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発明の名称 熱間鍛造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−129051
公開日 平成11年(1999)5月18日
出願番号 特願平9−295472
出願日 平成9年(1997)10月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外3名)
発明者 蟹江 尚治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 クッション機構を有し一方の型を支持するベッドと、他方の型を支持し該ベッドと接離する方向に移動するラムとを有し、これら両方の型の間に、プレート部と柱部とが形成されたワークが載置されるプレス部と、前記一方の型が前記クッション機構に支持されて前記ベッドから浮いた状態に設けられ、他方の型が前記ラムに支持され、前記ラムが前記ベッドに接近するに従い両方の型により前記ワークを挟み込むよう可動する一対の抑え型と、前記ベッドに支持されて先端部が一方の抑え型から前記ワークの柱部の軸端中央に臨むインナパンチと、前記ラムに支持されて先端部が他方の抑え型から前記ワークの柱部の軸端部分に臨むアウタパンチとを有し、前記ラムの接近動作により前記抑え型が前記ワークを挟み込んだまま前記柱部の中央を剪断して孔抜きするパンチ部と、孔抜きを完了した前記アウタパンチ内の抜きかすを該アウタパンチ内から押し出すノックピンとを具備したことを特徴とする熱間鍛造装置。
【請求項2】 前記抑え型は、プレート部を挟み込む面がプレート部の各部形状にならう型面で形成してあることを特徴とする請求項1に記載の熱間鍛造装置。
【請求項3】 前記アウタパンチは、パンチ用クッション機構を介して、前記ラムから浮いて支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱間鍛造装置。
【請求項4】 前記インナパンチの周囲には、該インナパンチの先端部に向けて冷却液を噴霧する噴霧ノズル部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の熱間鍛造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレート部分と柱部が形成されたワークの柱部の孔開けを行なう熱間鍛造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の前輪を支えるフロントハブは、一般的に熱間鍛造装置で成形してから、最後に軸部の中心部に貫通孔を加工して、製品化している。具体的には、ハブ素材を所定の温度、例えば1100℃〜1250℃に加熱し、これを複数のプレス部が順に並ぶ熱間鍛造装置に送り、最初のプレス部から中間のプレス部までを用いて、薄肉の円形をなしたプレート部および同プレート部の中心部(中央)から突き出た円柱状の軸部(柱部)を有するハブ素材(ワーク)を鍛造成形し、その後のプレス部でハブ素材の外周端から突き出ているばりを除去して、フロントハブの外形を成形している。その後、軸部の孔加工を行ったり、ハブ素材の周りを覆う型(密閉型)を用いた熱間の密閉鍛造で、同様の順送りのプレス工程により、外周ばりの発生の無いフロントハブの外形を成形してから、軸部の孔加工を行うことで、フロントハブを製品化している。
【0003】ところで、熱間鍛造(含む密閉鍛造)は、素材を加工に適した温度まで加熱(例えば1100℃〜1250℃)し、その素材の変形のしやすさを利用して成形するために、部品(鍛造品)の外形は容易に成形できるものの、フロントハブのような薄いプレート部の中心部から突き出た軸部に小径の貫通孔を形成するという細部の加工は、素材、特に薄いプレート部が加わる圧力によって変形が発生しやすいために難しい。
