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発明の名称 小形研磨工具からの砥石付摺動子の脱落防止構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−249706
公開日 平成10年(1998)9月22日
出願番号 特願平9−70499
出願日 平成9年(1997)3月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 卓
発明者 稲垣 喜照
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 工具本体(3)の一端に研磨盤に装着する接続端を備え、他端に砥石(5)付摺動子(6)を格納するスリット(15)を円筒(11)に備え、該円筒の内筒(13)の中に摺動子(6)の底辺(31)と接し先端の一部を斜面(21)とした調整棒(4)を軸方向に摺動可能に挿入し、該調整棒を摺動してスリット(15)内に挿入した砥石(5)付摺動子(6)を半径方向に摺動し、前記砥石の研磨面を円筒面のスリット(15)の開口部より隠顕させる機構を内蔵した研磨工具(2)にあって、調整棒(4)の先端(21)の斜面(22)を、該先端より円周を少なくとも三等分して角錐状とし、該角錐状の斜面(22)の傾斜面に沿い平行に延びた凸形の係合部を備え、該調整棒に接し砥石(5)付摺動子(6)の半径方向の摺動に支障なきように、該摺動子の底辺に前記係合部の形状に一致する凹形の係合部を形成して両係合部を組合せ、該両係合部の係合関係が研磨工具(2)を研磨盤から外さない限り解けない構造としたことを特徴とする小形研磨工具からの砥石付摺動子の脱落防止構造。
【請求項2】 凸形と凹形でなる係合部の形状が、調整棒(4)にあっては斜面(22)の傾斜面に沿い平行で、断面が幅広辺を上辺とする逆三角形状のアリ(23)とし、砥石(5)付摺動子(6)にあっては前記アリの形状に一致するアリ溝(24)を底辺(25)に沿って設け、両係合部を組合せたことを特徴とする請求項1に記載の小形研磨工具からの砥石付摺動子の脱落防止構造。
【請求項3】 調整棒(4)に備えた角錐状斜面(21)の傾斜が軸心となす角度αを、範囲を2〜5°から選択したことを特徴とする請求項1か2に記載の小形研磨工具からの砥石付摺動子の脱落防止構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密中ぐり盤や研削盤等で研削した孔もしくは穴の内面を、精密に仕上げる研磨盤に装着する小形研磨工具に内蔵する砥石付摺動子の脱落防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】研削された加工面を更に平滑に仕上げ、同時に寸法精度を向上する工作機械として、ラップ盤・ホーニング盤・超仕上盤があるが、その使用方法は大まかには加工対象が平面のような非連続面か円筒のような連続面か、加工対象が固定されているか動いているか、加工方法が砥石による回転と軸方向の送り機構を備えた主軸か振動の機構を利用するのか等により異なる。
【0003】ラップ盤は主軸を利用する形式で平面の仕上げ、ホーニング盤は主軸を利用する形式で平面と円筒等の内外面の仕上げを対象とするいずれも専用機であるが、超仕上盤は加工面に押し付けた砥石に振動を与える機構を備え非連続面か連続面の仕上げを対象とする専用機と、旋盤に加工対象物を取付けて回転し、該加工対象物に前記砥石を押しつけて仕上げるユニット形式に分かれる。
