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発明の名称 両面塗工型塗工装置、塗工システム及び電池の電極部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−34050
公開日 平成10年(1998)2月10日
出願番号 特願平8−192525
出願日 平成8年(1996)7月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
発明者 入江 伸晶 / 石田 孝夫 / 橋本 顕愛 / 吉村 恭富
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】ウエブの搬送路の両側に設けられた一対のダイと、前記各ダイの内部に設けられた塗工液の液溜め部と、前記各ダイの先端部にウエブの幅方向に沿って設けられた塗工液を吐出する吐出口と、前記液溜め部から前記吐出口に至る塗工液の吐出通路と、前記各液溜め部に塗工液を供給する塗工液供給手段とよりなり、走行するウエブに前記一対の吐出口より同じ量の塗工液をそれぞれ吐出して、ウエブの両面に塗工液を塗工する両面塗工型塗工装置において、前記吐出口におけるウエブの搬入側の縁部を、前記吐出口におけるウエブの搬出側の縁部より突出させて、前記一対のダイの前記搬入側の縁部の間隔を、前記搬出側の縁部間の間隔より広く形成し、前記吐出通路を前記搬送方向に沿って傾斜させたことを特徴とする両面塗工型塗工装置。
【請求項2】前記一対のダイのそれぞれの吐出口における前記搬出側の縁部を、前記吐出通路から曲面形状をなして前記ダイの先端部へ至るように形成したことを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項3】前記一対のダイのそれぞれの吐出口における前記搬入側の縁部の先端部を、前記搬送路と平行となるように形成したことを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項4】前記一対のダイのうち少なくとも一のダイを、前記搬送路とは直交する方向に移動させるためのダイ移動手段を設けて、前記一対のダイの間隔を可変とすることを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項5】前記一対のダイの傾斜角度を変化させるダイ回転手段を設けて、前記一対のダイの前記搬送路に対する傾きを可変とすることを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項6】前記吐出通路において、塗工液の吐出が可能な吐出空間と、塗工液の吐出が不可能な閉塞空間とをウエブの幅方向に沿って交互に形成したことを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項7】ウエブの搬送速度Vを検出する搬送速度検出手段と、1回転で一定の吐出量の塗工液を前記一対のダイの液溜め部へそれぞれ同じ量を供給する定量ポンプと、前記搬送速度検出手段からの搬送速度Vによって、前記定量ポンプの回転数NをN=(D×W×V)/(K1 ×Q)
(但し、Dはウエットの設定塗工厚、Wはウエブの設定塗工幅、Qは定量ポンプの1回転当りの吐出量、K1 は定数である。)となるように制御する第1制御手段とが設けられたことを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項8】ウエブの搬送速度Vを検出する搬送速度検出手段と、1回転で一定の吐出量の塗工液を前記一対のダイの液溜め部へそれぞれ同じ量を供給する定量ポンプと、ウエブの幅方向の平均塗工厚Dp を検出する塗工厚検出手段と、前記搬送速度検出手段からの搬送速度V及び塗工厚検出手段からの平均塗工厚Dp によって前記定量ポンプの回転数NをN=(Ds ×V×K0 )/Dp(但し、Ds はウエットの設定塗工厚、K0 は定数である。)となるように制御する第2制御手段とが設けられたことを特徴とする請求項1記載の両面塗工型塗工装置。