【0004】そこで、従来では、熱間鍛造装置を用いずに、ハブ部品の外形の成形を終えたら、機械加工、具体的にはドリルを用いて、軸部に孔開け加工を施し、その後、孔開け面に切削加工による仕上げ加工を施して、孔開けをしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フロントハブといった部品でも、できる限り、加工費を削減することが求められている。ところが、熱間鍛造を終えた素材の軸部に、機械加工(ドリルによる荒加工,切削による仕上加工)で、孔開けを施すのでは、かなり手間が掛かる上、かなり加工費がかさむ。
【0006】これに対して、密閉鍛造による部品の成形は、材料のロスが抑えられる上、予め型に組み込まれたクッション機構を有するばり抜き用のプレス部による外周ばりを処置する工程が不要となるので、近時では密閉鍛造を用いる傾向が多くなってきている。
【0007】このことから、熱間鍛造装置のプレス部を活用して、軸部の加工に伴う手間、加工費の点を改善しつつ、軸部の孔開けが行える技術が要望されている。本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、既存のプレス部を活用して、ワークを変形させずに、プレート部から立設する柱部に孔抜き加工を施すことができる熱間鍛造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1に記載した熱間鍛造装置は、クッション機構を有するベッド、ラムをもつプレス部に、ラムの接近動作によりワークの柱部の外周面を覆いながらプレート部を挟み込んで押し下げる一対のリング形の抑え型と、抑え型がワークを挟み込んだままクッション機構を沈む動きを利用して、柱部中央を剪断で孔抜きするインナパンチ、アウタパンチと、抜きかすをアウタパンチから抜き出すノックピンとを組み合わせ、既存のプレス部を活用して、ワークに変形を与えずに、加熱によるワークの変形しやすさを利用して、ワークの柱部に孔抜きを施せるようにした。
【0009】この熱間鍛造装置によると、ベッドとラム間に、所定温度に加熱して成形したワークを所定の向きでセットし、ラムをベッドに向け接近動作させる。すると、ワークは、クッション機構に支持されている一方の抑え型と、ラムに支持されている他方の抑え型とで、プレート部分が挟み込まれつつ、柱部外周面が覆われていく。
【0010】これにより、変形しやすい状態にあるワーク(柱部,プレート部)の外面は、不要に変形しないように拘束される。続くラムの接近動作により、抑え型がワークを挟み込んだまま沈む。
【0011】すると、インナパンチが抑え型の中空部から柱部の一方の軸端の中央に向け差し込まれる。ここで、アウタパンチは柱部の反対側の軸端の外周部分を拘束しているから、インナパンチの進行に伴い、柱部の中実部分だけが剪断しながらアウタパンチ内へ押し出されていく。
【0012】このインナパンチが柱部を貫通するまで進むことにより、ワークを変形させずに柱部の全体に孔抜き加工が施される。孔抜き後、ノックピンでアウタパンチ内の抜きかすを押し出せば、次回の孔抜き加工に備える。
【0013】このような孔抜き加工により、薄形のプレート部に柱部が立設されたようなワークでも、熱間鍛造のプレス部を用いて、ワークに不要な変形を与えずに孔抜きが行なえる。
【0014】この結果、熱間鍛造で外形を成形する工程に続いて、柱部の孔抜け加工が実現され、手間が削減される上、加工費の低減も図れ、生産効率に優れる。そのうえ、既存の熱間鍛造装置のプレス部に、抑え型、パンチ部、ノックピンを組み合わせるだけでよく簡単に柱部の孔抜きが行える。
【0015】請求項2に記載の熱間鍛造装置は、上記目的に加え、ワークの変形を確実に抑止するために、請求項1に記載の抑え型のプレート部分を挟み込む面をプレート部分の各部形状にならう型面で形成したことにある。
【0016】請求項3に記載の熱間鍛造装置は、さらにアウタパンチのラフな位置決めで、アウタパンチの先端部を柱部の軸端に密接させながら、抑え型でワークを挟み込んだまま沈ませるため、請求項1又は請求項2に記載のアウタパンチをパンチ用クッション機構を介してラムに支持させたことにある。
