ち機100において、当該釘打ち機100を使用しない場合にエアホース107を外して蓄圧室101の圧縮空気を抜いておくと、振動あるいはその姿勢等の様々な要因によりピストン110がその初期位置(下限位置)からずれて、下側のシールリング110bが空気孔108に対して上側に変位してしまう場合がある。このような状態では、変圧室103は空気孔108を経て大気開放状態のピストン下室111に連通され、またピストン上室113は蓄圧室101に連通されるとともに大気開放された状態となる。このような状態のまま、再度エアホースを接続して蓄圧室101に圧縮エアを供給すると、変圧室103の圧力が十分に上がらないのでスリーブ弁104が上端位置(閉じ位置)からずれて、またシリンダ105が下端位置から外れていると、蓄圧室101からピストン上室113に圧縮空気が流入し、さらにこの圧縮空気が開き状態の中央孔115a及び大気開放孔151を経て大気に漏れてしまう。また、変圧室103から空気孔108、ピストン下室111を経て大気開放孔114からも大気に漏れてしまう。圧縮空気が漏れてしまう結果、ピストン上室113の圧力が十分に上がらないのでピストン110は初期位置(下限位置)に戻されず、従って上記エア漏れ状態が続いてしまう。
【0029】しかしながら、本実施形態の釘打ち機1によれば、シリンダ13が圧縮ばね25により上動側に付勢されているので、蓄圧室Aひいては変圧室23への圧縮空気の供給が停止されると、シリンダ13が圧縮ばね25により確実に上端位置に保持され、これによりシリンダキャップ17がシール板12aに押圧されてピストン上室22が大気から遮断された状態に保持される。このことから、エアホースを再度接続して圧縮空気の供給を再開した場合に、ピストン15が下端位置からずれていてもピストン上室22に流入した圧縮空気がシリンダキャップ17の中央孔17aを経て大気に漏れることはなく、従って当該ピストン上室22の圧力は十分に高められ、この圧力によりピストン13が確実に下限位置(初期位置)に戻される。ピストン13が初期位置に戻されることにより変圧室23はピストン下室24から遮断されて圧力が高められ、その圧力によりスリーブ弁16は上端位置に戻され、またシリンダ13は圧縮ばね25に抗して下限位置に戻される。このように本実施形態に係る釘打ち機1は、シリンダ13が圧縮ばね25により上動側に付勢されているので、一旦圧縮空気の供給を停止した後に再度供給を再開した場合に、当該釘打ち機1のエア漏れを防止して各構成部材を確実に初期位置に戻すことができる。
【0030】次に、前記した釘の打ち込み深さ調整機構について説明する。この釘打ち込み深さ調整機構の詳細が図12に示されている。前記したように釘ガイド54の上端側部にはストッパブロック54aが形成されている。このストッパブロック54aは保持スリーブ51のガイド溝51aから側方へ突き出されている。これに対して保持スリーブ51の軸方向中程であって、ガイド溝51aの上端部には支持板部70が側方へ張り出し状に形成されており、この支持板部70の中央には円形の支持孔70aが形成されている。この支持孔70aには略円筒形状の切り換え部材71がその軸心周りに回転可能に挿入されている。
【0031】この切り換え部材71の下面には軸方向に高低差を有する5段の段付き面71a〜71eが形成されている。段付き面71aが最も低く、段付き面71eが最も高くなっている。当該切り換え部材71を回転させることにより、任意の段付き面71a〜71eを上記ストッパブロック54aの上方に位置させることができる。また、この切り換え部材71の上面にはフランジ部71fが形成され、このフランジ部71fの上面中心には支持柱71gが形成されている。一方、当該釘打ち機1のハウジング11の下面にはブロック体形状の台座部72が下方へ突き出し状に形成されている。この台座部72の下面中央には支持孔72aが形成されており、この支持孔72aに上記切り換え部材71の支持柱71gが回転可能に挿入されて、当該切り換え部材71が回転可能に支持されている。また、切り換え部材71のフランジ部71fが、台座部72と上記保持スリーブの支持板部70との間に挟まれており、これにより当該切り換え部材71の軸方向の位置決めがなされている。さらに、切り換え部材71のフランジ部71fの上面には、半球形状の係合凹部71h〜71hが周方向5等分位置に形成されており、その何れか一カ所の係合凹部71hには、上記台座部72の下面に圧縮ばね73により弾性付勢状態で取り付けた係合球74が押圧され、これにより切り換え部材71の回転位置が5段階で位置決めされるようになっている。
