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発明の名称 回転陽極形X線管球
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−106461
公開日 平成10年(1998)4月24日
出願番号 特願平8−280334
出願日 平成8年(1996)9月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】根本 進
発明者 木戸 孝文
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ターゲットと同行回転する支軸を転がり軸受を介して支持する筒状のホルダーを備え、その転がり軸受は、その支軸の外周に固定される内輪と、そのホルダーの内周に対して軸方向に一定範囲移動可能な外輪とを有する回転陽極形X線管球において、そのホルダーの内周と外輪の外周との間に固体潤滑材製の潤滑膜が介在されていることを特徴とする回転陽極形X線管球。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用X線診断装置等において用いられる回転陽極形X線管球に関し、その陽極の支持構造を改良するものである。
【0002】
【従来の技術】回転陽極形X線管球として、ターゲットと同行回転する支軸を転がり軸受を介して支持する筒状のホルダーを備えるものが用いられている。このX線管球は、医療用X線診断装置等において用いられる場合、X線照射方向を変更するために様々な方向を向くように姿勢変更される。その姿勢変更に伴い転がり軸受に加えられる陽極の自重の方向が変化する。その荷重の付加方向の変化により転がり軸受の回転が阻害されるのを防止するため、その転がり軸受の外輪はホルダーの内周に対して軸方向に一定範囲移動可能とされ、その荷重変化の影響を低減できる構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その外輪がホルダーの内周に対して軸方向に一定範囲移動可能な構造においては、その外輪とホルダーの熱膨張差、ホルダーの内周の真円精度の不足等が原因で、外輪がホルダーにかじり付き、円滑な移動ができなくなることがある。そのため、X線管球の位置変化により転がり軸受の転動体に異常な荷重が作用し、転動体を所定の軌道面で滑走させることができず、回転音が変化するという問題が発生する。この状態で使用し続けると、転がり軸受の転動体表面の潤滑層が損傷し、回転音が大きくなって回転性能が低下し、寿命が低下してしまう。
【0004】本発明は上記課題を解決することのできる回転陽極形X線管球を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ターゲットと同行回転する支軸を転がり軸受を介して支持する筒状のホルダーを備え、その転がり軸受は、その支軸の外周に固定される内輪と、そのホルダーの内周に対して軸方向に一定範囲移動可能な外輪とを有する回転陽極形X線管球において、そのホルダーの内周と外輪の外周との間に固体潤滑材製の潤滑膜が介在されていることを特徴とする。
【0006】本発明の構成によれば、転がり軸受の外輪とホルダーとの間の摩擦を潤滑膜により低減し、両者のかじり付きをなくし、その転がり軸受に作用する荷重変化に応じて外輪をホルダーの内周面に沿って円滑に移動させることができる。これにより、その転がり軸受の転動体を所定の軌道面で円滑に滑走させ、X線管球の位置変化による陽極回転音の変化を防止し、その転動体の表面の潤滑層が損傷して回転音が大きくなるのを防止し、陽極の回転性能を長期に亘り安定させることができると共に寿命を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0008】図1に示す回転陽極形のX線管球1は、集束電極11と、陽極12と、その集束電極11と陽極12とを被覆するガラスバルブ13とを有する。その集束電極11はガラスバルブ13に固定され、高電圧を印加されることで熱電子を放出するフィラメント14を有する。その陽極12は、上記フィラメント14に対向する円板状のターゲット15と、このターゲット15に同軸中心に同行回転可能に取り付けられているロータ16と、このロータ16を一対の深溝球軸受により構成される転がり軸受17、18を介して相対回転可能に支持するホルダー30とを有する。そのホルダー30はガラスバルブ13に固定される。
【0009】図2に示すように、そのロータ16は、一端が開口する円筒形状のロータ本体16aと、このロータ本体16aの内端に片持ち状に固定される支軸16bとを有する。その支軸16bに、上記両転がり軸受17、18と、筒状の内輪側スペーサ19とが嵌め合わされる。その支軸16bの先端にねじ合わされるナット20により、両転がり軸受17、18の内輪17a、18aと内輪側スペーサ19は、支軸16bの外周の段差16b′に押し付けられる。これにより、両内輪17a、18aは支軸16bに固定される。その内輪側スペーサ19の外周に圧縮コイルバネ21が嵌め合わされる。そのバネ21が両転がり軸受17、18の外輪17b、18bに個別に外輪側スペーサ22a、22bを介して弾力を作用させることで、各転がり軸受17、18にがたつき防止用の予圧が付与される。
