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発明の名称 2トーン塗膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平11−76936
公開日 平成11年(1999)3月23日
出願番号 特願平9−241196
出願日 平成9年(1997)9月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
発明者 近藤 慎二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アクリル樹脂とメラミン樹脂とを含有する第1塗料により形成された第1塗膜と、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを含有する第2塗料により形成された第2塗膜とを備えた2トーン塗膜において、該第1塗料が、ポリエステル樹脂を含有していることを特徴とする、2トーン塗膜。
【請求項2】 該第1塗料に含有される該アクリル樹脂と該ポリエステル樹脂との重量比が、80:20〜90:10であることを特徴とする、請求項1記載の2トーン塗膜。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2色の塗料を塗り重ねて形成される2トーン塗膜に関し、特に、自動車等の車両の2トーン塗装に用いて好適の、2トーン塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等の車両において2色の塗料を塗り重ねて2トーン塗膜を形成する2トーン塗装が行なわれている。このような2トーン塗膜を形成する2トーン塗装に関しては、特開平2−29330号公報に開示された技術がある。例えば、メタリック塗料の上にソリッド塗料を塗り重ねて2トーン塗膜を形成する場合、2トーン塗膜は、図5に示すように、車体を構成する鋼板1の表面に形成された電着塗膜2と、電着塗膜2の表面に形成された中塗塗膜3と、中塗塗膜3の表面にメタリック塗料により形成されたメタリック塗膜(ベース)4と、メタリック塗膜4の表面にクリア塗料(第1塗料)により形成されたクリア塗膜(第1塗膜)5と、クリア塗膜5の表面の一部にソリッド塗料(第2塗料)により形成されたソリッド塗膜(第2塗膜)6とを備えて構成される。
【0003】ここで、クリア塗膜5を形成するクリア塗料は、ツヤや耐久性を考慮してアクリル樹脂とメラミン樹脂とを含有するものとする必要がある一方、ソリッド塗膜6を形成するソリッド塗料は、その顔料分散(着色力)を考慮してポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを含有するものとする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにアクリル樹脂とメラミン樹脂とを含有するクリア塗料により形成されるクリア塗膜5の上に、このクリア塗料とはその組成が異なるポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを含有するソリッド塗料により形成されるソリッド塗膜6を塗り重ねる場合、その塗り重ね部における密着性が良くないという課題がある。
【0005】このため、塗り重ね部における密着性を向上させるべく、塗り重ね部の表面に研ぎ処理を施す工程が2トーン塗装の必須の工程となる。この場合、2トーン塗装は、図6に示すような塗装工程で行なわれる。つまり、2トーン塗装では、まず、車体を構成する鋼板1の表面に電着塗膜2,中塗塗膜3が焼付け乾燥により形成される。
【0006】次に、図6(a)に示すように、この中塗塗膜3の表面にメタリック塗料が例えば厚さ15μm程度になるように塗られ、ウェットの状態で、さらにクリア塗料が例えば厚さ30μm程度となるように塗られた後に、焼付け乾燥されてメタリック塗膜4及びクリア塗膜5が一体的に形成される。次いで、図6(b)に示すように、クリア塗膜5の表面に塗り重ね部のみが表出するようにマスキング7が施され、塗り重ね部における密着性を向上させるべく塗り重ね部の表面に研ぎ処理が施される。
【0007】そして、図6(c)に示すように、クリア塗膜5の表面の塗り重ね部にソリッド塗料が例えば厚さ30μm程度となるように塗られた後に、焼付け乾燥されてソリッド塗膜6が形成される。このように、2トーン塗装において塗り重ね部における密着性を向上させるべく研ぎ工程を行なうようにすると、その分だけ工数が増え、コストアップにつながることになる。また、研ぎ工程を行なう分だけ時間がかかることになるため、その生産性が低下することにもなる。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、十分な密着性や耐候性を確保できるようにすることによって塗装工程における研ぎ工程を削減できるようにして、コストダウンを図り、またその生産性を向上させるようにした、2トーン塗膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載の本発明の2トーン塗膜では、第1塗膜がアクリル樹脂とメラミン樹脂とを含有する第1塗料により形成され、第2塗膜がポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを含有する第2塗料により形成される。そして、第1塗料が、さらにポリエステル樹脂を含有しているため、従来の耐候性を維持しながら、十分な密着性を確保できる。
