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発明の名称 高密度セラミックスの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−53453
公開日 平成10年(1998)2月24日
出願番号 特願平8−206232
出願日 平成8年(1996)8月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
発明者 和田 重孝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤との混合粉末を仮焼結して焼結性粉体とする仮焼工程と、得られた焼結性粉体と溶媒とから泥漿をつくり、この泥漿を遠心成形法により成形体をつくる遠心成形工程と、得られた成形体を焼結する焼結工程と、よりなることを特徴とする高密度セラミックスの製造方法。
【請求項2】 前記難焼結性セラミックス粉末は窒化珪素粉末であり、前記焼結助剤はY2 3 、MgO、Al2 3 の1種または2種以上である請求項1記載のセラミックスの製造方法。
【請求項3】 前記仮焼工程は、前記焼結助剤のX線回折線が検出されなくなる焼結性粉体とする工程である請求項2記載のセラミックス製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来遠心成形法の適用が困難であった焼結助剤を必要とする難焼結性のセラミックス粉末に遠心成形法を適用し、高密度のセラミックス焼結体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス製品を製造するするには、適当な粒度のセミックス粉末をプレスにより加圧して、所望の形状のグリーン成形体をうる方法が一般に知られている。このプレスによる成形法では粉体が圧縮されたとき、粉体同士の摩擦により粉体は液体のようには流動しないので、成形体内部の密度は均一にはならず、上面に高密度層が形成され、プレス型内部にいくに従って低密度層が形成される傾向にある。したがって成形体の密度分布は不均一となり、平均の密度は理論密度の50〜55%以上にはならず、焼結後も必要な強度を有するセラミックス製品とはなり難い。
【0003】また、成形時の粉体には凝集が存在し、この凝集はプレス操作により圧縮されても残留し、結果的に焼結体中に100μmオーダーの空孔を生成させる原因となる。この空孔は通常の焼結法による限りでは避けることが出来ず、外部応力がかかった場合には破壊の起点となる。このため、ボールベアリングやローラベアリングのような大きな接触圧力のかかる部品の成形にはセミックス粉末をプレスによりグリーン成形体とする方法は、不向きであった。
【0004】この欠点を克服するために、高温において加圧しながら焼結して、空孔の発生を実質的に防止する方法が採られるようになったが、高温加圧焼結法は本質的にバッチ処理であるため、大量生産には適さず、必然的に製造コストが高くなるのは避けられないという問題がある。泥漿鋳込法は通常の陶磁器の成形に広く使われており、外形が複雑な形状を有する物体や中空体の成形には適した方法であり、比較的均質な成形体が得られる。しかし、泥漿鋳込法で得られるグリーン成形体の密度は乾式プレス法よりは大きいがそれでも理論密度の55〜60%を越えることはない。また棒状や球状の中実体を泥漿鋳込法により成形すると、外殻に比し中心部では密度が低くなる。したがって泥漿鋳込法は大きな強度に耐え得る製品の製造には適さない。
【0005】ターボチャージャのタービンブレードのような複雑な形状をした回転体の成形には、精密な成形が出来ることから射出成形法が専ら用いられている。セラミックス粉末をこの方法で成形するためには、熱可塑性樹脂のようなバインダーが必要であるため、バインダーを均一にセラミックス粉末と混合する工程や焼成時にこれを除去する工程を伴い、製造工程全体が繁雑になることが避けられない。