【0017】請求項4に記載の熱間鍛造装置は、さらにワークを剪断するときに熱をおびるインナパンチを熱害から守るために、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のインナパンチの周囲に、該インナパンチに向けて冷却液を噴霧する噴霧ノズル部を設けたことにある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図6に示す一実施形態にもとづいて説明する。図1(a)は、例えば円柱形のハブ素材X1 から自動車の前輪を支えるフロントハブZ[図6(b)に製品外形を図示]を熱間鍛造で製造するための熱間鍛造装置1の概略を示している。
【0019】熱間鍛造装置1は、複数、例えば一直線上に順に並ぶ4つのプレス部2a〜2dと、これらプレス部2a〜2dで順送りを行う送り部(図示しない)とを有している。プレス部2a〜2cを構成している、クッション機構付きのベッドとラムには、密閉鍛造用の金型(いずれも図示しない)が装着されていて、NO.1のプレス部2aからNO.3のプレス部2cまでの区間で、例えば1100℃〜1250℃に加熱した所定形状のハブ素材X1 を順に密閉鍛造(ハブ素材X1 を周囲を覆う型を用いて、外周ばりの発生の無いようにした鍛造)して、フロントハブZの全体の外形が成形されるようにしている。具体的には、NO.3のプレス部2cの工程を終えると、図1(a)および図2中に示されるような薄肉の円形をなすプレート部3、このプレート部3の中心部(中央)から所定長の長さで突き出る円柱状の軸部4(中実の柱部)の外形の成形を終えただけの中間的なハブ素材、すなわち外周ばりの無いハブ素材X2 (本願のワークに相当)が成形されるようにしてある。
【0020】ばり抜きのプレス部2dは、通常、密閉鍛造で製品を成形するときには用いない部分である(密閉鍛造では外周ばりが生じないため)。そこで、本実施形態は、この既存のプレス部2dを活用すべく、同プレス部2dにおいて、熱間鍛造により、難しいとされるハブ素材X2 の軸部4の孔抜きを行えるようにしてある。
【0021】すなわち、ばり抜きのプレス部2dには、ばり抜きの金型に代えて、図1(b)に示されるようにハブ素材X2 の軸部4の孔抜きをするための各種機器が取り付けられ、同部分に専用の孔抜き加工部5(熱間鍛造で孔抜きを行う部分)を形成してある。
【0022】これによって、NO.3のプレス部2cの工程を終えたハブ素材X2 に孔抜き加工が施せるようにしてある。具体的には、孔抜き加工部5は、図2に詳しく示されているような構造が採用されている。
【0023】この孔抜き加工部5について説明すれば、図中10は既存のプレス部2dを構成している下側のクッション機構付きのベッド、11はベッド10の上側に配置されたラムである。ラム11は、例えばクランク式のラム昇降装置(図示しない)に連結されていて、所定の力を加えながら上死点から下死点へ下降させたり、上死点へ復帰させるようにしてある。つまり、ラム11はベッド10に接離する方向へ移動するようになっている。
【0024】ベッド10の上面からは、同ベッド10の中央部分を囲むように、クッション機構を構成するフローティング用エアシリンダ12の作動杆(図示しない)につながる複数本のダイクッションピン13の先端部が所定の間隔をおいて摺動自在に突き出ている。
【0025】こうしたダイクッションピン13およびラム11には、既存のばり抜きの金型に代えて、ハブ素材X2 を上下から挟み込む一対の抑え型となる一対のリング形の上型14と下型20が組み付けてある。
【0026】具体的には、上型14はハブ素材X2 の外径と対応する大きさを有する例えば盤形をなし、上端部には逆L字状の断面をもつ支持リング15が組み付けてある。
【0027】この支持リング15が、例えばラム11の下面に組み付けたほぼ逆T字状の断面をもつクリップリング16に摺動自在に嵌挿され、ラム11の下面に上型14を上方向に移動自在に吊り下げている。なお、16aはクリップリング16をラム11の下面に固定するための取付座を示す。
【0028】上型14の中央には、ハブ素材X2 の軸部4の軸部径に対応した通孔17が上下方向に貫通している。また上型14の下面(プレート部を挟み込む面に相当)には、ハブ素材X2 のプレート部3の上面各部にならう形状の型面18が形成してあり、上型14の通孔17で軸部4の外周面を覆い、壁面18でプレート部3の上側をそのままの形状を保ちながら押え付けられるようにしてある。
