米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 難波プレス工業株式会社

発明の名称 表皮付き多層異硬度座席およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15961
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−188054
出願日 平成8年(1996)7月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 澄夫 (外1名)
発明者 小川 太郎 / 妹尾 康正 / 渡谷 武志 / 戸田 泰行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 通気性をもつ表皮材により被覆され、当該座席の略外形形状を有する発泡体から成る座席であって、前記発泡体が、当該発泡体の基部をなす第1の発泡体と、前記第1の発泡体の表面上に投入、積層された液状発泡性混合物を、その混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、前記第1の発泡体と、前記液状発泡性混合物の上にある表皮材の上に位置する、成形表面を有し、吸引孔が設けられた加圧型とで、前記吸引孔を通して吸引を行いつつ、加圧圧縮することにより、前記表皮材の裏面と一体になり、かつ前記第1の発泡体の表面と一体となる第2の発泡体と、から成り、前記加圧型の吸引孔が、形成されるべき前記2の発泡体の吸引成形部に対応する位置に、少なくともある、ところの座席。
【請求項2】 請求項1に記載の座席であって、前記表皮材が、通気性をもつ織物組織の繊維材または編物組織の繊維材であることを特徴とする座席。
【請求項3】 請求項2に記載の座席であって、前記表皮材の裏面にスラブウレタンフォームの板材が付設されることを特徴とする座席。
【請求項4】 請求項1に記載の座席であって、前記第1および第2の発泡体のそれぞれの硬さが、異なることを特徴とする座席。
【請求項5】 請求項1に記載の座席であって、前記第2の発泡体を形成する液状発泡性混合物は、ガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、加圧圧縮率を変えて成形することにより前記第2の発泡体の硬さが部分的に異なることを特徴とする座席。
【請求項6】 請求項1に記載の座席であって、前記第1および第2の発泡体がポリウレタンフォームまたはポリユレヤフォームの反応性発泡樹脂から成形されることを特徴とする座席。
【請求項7】 通気性をもつ表皮材と一体となる発泡体から成り、該発泡体が当該座席の略外形形状を有し、かつ互いに上下に一体に構成された、基部をなす第1の発泡体と、第2の発泡体とから成る座席を製造する方法であって、前記第1の発泡体の表面上に第2の発泡体を形成する液状発泡性混合物を投入、積層する工程と、前記第1の発泡体の上に表皮材を配置する工程と、前記積層された液状発泡性混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、前記積層された液状発泡性混合物を、前記第1の発泡体と、前記表皮材の上に位置し、成形表面を有する、吸引孔が設けられた加圧型とで、前記吸引孔を通して吸引を行いつつ、加圧圧縮する工程と、から成り、前記加圧型の吸引孔は、形成されるべき前記第2の発泡体の吸引成形部に対応する位置に少なくともある、ところの方法。
【請求項8】 請求項7に記載の方法であって、前記加圧型内への吸引が前記吸引孔の一部を通して行い、吸引孔の他の部分については、前記加圧型の内外の通気が自由となる、ことを特徴とする方法。
【請求項9】 請求項8に記載の方法であって、前記吸引孔が複数あり、その一部が前記第2の発泡体の吸引成形部に対応する位置にあり、その吸引孔を通して吸引が行われ、他の吸引孔では前記加圧型の内外の通気が自由となる、ことを特徴とする方法。
【請求項10】 請求項7に記載の方法であって、前記液状発泡性混合物を投入、積層する工程が、前記表皮材を配置する工程の前に行うことを特徴とする方法。
【請求項11】 請求項10に記載の方法であって、前記表皮材を配置する工程が、前記積層された液状発泡性混合物を間にして、前記表皮材で前記積層された液状発泡性混合物を被覆することであることを特徴とする方法。
