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発明の名称 メタン酸化触媒
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−337476
公開日 平成10年(1998)12月22日
出願番号 特願平9−165149
出願日 平成9年(1997)6月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
発明者 野呂 清 / 野村 和弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 シリコアルミノホスフェート系材料を触媒担体とし、該シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体における酸点もしくは細孔構造内に、Pd及びPtが高分散担持されていることを特徴とするメタン酸化触媒。
【請求項2】 前記シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体に対するPdの担持量が1〜2重量%、前記Ptの担持量が1〜2重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のメタン酸化触媒。
【請求項3】 前記シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体における酸点又は細孔構造内に、さらにLaもしくはCeが高分散担持されていることを特徴とする請求項1又は2記載のメタン酸化触媒。
【請求項4】 前記シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体に対するLaの担持量が1〜2重量%、Ceの担持量が1〜2重量%の範囲であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のメタン酸化触媒。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼ガスエンジンの排ガス中に含まれる未燃メタンを酸化させるためのメタン酸化触媒に関し、さらに詳しくは、水蒸気が共存する排ガス条件下においても、希薄燃焼ガスエンジンから排出される未燃メタンを効率よく酸化させることができ、かつ高い耐久性を維持することができるメタン酸化触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスエンジンは、ガスの燃焼を利用して発電すると共に、その排熱を冷暖房、給湯などの熱需要に利用する熱併給発電(コージェネレーション)に用いられる機関の一つである。ガスエンジンは、種々の形態のものが開発されているが、排ガス処理技術で分類すれば、三元触媒法と希薄燃焼法に分けられる。
【0003】三元触媒法は、空気過剰率が1近傍の狭い範囲でNOx、CO、及びHCの三成分を同一触媒で同時に処理する方式である。一方、希薄燃焼法は、過剰空気中でガスを燃焼させ、火炎温度を下げ、NOx発生量を抑制する方式である。三元触媒法と異なり、希薄燃焼法は、触媒交換のためにエンジンを停止する必要がなく、エンジンの熱効率が高く、イニシャルコストも安い等のメリットがある。
【0004】しかしながら、希薄燃焼法は、低NOxである反面、排ガス中に含まれるメタン(CH4 )等の未燃分が多いという欠点を有していた。排ガス中に含まれるメタン(CH4 )等の未燃分については、現在、規制はされていないが、二酸化炭素(CO2 )の約21倍の温室効果を有することから、将来の規制も予想されており、また、地球環境の点からもできるだけ抑制することが望ましい。さらに、排ガス中に含まれるメタン等の未燃分を酸化処理できれば、排ガス温度上昇による廃熱回収効率の向上が図れ、経済的メリットもある。そのため、このような未燃メタン等を酸化処理するための酸化触媒が種々開発されている。
【0005】例えば、「平成8年触媒研究発表会講演予稿集、P96」には、コージェライト製ハニカムに、担体のアルミナをウオッシュコートし、さらにその上に浸漬法によりパラジウム(Pd)及び/又は白金(Pt)を担持させた触媒が開示されている。