【0004】研磨盤に取付けた内面研磨用工具には、工具本体に複数のスリットを備え、該スリット内に砥石付摺動子を挿入し半径方向に移動する手段として、複数のスリットに対応するように調整棒の先端に勾配付溝を備えて円筒内部に軸方向に摺動可能に挿入し、該調整棒の勾配付溝に摺動子を挿入して接触せしめ、調整棒の軸方向の動きにより、砥石先端と加工対象物との接触状態を制御し、更にスリットから脱落しないように摺動子の両端を円筒周囲に嵌挿した伸縮性のリングか固定した板バネまたは両者の組合せ等により係止する構造である。
【0005】小口径の研磨工具では研磨の終了を検知する手段として、工具本体に加圧空気を使用するエアーマイクロメータ用の通気孔を内蔵することが難しいので、定寸プラグと呼ばれる外周を研磨目標値に仕上げた円筒をゲージとして研磨工具に外装し、定寸プラグをバネで加工対象物に押し付け、目標値に達した研磨筒内に定寸プラグが落下したときの動きを利用して、研磨工具を加工対象物から引き離す制御回路を作動する方法が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】加工対象物を供給する機構を備えた小形研磨盤に装着する研磨工具は、加工対象物の内面を研磨工具が回転しながら摺動し、該研磨工具と加工対象物との間に研磨液を流しつつ研磨を進められるが、工具本体の構造上の強度や摺動子に接着した砥石の有効研磨時間及び摺動子のスリットからの脱落防止用としてのOリングや固定した板バネ等の係止材の耐用時間等に問題を抱える。
【0007】この問題は、スリットから摺動子が脱落することを防止するために使用する係止材が、研磨工具が加工対象物の内部にあるときは回転・停止の何れの状態を問わず不要で、逆に外部にあるときには回転・停止の何れの状態を問わず無条件に必要とする構造に起因し、このことが加工対象物の交換の度に研磨工具の停止を必要とする。
【0008】一つ目の問題は、研磨工具の回転中に摺動子が工具本体の円筒面に設けたスリットからの飛び出し防止対策として使用する係止材のために、Oリングの場合は前記スリットの面上に直交するように環状溝を設け、Oリングと板バネとの組合せでは環状溝に加えて、スリットの長手方向の延長線上に板バネの格納溝を夫々形成するので、工具本体の軸心に直角な格納溝部分での断面積の減少は、スリット自体にスリット間の前記溝分が加わり、捩れ強度や耐振性を低下するので工具の設計を難しくする。
【0009】二つ目の問題は、工具本体に設けたスリットに挿入した摺動子が、該摺動子の両端部分が係止材により占拠されるので、摺動子の長さに対して砥石の接着可能な長さと、同時に半径方向に対しては係止材の形状により砥石の厚みの双方が制限を受け、結果として砥石の有効研磨面積と容積を損じ耐用時間を縮めることになる。
【0010】三つ目の問題は、Oリングや板バネを係止材として外装することにあり、本来のOリングとしての役割であるシリンダとピストンとを組合せた摺動部分やフランヂの接合部分等に内装し漏れ防止をする使用目的から外れ、研磨工具が回転する際の遠心力による摺動子の飛び出し防止と、横形の主軸に装着した研磨工具が停止中に砥石付摺動子が自重により下向きスリットから脱落しないように防止する手段とした用法にある。
【0011】外装された係止材のうちOリングは摺動子の出入りによりスリット周辺での部分的な伸縮を繰り返し、しかも研磨による研削粉を含んだ研磨液に曝されるので耐用時間が意外に短かく、また同様にしてスリット延長線上に備えた板バネは自身の固定手段に接着剤を使用する場合には、しばしば接着部分が剥がれて係止材としての役割りを失い、小ネジ等により固定する場合は取付け加工に手間を要する。
【0012】もともと係止材は、研磨工具が加工対象物の内部から外部に移行する期間を含めて外部にある時にのみ役にたち、内部にあるときは加工対象物の内面の規制を受けて必要性が薄められるが、加工対象物の内部での使用環境が厳しいために主軸の向きが縦・横を問わず損耗が激しいので、安全のため早期交換が不可欠で研磨終了毎に交換が欠かせないために高頻度の交換作業が避けられず、従って研磨盤の稼働率にも影響を及ぼす。