【0010】請求項2記載の本発明の2トーン塗膜では、第1塗料に含有されるアクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比が80:20〜90:10であるため、十分な密着性や耐候性を確保できる。
【0011】
【発明の実施形態】以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。本発明の一実施形態にかかる2トーン塗膜は、自動車等の車両の2トーン塗装、特に、メタリック塗料とソリッド塗料とを塗り重ねる2トーン塗装に用いられるものである。
【0012】この2トーン塗膜は、従来技術(図5参照)で説明したものと同様に、車体を構成する鋼板1の表面に形成された電着塗膜2と、電着塗膜2の表面に形成された中塗塗膜3と、中塗塗膜3の表面にメタリック塗料により形成されたメタリック塗膜(ベース)4と、メタリック塗膜4の表面にクリア塗料(第1塗料)により形成されたクリア塗膜(第1塗膜)5と、クリア塗膜5の表面の一部にソリッド塗料(第2塗料)により形成されたソリッド塗膜(第2塗膜)6とを備えて構成される。
【0013】このうち、クリア塗膜5を形成するクリア塗料は、ツヤや耐久性を考慮して、アクリル樹脂と、メラミン樹脂と、ハイドロカーボンエステル系溶剤とを備えるものとして構成される。また、ソリッド塗膜6を形成するソリッド塗料は、その顔料分散(着色力)を考慮して、ポリエステル樹脂と、メラミン樹脂と、ハイドロガーボンエステル系溶剤とを備えるものとして構成される。
【0014】ここで、図2はポリエステル樹脂とアクリル樹脂との特性を示したものである。図2に示すように、ポリエステル樹脂は、顔料分散(着色力)は良い一方、耐候性やツヤが悪いという特性がある。一方、アクリル樹脂は、耐候性やツヤは良い一方、顔料分散が悪いという特性がある。
【0015】このため、ポリエステル樹脂を含有するソリッド塗料は顔料分散が良い一方、耐候性やツヤが悪いという特性を有することになり、アクリル樹脂を含有するクリア塗料は耐候性やツヤが良い一方、顔料分散が悪いという特性を有することになる。しかしながら、このようにアクリル樹脂を含有するクリア塗料により形成されるクリア塗膜5の上に、このクリア塗料とはその組成が異なるポリエステル樹脂を含有するソリッド塗料により形成されるソリッド塗膜6を塗り重ねる場合、その塗り重ね部における密着性が良くない。
【0016】この場合、クリア塗料とソリッド塗料とに含有される成分を同様のものとしてクリア塗膜5とソリッド塗膜6との密着性を向上させることが考えられるが、ソリッド塗料にアクリル樹脂を添加すると、アクリル樹脂の少量の添加により、ソリッド塗料の顔料が分散しにくくなり、着色力が著しく低下することになるため好ましくない。
【0017】そこで、クリア塗膜5を形成するクリア塗料に、ソリッド塗料と密着性の良いポリエステル樹脂を適正量含有させることにより、クリア塗膜5とソリッド塗膜6との密着性を向上させようにしている。このように、2トーン塗装におけるクリア塗膜5とソリッド塗膜6との密着性を向上させるために、クリア塗料にポリエステル樹脂を含有させる場合、上述のように、ポリエステル樹脂は耐候性やツヤが悪いという特性があるため、クリア塗膜5の十分な耐候性やツヤを確保するためには、ポリエステル樹脂の含有量が重要になる。
【0018】ここで、図1はクリア塗膜5を形成するクリア塗料に含有されるアクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比と耐候性及び密着性との関係を示す図である。なお、図1では、左側の縦軸が耐候性、右側の縦軸が密着性をそれぞれ示しており、横軸がクリア塗料に含有されるアクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比(即ち、アクリル樹脂の重量/ポリエステル樹脂の重量)を示している。また、図1中、実線Aは耐候性を示すものであり、破線Bは密着性を示すものである。
【0019】このうち、耐候性を示す実線Aは、JIS DO205に規定されたサンシャインウェザ・オ・メータにより耐候性評価試験を実施した結果を示すものである。この耐候性評価の試験条件は、ブラックパネル温度(B.P.温度)を約63℃程度、且つ、雨ありとし、SMカラーコンピュータによって色差ΔEを測定することにより耐候性の評価を行なう。