【0006】また、「76th CATSJ Meeting Abstracts、No.1B08、p478」には、シリコアルミノホスフェート((SixAlyz)O2、以下「SAPO」という)を硝酸アンモニウム(NH4NO3 )を用いてアンモニウムイオン(NH4+)でイオン交換し、450℃で空気焼成してH型とした後、テトラアンミンジクロロパラジウム(Pd(NH34Cl2 )を用いてイオン交換し、SAPO上に1重量%のパラジウムを高分散担持させた触媒が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、浸漬法によりパラジウムを単独でアルミナ上に担持させた触媒では、希薄燃焼ガスエンジンの排ガス温度(約400℃)に相当する低温領域ではメタンの酸化活性が低いという欠点があった。また、水蒸気を含む実際の排ガス条件下では、排ガス中に含まれる水蒸気がメタンの酸化反応を阻害するために触媒活性が低く、さらに排ガス中に含まれる水蒸気の影響により担持金属がシンタリングを起こすために触媒の耐久性が低いという欠点があった。
【0008】さらにまた、浸漬法でパラジウムをアルミナコート層に担持させているため、パラジウムが高分散担持されておらず、このため触媒活性が低く、実用に足りる高い触媒活性を得るにはパラジウム担持量を10g/l(推定6重量%程度)とする必要があり、触媒のコストが高くなるという欠点があった。
【0009】また、浸漬法によりパラジウムと白金をアルミナ上に複合担持させた触媒では、水蒸気共存下におけるメタン酸化活性及び耐久性等を向上させることができるが、実用に足りる特性とするには、パラジウム担持量を10g/l程度(推定6重量%程度)、及び白金担持量を10g/l程度(推定6重量%程度)とする必要があり、さらにコストが高くなるという欠点があった。
【0010】さらに、イオン交換法による後者の触媒では、イオン交換の際、テトラアンミンジクロロパラジウム(Pd(NH34Cl2 )が水中で解離して酸性を呈するため、これにSAPOを浸漬するとSAPO中のSi成分が溶け出し、SAPOの結晶構造が破壊され、触媒性能が低下するという欠点があった。また、このような酸性条件下では、SAPO表面上でイオン交換されたパラジウムイオン(Pd2+)が再びプロトン(H+ )と交換されるため、パラジウムイオン交換率が低下するという欠点があった。これを避けるためには、イオン交換中にアンモニア水を適宜追加して水溶液を常に塩基性に保つ等の手段を講じる必要があり、イオン交換が煩雑であるという欠点があった。
【0011】本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、メタン酸化触媒の触媒活性を改善し、水蒸気が共存する排ガス条件下における未燃メタンの酸化率を飛躍的に向上させることである。
【0012】また他の目的は、イオン交換法を用いてSAPOの酸点に触媒金属を高分散担持させることにより、メタン酸化率を向上させるとともに、触媒金属消費量を大幅に削減してメタン酸化触媒の低価格化を図ることである。
【0013】さらに他の目的は、パラジウムと白金をSAPOの酸点又は細孔構造内に複合担持させることにより触媒金属のシンタリングによる触媒劣化を防止し、長期にわたり高い触媒活性を維持することが可能なメタン酸化触媒とすることである。
【0014】また他の目的は、パラジウムと白金の他にさらに助触媒としてランタン(La)又はセリウム(Ce)を添加することにより、メタン酸化触媒の耐久性と酸化活性をさらに高めることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため請求項1に記載の発明は、シリコアルミノホスフェート(SAPO)系材料を触媒担体とし、このSAPO系材料の触媒担体における酸点もしくは細孔構造内にパラジウム(Pd)及び白金(Pt)を高分散担持させたことを要旨とするものである。これにより、従来触媒よりも少ない貴金属担持量であっても、水蒸気共存下におけるメタン酸化触媒の酸化活性と耐久性とを飛躍的に向上させることが可能となる。
【0016】ここで、本発明に用いるSAPOは、アルミノホスフェート(AlPO4 )のAl及びPの一部がSiにより置換されたものであり、そのためにアルミノホスフェートのフレームワークに酸点を有し、イオン交換現象を示す、モレキュラーシーブの一種である。本発明は、このイオン交換現象を利用して、SAPOの酸点又は細孔構造内に貴金属触媒を高分散担持させるものである。
【0017】SAPOは、燐源、アルミニウム源、珪素源及び有機テンプレートを含む水性混合物を調製し、密閉圧力容器内で100〜250℃の温度で水熱反応することにより合成される。通常、燐源としてはオルト燐酸が、アルミニウム源としては擬ベーマイト、アルミニウムアルコキシド等が、珪素源としてはシリカゾル、融合シリカ、非晶質沈殿シリカ、シリカゲル、シリコンアルコキシド等が、又、有機テンプレートとしては、アミン、第4級アンモニウム化合物等が用いられる。