【0029】下型20は、プレート部3の外径に対応した大きさを有する円板形をなしている。下型20の中央には、ハブ素材X2 の軸部4に開けられる貫通孔4aとほぼ同じ径寸法の通孔22が形成してある。また下型20の上面(プレート部を挟み込む面に相当)は、ハブ素材X2 のプレート部3の下面各部にならう形状の型面23が形成してあり、この型面形状にならってハブ素材X2 を下型20の上面に載せれば、プレート部3がベッド10とラム11間を交差する方向に配置され、軸部4がベッド10とラム11間に沿って配置されるようにしている。
【0030】この下型20の下端部は、ダイクッションピン13の先端部間に保持してある環状の台座24に固定され、フローティング用エアシリンダ12のエア圧(所定の圧力)によって、下型全体をベッド10から離れた上側の地点に水平に浮かせて保持させている。
【0031】この浮いた下型20の状態がワークセット/リセット位置となる待機位置に定められ、加工前のハブ素材X2 を受け入れたり、加工後のハブ素材X2 を取り出せるようにしてある。
【0032】このような上/下型14,20の支持によって、ハブ素材X2 のセット後、ラム11が下降(ラム11のベッド10への接近)すると、ハブ素材X2 が上/下型14,20で上下方向から挟み込まれながら下降するようになる。具体的には、上/下型14,20が軸部4の外周面を覆いながら軸部4の周りを含むプレート部3のほぼ全体を挟み込み、この挟んだ状態のままハブ素材X2 がフローティング用エアシリンダ12のエア圧に抗して、ラム11の下死点まで沈むようになる。
【0033】なお、取付座28の周側からは、下型20を支える台座24に形成したガイド孔24aに挿入されるガイドピン28aが突き出ていて、該ガイドピン28aでガイドされる下型20にて、ハブ素材X2 を所定の姿勢(水平状態)を保ちながら下降させるようにしてある。
【0034】そして、このときの挟み込みでなされるハブ素材X2 の拘束で、軸部4に孔抜きのための外力が加えられても、外表面には無用な変形が起きないようにしている。
【0035】また上/下型14,20と一緒にベッド10、ラム11には、挟み込んだハブ素材X2 の軸部4に孔抜き加工を施すパンチ部25が組み込まれている。このパンチ部25には、ベッド10に支持された柱形のカウンタパンチ26(インナパンチに相当)と、ラム11に支持された筒形の上パンチ27(アウタパンチに相当)とを用いた構造が採用してある。
【0036】すなわち、カウンタパンチ26は、ダイクッションピン13で囲まれるベッド10の上面中央に、取付座28および取付台29を用いて取り付け、下型20の通孔22に向け起立させてある。
【0037】具体的には、カウンタパンチ26は、取付台29から下型20の通孔22へ向かって直線状に延びる細長い杆部26aを有している。この杆部26aの先端部には、下型20の通孔22の中央(軸心部)に臨む、先端径が基端径より大きいテーパ状をなした円形の孔抜き部26bが形成してある。
【0038】この孔抜き部26bの先端外径は、孔抜き加工しようとする軸部4の貫通孔4aの内径に対応した径寸法に設定されていて、ハブ素材X2 が上/下型14,20で挟み込まれたまま、フローティング用エアシリンダ12のエア圧に抗して下降すると、孔抜き部26bがプレート部3から軸部4(ハブ素材X2 )の基部の軸端中央へ向かい進入して、貫通孔4aに対応した中央部分だけを押し出すようするようにしてある。
【0039】上パンチ27は、クリップリング16の内部に収めて吊り下げてある。具体的には、上パンチ27は、上型14の通孔径に対応した外径を有する短柱状部の先端部30、断面三角状のフランジ部31、柱状のボス部32を順に連結する構造が採用され、外形がほぼ傘状をなしている。また内部には、先端部30の軸端中央から反対側のボス部32の軸端中央に渡り、孔抜き加工しようとする軸部4の貫通孔4aの径と対応する径寸法の通孔33が形成してある。