【0013】こうした問題は、小部品の研磨を対象とする自動研磨盤では、加工対象物に必要な研磨時間が秒単位であることが多く、採算性の点から加工対象物の交換時の自動研磨盤の許容停止時間は短い程よく、好ましくは停止する必要のないことであるが、そのためには外装係止材を必要とせず長時間の使用に際してもスリットから摺動子が脱落することのない構造の研磨工具が要求される。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、主軸が回転中か停止中の何れなのか、主軸の向きの縦・横の何れなのか等に関わりなく、研磨工具が内蔵する砥石付摺動子は研磨工具が解体されない限り、如何なる場合でも飛び出しや自然落下のない、且つ外装の係止材を必要性としない構造の小形研磨工具に関する。
【0015】本発明は、工具本体の一端に研磨盤に装着する接続端を備え、他端に砥石付摺動子を格納するスリットを円筒に備え、該円筒の内筒の中に摺動子の底辺と接し先端の一部を斜面とした調整棒を軸方向に摺動可能に挿入し、該調整棒を摺動してスリット内に挿入した砥石付摺動子を半径方向に摺動し、前記砥石の研磨面を円筒面のスリットの開口部より隠顕させる機構を内蔵した研磨工具にあって、調整棒の先端の斜面を、該先端より円周を少なくとも三等分した角錐状とし、該角錐状の斜面の傾斜面に沿い平行の延びた凸形の係合部を備え、該調整棒に接し砥石付摺動子の半径方向の摺動に支障なきように、該摺動子の底辺に前記係合部の形状に一致する凹形の係合部を形成して両係合部を組合せ、該両係合部の係合関係が研磨工具を研磨盤から外さない限り解けない構造としたことを特徴とする小形研磨工具からの砥石付摺動子の脱落防止構造である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、研磨工具が内蔵する摺動子の飛び出し防止に、外装の係止材を必要としない構造であることを特徴とし、該構造は工具本体内に挿入した複数の傾斜付溝を持つ調整棒と摺動子との間に、該摺動子の半径方向の円滑な動きを阻害しない係合部を夫々に備えたことにあり、該係合部により摺動子は研磨工具を研磨盤から外さない限り係合関係が解除されるされることはない。
【0017】摺動子の半径方向の動きは、該摺動子の底辺が調整棒の対応する斜面に接することにより、該調整棒の動きを斜面を介して摺動子に伝える結果であり、本発明においてもこの動き自体は変わらないが、この動きを伝える側の調整棒の複数の斜面に沿い平行で断面が幅広辺を上辺とする逆三角形状のアリを一方の係合部とし、動きを受ける側摺動子の底部に前記アリの形状に一致するアリ溝を底辺に沿って設け他方の係合部とし、両者を組合せて係合関係を構成する構造とした。
【0018】その結果調整棒を工具本体の奥に向けて進め(後退)ると、砥石付摺動子はスリットの最も内部に収納され、その段階で摺動子の底辺のアリ溝と調整棒のアリとは接触を保ちながら、調整棒のアリ先端から摺動子の先端が僅かに突出する段階で摺動子同士が干渉し合い進むことがなく、またアリとアリ溝の嵌合状態は円滑な動きに必要な遊び以外を残さぬ程度に仕上げる。
【0019】逆に調整棒を工具本体の外に向けて進め(前進)ると、調整棒先端の傾斜面により摺動子の底辺を押し上げ、砥石は円筒面のスリット外側に向けて移動を始め、調整棒のアリと摺動片の底辺のアリ溝は係合関係を維持したままで、砥石が加工対象物に接触するまで砥石はスリット内を半径方向に向け外側に移動する。
【0020】調整棒に備えたアリと摺動子の底辺のアリ溝による係合関係は、研磨工具を研磨盤に装着した状態では回転・停止や研磨・非研磨を問わず、また研磨工具を研磨盤から外した状態でも限度以上に調整棒を移動しない限り、いずれの場合も解けることはなく、スリットから摺動子が脱落することがない。