【0018】有機テンプレートは、結晶成長の際、細孔を形成する型となるものであり、使用する有機テンプレートにより種々の結晶構造を有するSAPOを合成することができる。例えば、有機テンプレートとしてテトラプロピルアンモニウムを用いると、0.7〜0.8nmのポア径を有するAFI型の「SAPO−5」が、ジ−n−プロピルアミンを用いると、0.6nmのポア径を有するAEL型の「SAPO−11」が、又、テトラエチルアンモニウムを用いると、0.4nmのポア径を有するchabazite型の「SAPO−34」が得られる。どのような結晶構造のSAPOを触媒担体として用いるかは、触媒の種類によって、適宜最適なものを選ぶ必要がある。
【0019】パラジウムは、発火点の高いメタンを効率よく酸化させる触媒としての作用を有するものであり、SAPO上に高分散担持させることにより、高いメタン酸化活性を有するメタン酸化触媒を得ることができる。
【0020】また、白金は、担持量が少ない場合には、単独では発火点の高いメタンを効率よく酸化させる作用をほとんど持たないが、パラジウムと複合担持させると、メタンの酸化活性を著しく向上させることが可能となる。特に、パラジウムを単独で担持させた触媒では、水蒸気が共存する排ガス雰囲気中においては、未燃メタンの酸化活性が著しく低下するのに対し、パラジウムと白金とを複合担持させた触媒では、酸化活性の低下が少なく、高いメタン酸化率を長時間維持することができるという効果がある。
【0021】貴金属担持量は、多いほど初期活性と耐久性が向上する傾向にあるが、この場合、前記シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体に対するパラジウム(Pd)の担持量は、1〜2重量%、前記白金(Pt)の担持量は1〜2重量%の範囲であることが特に望ましい(請求項2)。
【0022】パラジウム担持量が1重量%以下では十分な酸化活性が得られないからであり、また2重量%以上担持させるのは、むしろ高コストとなるからである。
【0023】また、白金担持量が1重量%以下では十分な複合化効果が認められないからであり、また2重量%以上担持させても効果に差はなくむしろ高コストとなるからである。
【0024】また、請求項3に記載の発明は、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)を複合担持させた前記SAPOの酸点又は細孔構造内に、助触媒としてさらにランタン(La)もしくはセリウム(Ce)を高分散担持させたことを要旨とするものである。これにより、パラジウム及び白金のみを担持させた場合に比べて、水蒸気共存下におけるメタン酸化触媒の酸化活性と耐久性とをさらに向上させることが可能となる。
【0025】ランタン及びセリウムは、それぞれ単独ではほとんどメタン酸化触媒としての作用を有しないが、パラジウム及び白金と同時にSAPO上に担持させることにより、パラジウム及び白金の初期活性と耐久性をさらに高める助触媒としての作用を有するものである。
【0026】この場合、前記シリコアルミノホスフェート系材料の触媒担体に対するランタン(La)の担持量は1〜2重量%、セリウム(Ce)の担持量は1〜2重量%の範囲であることが特に望ましい(請求項4)。
【0027】ランタン又はセリウムの担持量が1重量%以下では初期活性及び耐久性向上効果が認められないからであり、また2重量%以上担持させても効果に差はなくむしろ高コストとなるからである。
【0028】本発明に係る触媒は、各種の方法により製造されるが、その一例を次に示す。まず、触媒担体の形状としては、市販のSAPO自体を原料に用いて、ハニカム形状の触媒担体としたり、16〜60メッシュ程度に整粒した粒状の担体としてもよい。また、コージェライト等を原料に用いてハニカム状の基材を作製し、この上にSAPOの微粉をウオッシュコートしても良い。
【0029】次いで、このような担体をパラジウム塩、白金塩等を含む水溶液に浸漬して所定条件下、イオン交換を行い、乾燥、還元後、さらに酸素気流中において焼成することによりメタン酸化触媒が得られる。
【0030】なお、ランタン又はセリウムをSAPOに担持させる場合は、初めにパラジウム塩等を含む水溶液を用いてイオン交換した後、ランタン塩又はセリウム塩の水溶液を加える必要がある。パラジウム塩等と同時にランタン塩等を加えると、ランタン又はセリウムが選択的にイオン交換され、パラジウム及び白金の担持量が減少するからである。