【請求項12】 請求項7に記載の方法であって、前記第1の発泡体の硬さを部分的に変えるときは、前記加圧圧縮する工程において、前記液状発泡性混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるとき、前記液状発泡体混合液に対する加圧圧縮率を部分的に変える、ところの方法。
【請求項13】 請求項7に記載の方法であって、前記加圧型と前記第1の発泡体との間の間隔を部分的に変え、前記液状発泡性混合物を前記第1の発泡体上に同厚に投入、積層し、加圧圧縮することで、前記加圧圧縮率を部分的に変えることを特徴とする方法。
【請求項14】 請求項7に記載の方法であって、前記表皮材が、通気性のある天井表皮部分と、それに続く側面表皮部分から成り、前記天井表皮部分が前記第2の発泡体と一体化し、前記側面表皮部分が前記第1の発泡体の側面を被覆することを特徴とする方法。
【請求項15】 請求項7に記載の方法であって、前記第1および第2の発泡体のそれぞれの硬さが、異なることを特徴とする方法。
【請求項16】 請求項7に記載の方法であって、前記第1および第2の発泡体がポリウレタンフォームまたはポリユレヤフォームの反応性発泡樹脂から成形されることを特徴とする方法。
【請求項17】 請求項7に記載の方法であって、前記表皮材が、通気性をもつ織物組織の繊維材または編物組織の繊維材であることを特徴とする方法。
【請求項18】 請求項7に記載の方法であって、前記表皮材の裏面にスラブウレタンフォームの板材が付設されることを特徴とする方法。
【請求項19】 請求項8または9に記載の方法であって、前記吸引孔の前記一部の裏側に減圧室が設けられ、その減圧室を減圧することで吸引を行う、ことを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用をはじめとした、フォークリフトやトラクター等の各種産業車輌用の座席、事務用あるいは家具用の椅子の座席に関にし、特に座席の表皮材が発泡体と一体となり、発泡体が種々の硬度をもつ座席およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】異硬度をもち、表皮材が一体となる発泡体から成る座席を製造する従来の方法が図8に示されている(この方法は、特願平7-339895号に説明されている)。この製造方法は以下のように実施される。
【0003】まず、予め成形された、基部をなす第1の発泡体81上にポリウレタンフォーム等の液状発泡体混合物82を投入、積層する。そして、天井表皮部分80’とその両側に縫合された側面表皮部分80"、80'"とから成る表皮材80を、天井表皮部分80'が積層された混合物82の上に、さらに側面表皮部分80"、80'"が第1の発泡体81の両側面に位置するように配置する。
【0004】次に座席の天井部分の形状をもつ成形表面83を有する加圧型84を下降させ、加圧型84と第1の発泡体81とで、表皮材80とともに液状発泡性混合物82を、混合液がガス反応は終了してはいるが、まだ弾性流動状態である反応過程で加圧圧縮する。
【0005】このような流動状態で加圧圧縮すると、混合物は容易に変形する一方で、混合物への加圧に対する反作用により表皮材を押し返し、表皮材とともに加圧型の成形表面にそった形状に成形される。そして、固体状態へと移行させると、第2の発泡体が形成されるとともに、その上側に表皮材80の裏面が、そしてその下側に第1の発泡体81が一体化する。ここで、第1の発泡体、第2の発泡体の硬度を変えることにより、また第2の発泡体の圧縮成形時に、圧縮率等を変えることにより、表皮付きの多層異硬度座席が製造される。
【0006】上述のように、この従来方法に従うことで、下型を必要とせず、第1と第2の発泡体同士とが一体となり、さらに加圧型の成形表面にそった形状をもつと同時に第2の発泡体と一体となった表皮材付きの座席が製造できる。
【0007】上述したように、発泡性混合物を加圧する際に反作用が生じて、表皮材は加圧型の成形表面へと押し付けられるが、加圧型の成形表面に深い溝がある場合や、三次元的な複雑な形状である場合に、発泡性混合物は、表皮材を加圧型の複雑な表面形状に沿わすだけの反作用をなすことなく、潰れていまう。その結果、図9に示されているように表皮材の形はぼけてしまい、正確に加圧型の成形表面にしたがった座席を形造ることができない。
