米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 三菱自動車工業株式会社

発明の名称 樹脂の射出成形金型構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−105083
公開日 平成11年(1999)4月20日
出願番号 特願平9−271590
出願日 平成9年(1997)10月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
発明者 坂松 信一 / 中野 貴
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 樹脂部品の意匠面を形成する第1の金型と該樹脂部品の裏面を形成する第2の金型とをそなえた樹脂の射出成形金型構造において、該第1の金型に通気性を有する多孔質材が設けられるとともに、該樹脂部品の該意匠面と当接する該多孔質材の表面に、該樹脂部品の意匠面の光沢度を低減すべく凹凸部が形成されていることを特徴とする、樹脂の射出成形金型構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂の射出成形金型構造に関し、特に、自動車等の装備品として設けられる樹脂部品の金型に用いて好適の、樹脂の射出成形金型構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等のインストルメントパネル周辺の部品(例えば、インストルメントパネル自体やオーディオパネル)には、装飾性や衝撃吸収性等を考慮して樹脂部品が多く用いられている。このような樹脂部品では、表面の光沢度を極力低減することにより質感を向上させるとともに、光の反射を低減してドライバの視界を良好に保つようにしている。
【0003】このような光沢度の低減手法としては、図4(a)に示すように、樹脂部品102の金型101に直接細かい凹凸部(以下、このような凹凸部をシボ又はシボ面という)101aを形成しておき、このシボ面101aを樹脂部品102の表面に転写して樹脂部品102の表面にいわゆるシボ面102aを形成し、このシボ面102aにより光の反射方向を分散させて光沢度の低減を図るのが一般的である。
【0004】なお、樹脂部品102としては、例えばPPF(フィラ入りポリプロピレン)やPC/ABS(ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン)やPBT−G(ガラス繊維入りポリブチレンテレフタレート)等の樹脂材料が多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金型101への樹脂の射出時には、金型101内に存在する空気やガスのほとんどは金型101を構成するコア本体とキャビ本体(いずれも図1における符号3,4参照)との間の微小な隙間から漏れ出ていくが、樹脂は短時間のうちに高圧で射出されるため、図4(a)に示すように、一部の空気やガスが内部に残留してしまい成形品と金型との間に空気溜まりが生じる場合がある。
【0006】このように空気溜まりが生じると、金型101と樹脂102との密着性が低下して、金型101から樹脂102への凹凸(シボ)の転写性も低下してしまうのである。また、このようにシボの転写性が低下すると、図4(b)に示すように樹脂部品102の表面が比較的平滑なものとなり、光沢度が高くなってしまうのである。
【0007】したがって、従来では、樹脂部品102を成形した後、艶消し塗装が必要となり、これにより部品コストも増大していた。また、上述のような空気溜まりが生じると、金型101内の樹脂の流動性が低下して、樹脂の表面に流れ模様(フローマーク)が生じたり、金型101に設けられた異なる樹脂注入孔からそれぞれ注入された樹脂が合流する部分にウェルドラインが生じたりしてしまう場合がある。このようなウェルドラインやフローマークは、樹脂部品102の品質低下を招くため、このようなウェルドラインやフローマークを消すためにも艶消し塗装が必要となっていた。