【請求項9】請求項1記載の両面塗工型塗工装置と、前記両面塗工型塗工装置へウエブを送り出すインフィードローラと、前記インフィードローラとで走行するウエブを挟むように設けられたニップローラと、前記インフィードローラを駆動させるインフィードモータと、前記インフィードローラと前記両面塗工型塗工装置の間の搬送路の途中に配されたウエブの張力を測定するテンション測定手段と、前記両面塗工型塗工装置によってウエブへ塗工した塗工液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥手段によって乾燥されたウエブを搬送させるアウトフィードローラと、前記アウトフィードローラとで走行するウエブを挟むように設けられたニップローラと、前記アウトフィードローラを駆動させるアウトフィードモータとよりなり、設定された搬送速度でウエブが搬送するように前記インフィードモータを駆動させ、また、前記テンション測定手段によって測定したウエブの張力が所定値となるように前記アウトフィードモータを駆動させる第3制御手段とよりなることを特徴とする塗工システム。
【請求項10】請求項1記載の両面塗工型塗工装置によって、網状の金属シートまたは多孔性の金属シートであるウエブの両面に塗工液を塗工したことを特徴とする電池の電極部材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺状の布帛、プラスチックフィルム、金属シート、網状の金属シートまたは多孔性の金属シート等のウエブの両面に塗工液を同時に塗工することができる両面塗工型塗工装置、塗工システム及びそれによって製造された電池の電極部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、上記のような両面塗工型塗工装置としては、ツインブレード型塗工装置が知られている。
【0003】ツインブレード型塗工装置は、垂直方向に走行するウエブの搬送路の両側に一対のダイを配し、この一対のダイの上方に一対のブレードを設けている。そして、ウエブを垂直方向に下から上に走行させ、一対のダイから塗工液を吐出してウエブの両面に塗工し、その後、塗工液をブレードによって掻き落とすことにより、その塗工厚を一定にしている(特公昭55−46223号)。
【0004】しかしながら、垂直方向に走行するウエブが、左右方向にずれた場合に、その塗工厚が変化するという問題があった。
【0005】そのため、これを解消するために、次のような両面塗工型塗工装置がある。
【0006】すなわち、ウエブが一対のダイの間の中間位置を走行している場合は、一対のダイから同じ圧力で塗工液を吹き出して塗工を行い、ウエブが左右のどちらか一方にずれた場合には、ダイの位置を移動させて吹出す圧力を変化させ、塗工厚が均一になるようにしている(特開平3−72976号)。
【0007】しかしながら、上記の両面型塗工装置においては、塗工厚の均衡を保つために、一方のダイを移動する必要があり、その移動による塗工厚の調整が難しいという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、両面型塗工装置において、ウエブの両面に容易に均一な塗工厚で塗工できる両面型塗工装置を提供するものである。
【0009】また、最近、携帯電話や携帯情報端末の普及により、これに使用されるスパイラル電極型リチウム電池の量産が盛んとなっている。そして、このリチウム電池の量産に際しては、銅箔やアルミニウム箔の帯状のフープ材(すなわち、ウエブ)に電極活性物質を主体とするスラリー合材(すなわち、塗工液)を、フープ材の幅方向に塗布部分と無塗布部分とを交互に形成する、いわゆるストライプ塗工する必要があり、そのうえ、フープ材の両面の同じ位置にスラリー合材を塗布する必要がある。
【0010】しかしながら、上記に説明した2つの両面型塗工装置においては、ウエブに連続した塗工液を塗布することは可能であるが、幅方向において塗布区間と無塗布区間とを交互に形成するストライプ塗工することはできなかった。
【0011】そこで、本発明はさらに、両面塗工ができ、かつ、ストライプ塗工ができる両面型塗工装置を提供するものである。
【0012】さらに、上記のリチウム電池において、銅箔やアルミ箔の帯状のフープ材は、網状または多孔性のシートよりなるため、これにスラリー合材を塗布する場合には、この網状のシートまたは多孔性のシートに貫通している貫通孔まで、スラリー合材を含浸させるとともに、かつ、両面同じ位置に塗工する必要がある。そこで、本発明は、これら網状または多孔性の金属シートの貫通孔にスラリー合材を含浸させ、かつ、両面同じ位置に塗工した電池の電極部材を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の両面塗工型塗工装置は、ウエブの搬送路の両側に設けられた一対のダイと、前記各ダイの内部に設けられた塗工液の液溜め部と、前記各ダイの先端部にウエブの幅方向に沿って設けられた塗工液を吐出する吐出口と、前記液溜め部から前記吐出口に至る塗工液の吐出通路と、前記各液溜め部に塗工液を供給する塗工液供給手段とよりなり、走行するウエブに前記一対の吐出口より同じ量の塗工液をそれぞれ吐出して、ウエブの両面に塗工液を塗工する両面塗工型塗工装置において、前記吐出口におけるウエブの搬入側の縁部を、前記吐出口におけるウエブの搬出側の縁部より突出させて、前記一対のダイの前記搬入側の縁部の間隔を、前記搬出側の縁部間の間隔より広く形成し、前記吐出通路を前記搬送方向に沿って傾斜させたものである。