【0008】このようなとき、従来は、図10に示されているように加圧型100に吸引孔101を全体的に設け、加圧型内を減圧し、表皮材の内側と外側とに圧力差を形成し、表皮材を加圧型の表面形状に沿わせていた。しかし、表皮材を加圧型の表面形状に沿わせるためには、大きな圧力差を必要とする。圧力差は、表皮材を通過する空気の割合、すなわち通過率で決定されるものであるが、通常の繊維組織の場合、複雑な三次元の成形表面に吸引し形状付けできる圧力差を生じるように通過率を低くすることは困難である。そのため、通常使用される表皮材を用いるとき、このような吸引孔をもつ加圧型をもってしても、三次元の複雑な形状或いは深い溝をもつ座席の成形はできない。
【0009】このような通気性のある表皮材において、その裏面に熱可塑性プラスチックフィルムをラミネートして非通気性とし、図10に示されているように、吸引して形状付けする。そして、それをヒーター103により加熱し、プラスチックフィルムを軟化させて永久変形させ、その保持力により表皮材を加圧型の成形表面に変形させることが一般的となっている。このような非通気性とするための材料を使用することは、原材料のコストのみならず、製造工程数を増やし、全体のコストを増大させ、さらに生産性を悪くする。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、成形型の成形表面にそった表面形状をもつ、表皮材と発泡体とが一体となった座席およびその製造方法を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、通気性のある表皮材を利用できる上記座席およびその製造方法を提供することである。
【0012】さらに、本発明の目的は、表皮材の裏面に非通気性にするためのフィルムをラミネートする必要のない上記座席およびその製造方法を提供することである。
【0013】さらに、本発明の他の目的は、座る人が接する表面層の硬さがソフトで、人の体重を支持する下層の硬さが硬い上記座席およびその製造方法を提供することである。
【0014】さらに、本発明の目的は、表面層の硬さが部分的に異なる上記座席およびその製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の座席は、通気性をもつ表皮材により被覆され、当該座席の略外形形状を有する発泡体から成る座席であって、その発泡体が、当該発泡体の基部をなす第1の発泡体と、第1の発泡体の表面上に投入、積層された液状発泡性混合物をその混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、第1の発泡体と、液状発泡性混合物の上にある表皮材の上に位置する、成形表面を有し、吸引孔が設けられた加圧型とで、その吸引孔を通して吸引を行いつつ、加圧圧縮することにより、表皮材の裏面と一体になり、かつ第1の発泡体の表面と一体となる第2の発泡体と、から成る。
【0016】本発明の、通気性をもつ表皮材と一体となる発泡体から成り、該発泡体が当該座席の略外形形状を有し、かつ互いに上下に一体に構成された、基部をなす第1の発泡体と、第2の発泡体とから成る座席を製造する方法は、第1の発泡体の表面上に第2の発泡体を形成する液状発泡性混合物を投入、積層する工程と、第1の発泡体の上に表皮材を配置する工程と、積層された液状発泡性混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、積層された液状発泡性混合物を、第1の発泡体と、表皮材の上に位置し、座席の天井部分の形状を有する、吸引孔が設けられた加圧型とで、その吸引孔を通して吸引を行いつつ、加圧圧縮する工程と、から成る。
【0017】ここで使用する加圧型の吸引孔は、形成されるべき第2の発泡体の吸引成形部に対応する位置に少なくともある。
【0018】ここで、この吸引成形部とは、表皮材とともに液状発泡性混合物を吸引することにより加圧型の成形表面にしたがった所望の形状に成形するところをいう。
【0019】加圧型内への吸引は吸引孔の一部を通して行い、吸引孔の他の部分では、加圧型の内外の通気を自由にするようにしてもよい。また、吸引孔を複数個とし、その一部を第2の発泡体の吸引成形部に対応する位置に設けて吸引を行い、他の吸引孔では加圧型の内外の通気を自由にするようにしてもよい。
【0020】液状発泡性混合物の投入、積層は、表皮材を配置する前に行ってもよく、後に行ってもよい。