【0021】その結果、外装の係止材の必要性が失われ、従来の係止材付研磨工具が持つ第一の問題である工具本体のスリット部分の溝を解消し、断面積の増加により強度を向上したので工具の設計にゆとりを増し、第二の問題は摺動子の長さ方向を全面的に砥石接着面として利用可能とし、砥石の長さに加え厚みの増加をも可能としたので耐用時間を増し、第三の問題は外装の係止材を排除したので交換作業がなくなり、加工対象物の入替え時も研磨工具を常時回転状態におくことを可能とした。
【0022】
【作用】本発明の小型研磨工具は研磨盤から外しても、工具本体内で調整棒と摺動子との係合関係を解除しない限り、また装着中ではいかなる状態でも決して摺動子が研磨工具から抜け落ちない。
【0023】
【実施例】図1は小型研磨工具2の組立斜視図で、図中のイが研磨盤の主軸と接続する部分で、ロが主軸内を通り研磨盤が内蔵する調整機構に接続する部分を示し、研磨工具2は図2〜5に示すように工具本体3と調整棒4と砥石5付摺動子6及び連結棒8で構成し、係合部は調整棒4と摺動片6に内蔵するので、係合状態を研磨工具2の正面以外に直接外側から見ることは出来ない。
【0024】図2(A,B)は工具本体3を、図3は調整棒4を、図4(A,B,C)は砥石5付摺動子6を個別に取り出して説明し、図5で砥石5付摺動子6が最も内部に位置する状態の研磨工具2を、図6で砥石5付摺動子6が最も外部に位置する状態(稼働状態)の研磨工具2を夫々示し、図5,6の各図で工具本体3での調整棒4と砥石5付摺動子6の動作を説明するが、研磨工具2自体は縦・横何れの主軸をもつ研磨盤に使用しても問題はなく、説明も変わらない。
【0025】図2(A)は工具本体3の正面図を、該図のa−a線に沿う断面を同図(B)に夫々示したように、工具本体3は基本的に細長い円筒11状で内筒13,14を有し、該円筒の一端には主軸との接続端を備え、他端には開口部19を備えた円筒11の円周面を三等分した位置に方形状のスリット15を内筒13まで貫通し、円筒11に備えたスリット間に挟まれた円周部分の軸方向には、やや長めで浅いスロット16を刻み研磨液の逃げ溝として備え、円筒表面のスリット開口部周辺を平面状に加工することもあるが、スリットとスロットの数については3本に限定されることはない。
【0026】図3(A)は工具本体3の内筒13の内を摺動する調整棒4の正面図で、同図(B)は同図(A)のb−b線に沿う断面図を示し、該調整棒の後端に連結棒8(図5参照)の一端を接続し、他端を研磨盤の調整機構(図示せず)に接続し、調整棒4は先端21の円周部分を三等分し各々の傾斜角度αが2.5°の角錐状斜面22として、該斜面に沿い平行で断面が幅広辺を上辺とする逆三角形状のアリ23を設けるが、先端の角錐状斜面21の傾斜角度αは固定値ではなく目的・条件に合わせて2〜5°の範囲から選択する。
【0027】図4は砥石5付摺動子6で、同図(A)は正面図を、同図(B)は側面図を、同図(C)は底面図を夫々示し、正面図の方形断面の底辺25を調整棒4のアリ23の形状に一致するアリ溝24を長さ方向に形成して係合部とし、側面図に示すように長さ方向の底辺25を調整棒4の先端21の斜面22の傾斜角度αと同一角度に仕上げ、上辺26には砥石5を接着材で固定する。
【0028】側面図での摺動子6は、後述の比較例に示すような係止材がなく、従ってOリング溝等を必要としないので、従来の摺動子の上辺が係止材により占められていた研磨に対する無効部分がなくなるので、先に説明した係止材式と同一長さの摺動子に較べて、砥石の有効研磨長を増加することができ、他に工具本体3の全長の短小化が可能になった。