【0014】請求項2の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、前記一対のダイのそれぞれの吐出口における前記搬出側の縁部を、前記吐出通路から曲面形状をなして前記ダイの先端部へ至るように形成したものである。
【0015】請求項3の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、前記一対のダイのそれぞれの吐出口における前記搬入側の縁部の先端部を、前記搬送路と平行となるように形成したものである。
【0016】請求項4の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、前記一対のダイのうち少なくとも一のダイを、前記搬送路とは直交する方向に移動させるためのダイ移動手段を設けて、前記一対のダイの間隔を可変とするものである。
【0017】請求項5の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、前記一対のダイの傾斜角度を変化させるダイ回転手段を設けて、前記一対のダイの前記搬送路に対する傾きを可変とするものである。
【0018】請求項6の両面塗工型塗工装置は、請求項1の前記吐出通路において、塗工液の吐出が可能な吐出空間と、塗工液の吐出が不可能な閉塞空間とをウエブの幅方向に沿って交互に形成したものである。
【0019】請求項7の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、ウエブの搬送速度Vを検出する搬送速度検出手段と、1回転で一定の吐出量の塗工液を前記一対のダイの液溜め部へそれぞれ同じ量を供給する定量ポンプと、前記搬送速度検出手段からの搬送速度Vによって、前記定量ポンプの回転数NをN=(D×W×V)/(K1 ×Q)
(但し、Dはウエットの設定塗工厚、Wはウエブの設定塗工幅、Qは定量ポンプの1回転当りの吐出量、K1 は定数である。)となるように制御する第1制御手段とが設けられたものである。
【0020】請求項8の両面塗工型塗工装置は、請求項1のものにおいて、ウエブの搬送速度Vを検出する搬送速度検出手段と、1回転で一定の吐出量の塗工液を前記一対のダイの液溜め部へそれぞれ同じ量を供給する定量ポンプと、ウエブの幅方向の平均塗工厚Dp を検出する塗工厚検出手段と、前記搬送速度検出手段からの搬送速度V及び塗工厚検出手段からの平均塗工厚Dp によって前記定量ポンプの回転数NをN=(Ds ×V×K0 )/Dp(但し、Ds はウエットの設定塗工厚、K0 は定数である。)となるように制御する第2制御手段とが設けられたものである。
【0021】請求項9の塗工システムは、請求項1記載の両面塗工型塗工装置と、前記両面塗工型塗工装置へウエブを送り出すインフィードローラと、前記インフィードローラとで走行するウエブを挟むように設けられたニップローラと、前記インフィードローラを駆動させるインフィードモータと、前記インフィードローラと前記両面塗工型塗工装置の間の搬送路の途中に配されたウエブの張力を測定するテンション測定手段と、前記両面塗工型塗工装置によってウエブへ塗工した塗工液を乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥手段によって乾燥されたウエブを搬送させるアウトフィードローラと、前記アウトフィードローラとで走行するウエブを挟むように設けられたニップローラと、前記アウトフィードローラを駆動させるアウトフィードモータと、設定された搬送速度でウエブが搬送するように前記インフィードモータを駆動させ、また、前記テンション測定手段によって測定したウエブの張力が所定値となるように前記アウトフィードモータを駆動させる第3制御手段とよりなるものである。