【0032】このように構成した釘打ち込み深さ調整機構によれば、切り換え部材71を回転させて任意の高さの段付き面71a〜71eをストッパブロック54aの上方に位置させておくことにより、釘ガイド54のストロークを変更することができる。釘ガイド54のストロークを変更することにより釘ガイドに対するドライバー15の下限位置を変化させることができるので、釘の打ち込み深さを変更することができる。即ち、最も低い段付き面71aをストッパブロック54aの上方に位置させると、釘ガイド54のストロークが最も長くなってドライバー15の下限を釘打ち込み材Wに対して最も近い位置移動させることができ、これにより釘Nは最も深く打ち込まれる。一方、最も高い段付き面71eをストッパブロック54aの上方に位置させると、釘ガイド54のストロークが最も短くなるのでドライバー15の下限位置は釘打ち込み材Wから最も離れた位置に移動し、従って釘Nの打ち込み深さは最も浅くなる。なお、図1〜図10においては上記釘打ち込み深さ調整機構は省略されている。
【0033】次に、前記した安全装置64とは別形態の安全装置90について説明する。この安全装置90の詳細が図15及び図16に示されている。この安全装置90は、前記安全装置64と同様ハウジング11の下端部に支軸92aを介して上下に回動可能に設けたトリガ92と、該トリガ92の後方(図示上方)であってハンドル部80の基端部に取り付けたトリガバルブ93を主体として構成されている。この安全装置90の場合、前記安全装置64におけるコンタクトアーム57は不要であり、従ってドライバガイド52に前記のようなコンタクトアームは設けられていない。
【0034】トリガ92の背面側であって、トリガバルブ93の下方には壁部92dが設けられている。また、図示は省略したがこのトリガ92は図示時計回り方向(オフ側)にばね付勢されており、オフ側の回動端位置はストッパにより一定位置に規制されている。
【0035】トリガバルブ93はハンドル部80の基端部に開口形成した取り付け孔80aに収容されており、該取り付け孔80aの開口部に固定した第1バルブ体94と、取り付け孔80aの奥側に固定した第2バルブ体95と、該第2バルブ体95の内周側に軸方向移動可能に収容した第3バルブ体96と、該第3バルブ体96及び上記第1バルブ体94の両内周側に掛け渡し状に挿入して軸方向移動可能に収容したバルブステム97を備えている。バルブステム97は、その上端面と第3バルブ体96の底面との間に介装した圧縮ばね98により図示下方すなわち第1バルブ体94から突き出す方向に付勢されており、突き出したその頭部97cはトリガ92の壁部92dの上方に位置している。このバルブステム97には2個のシールリング97a,97bが取り付けられている。
【0036】第3バルブ体96には、その外周面の軸方向下部側、軸方向ほぼ中央、軸方向上部側の3カ所にシールリング96a,96b,96cが取り付けられている。また、この第3バルブ体96の後面には空気孔96dが形成されており、この空気孔96dを介して蓄圧室Aと当該第3バルブ体96の内周側(圧縮ばね98が収容されているステム上室99a)が常時連通されている。第2バルブ体95の側部には空気孔95a〜95aが形成されており、この空気孔95a〜95aを経て第2バルブ体95と第3バルブ体96との間の空気室99bが前記取り付け孔80a内に常時連通されている。取り付け孔80a内は、連通路80bを経て前記本体部10の排気路81に連通されている。