【0020】また、密着性を示す破線Bは、JIS K5400 8.52に規定された基盤目テープ法により密着性評価試験を実施した結果を示すものである。この試験は、塗装が剥離していないます目の個数により密着性を評価するものである。この密着性評価の試験条件は、図3に示すように、切り傷の間隔が約2mm、ます目の数が100個である。なお、図1中、右側縦軸の密着性100は剥離なしを意味する。
【0021】この図1中、実線Aで示すように、耐候性はクリア塗膜5を形成するクリア塗料に含有されるポリエステル樹脂の重量比が小さくなるほど良くなることがわかる。一方、図1中、破線Bで示すように、密着性はクリア塗膜5を形成するクリア塗料に含有されるポリエステル樹脂の重量比が小さくなると急激に悪くなることがわかる。
【0022】ここで、従来と同様のクリア塗膜5の耐候性を確保するためには色差ΔEが所定値(例えば、2)以下になるようにする必要がある。また、クリア塗膜5とソリッド塗膜6との十分な密着性を確保するためには密着性を示す値が所定値(例えば、剥離していない個数が80)以上になるようにする必要がある。このような条件を満たすためには、図1中、網かけで示すように、クリア塗膜5を形成するクリア塗料に含有されるアクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比が80:20〜90:10になるように構成するのが好ましく、この範囲が適正範囲であると考えられる。
【0023】そこで、本実施形態にかかる2トーン塗膜のクリア塗膜5を形成するクリア塗料は、アクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比が80:20〜90:10になるように構成し、これにより、クリア塗膜5の耐候性〔色差(ΔE)〕を維持しながら、2トーン塗装におけるクリア塗膜5とソリッド塗膜6との密着性を向上させるようにしている。
【0024】ここで、クリア塗料の組成を重量比で示すと、アクリル樹脂(固形分)が22.5〜20.0、ポリエステル樹脂(固形分)が2.5〜5.0、メラミン樹脂(固形分)が15.0、ハイドロカーボンエステル系溶剤が60.0である。なお、メラミン樹脂は硬化剤である。また、クリア塗料に添加するポリエステル樹脂の適性分子量は、1分子あたりの分子量が1200〜2100のものである。これは、1分子あたりの分子量が600〜1500のものでは熱,水等により変色しやすくなるからであり、また、2000〜2800のものでは仕上がりが良くないからである。
【0025】このように、本2トーン塗膜では、クリア塗膜5を形成するクリア塗料がポリエステル樹脂を含有しているため、クリア塗膜5の耐候性を維持しながら、クリア塗膜5とソリッド塗膜6との間の密着性を十分に確保することができ、これにより、2トーン塗装における研ぎ工程を省略することができることになる。この場合、2トーン塗装は、図4に示すような塗装工程で行なわれる。
【0026】まず、車体を構成する鋼板1の表面に電着塗膜2,中塗塗膜3が形成され、焼付け乾燥される。次に、図4(a)に示すように、この中塗塗膜3の表面にメタリック塗料が例えば厚さ15μm程度になるように塗られ、ウェットの状態で、さらにクリア塗料が例えば厚さ30μm程度となるように塗られた後に、焼付け乾燥されてメタリック塗膜4及びクリア塗膜5が一体的に形成される。
【0027】次いで、図4(b)に示すように、クリア塗膜5の表面に塗り重ね部のみが表出するようにマスキング7が施される。そして、図4(c)に示すように、クリア塗膜5の表面の塗り重ね部にソリッド塗料が例えば厚さ30μm程度となるように塗られた後に、焼付け乾燥されてソリッド塗膜6が形成される。
【0028】このように、本2トーン塗膜によれば、2トーン塗装における研ぎ工程を省略することができるため、工程削減によるコストダウンと生産性の向上を図ることができるという利点がある。なお、本実施形態にかかる2トーン塗膜では、アクリル樹脂とポリエステル樹脂との重量比を80:20〜90:10とするのが好ましいとしているが、クリア塗膜5の耐候性を維持しながら、クリア塗膜5とソリッド塗膜6との塗り重ね部の密着性を十分に確保できるのであれば重量比は別の比率であっても良い。
【0029】また、本2トーン塗膜では、クリア塗膜5を形成するクリア塗料の組成はアクリル樹脂,ポリエステル樹脂,メラミン樹脂,ハイドロカーボンエステル系溶剤としているが、クリア塗膜5の組成はこれに限られるものではない。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2記載の本発明の2トーン塗膜によれば、第1塗料がポリエステル樹脂を含有しているため、第1塗膜の耐候性を維持しながら、第1塗膜と第2塗膜との間の密着性を十分に確保することができ、これにより、2トーン塗装における研ぎ工程を省略することができるという利点がある。また、研ぎ工程削減によるコストダウンと生産性の向上を図ることができるという利点がある。




 

 


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