【0040】そして、このうちの先端部30が上型14の通孔17内に摺動自在に嵌挿され、ボス部32が取付座16aの中央に形成した通孔16b内に摺動自在に嵌挿されて、フランジ部31をクリップリング16内に上下方向に移動自在に収容させている。
【0041】この収容により、クリップリング16の内方へ突き出た突部16cとフランジ部31とが係止して、上パンチ27をクリップリング16から吊り下げている。またフランジ部31とこれに対向する取付座16aとの間には、弾性部材、例えば環状の皿ばね34が複数枚、介装されていて、吊り下げた上パンチ27を下方に付勢して、上パンチ27を弾性変位可能に支持させている(フローティング支持)。
【0042】すなわち、上パンチ27は、皿ばね34,上パンチ27の吊持構造で構成されるパンチ用フローティング機構35を介して、ラム11に支持させてある。このフローティング支持によって、上パンチ27の先端を、下型20にセットしたハブ素材X2 の軸部4の先端付近に位置決めるというラフな位置決めだけで、上パンチ27の先端部で軸部4の軸端に密接させつつ、ハブ素材X2 を上型14および下型20で所定に挟み込んだまま下降させるようにしてある(皿ばね34の弾性変位が、上パンチ27の先端が軸部4の軸端に当接してから、上型14と下型20でハブ素材X2 を挟み込むまでの間で生ずるばらつきを許容することによる)。
【0043】この上パンチ27の先端で行われる軸部4の軸端外周部の拘束によって、カウンタパンチ26で押し出される軸部4の中実部分だけを剪断して、軸部4の孔抜きが行えるようにしてある。
【0044】また上パンチ27の通孔33には、ノックピン37が上側から摺動自在に差し込まれていて、上パンチ27の通孔33内を埋める抜きかす4cを押し出せるようにしている。
【0045】具体的には、ノックピン37の上端部には、通孔33より大径なストッパ部37aが形成されていて、同ストッパ部37aと上パンチ27のボス端とが係止して、ノックピン全体を通孔33内に吊り下げている。また例えばラム11を支えているフレーム部材のうち、ノックピン37の上方となるフレーム部11aの下面部分には、ストッパ部材38が組み込まれている。このストッパ部材38は、ラム11に形成した開口11bを通じて、ノックピン37のストッパ部37aが通る通孔16bに臨むように配置されていて、ラム11が下死点から上死点へ戻るときの挙動を利用して、抜きかす4cで押し上げられているノックピン37押し下げ、通孔33内の先端から抜きかす4cを排出させるようにしてある。
【0046】一方、カウンタパンチ26の周囲の下型部分には、冷却液を噴霧する噴霧ノズル部39が形成されていて、孔抜き加工を終えたカウンタパンチ26の孔抜き部26bを冷却するようにしてある。
【0047】具体的には、通孔22が臨む下型20の下面の開口縁は、ほぼ半球状に切欠され、カウンタパンチ26が待機状態にあるとき、同切欠部20aから孔抜き部26b付近を露出させるようにしてある。この孔抜き部26b付近を囲む切欠部20aの内面に、孔抜き部26に向かう複数の噴霧ノズル孔39aが形成してあり、噴霧ノズル部39としている。
【0048】噴霧ノズル孔39aには、例えば孔抜き加工を終えて下型20が待機位置に戻るタイミングで、冷却液を供給する冷却液供給装置40が接続されていて、孔抜き加工毎、孔抜き部26bに噴霧ノズル孔39aから冷却液を噴霧させて、孔抜き加工で熱をおびている孔抜き部26bを冷却するようにしてある。
【0049】こうした構造により、既存のプレス部2dの活用して、熱間鍛造で、ハブ素材X2 の軸部4の孔抜きを良好に行えるようにしてある。この孔抜き加工の工程が図2〜図6に示されている。
【0050】つぎに、図2〜図6を参照して、熱間鍛造装置1の作用について説明する。今、NO.1のプレス部2a〜NO.3のプレス部2cで、例えば1100℃〜1250℃に加熱した所定形状のハブ素材X1 を順に密閉鍛造(ハブ素材X1を周囲を覆う型を用いて、外周ばりの発生の無いようにした鍛造)して、ハブ素材X2 の外形の成形を終えたとする。
【0051】すると、このハブ素材X2 が送り部(図示しない)で、待機しているプレス部2dに送られ、熱間鍛造による孔抜き工程に入っていく。この孔抜き工程は、まず、始めに図2に示されるように所定位置で待機している下型20の上面(型面)に、上面形状にならい、ワークとなるハブ素材X2 が載せられていく。