【0037】このように構成した安全装置90によれば、当該釘打ち機1を作動させるためにはトリガ92を引き操作してトリガバルブ93をオンさせる必要がある。図15及び図16はトリガ92を引き操作していない状態、従ってトリガバルブ93のオフ状態を示している。トリガバルブ93のオフ状態では、バルブステム97が圧縮ばね98の付勢力により下端位置に位置し、これにより上側のシールリング97bが第3バルブ体96の内周側から外れている。シールリング97bが第3バルブ体96の内周側から外れた状態では、前記ステム上室99aとステム下室99cが連通されるため、該ステム下室99cに圧縮空気が導入される。ステム下室99cに圧縮空気が導入されると、その空気圧により当該第3バルブ体96が上動方向に付勢され、これによりシールリング96bが第2バルブ体95の内周面に押圧されて、前記空気室99bが大気開放路99dから遮断される。一方、第3バルブ体96は上動方向に付勢された状態では、そのシールリング96cが第2バルブ体95の内周面から外れるため空気室99bが蓄圧室Aに連通され、従ってこの空気室99bには圧縮空気が導入されている。空気室99bは、前記したように空気孔95a〜95aを経て取り付け孔80a内に常時連通され、取り付け孔80a内は連通路80bを経て本体部10の排気路81に連通されているため、排気路81には圧縮空気が導入される。排気路81に導入された圧縮空気は、ピストン上室22に流入してピストン14の上面に作用し、この押圧力は強くて押し上げ不可であるためピストン14の上動が阻止され、従って当該釘打ち機1のロック状態(釘打ち不能な状態)となる。
【0038】これに対して、図示は省略したがトリガ92をそのばね付勢に抗して図示反時計回り方向に引き操作すると、壁部92dに頭部97cが押されることによりバルブステム97が圧縮ばね98に抗して上動する。バルブステム97が圧縮ばね98に抗して上動すると、上側のシールリング97bが第3バルブ体96の内周側に入り込んでステム上室99aとステム下室99cが遮断される一方、下側のシールリング97aが第1バルブ体94の内周側から外れてステム下室99cが大気開放される。こうして、ステム下室99cが蓄圧室Aから遮断されて大気開放されると、第3バルブ体96がその後面に作用する蓄圧室Aの空気圧により下動し、これにより上部側のシールリング96cが第2バルブ体95の内周側に入り込んで空気室99bが蓄圧室Aから遮断されるとともに、軸方向中程のシールリング96bが第2バルブ体95の内周面から離間してこの空気室99bが大気開放路99dを経て大気開放される。空気室99bは、前記したように空気孔95a〜95a及び連通路80bを経て本体部10の排気路81に連通され、ひいてはピストン上室22に連通されている。このように、トリガ92を引き操作するとトリガバルブ93がオンしてピストン上室22が強制的に大気開放され、これによりピストン14が上動可能な状態となり、ひいては釘打ち可能な状態(動作ロック解除状態)に切り換わる。トリガ92を引き操作しない限り当該釘打ち機1は作動せず、これによりその誤作動を防止することができる。
【0039】次に、前記したように釘ガイド54の先端には、セットした釘Nの姿勢を保持するためのマグネット56が取り付けられている。このマグネット56は釘ガイド54の先端側部に形成した円筒壁部56aの内側に嵌め込み状に固定されている。この場合、釘Nは直接マグネット56に接触するのではなく、通常炭素鋼鋼材(磁性体)を素材として製作される釘ガイド54の一部(円筒壁部56aの底部)を間に挟んで接触する構成となっているため、マグネット56の磁束が釘ガイド54に逃げてしまい、結果的にマグネット56の吸着力が低下する。一方、仮にマグネット56を釘ガイド54の内部に露出させて釘Nを直接吸着する構成とすると、釘Nの頭部が干渉する等して打撃時の衝撃がマグネット56に伝わり、その結果マグネット56が破損する等して、その耐久性を著しく損なう欠点がある。この問題を解消するための技術として、従来例えば実公平6−5093号公報に開示されたものがあった。この従来技術によれば、マグネットを埋め込むドライバガイドを非磁性鋼である高マンガン鋼を素材として製作することにより、マグネットの磁束の逃げを低減し、これによりマグネットの損傷を防止しつつ高い吸着力を確保する構成となっていた。しかしながら、この場合にはドライバガイドを高価な高マンガン鋼を素材とするためコスト高になる問題があった。