【0021】第1の発泡体の硬さを部分的に変えるときは、加圧圧縮する際に、液状発泡性混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるとき、液状発泡体混合液に対する加圧圧縮率を部分的に変えることが望ましい。その圧縮率は、加圧型と第1の発泡体との間の間隔を部分的に変え、液状発泡性混合物を第1の発泡体上に同厚に投入、積層し、加圧圧縮することにより行うことが望ましい。
【0022】第1および第2の発泡体のそれぞれの硬さは、異なることが望ましい。第1および第2の発泡体はポリウレタンフォームまたはポリユレヤフォームの反応性発泡樹脂から成形されるが望ましい。
【0023】表皮材は、通気性をもつ織物組織の繊維材、編物組織の繊維材が使用でき、表皮材の裏面にスラブウレタンフォームの板材を付設することができる。
【0024】
【作用】第1の発泡体の上に投入、積層された第2の発泡体を形成する液状発泡性混合液の一部は第1の発泡体の表面に含浸して含浸層となり、その結果、発泡体は全体として空気の透過性の低い複合材料となる。
【0025】そして、その積層された液状発泡性混合物がガス反応は終了しているがまだ流動状態にあるときに、混合物を第2の発泡体と成形型とで加圧圧縮すると、混合物内に加圧圧縮に対する反作用が生じるとともに、同時に行う加圧型による吸引が、空気の透過性が低くなった複合材料に作用し、複合材料内と吸引側との間に大きな圧力差を生じさせる。
【0026】これら反作用および圧力差により、流動状態のある混合物は表皮材と一体となって吸引側に引き寄せられる。これを固体状態に移行させると、第2の発泡体が成形されるとともに、表皮材および第1の発泡体と一体となり、さらに加圧型の成形表面の形状をもつ。
【0027】このように製造された本発明の座席は、表皮材と発泡体とが一体となっているため、座っていた者が立つことにより体重が開放されたとき、表皮材が発泡体の弾性により元に復元される。また、表皮材が通気性をもつことから弾力性に富み、またよい感触を与える。
【0028】さらに、加圧型と第1の発泡体との間の間隔を部分的に変え、加圧圧縮することで、第2の発泡体の硬さが部分的に変わる。硬くするところを座席のワキ部に形成すると、座る部分はソフトに保たれたまま、座席のホールド性が向上する【0029】第1の発泡体の硬さは第2の発泡体と独立に選択できることから、第1の発泡体に座る者の体重を支持できる硬さをもたらせられる。
【0030】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0031】図1(a)は本発明の方法により製造された座席の斜視図、図1(b)はその座席の断面図である。座席1は、表皮材2、基部をなす第1の発泡体10、およびその上に位置する第2の発泡体6から構成され全体で座席の外形をなしている。
【0032】表皮材2は、第2の発泡体6を被覆する天井表皮部分3(座席の天井部分を形成する)とその両側に続く、第2の発泡体を被覆する側面表皮部分4、5とから成り、天井表皮部分3の裏面は第2の発泡体6と、第2の発泡体6の下面16は第1の発泡体10と一体となっている。
【0033】図1に示された座席では、天井表皮部分3と側面表皮部分4、5とは別々に、素材から裁断され、縫合されて一体となったものであるが、それらを一体として裁断されたものも利用することができる。
【0034】ここで使用する表皮材2は特に限定されるものではなが、座席の表皮材として一般的に使用される通気性のあるもので、たとえば織物組織や編物組織などの各種繊維材である。
【0035】第1の発泡体10は座席の概略形状をもち座席の基部をなすもので、以下で説明する製造方法により第2の発泡体6と上下に一体的となっている。
【0036】第1の発泡体10は、ポリウレタンフォームで代表される発泡体から構成されるが、ポリユレアフォーム等の反応性発泡樹脂からなる発泡体であってもよい。
【0037】第2の発泡体6は、ほぼ一様な厚さの本体部7とその両側に続く、次第に厚さが薄くなる土手部8、9とから成る。
【0038】この第2の発泡体6は第1の発泡体10と同様に、ポリウレタンフォーム、ポリユレアフォーム等の反応性発泡樹脂から成る発泡体である。
【0039】第2の発泡体6の硬さは、その発泡体6の全体に対して一様にしてもよいが、座る者のホールド性を高め、座席の外形を保持できるように、以下で説明する第2の発泡体の製造方法に従い、土手部8、9の硬さを本体部7よりも硬くすることがより望ましい。