【0052】これにより、図2中の二点鎖線で示されるようにプレート部3が水平方向、軸部4が上方に向いた状態で、下型20にハブ素材X2 がセットされる。このセットにより、下型20の中空部に在るカウンタパンチ26の先端は、孔開けをしようとする軸部4の下端面の中央に臨み、上型14の中空部に在る上パンチ27の先端は反対となる軸部4の上端面の外周部に臨む。
【0053】ハブ素材X2 のセットを終えると、プレス部2dが作動し、上死点で待機していたラム11を下降させる。このラム11の下降が進むと、軸部4が先端から次第に上型14の通孔17内に進入していく。
【0054】すると、まず、上パンチ27の先端から突き出ているノックピン37の先端が軸部4の先端面と当接して押し上げられる。続いて、上パンチ27の先端面が軸部4の先端面に当接していく。
【0055】ここで、上パンチ27は、下型20をフローティングしているエア圧(フローティング用エアシリンダ12)よりも小さい弾性力の皿ばね34によって支持してあるので、ラム11の下降動作が進むにしたがい、皿ばね34が撓み(圧縮)を起こす。
【0056】すると、上パンチ27が下降せずに上型14だけが下降していく。この上型14が、ハブ部品X2 に近づくにしたがい、上型14の型面18でハブ部品X2 の軸部4の外周面とプレート部3の上側を覆っていく。
【0057】ここで、上型14は、ラム11から移動自在に吊り下げられているから、ハブ部品X2 と当接してから、上パンチ27のボス端がストッパリング36に当接するまでの間、停滞し続ける。
【0058】ついで、上パンチ27のボス端がストッパリング36に当接すると、図3(a)に示されるようにラム11からのラム圧が上型14に加わり、ハブ部品X2 は上/下型14,20によって上下方向から挟み込まれる。
【0059】ここで、下型20をフローティングしているエア圧は、ラム圧よりも小さいから、下型20はラム圧に抗して押し下げられていく。すなわち、ハブ部品X2 は、上/下型14,20で挟み込まれたまま沈んでいく(押し下げ)。
【0060】この挙動により、カウンタパンチ26と上パンチ27とによる孔抜き加工が開始されていく。すなわち、カウンタパンチ26はベッド10に固定されているから、図3(b)に示されるように下型20の押し下げに伴い、カウンタパンチ26の先端部がプレート部3の中央から軸部4の軸端中央ヘ向けて差し込まれる。
【0061】このとき、プレート部3および軸部4の外面は上/下型14,20で拘束される上、上パンチ27は軸部4の反対側の軸端、すなわちカウンタパンチ26と対応する部分を除く外周端部分を押さえ付けているから、図3(b)に示す如く軸部4の中実部分だけが剪断を起こしながらカウンタパンチ26内へ押し出されていく。
【0062】ついで、図4(a)に示されるようにカウンタパンチ26が軸部4を貫通するまで差し込まれると、軸部4の中実部分の全てが押し出される。このとき、ハブ素材X2 の全体は上/下型14,20で拘束されているから、ハブ素材X2 に変形させる余裕を与えずに、軸部4の全体に孔抜きが施されていく。
【0063】そして、ラム11が下死点に達するに伴い、孔抜き加工を終える。続いて、ラム11は上死点に向かう。これにより、加工を終えたハブ素材X2 は上/下型14,20で挟まれたまま、下型20に加わるエア圧で押し上げられる。
【0064】下型20が待機位置まで押し上げられると、図4(b)に示されるように待機位置において下型20だけがハブ素材X2 を載せたまま止まる。すると、冷却液供給装置40が作動し、同装置から冷却液が所定時間、供給され、各噴霧ノズル孔39aから、カウンタパンチ26の先端部に向けて冷却液が噴霧され、カウンタパンチ26が冷却される。
【0065】一方、ハブ素材X2 の上面から離脱した上型14は、ラム11の上死点に向かって持上げられる。ここで、上パンチ27の通孔33内は、孔抜き加工で軸部4から押し出された抜きカス4cが残っていて、抜きかす4c分、同通孔33内に差し込まれているノックピン37を押し上げている。