【0029】図5(A)では加工対象物1の中に挿入し、調整棒4が最も後退し砥石5付摺動子6が最も内部に位置する状態の研磨工具2の正面図を、同図(B)では同図(A)のb−b線に沿う断面を展開した側面図を示し、この段階では調整棒4の後端21Aを内筒13の奥13Aに近づく(Lで示す)と、摺動子6の先端は調整棒4のアリ22の先端から僅かに突出した段階で、複数の摺動子6の先端27同士が干渉して移動が止まり、スリット15の最も内寄りに位置し、砥石5の研磨面は円筒11の外周面以下に保たれる。
【0030】また調整棒4の先端21の斜面22上のアリ23と摺動子6のアリ溝24との嵌合と摺動子6とスリット15との嵌合の各状態は、いずれも円滑な動きを妨げない程度に仕上げ保持されるので、各嵌合部に遊びが殆どなく研磨工具2が回転しても調整棒4と摺動子6の係合関係が緩むことはない。
【0031】調整棒4が連結棒8により工具本体3の開口部19に向い摺動を始めると、斜面22は対応する摺動片6を半径方向に押し出し、摺動片6はスリット15の内壁に沿い摺動し、砥石5を加工対象物1の方向に動かすが、摺動子6がスリット15内から遠心力により飛び出す恐れは、アリ23かアリ溝24の何れかが全壊するか、調整棒4を制御範囲を超えて移動(前進)しない限り起らない。
【0032】図6は、加工対象物1の内面と砥石5が接触し研磨状態にある研磨工具2を示し、研磨盤の制御機構に接続された連結棒8の動きにより、調整軸4の端21Aと内筒13の奥13Aとの間(L1 で示す)が開き、この段階で砥石5を研磨に必要な強さで加工対象物1に押し付けた研磨可能状態になる。
【0033】研磨工具2の上方から冷却と潤滑を兼ね、研磨により発生した研削粉を除去する研磨液を流し、スリット15の間に設けたスロット16から速やかに研磨液を逃がし、砥石5と前記研磨液の回転時の衝突を緩和し、研磨が終了すると連結棒8を動かし調整棒4を後退(図5のLで示す)すると、摺動子6はスリット15に沿い内面に引き込まれて砥石5は加工対象物1から離れるが、調整棒4と摺動子6との係合関係は解けることがなく、主軸の方向に関係なく回転状態の研磨工具2を加工対象物1の外部に引き出すことを可能とした。
【0034】調整棒4と摺動子6との双方が耐久性に富む係合部を持ち、容積と実質的研磨面積を増した砥石を備えることを可能とした上記の研磨工具2の使用により、研磨工具2の装着・整備等の手間の減少や安全の確保と損傷防止並びに研磨工具の短小化を可能とし砥石の寿命を著しく増加し、その結果として研磨工具の回転を止める必要がなくなり、加工対象物を連続して供給する場合の研磨盤の稼働率の向上が計れた。
【0035】図5,6の中で工具本体3の軸方向に摺動可能に外装した定寸プラグ28とバネ29の組合せは、研磨工具2と共に使用することの多い計測手段を参考として示したもので、この組合せについての詳細については本発明とは直接の関連はないので簡単な説明に止める。
【0036】定寸プラグ28は外径を加工対象物1の研磨目標値に仕上げてあるので、研磨終了前はバネ29の働きにより研磨部分の入口に押し付けられた状態にあり、加工対象物1の内面研磨が進み進入が可能になると移動し、その時点をもつて研磨の終了とするゲージで、バネ29の力により砥石5の位置の変化にも追隋し、加工対象物1に絶えず密着するように工具本体3の外周を軸方向に摺動するので、定寸プラグ28の軸方向の動きを検出することにより研磨盤を停止させることができる。
【0037】研磨工具2から摺動子6を外すためには、研磨盤から外した状態で調整棒4を十分に開口部19に向けて移動させれば、調整棒4と摺動子6の係合関係は全て解除され、スリット15から摺動子6を取り出すことが出来る状態となり、この逆の順序に従えば容易に係合関係を構築することができるので、組立と分解が楽である。
【0038】
【比較例】図7(A)は従来方式による研磨工具52の正面図を、該図のc−c線に沿う断面を同図(B)に夫々示し、研磨工具52は工具本体53と調整棒54と砥石55付摺動子56と連結棒58及び係止材としてのOリング59Aと板バネ59Bで構成し、この構成自体は実施例と較べた際に、双方から係止または係合手段を除けば基本的には変わらない。