【0031】イオン交換に用いるPd塩は、硝酸パラジウム(Pd(NO32)、テトラアンミンジクロロパラジウム(Pd(NH34Cl2 )、テトラアンミンパラジウム硝酸塩(Pd(NH34(NO32)等でもよいが、これらの塩は水溶液中で酸性を示す欠点がある。すなわち、SAPOは、酸性溶液中ではSiが溶解して結晶構造が破壊されるので、これらの塩を使用すると触媒性能が低下し、イオン交換率も減少する。これを避けるためには、イオン交換中にアンモニア水を滴下してpHを7程度に保持する等の手段を講じる必要があり、イオン交換が煩雑である。
【0032】従って、使用するPd塩としては、水溶液中でアルカリ性を示すテトラアンミンパラジウム水酸塩(Pd(NH34(OH)2 )が特に望ましい。該塩を使用すると、イオン交換中にアンモニア水を滴下する等の手段が不要となるので、イオン交換工程が極めて簡略化され、かつイオン交換率も向上するという効果があるからである。
【0033】イオン交換に用いる白金塩は、種々の塩が使用可能であるが、パラジウムの場合と同様の理由から、水溶液中でアルカリ性を示すテトラアンミン白金水酸塩(Pt(NH34(OH)2)が特に望ましい。
【0034】イオン交換に用いるランタン塩及びセリウム塩も同様に、水溶液中でアルカリ性を示す塩が望ましいが、パラジウム塩及び白金塩としてそれぞれテトラアンミンパラジウム水酸塩及びテトラアンミン白金水酸塩を用いる場合には、酢酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等、各種の塩を用いることができる。これらの塩は、水溶液中で酸性を呈するものであるが、テトラアンミンパラジウム水酸塩等と同時に用いる場合には、水溶液のpHが6〜7程度となるので、SAPOに悪影響を与えないからである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0036】(実施例1)まず初めに、予備実験として、触媒担体として最も適するSAPOを特定する試験を行った。
【0037】触媒担体として、結晶構造の異なる3種のSAPO(SAPO−5(水澤化学工業製、以下同じ)、SAPO−11(UOP製)、及びSAPO−34(UOP製))を用い、これらを酸素気流中、600℃で6時間焼成して、有機テンプレート等の不純物を除去した後、これらをそれぞれテトラアンミンパラジウム水酸塩水溶液と混合し、80℃で6〜12時間イオン交換した。次いで、混合物を濾過して純水で洗浄し、120℃で12時間乾燥し、さらに水素気流中、300℃で3時間還元した後、酸素気流中、600℃で6時間焼成することにより、パラジウムを1重量%担持させた種々のPdイオン交換SAPOを調製した。
【0038】次に、これらのPdイオン交換SAPOを成形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1gを反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成した。さらに、これを所定温度まで降温した後、反応試験を行い、各Pdイオン交換SAPO触媒の初期活性を調べた。
【0039】反応試験は、常圧固定床流通式反応試験装置を用い、試験温度を250〜600℃とし、水蒸気を含む反応ガス(メタン(CH4 )=4000ppm、一酸化炭素(CO)=500ppm、二酸化炭素(CO2)=5%、水蒸気(H2O)=10%、残部窒素(N2))を流速5000ml/hrで供給して行った。また、比較のため、水蒸気を全く含まない反応ガスについても、同様に反応試験を行った。
【0040】結果を図1に示す。水蒸気非共存下ではSAPO−11=SAPO−5>SAPO−34の順に高い活性を示し、400℃の低温において、SAPO−11及びSAPO−5のメタン酸化率は95%を越えた。しかし、10%の水蒸気共存下では著しく活性が低下し、反応温度400℃におけるメタン酸化率は、SAPO−5(65.1%)>SAPO−11(28.4%)>SAPO−34(24.3%)の順になった。この結果から、パラジウムを担持させる触媒担体としては、SAPOー5が最も優れていることがわかった。