【0066】このため、上型14が元の待機位置に戻る途中で、図5(a)に示されるようにノックピン37の頭部(上部)がフレーム部11aに付いているストッパ部材38に当接していく。
【0067】この当接により、上型14の動きはそのままにノックピン37の動きだけが規制され、図5(b)に示されるように上パンチ27の通孔33内の抜きかす4cを通孔先端から押し出していく。
【0068】この押し出しが、図6(a)に示されるように元の待機位置に上型14が戻るまで続き、通孔17内の抜きかす4cを外部に排出させていく。そして、加工を終えたハブ素材X2 を下型20から取り出せば、図6(b)に示されるようにフロントハブZの成形を終える。
【0069】このように軸部4の周囲の部分を拘束して、プレート部3から突き出る軸部4に孔抜きをする熱間鍛造装置1は、難しいとされていたフロントハブZやそれ以外の薄形のプレート部から軸部(柱部)が突き出るようなワークでも、熱間鍛造のプレス部2dを用いて、ワークに不要な変形を与えずに、軸部における孔抜きを行うことができる。
【0070】特に、上/下型14,20のプレート部3を挟み込む面がプレート部3の各部にならう形状にしてあるので、ワークの拘束は確実で、不要な変形の発生はない。
【0071】この結果、手間をかけずに軸部に良好な孔抜けが施せるので、加工費の低減を図ることができる。しかも、こうした孔抜きの熱間鍛造は、既存の熱間鍛造装置1のプレス部2dに、上/下型14,20(抑え型)、カウンタ/上パンチ26、27(パンチ部)、ノックピン37を設けるだけでよく、既存のプレス部2dを利用して、簡単に熱間鍛造による孔抜きを行うことができる。
【0072】そのうえ、上述した実施形態のように熱間鍛造で外形を成形する工程に続いてそのまま、熱間鍛造による孔抜きに移すことができ、生産効率にも優れる。加えて、上パンチ27(アウタパンチ)は、ラム11にフローティング支持させてあるので、上パンチ27が軸部4の軸端に当接してから、上型14と下型20でハブ素材X2 を挟み込むまでの間で生ずるばらつきを許容でき、ラフな上パンチ27の位置決めながら、所定にハブ素材X2 (ワーク)を挟み込んだまま押し下げることができる。
【0073】また孔抜きで熱をおびたカウンタパンチ26を冷却液で冷却したので、カウンタパンチ26を熱害から守ることができ、信頼性の高い孔抜きを実現できる。なお、一実施形態はフロントハブを成形するときを例に挙げたが、これに限らず、他の薄形のプレートと一体で、孔抜き加工を必要とする柱部が突き出たような部品にも適用できることはいうまでもない。
【0074】また一実施形態では、部品外形を成形する熱間鍛造装置に在るばり抜きのプレス部に本発明を適用したが、部品外形を成形する熱間鍛造装置とは別体の熱間鍛造装置のプレス部に本発明を適用してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、プレート部を両側から挟み込みんで拘束し、このプレート部と共に拘束される柱部に孔抜きを施すようにしたので、熱間鍛造でありながら、プレート部,柱部を変形させずに、プレート部から突き出る柱部に孔抜き加工を施すことができる。
【0076】しかも、既存の熱間鍛造装置のプレス部に、抑え型、パンチ部、ノックピンを設けるだけでよく、既存のプレス部を活用して、容易に熱間鍛造による柱部の孔抜きを行うことができる。
【0077】請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、孔抜きに際のワークの変形を確実に抑止することができる。請求項3に記載の発明によれば、請求項1、請求項2の効果に加え、アウタパンチのラフな位置決めでありながら、アウタパンチの先端部を柱部の軸端に密接させて、所定に抑え型でワークを挟み込んだまま沈ませることができる。請求項4に記載の発明によれば、請求項1、請求項2、請求項2の効果に加え、孔抜きで熱をおびたインナパンチを熱害から守ることができる。




 

 


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