【0008】ところで、このような課題に対して、特開平1−259914号公報には、成形金型に多孔質通気性材料を配設し、金型内の空気やガスを多孔質通気性材料を介して金型外に排出するようにした技術が開示されている。しかしながら、上記の技術では、多孔質通気性材が樹脂部品の裏面側となる位置に配設されており、樹脂部品の意匠面とこれに対向する金型表面との間に生じる空気溜まりを完全に除去することができないという課題がある。したがって、凹凸(シボ)の転写性の向上もあまり期待できず、やはり、成型後に樹脂部品の塗装が必要となるという課題がある。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、樹脂部品の意匠面の空気溜まりを完全に排除して、金型の凹凸(シボ)の転写性を向上させるとともに、余分な樹脂部品の艶消し塗装をなくすことができるようにした、樹脂の射出成形金型構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の樹脂の射出成形金型構造では、第1の金型により樹脂部品の意匠面が形成されるとともに、第2の金型により樹脂部品の裏面が形成される。そして、樹脂の成形時には、第1の金型に設けられた多孔質材を介して、樹脂部品の意匠面と第1の金型との間の空気やガスが外部に排出される。これにより、樹脂部品の意匠面と当接する多孔質材の表面に形成された凹凸部が成型中の樹脂部品に密着して、成型後の樹脂部品の光沢度が低減される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる樹脂の射出成形金型構造について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図である。図1において、1は金型、2は樹脂成形品(又は樹脂部品ともいう)、3,4はそれぞれは金型1の主要部分を構成するキャビ本体(第1の金型),コア本体(第2の金型)、5はイジェクタピン、6,7はいずれも取付板、8は樹脂注入孔、9は通気性を有する多孔質材(多孔質金型)、10は空気排出孔である。
【0012】ここで、キャビ本体3は、樹脂部品2の意匠面形状を形成する金型、コア本体4は、樹脂部品2の裏面側形状を形成する金型であり、キャビ本体3とコア本体4とは互いに対向するように配設されている。また、図1に示すように、キャビ本体3には多孔質材9が埋設されている。この多孔質材9は、合金粉末と合金短繊維とを混合焼結した通気性金属であり、その表面及び内部には図示しない微細な通気孔が多数形成されている。
【0013】また、この多孔質材9は、樹脂部品2の意匠面を形成すべく所定の形状に形成されており、樹脂成形用金型の一部として機能するようになっている。なお、以下、必要に応じてこの多孔質材9を多孔質金型ともいう。多孔質金型9の意匠面は、図3(a)に示すように、通常の金型と同様に細かい凹凸部(シボ面)9aが形成されており、このシボ面9aを樹脂部品2の表面に転写することで樹脂部品2にシボ2aを形成するようになっている。
【0014】一方、図1に示すように、キャビ本体3の内部には空気排出孔10が形成されており、この空気排出孔10は多孔質金型9に接続されている。これにより、樹脂の射出成形時に樹脂部品2の表面とキャビ本体3との間に残留した空気やガスは、多孔質金型9内の通気孔及び空気排出孔10を介して大気に排出されるようになっている。
【0015】したがって、樹脂成形時に樹脂部品2の表面とキャビ本体3との間に、いわゆる空気溜まり〔図4(a)参照〕が発生することが抑制され、多孔質金型9に形成されたシボ面9aの形状を樹脂部品2の表面に確実に転写させることができ、これにより樹脂部品2の光沢度を低減させることができるのである。また、空気溜まりの発生を抑制することにより、金型1内の樹脂の流動性が向上して、流れ模様(フローマーク)やウェルドラインの発生を抑制することができるのである。
【0016】ところで、通常の金型に凹凸部(シボ)を形成する場合には、まず最初に予めシボが形成された特殊なシートと感光剤とを金型に貼り付け、この状態で金型の表面に光を当てて、感光剤により凹凸を形成し、その後酸性溶液で凹部に相当する部分を腐食させるのが一般的であるが、このような手法を本発明の通気性金型9に適用すると、溶液が通気孔を介して多孔質金型9に浸透してしまう。
【0017】そこで、本発明における通気性金型9では、溶液の内部への浸透を防止すべく、以下のようにして、シボ面9aを形成するようになっている。まず、通気性金型9に、耐熱性を有する樹脂を含浸させる。なお、この樹脂は例えば300°C程度までの熱に耐えることができる性能を有するものである。そして、この後、通常の金型と同様にシボ面9aを形成する。この場合、金型9の通気孔は樹脂で塞がれているため、溶液が通気性金型9の内部に浸透することなく通気性金型9の表面にシボ面9aが形成される。
【0018】そして、最後に通気性金型9を溶剤(例えばアセトン溶剤)の中に入れ、超音波洗浄を施して金型9内に含浸した耐熱樹脂を除去するのである。これにより、通気性金型9の内部へ溶液を浸透させることなく、通気性金型9の表面にシボ面9aを形成することができるのである。なお、通気性金型9に形成されるシボ面9aの凹凸は、通気性金型9の通気孔(例えば、直径7μm程度)よりも十分に大きく形成されており、樹脂成形時に通気孔内部にまで溶融樹脂が流入することはない。