【0041】次に、触媒担体としてSAPO−5を選択し、触媒貴金属源としてテトラアンミンパラジウム水酸塩及び/又はテトラアンミン白金水酸塩を用いた以外は、前記予備実験と同一の手順により、パラジウム1重量%及び白金1重量%を担持させたPdーPtイオン交換SAPO(1%Pdー1%Pt−SAPO−5)、パラジウム1重量%を担持させたPdイオン交換SAPO(1%Pd−SAPOー5)、及び白金1重量%を担持させたPtイオン交換SAPO(1%Pt−SAPO−5)をそれぞれ調製した。
【0042】得られたこれらのイオン交換SAPOを成形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1gを反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成した。さらに、これを所定温度まで降温した後、耐久試験を行った。
【0043】耐久試験は、常圧固定床流通式反応試験装置を用い、試験温度を400℃、試験時間を40時間とし、水蒸気を含む反応ガス(メタン(CH4 )=4000ppm、一酸化炭素(CO)=500ppm、二酸化炭素(CO2 )=5%、水蒸気(H2O)=10%、残部窒素(N2))を流速5000ml/hrで供給することにより行った。また、比較のため、水蒸気を全く含まない反応ガスについても、同様に耐久試験を行った。結果を図2に示す。
【0044】1%Pd−SAPO−5触媒は、水蒸気を含まない反応ガスの場合は、40時間経過後も95%以上の高いメタン酸化率を示した。しかし、水蒸気を含む反応ガスの場合は、試験時間初期においてメタン酸化率が40〜50%まで急激に低下し、40時間耐久後はさらに約20%まで低下した。また、1%Pt−SAPO−5触媒は、当初からほとんどメタン酸化活性を示さず、メタン酸化率は5%以下であった。一方、1%Pd−1%Pt−SAPO−5触媒は、試験時間初期にメタン酸化率が68%から約50%に低下したが、その後メタン酸化率は安定し、40時間耐久後も40%以上の高いメタン酸化率を示した。
【0045】以上の結果から、パラジウムと白金をSAPO上に複合担持させると、パラジウムを単独で担持させた場合と比べて、実際の排ガス温度に相当する低温領域(400℃近傍)での初期活性が高く、かつ水蒸気が共存する排ガス条件下でも高い耐久性を示すことがわかった。
【0046】また、白金のみを1重量%担持させた触媒では、水蒸気が共存し、かつ排ガス温度が低い条件下では、ほとんでメタン酸化活性を示さなかったが、本発明の方法によりパラジウムと複合担持させることにより、白金担持量が少なくても初期活性と耐久性が著しく向上するという、従来例にはない際立って優れた効果を奏することがわかった。
【0047】(実施例2)触媒担体として、SAPO−5を用い、これらを酸素気流中、600℃で6時間焼成して、有機テンプレート等の不純物を除去した後、これらをそれぞれテトラアンミンパラジウム水酸塩及びテトラアンミン白金水酸塩を含む水溶液と混合し、80℃で6時間イオン交換した。次いで、これに酢酸ランタン(La(OCOCH33)又は酢酸セリウム(Ce(OCOCH33)の水溶液を加えて、さらに80℃で6時間イオン交換を行った。
【0048】次に、混合物を濾過して純水で洗浄し、120℃で12時間乾燥し、さらに水素気流中、300℃で3時間還元した後、酸素気流中、600℃で6時間焼成することにより、パラジウム1重量%、白金1重量%及びランタン1重量%を担持させたPdーPtーLaイオン交換SAPO触媒(1%Pdー1%Pt−1%LaーSAPO−5)、及びパラジウム1重量%、白金1重量%及びセリウム1重量%を担持させたPdーPtーCeイオン交換SAPO触媒(1%Pdー1%Pt−1%Ce−SAPOー5)をそれぞれ調製した。
【0049】また、比較のため、上記と同様の手順に従い、セリウム1重量%のみを担持させたCeイオン交換SAPO触媒(1%Ce−SAPOー5)を調製した。
【0050】得られたこれらのイオン交換SAPOを成形後、粉砕して16〜60メッシュに整粒し、0.1gを反応管に詰め、空気中、600℃で2時間焼成した。さらに、これを所定温度まで降温した後、水蒸気を10%含む反応ガスについて、実施例1と同様の手順により耐久試験を行った。その結果を図3に示す。
【0051】1%Ce−SAPOー5は、ほとんどメタン酸化活性を示さなかったが、1%Pdー1%Pt−SAPOー5にさらにセリウムを1重量%担持させた、1%Pdー1%Pt−1%Ce−SAPOー5では、試験時間初期にはメタン酸化率が80%を越え、40時間耐久後も約60%の高いメタン酸化率を示した。