【0039】工具本体53の円筒61は内筒63を有し、該円筒の一端には主軸との接続部を備え、該円筒の後部にも内筒63から連続した内筒64を備え、該内筒を通る連結棒58の一端を主軸内を通り研磨盤に内蔵した調整機構に接続し、円筒61の他端には円周面を均等に四分割して方形状のスリット65を内筒63まで貫通し、該スリットの前後で交錯するようにOリング59Aを嵌め込む環状溝61Aと、該溝とは反対方向でスリット65の後方に板バネ59Bを格納する溝61Bを備える。
【0040】調整棒54と摺動子56との間に直接係合関係を持たないので、研磨工具52が加工対象物51の外部で回転すると、スリット65から遠心力によって摺動子56が飛び出すので、円筒61のスリット65上に設けた溝61A,61Bを利用し、摺動子56の両端を抑えるようにOリング59Aと板バネ59Bを嵌め込み飛び出しを防止する。
【0041】外装状態の係止材には、研磨作業に加えて研磨工具52の上方から冷却と潤滑を兼ね研磨により発生した研削粉を含んだ研磨液が流れ、回転時にスロット66から相当量の研磨液を逃しても、前記研磨液が激しく当たる悪条件下に置かれるので、比較的短時間の内にOリング59Aは部分的に延びて復元不能に、板バネ59Bもまた接着材の剥離等により長時間の使用に耐えず係止材の取り換えを頻繁に必要とする場合が発生する。
【0042】また研磨工具52が加工対象物51の外部で回転すると、摺動子56に過大な遠心力が働き、その力が係止材59A,59Bの抑止力を超えることも起りうるので、安全のため回転を低く抑えるか停止する必要があり、加えて係止材自体の耐用時間の短かさによる交換が研磨盤の停止を必要とし稼働率を低下を引き起こす。
【0043】工具本体53の円筒61上に刻む溝61A,61Bのために、該溝と直交するスリット65の部分の断面積が減少するので、使用中の捩じれに対する強度が低下し、ヒビリ等の振動の原因にもなり使用回転数に対する制限を生じ、研磨工具52の設計に対して大きな影響を与える。
【0044】研磨工具52の軸方向に対する摺動子56の長さは、両端を係止材のOリング59A,板バネ59Bに占拠されるので、接着可能な砥石55の長さが短く有効研磨面積を減少し、また半径方向に対しては係止材であるOリング59Aと加工対象物51との接触の問題があり、砥石55の厚みを有効に利用できないので、研磨に有効に働く砥石55の容積はより小さくなる。
【0045】係止材59A,59Bの代わりに金属リングまたは金属片を、スリット上に挿入するか固定して摺動片54の飛び出しを抑える方法(図示せず)もあるが、この方法では金属リングまたは金属片に弾性が乏しく、摺動子54の形状と動きが著しく制限されることになるので、弾力性のある係止材59A,59Bの方法と較べても違いが余り認められない。
【0046】
【発明の効果】本発明の小型研磨工具の使用により下記の効果を得た。
■研磨工具が内蔵する調整棒と摺動子とに夫々係合部を設け、消耗度の高い外装係止材の使用を排除したことにより、研磨工具の装着・整備等の手間が大幅に減少した。
■研磨工具を加工対象物の外部で回転しても摺動子が飛び出す心配が全くなくなり、安全の確保は勿論のこと工具の損傷防止に役立った。
■外装係止材を排除したことにより工具本体上の係止材用溝がなくなり、スリット部分の強度の向上と短小化を可能とし、摺動子の長さを全面的に活用できたので大きな砥石の使用が可能となり砥石の耐用時間を増加した。
■研磨工具の回転を止める必要がなくなり研磨盤の稼働率が向上した。
■係合部の存在にもかかわらず組立と分解が容易である。




 

 


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