【0019】本発明の一実施形態にかかる樹脂の射出成形金型構造は、上述のように構成されているので、例えば図2に示すような手順にしたがって樹脂部品2の射出成形が行なわれる。
【0020】まず、図2(a)に示すように互いに対向した位置にあるキャビ本体3とコア本体4とを、図2(b)に示すように密接させて型締めする(型締工程)。次に、図2(c)に示すように、キャビ本体3の樹脂注入孔8から溶融した樹脂を金型1内に注入し、所定時間だけ保圧,冷却を行なう(射出・保圧・冷却工程)。なお、この工程において、樹脂を金型1内に注入すると、金型1内の空気やガスの一部はキャビ本体3とコア本体4との間の僅かな隙間から排出される。また、残りの空気やガスのうち、樹脂部品2とキャビ本体3との間に残留した空気やガスは、通気性金型9に形成された微細な通気孔(図示省略)及びキャビ本体3に形成された空気排出孔10を介して大気に放出される。
【0021】したがって、図3(a)に示すように、樹脂部品2の表面が、通気性金型9の表面に形成されたシボ面9aに密着して、シボ面9aの形状が、確実に転写されることになる。最後に、図2(d)に示すように、キャビ本体3とコア本体4とを離隔させ(型開工程)、次にイジェクタピン5を用いて成形された樹脂部品2を押し出して取り出す(製品取出し工程)。そして、上述のような工程を繰り返し行なうことにより、樹脂部品2が逐次製造される。
【0022】このように、本発明の樹脂の射出成形金型構造によれば、樹脂部品2とキャビ本体3との間に残留した空気やガスは、通気性金型9に形成された微細な通気孔(図示省略)やキャビ本体3に形成された空気排出孔10を介して大気に放出されるので、図3(a)に示すように、樹脂成形時に金型1(特に通気性金型9)と樹脂部品2(特に樹脂部品2の意匠面)との密着性が向上して、樹脂部品2の表面に通気性金型9のシボ面9aを確実に転写させることができる。
【0023】したがって、図3(b)に示すように、樹脂部品2の表面が粗くなり、光の反射方向が分散して光沢度が低減して質感を向上するのである。また、これにより樹脂部品2の光の反射が低減されてドライバの視界を良好に保つことができ、ドライバの煩わしさを抑制することができるのである。また、このような樹脂部品2であれば、従来は必要であった樹脂成型後の艶消し塗装をなくすことができ、コストを大幅に低減することができる利点がある。
【0024】さらに、金型1内の空気やガスを効率良く外部に排出するため、金型1内の樹脂の流動性が向上し、フローマークやウェルドラインの発生を抑制することができる利点がある。特に、装飾用部品として網目模様に形成されるスピーカグリルのように樹脂の流動距離や流動時間が比較的長い部品であっても、成形時の樹脂の流動性が向上することにより、フローマークやウェルドラインの発生を抑制できるという利点がある。
【0025】さらに、通気性金型9は、金型(キャビ本体)3に設けられた部材であるため、樹脂部品の種類に応じてシボ9aを変更することができる。また、通気性金型9の取替えも容易に行なうことができる。
【0026】なお、図3中においては、シボ面2a,9aを分かりやすく表現するためにシボ2a,9aを模式化して描いてあるが、シボ面2a,9aはこのような大きさのものではなく、実際には微小な凹凸として形成されている。また、シボ面2a,9aの形状も、このような単純な形状のものではなく、光の反射を分散させるため規則性のない凹凸形状に形成されている。
【0027】また、本発明の樹脂の射出成形金型構造は、上述のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の樹脂の射出成形金型構造によれば、上述のような簡素な構成により、樹脂部品の意匠面と第1の金型との間に残留した空気やガスを多孔質材を介して大気に放出することができ、これにより、樹脂成形時に第1の金型と樹脂部品の意匠面との密着性が向上して、樹脂部品の表面に、多孔質材に形成された凹凸部を正確に転写させることができるという利点がある。そして、これにより樹脂部品の光沢度を低減させて質感を向上させることができるのである。また、樹脂部品の光の反射が低減されてドライバの視界を良好に保つことができ、ドライバが光の反射により煩わしい思いをすることがなくなる。
【0029】さらに、金型内の空気やガスを外部に排出するため、金型内の樹脂の流動性が向上し、フローマークやウェルドラインの発生を抑制することができる利点がある。また、このような樹脂部品であれば、従来は必要であった樹脂成型後の艶消し塗装をなくすことができ、コストを大幅に低減することができるという利点もある。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013