【0040】以下説明する釘保持用マグネットの取り付け構造によれば、コスト高を招くことなく、高い吸着力を確保でき、且つマグネットの損傷を招くこともない。本実施形態のマグネット取り付け構造の詳細が図17に示されている。釘ガイド54の先端側部には、同様に円筒形状の壁部41が一体に形成されている。釘ガイド54(円筒壁部41含む)は、通常の炭素鋼鋼材(磁性鋼)を素材として製作されている。この円筒壁部41の底部には貫通孔41aが形成されて、当該底部は一定幅のフランジ形状に形成されている。この円筒壁部41の内周側には合成樹脂製のキャップ42が嵌め込まれて当該円筒壁部41の内周面に合成樹脂層が形成されている。キャップ42の底部にも上記貫通孔41aに合わせて貫通孔42aが形成されている。
【0041】キャップ42の内周側には接触ブロック43とマグネット44(永久磁石)が収容されている。接触ブロック43は磁性鋼であるクロムモリブデン鋼(SCM435)を素材として形成されており、円板部43aと突起部43bを有している。突起部43bは、図18に示すように打ち込む釘Nの太さよりも若干大きい幅の板状をなし、円板部43aの直径方向に沿って形成されている。この突起部43bの長手方向を上下に沿わせる向きで、当該接触ブロック43が樹脂キャップ42内に接着されている。また、この突起部43bの先端面は、図17に示すように下側ほど釘ガイド54の内周側に突き出る方向に傾斜しており、当該突起部43bの下側の一部(ほぼ下半分程度)が貫通孔42a,41aを経て釘ガイド54の内周側に突き出されている。
【0042】マグネット44には従来と同様通常の永久磁石が用いられており、同じく樹脂キャップ42内に接着されている。このマグネット44は上記接触ブロック43の円板部43aと同径の円柱体をなし、該円板部43aに隙間なく接触する状態に固定されている。以上のように樹脂キャップ42、接触ブロック43及びマグネット44を収容した状態で円筒壁部41の開口部には蓋45が嵌め込まれて、これら収容物がより強固に固定されている。円筒壁部41と蓋45との間にピン46が打ち込まれて、この蓋45が固定されている。
【0043】以上のような釘保持構造によれば、マグネット44が直接接触しているため磁性体である接触ブロック43は磁化し、この接触ブロック43が釘Nに直接接触する構成であるので、マグネット44の磁力を釘吸着力として有効に活用することができる。しかも、釘Nはマグネット44に直接接触しない構成であるので、マグネット44を損傷することがない。釘Nに直接接触する接触ブロック43は、クロムモリブデン鋼を素材として製作されているので、これに適切な熱処理を施すことによりその硬度及び靭性を高めることができ、その結果当該釘打ち機1の耐久性を高めることができる。また、マグネット44の側部が樹脂キャップ42により覆われているので、その磁力線を接触ブロック43に効率よく作用させることができ、これにより大きな吸着力を発揮させることができる。
【0044】さらに、釘ガイド54は通常の炭素鋼鋼材を素材として製作すれば足り、従来のように高価な高マンガン鋼を素材とする必要はないので、コストアップを招くこともない。
【0045】以上説明した本実施形態の釘打ち機1によれば、切り換え部材71を回転させて任意の高さの段付き面71a〜71eをストッパブロック54aの上方に位置させておくことにより、釘ガイド54のストロークを変更することができる。釘ガイド54のストロークを変更することによりドライバー15の下限位置を変化させることができるので、釘の打ち込み深さを簡単に変更することができ、これにより汎用性の高い釘打ち機1とすることができる。
【0046】以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、回転式の切り換え部材71を例示したが、切り換え部材はスライド形式であってもよい。また、別途高さの異なるブロックを用意し、これを選択してストッパブロック54aの上方に装着することにより、釘ガイド54に対するドライバー15のストロークを変更して釘Nの打ち込み深さを調整する構成としてもよい。




 

 


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