【0040】各発泡体の硬さは、第2の発泡体6をソフトに第1の発泡体10をそれよりも硬くすることが望ましい。第2の発泡体をソフトにすることで座り心地がよく、第1の発泡体を硬くすることで座る者の体重を支持でき、かつホールド性をよくし、座席の外形を保持できるからである。しかし、逆にクッション性が必要な場合には、第1の発泡体の方をさらにソフトにしてもよい。
【0041】図1に示されているように、本発明の座席1には、比較的深い溝A、Bが形成されている。従来の方法では、このような深い溝を形成しようとしても、発泡性混合物を加圧成形する際に、潰れてぼけた溝となっていたが(図9を参照)、本発明の方法にしたがうことで、このような溝や、さらに詳細な凹凸を有す座席を製造することができる。
【0042】以下、本発明の座席の製造方法を説明する。
【0043】座席の基部をなす第1の発泡体10は在来の方法により成形される。すなわち、第1の発泡体10を成形すべき上型および下型とから成る発泡型を用意し、下型にポリウレタンフォーム等の液状発泡性混合物を投入し、上型を閉じて発泡成形する。この第1の発泡体10は以下で説明するように、第2の発泡体6を形成するための下型として機能する。
【0044】次に、図2に示されているように、第1の発泡体10上の全領域に、たとえばスプレー方式によりポリウレタンフォームの液状発泡性混合物11を投入、積層する。その際、発泡体10の表面に接する混合液11の一部は、発泡体10の表面から含浸し、含浸層を形成する。この例では、ポリウレタンフォームの反応性発泡樹脂から成る混合液が用いられたが、ポリユレアフォーム等の反応性発泡樹脂の混合液も利用することができる。
【0045】そして、天井表皮部分3とその両側に縫合された側面表皮部分4、5とから成る表皮材2を、天井表皮部分3が積層された混合液12の上に、さらに側面表皮部分4、5が第1の発泡体体10の両側面に位置するように配置する。
【0046】次に、加圧型15を表皮材の上方に位置する。この加圧型15の外形は在来の加圧型の外形と同様(図8を参照)であり、その成形表面16は、その成形表面と第1の発泡体10の上面11とにより第2の発泡体体6の立体形状を画成するように形作られている。なお、上記表皮材2の天井部分3は、加圧型15の成形表面16と整合するものである。
【0047】さらに、この加圧型15は中空であり、図1に示されている座席1の溝A、Bの付近で、隆起している部分に対応する場所に吸引孔17、18が複数個、その隆起にそって設けられている。この隆起している場所は、従来技術では、加圧圧縮の際、粘弾性流動状態にある混合液が潰れてしまい、型の表面に忠実な形状付けができず、ぼけてしまったところである(図9を参照)。
【0048】図示の加圧型15は内部全体が中空であるが、もちろん吸引孔からの吸引が可能であれは、全体が中空である必要はない。例えば、吸引孔の上部にのみ減圧室を設けて、その減圧室を減圧することにより吸引を行ってもよい。さらに、減圧室等を設けずに、吸引孔と外部真空源とをパイプで連結する構造でもよい。
【0049】吸引孔は複数の穴が好適であるが、溝にそったスリット状の孔でもよい。またこの例では左右にそれぞれ一列であるが、隆起形状、加圧圧縮時、座席の大きさなどにより複数列を設けることもできる。また、穴の大きさもこのような加圧成形条件にしたがって定めることができる。
【0050】加圧型15は、外部の真空源に連結され、適宜内部が排気され得る。
【0051】上述した実施例では、加圧型15は、混合液12の積層、表皮材2の配置後に位置づけたが、その順番は本発明において本質ではなく、その逆の順番でもよい。
【0052】次に図3に示されているように、加圧型15内を排気しながら、下降させ、加圧型15と第1の発泡体10とで、表皮材2とともに積層された液状発泡性混合物12を、混合液がガス反応は終了してはいるが、まだ弾性流動状態である反応過程で加圧圧縮する。
【0053】ここで使用するポリウレタンフォーム、ポリユレヤフォーム等の反応性発泡樹脂は、その液状発泡性混合物を反応させ、発泡成形が完了すると安定した、弾性特性に優れた発泡体となり、これを加圧圧縮しても簡単に変形することはない【0054】しかし、反応過程においては非常に不安定な状態であり、ガス反応が終了した後一定時間内では、まだ流動性が残り、また外力を作用させることで容易に変形させることができる状態にある。そのため、この流動性のあるときに、吸引するとその方向に引き寄せることができ、また別の発泡体、繊維などの素材と一体に加圧すると、別の発泡体の中、繊維の組織の一部に入り込み、その別の発泡体や素材が混合物から形成された発泡体上に固着し、一体的となる。さらに、混合物の加圧圧縮率を変化させると、圧縮率の高いところでは硬く、低いところではソフトな発泡体となる。