【0010】そのホルダー30は筒形状で、そのロータ本体16aの内部において、両転がり軸受17、18の外周に嵌め合わされる内周を有する。図3に示すように、そのホルダー30の内周と両転がり軸受17、18の外輪17b、18bの外周との間に潤滑膜40が介在され、これにより、両外輪17b、18bはホルダー30に対して軸方向移動可能とされる。上記ターゲット15から離れた一方の外輪側スペーサ22bに径方向に沿い形成された通孔22a′に、ホルダー30に径方向からねじ込まれたピン31が挿入される。そのピン31は通孔22b′よりも小径とされ、そのピン31の外周と通孔22b′の内周とが当接することで、両外輪17b、18bのホルダー30に対する軸方向移動が一定範囲に規制される。
【0011】その潤滑膜40は、真空中でも大気中でも良好な潤滑性を示すことのできる固体潤滑材製とされる。その潤滑膜40は、ホルダー30の内周面と外輪17b、18bの外周面とが直接接触する場合よりも摩擦を低減できるもので、ホルダー30の内周面や外輪17b、18bの外周面に、真空蒸着やスパッタリング等によりコーティングされる。その潤滑膜40の蒸気圧は、X線管球1の真空度劣化による耐電圧不良を防止する上で可及的に低いのが好ましい。また、X線管球1の製造工程においては、陽極12の動バランスを調整するために、空気中においてロータ16を軸受17、18を介してホルダー30に対して回転させるため、酸化して潤滑性を失うことのない物質が潤滑膜40の材料として好ましい。また、X線管球1の脱気工程は、管球内部の部品の吸着ガスを発散させるために350℃〜400℃程度の高温下で行われるため、その温度で蒸発して管球内部の真空度を低下させることのない物質が潤滑膜40の材料としては好ましい。よって、その潤滑膜40の材料としては、大気中でも真空中でも潤滑性のある蒸気圧の低い二硫化モリブデンや二硫化タングステン等の固体潤滑材が好ましい。また、その潤滑膜40は、厚さが過大になると外輪17b、18bのホルダー30に対する軸方向移動の際に一部が脱落し、それが外輪17b、18bとホルダー30との間に挟まり、外輪17b、18bのホルダー30へのかじり付きを引き起こすおそれがあり、薄くなり過ぎると摩耗して効果を奏することができなくなるおそれがあるので、その厚さは0.01μm〜0.1μmであるのが好ましい。
【0012】上気構成によれば、外輪17b、18bとホルダー30との間の摩擦を低減し、両者のかじり付きをなくし、その外輪17b、18bをホルダー30の内周面に沿って円滑に移動させることができる。これにより、両転がり軸受17、18のボール17c、18cを所定の軌道面で円滑に滑走させ、ボール17c、18cの表面の潤滑層が損傷して回転音が大きくなるのを防止し、陽極12の回転性能を長期に亘り安定させることができる。
【0013】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、潤滑膜40を軸受外輪と接するホルダー30の内周に形成しても良い。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、長期に亘り安定した回転性能を維持できる長寿命の回転陽極形X線管球が得られる。
【0015】
【本発明の実施態様】本発明の回転陽極形X線管球において、ターゲットと同行回転する支軸を一対のボールベアリングを介して筒状のホルダーにより支持し、各ボールベアリングの内輪は軸方向間隔をおいて支軸の外周に固定され、各ボールベアリングの外輪はホルダーの内周に対して軸方向移動可能とされ、両外輪により挟まれるバネの弾力により、各外輪がボールベアリングのボールを介して各内輪に軸方向から押し付けられ、そのホルダーの内周と各外輪の外周との間に固体潤滑材製の潤滑膜が介在されるのが好ましい。これにより、両転がり軸受にバネの弾力により適度な予圧を付与しつつ、作用する荷重の変化に応じて外輪を軸方向移動させることができる。
【0016】本発明の回転陽極形X線管球において、ホルダーの内周と外輪の外周との間の潤滑膜を、大気中でも真空中でも潤滑性のある蒸気圧の低い二流化モリブデンや二流化タングステン等の固体潤滑材により構成し、その膜厚を0.01〜0.1μmとするのが好ましい。これにより、X線管球の真空度劣化による耐電圧不良を防止して確実に外輪のホルダーへのかじり付きを防止できる。




 

 


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