【0052】また、1%Pdー1%Pt−1%LaーSAPO−5も、同様に、試験時間初期においてはメタン酸化率80%以上、40時間耐久後もメタン酸化率約50%を維持しており、実施例1において作製した1%Pdー1%Pt−SAPOー5よりも高い初期活性と耐久性を示した。
【0053】以上の結果から、パラジウムと白金をSAPO上に複合担持させると共に、さらにランタン又はセリウムを担持させると、実施例1における1%Pd−1%Pt−SAPO−5触媒よりも、さらに低温領域(400℃近傍)での初期活性が高く、かつ水蒸気が共存する排ガス条件下でも高い耐久性を示すことがわかった。
【0054】また、セリウムのみを1重量%担持させた触媒では、水蒸気が共存し、かつ排ガス温度が低い条件下では、ほとんどメタン酸化活性を示さなかったが、本発明のように、パラジウム及び白金に加えて、ランタン又はセリウムとを複合担持させると、ランタン又はセリウムの担持量が僅かであっても、初期活性と耐久性が著しく向上するという、従来例にはない際立って優れた効果を奏することがわかった。
【0055】(比較例1)触媒担体として16〜60メッシュのアルミナを用い、浸漬法により1重量%のパラジウムを担持させた1%Pd/アルミナ触媒、並びに1重量%のパラジウム及び1重量%の白金を担持させた1%Pd−1%Pt/アルミナ触媒をそれぞれ調製した。得られた上記の各触媒について、実施例1における予備実験と同一の手順により、10%の水蒸気を含む反応ガスについて、反応試験を行った。結果を図4に示す。
【0056】従来型の1%Pd/アルミナ触媒は、全温度域にわたって1%Pd−SAPO−5触媒よりもメタン酸化率が低く、ガスエンジンの排ガス温度に相当する400℃においては、後者の65.1%に対して、前者はわずか10.8%であった。また、1%Pd/アルミナ触媒にさらに1%の白金を複合担持させた1%Pd−1%Pt/アルミナ触媒については、メタン酸化率の増加はわずかであり、400℃におけるメタン酸化率は、14.3%であった。
【0057】以上の結果は、従来型のアルミナ触媒では、低温における触媒活性が低く、高いメタン酸化率を得るには、触媒担持量を多くする必要があることを示している。また、従来型触媒では、パラジウム及び白金の担持量が、各1%程度の低担持量では、複合化効果がほとんど認められないことを示している。
【0058】一方、以上の結果は、触媒担体としてSAPOを用いることは、貴金属触媒消費量を大幅に低減する上で極めて重要であり、さらに、第2図及び第3図から明らかなように、パラジウムの他に、白金、セリウム等を複合担持させると、触媒金属担持量が僅かであっても著しい複合化効果が発現され、従来型触媒では得られなかった高いメタン酸化活性と耐久性が得られることを示している。
【0059】なお、本発明は、上記した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、SAPO自体をハニカム形状としたり、あるいはコージェライト等でハニカム形状の基材を作製し、その上にSAPOをウオッシュコートし、その後、パラジウム等をイオン交換法により担持させても上記実施例と同様の効果が得られる。
【0060】また、上記実施例では、貴金属担持量を各1重量%としているが、これに限定されるものではなく、貴金属担持量を増加させれば、さらに初期活性及び耐久性を向上させることが可能となるので、コスト対効果の兼ね合いから適宜、最適な触媒担持量を選択すればよい。
【0061】
【発明の効果】本発明は、上記のようにSAPOにパラジウム及び白金を高分散担持させたので、メタン酸化触媒の触媒活性が著しく向上し、水蒸気が共存する排ガス条件下においても未燃メタンの酸化率を飛躍的に向上させることができるという効果がある。また、SAPOの酸点又は細孔構造内に触媒金属を高分散担持させたので、メタン酸化率が向上し、その結果、触媒金属消費量を大幅に削減できるのでメタン酸化触媒の低価格化を図ることができるという効果がある。
【0062】さらに、パラジウムと白金をSAPOの細孔構造内に複合担持させたので、触媒金属のシンタリングによる触媒劣化を防止され、その結果、長期にわたり高い触媒活性を維持することができるという効果がある。
【0063】また、パラジウムと白金の他にさらに助触媒としてランタン(La)又はセリウム(Ce)を添加することにより、従来例にはない、高い酸化活性と耐久性とを有するメタン酸化触媒が得られるという効果がある。




 

 


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