【0006】一方、緻密で均質なグリーン成形体が得られる成形方法として遠心成形法が知られているが、比重の異なる原料粉末の混合物の場合、遠心力により比重の重たい粉末が先に沈むため均質なグリーン成形体が得られないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は焼結助剤を必要とする難焼結性セラミックス粉末に遠心成形法を適用し、均質で緻密な焼結体を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とを予め結合させることにより遠心力により難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とが分離しなくなることに思い至り、本発明を完成したものである。すなわち、本発明の高密度セラミックスの製造方法は、難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤との混合粉末を仮焼結して焼結性粉体とする仮焼工程と、得られた焼結性粉体と溶媒とから泥漿をつくり、この泥漿を遠心成形法により成形体をつくる遠心成形工程と、得られた成形体を焼結する焼結工程と、よりなることを特徴とする。
【0009】本発明の高密度セラミックスの製造方法では、遠心成形工程の原料となる泥漿中に分散する焼結性粉体は仮焼工程で難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とが仮焼して一体化したものであり、遠心力により難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とに分離しない。このため、遠心成形工程で均質で緻密なグリーン成形体が得られる。そして、均質で緻密なグリーン成形体を焼結することにより均質で緻密な焼結体を容易に製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高密度セラミックスの製造方法は仮焼工程と遠心成形工程と焼結工程とよりなることを特徴とする。仮焼工程は難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤との混合粉末を仮焼して一体化する工程である。本発明で難焼結性セラミックス粉末としては窒化珪素粉末を挙げることができる。窒化珪素粉末に使用される焼結助剤としてはY2 3 、MgO、Al2 3の1種または2種以上を挙げることができる。なお、2種類以上の焼結助剤を予め一体化したものでもよい。具体的にはMgOとAl2 3 とを一体化したスピネルを例示することができる。
【0011】他の難焼結性セラミックス粉末の炭化ケイ素に対する焼結助剤としてはY2 3 、Al2 3 、ホウ素、カーボンを、窒化アルミニウムに対する焼結助剤としてはY2 3 、HfO2 、CaOなどを挙げることが出来る。仮焼工程は難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とを一体化するもので、少なくとも両粉末が互いに反応したり、液相で接合されて見掛けの比重が均等になり、遠心力で分離されない程度まで仮焼する。なお、仮焼により焼結助剤が難焼結性セラミックス粉末と反応し、焼結助剤としてX線的に検出されないものでも良い。窒化珪素粉末ではその焼結助剤を予め窒化珪素の粒表面に存在するSiO2と反応させて、ガラス化させておくことにより後の焼結がより容易となる。
【0012】仮焼に必要な温度および時間は難焼結性セラミックス粉末とその焼結助剤により適宜決定することが出来る。遠心成形工程は仮焼工程で得られた焼結性粉体と溶媒とから泥漿をつくり、この泥漿を遠心成形法により成形体をつくる工程である。焼結性粉体は仮焼工程で得られた粉末をそのまま使用することもできる。仮焼工程で得られた粉末が大きく固化している場合には、これを粉砕して適当な粒径とし、これを焼結性粉体とすることができる。
【0013】この焼結性粉体にアルコールあるいは水などの溶媒を加え、更には適当なバインダーおよび界面活性剤等を加えて泥漿とする。泥漿の調製方法は従来の方法をそのまま採用できる。遠心成形法も従来の遠心成形法をそのまま採用できる。すなわち、成形型に泥漿を注ぎ、遠心力で成形型に焼結性粉体を沈降積層させ、焼結性粉体が均一かつ緻密に詰め込まれた成形体を得るものである。
【0014】焼結工程は得られたグリーン成形体を焼結する工程であり、従来の焼結工程をそのまま採用できる。なお、焼結に際して酸化して変質するようなグリーン成形体に対しては、焼成雰囲気を比酸化性あるいはその他の雰囲気ガスを使用する等、従来の焼結方法と同じ条件で焼結する。次に難焼結性セラミックスの典型的な例として窒化珪素を取り上げて説明する。
【0015】窒化珪素の焼結においては焼結助剤として、MgOとAl2 3 、あるいはY2 3 とAl2 3 を各々2〜6重量%の割合で添加して、通常アルコールを溶媒としてボールミルで混合したのち、スプレードライヤー等で乾燥し、プレス等で成形して仮焼結する。窒化珪素をボールミルで粉砕する際、溶媒として水を使用すると窒化珪素と水が反応してアンモニアを発生するので、短時間の混合以外では、これを避けるためアルコールを用いる。