【0055】前記したように積層した混合物12と発泡体10との間に通気性の低い含浸層が形成され、全体として通気性の低い複合材料となることから、加圧圧縮の際、加圧型15内が排気されると、その吸引力が空気の透過性が低くなった複合材料に作用し、複合材料内と吸引側の間に大きな圧力差が生じる。そのため、図3に示されているように、流動状態の液状発泡性混合液は表皮材と一体となって吸引側に引き寄せられ、さらに加圧圧縮により生ずる反作用と相まって、表皮材2を加圧型の下面16へと押し付けて、加圧型15の成形表面に沿わせる。
【0056】ここで、液状発泡性混合液の吸引中に、液状発泡性混合液12が第1の発泡体10から剥離することはない。前述したように、第1の発泡体上に液状発泡性混合液を投入、積層した際に第1の発泡体10の表面にその一部が含浸し、含浸層が形成されているからである。ただし、吸引中に、液状発泡性混合液12は、(表皮材が通気性をもつことから)表皮材を通過しかねないが、混合液12を第1の発泡体10上に投入、積層した後に、一定時間経過した後に(図示した通常の座席、上記発泡性混合液を使用するときは、約50秒経過後に)上記吸引、加圧圧縮することで、このような通過は生じない。また、表皮材の裏面にスラブウレタンフォームの板材を貼り付けることで、混合液が表皮材を通過することを防止できる。
【0057】そして、液状発泡性混合物12を固体状態に移行させると、所望の弾力性をもつ第2の発泡体が形成されるとともに、その上側に表皮材2の裏面が、その下側に第1の発泡体体10が一体となって固着する。かくして、本発明の座席が完了する。
【0058】この例では、従来技術では加圧圧縮時に潰れて、本来の型に従って形状がでない深い溝の付近の形状を説明したが、溝に限らず、凹凸の形状、三次元の形状を形成するときも同様にして所望の形状を形成できる。このように表皮材とともに液状発泡性混合物を吸引することにより型にしたがった所望の形状を成形するところを吸引成形部という。
【0059】このように、通気性があるために、吸引をおこなっても加圧型の下面に沿わすことのできなかった表皮材も、本発明の工程にしたがって座席を形成することにより、加圧型に忠実な形状をもつ、発泡体と一体となった表皮材で被覆された座席を製造することができる。
【0060】しかし、液状発泡性混合物は、粘弾性流動状であるため圧縮されやすく、また既に説明したように、含浸層の形成により混合物および第1の発泡体10が全体として空気の透過性の低い複合材料となることから吸引に際に生じた圧力差により、第1の発泡体10の周囲の大気が第1の発泡体10全体を加圧型15へと押しつける。そのため、図4に示されているように、第1の発泡体10は混合物12に向かって持ち上がり、混合物12は全体として潰され、その厚さが薄くなり、そして硬くなると、座席としての表面感触が悪化する場合がある。
【0061】このような現象は、吸引と同様に、吸引孔より吸引される空気量に相当する空気を、液状発泡性混合物の吸い寄せられ部分以外の部分の領域に対して供給することで回避できる。
【0062】このことを実施する加圧型の好適実施例の一例を図5に示す。図5は、加圧型の端面図を示す。この加圧型20は、吸引成形部に対応する部分に吸引孔24、25が設けられ、その背後に減圧室22、25がそれぞれ設けられている。減圧室を減圧することにより、吸引孔24、25を通して吸引が行われる。さらに、吸引孔24、25の近傍に、空気取り入れ孔24'、25'がそれぞれ一列にして設けられている。この空気取り入れ孔24'、25'は加圧型の内外の空気の通気を自由にするものである。
【0063】吸引孔24、25は図3の加圧型の場合と同様に、その数、形状を定めることができる。
【0064】この加圧型20を用いた座席の製造を図6に示す。
【0065】図3の場合と同様に、第1の発泡体10の上に液状発泡性混合物12を投入、積層し、その上を覆う表皮材2の上から加圧型20を下降させる。その際、減圧室22、26内を減圧させ、吸引孔24、25を通して吸引を行う。