【0016】仮焼結することにより、窒化珪素粉末の表面に不可避的に存在するSiO2 と焼結助剤とが反応し、化合物が液相となる。この液相は冷却するとガラスになり、このガラスは窒化珪素粉末と結合して分離しなくなる。仮焼結の温度は、MgOとAl2 3 を焼結助剤とするときは950℃〜1250℃、Y2 3 とAl2 3 が助剤の場合は1050℃〜1350℃が好ましい。この範囲より温度が低いと前記焼結可能な反応が充分になされず、また温度が高すぎると、焼結が進み過ぎるため、仮焼結後の粉砕が困難になる。
【0017】泥漿の原料となる焼結性粉体の粒径は0.2〜0.6μm程度がよい。泥漿を得るために用いる溶媒としてはアルコールが好ましい。焼結性粉体100重量部に対して溶媒は50〜200重量部が適当である。なお、焼結性粉体と溶媒との濡れ性を高めるため界面活性剤の使用が好ましい。遠心成形は所定の遠心型に調製した泥漿を注ぎ、遠心力を作用させることにより成形体が得られる。遠心力としては0.1〜20KG程度か好ましい。
【0018】遠心成形の後、分離した溶媒を流し去り、型より成形体を取り出す。そして、溶媒を乾燥したのち焼結を行う。焼結は1600〜1800℃程度で2〜4時間加熱して行う。なお、雰囲気ガスとしては、窒素雰囲気中で行う。これにより均質で緻密な窒化珪素焼結体が得られる。
【0019】
【作用】本発明の高密度セラミックスの製造方法では、まず難焼結性セラミックス粉末に所要量の焼結助剤を添加し、均一に混合したのち仮焼結し、難焼結性セラミックス粉に焼結助剤が結合した焼結性粉体を得る。これを必要により再粉砕して適切な粒度の粉末とし、溶媒を加えて泥漿とする。そしてこの泥漿を遠心成形法で成形体とし、その後焼結して、目的の高密度セラミックスである焼結体を得るものである。
【0020】
【実施例】窒化ケイ素 92重量%、Y2 3 6重量%、Al2 3 2重量%となるように原料粉末を秤量し、ボールミルによりアルコ−ルを溶媒として混合し、乾燥して混合粉末を得た。この粉末の一部をそのまま試料No.1とした。そして残りの粉末の一部をアルミナ製の容器に入れ窒素雰囲気中で900、1050、1200、1350、1500℃の各温度で2時間仮焼結した。仮焼結した粉末を再度ボールミルで24時間粉砕した。
【0021】1500℃で仮焼した粉末は手ではほぐせない程度に固まっていたのでボールミルに入れる前に乳鉢でつぶしてからボールミルに入れた。これにより試料No.2ないし試料No.6の5種類の粉末を得た。仮焼していない試料No.1の粉末は、溶媒として水を加え、1時間ボールミルで混合して水を溶媒とするスラリーを作成した。また、試料No.2ないし試料No.6の粉末は溶媒としてアルコールを加え泥漿とした。これらのスラリーの粉体の濃度はいずれも50重量%とした。
【0022】これらのスラリーを直径10ミリの型で長さが約30ミリになるように5KGの遠心力で成形した。得られた各成形体の両端から少量の成形体を削り取り、イットリュウム量を分析した。残りの成形体は乾燥した後、窒素雰囲気の炉で1700℃で2時間焼結してSi3 4 の焼結体を得た。仮焼していない試料No.1の粉末は成形体中のイットリュムの濃度が成形体の両端で大きく異なり、その結果焼結体は部分的に緻密にならない部分が生じた。900℃で仮焼した試料No.2の粉末では、仮焼していない粉末ほどではないがイットリュムの濃度に差があり、成形体は全体として焼結しているが亀裂が生じた。
【0023】1050ー1350℃で仮焼した試料No.3ないし試料No.5の粉末は、成分もほぼ均一で緻密で亀裂のない焼結体が得られた。これに対し、1500℃で仮焼した試料No.6の粉末では、粉末が硬く充分細かく粉砕されなかったために、得られた焼結体の緻密化が充分でなかった。これらの結果を纏めて表1にしめす。
【0024】
【表1】

【0025】
【発明の効果】本発明の高密度セラミックス製造法では、難焼結性セラミックス粉末と焼結助剤とが反応した粉末の泥漿と遠心成形法を用いるので、乾式プレス法や通常の泥漿法に比べ、高密度のグリーン成形体が得られる。焼成は常圧または高々数気圧の雰囲気で行うことが出来るので、多量の製品を一括焼成することが出来き、したがって、低コストの高密度セラミックスの製造が可能となる。特に形状が軸対称の製品に適応すれば効果は大きい。




 

 


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