【0066】加圧型20が混合物12に接して圧力差が生じると、液状発泡性混合物12が表皮材2と一緒になって加圧型15へと引き寄せられるが、同時にその圧力差に伴って第1の発泡体10の周囲の大気が第1の発泡体10を上に持ち上げようとする。そのとき、その圧力差を解消するように、空気取り入れ孔24'、25'を通じて加圧型20の内側(図では上側)から空気が加圧型14の外側(図面では下側)へと自然供給される。この空気の供給により、第1の発泡体10を持ち上げるだけの圧力差がなくなる。
【0067】かくして、液状発泡性混合物は、吸引成形されるが、前述した第1の発泡体10の持ち上がりによる混合物の圧縮がなくなる。
【0068】加圧型20の空気取り入れ孔24'、25'の数、大きさ、形状、位置は、必要な空気を加圧型の下に供給し、第1の発泡体10が持ち上がらないように決定される。
【0069】図7は他の加圧型を用いた加圧成形を示す。図示された加圧型30は、図6の加圧型とほぼ同様であり、吸引成形部に対応する位置に吸引孔34、35が設けられ、その背後に(図面では上側に)減圧室32、36が設けられている。さらに、減圧室の近傍にそれぞれ空気取り入れ孔34’、35’が二列にして設けられている。
【0070】図7の加圧型を用いた具体的な実施例は以下の通りである。
【0071】吸引孔34、35は直径が2mmで10mm間隔に一列に形成され、真空室はバキュウムポンプ(図示せず)に連結される。
【0072】空気取り入れ孔24’、25’は直径が1mmと2mmで10mm間隔に二列にそれぞれ形成されている。
【0073】第1の発泡体10の上に、第2の発泡体を形成する軟質発泡ポリウレタンフォームの発泡性混合液をスプレー方式にて15秒間(350g)塗布し、塗布終了後20秒経過後、表皮材で覆う塗布終了後50秒後に、加圧型30の減圧室32、36を減圧しつつ(0.08〜0.21気圧)、混合物12を加圧型30と第1の発泡体で加圧圧縮し、1.5分間保持した。その間、混合物12の反応を促進させ、固形化を早めるために加圧型を85度Cに加温する。
【0074】以上により、表皮材と第2の発泡体と、第2の発泡体と第1の発泡体が一体的に固着され、かつ第2の発泡体が不所望に潰されることなく表面が加圧型の成形表面の形状に形作られ、さらに表面感触のよい通気性のある座席が製造された。
【0075】上述してきた座席製造工程において、液状発泡性混合物を第1の発泡体体10の上面11上に同厚になるように積層するときは、土手部に対応するところの液状発泡性混合物の加圧圧縮率が本体部に対応するところのものよりも高くなるため、土手部の硬さはより硬くなるが本体部に対応するところでは硬さが一定で、かつソフトなものとなる。
【0076】
【効果】本発明に従った座席は、発泡体を通気性のある表皮材で被覆することから、通気性のある、表面感触のよいものとなる。
【0077】また、加圧型を用いて液体発泡性混合物を加圧圧縮を行う際、吸引孔を通じて吸引し、混合物を潰すことなく表皮材を加圧型の成形表面へと押しつけて第2の発泡体を成形することから、座席は加圧型の成形表面の形状にしたがった所望の表面形状をもつことができる。
【0078】上記効果のほかに、表皮材が第2の発泡体と、そして第2の発泡体が第1の発泡体と一体となることから、着座したとき発泡体のソフトな弾性力により良い座り心地を与る。このとき、座る者の体重により表皮材が伸ばされるが、体重が開放されたとき、表皮材は発泡体の弾性力により元に復元され、シワが生じることがない。
【0079】さらに、座席の土手部を着座部分よりも硬いものにすると、座る者の不快感を与えずに、座席の形状が保持され、ホールド性も向上する。
【0080】また、発泡体は上下に一体的に積層される二つの発泡体から成り、座る者に直接接しない下層の発泡体の硬度を硬くすると、座る者に違和感を与えることなく、座る者の体重を支持することができ、同時に座席の形状も保持できる。
【0081】また、座る者に接する表皮材は、一つの表皮材で成形されるため、種々の表皮部材のための裁断が不必要となり、従って、部品構成、材料構成が簡素化され、さらに製造工程も簡素化されて、製造コスト全体が安くなる。
【0082】さらにまた、各発泡体は一体化しているため、各発泡体を係合させるための吊り込み作業から開放され、その負担の軽減される。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013