【0022】請求項10の電池の電極部材は、請求項1記載の両面塗工型塗工装置によって、網状の金属シートまたは多孔性の金属シートであるウエブの両面に塗工液を塗工したものである。
【0023】
【作 用】請求項1の両面塗工型塗工装置の塗工状態について説明する。
【0024】ウエブを搬送路に沿って搬送させる。この搬送路の両側に設けられた一対のダイの吐出口から走行するウエブに対し同じ量の塗工液が吐出されて、ウエブの両面に塗工液が塗工される。
【0025】この場合に、吐出口の搬出側の縁部の先端でウエブに対し塗工圧がかかり、塗工液をウエブに対し平滑に塗工できる。そして、ウエブの搬送方向に沿って吐出通路が傾斜しているため、塗工液はウエブの搬送方向に沿って流れるため、かつ、一対のダイの先端部の間から漏れ出ることがない。その上、一対の搬出側の縁部の間隔より搬入側の縁部の間隔が狭く形成されているため、搬入側の縁部の間から塗工液が漏れ出るのを防止できる。
【0026】請求項2の両面塗工型塗工装置においては、吐出口の搬出側の縁部が曲面形状に形成されているため、ウエブに対し次第に塗工圧が高くなり、その先端部の位置で最大の塗工圧がかかり、吐出口から吐出された塗工液をウエブに塗工すると共に、その塗工面を平滑にできる。また、ウエブに対し塗工液がスムーズに流れる。
【0027】請求項3のダイの吐出口においては、ダイの先端部の形状が搬送路と平行になるように形成されているため、一対のダイの先端部の間から塗工液が漏れるのを防止することができる。
【0028】請求項4の両面塗工型塗工装置においては、一対のダイのうち少なくとも一つのダイをダイ移動手段によって移動させることができるため、前記一対のダイの間隔を変化させることができる。
【0029】そのため、異なる厚みのウエブを走行させることができる。また、ウエブに継ぎ目がある場合には、このダイ移動手段によって一対のダイの間隔を大きくしてやり、この継ぎ目部分がスムーズに一対のダイの間を走行させるよう配慮することができる。
【0030】請求項5の両面塗工型塗工装置においては、ダイ回転手段によって、一対のダイの搬送路に対する傾きを変化させることができるため、塗工液の吐出方向を必要に応じて傾斜させることができる。
【0031】請求項6の両面塗工型塗工装置においては、吐出通路に吐出空間と閉塞空間がウエブの幅方向に沿って交互に形成しているため、ストライプ塗工を行うことが可能となる。
【0032】請求項7の両面塗工型塗工装置においては、定量ポンプの回転数Nを、N=(D×W×V)/(K1 ×Q)
となるように第1制御手段によって制御する。すると、ウエブの設定された塗工厚に必要な塗工液が常に定量ポンプから一定量供給される。そのため、常に同じ塗工厚でウエブの両面に塗工液を塗工することができる。
【0033】請求項8の両面塗工型塗工装置においては、定量ポンプの回転数Nを、N=(Ds ×V×K0 )/Dpとなるように第2制御手段によって制御する。すると、ウエブの塗工厚に必要な塗工液が定量ポンプから一定量供給される。そのため、ウエブの塗工量が両面において常に同一で、かつ、均一となる。
【0034】請求項9の塗工システムであると、第3制御手段によって搬送速度及びウエブの張力を制御できる。
【0035】請求項10の電池の電極部材であると、請求項1記載の両面塗工型塗工装置によって、網状の金属シートまたは多孔性の金属シートに対し塗工液を塗工するため、両面から同じ量の塗工液が塗工されるため、これらシートの貫通口に塗工液がまんべんなく含浸し、かつ、同じ位置に塗工液が塗工される。
【0036】
【発明の実施の形態】
第1の実施例以下、本発明の第1の実施例の両面塗工型の塗工装置10について図1〜図11に基づいて説明する。なお、実施例の説明において、上下及び左右とは、図1、図2、図5、図7、図9における上下左右を言う。また、これら図面の表裏の方向が前後方向となる。さらに、この前後方向が、ウエブ7の幅方向となる。
【0037】a.塗工システムの説明まず、図1に基いて、塗工装置10を有した塗工システム1の全体構造について説明する。
【0038】符号2は、塗工装置10を設置するための設置台である。
【0039】符号3は、ウエブ7を巻回して収納している引出しロールである。
【0040】符号4,4,4は、引出しロール3からウエブ7をインフィードローラへ案内するための3個の案内ローラである。
【0041】符号122はインフィードローラであり、符号123はインフィードローラ122を駆動させるためのインフィードモータであり、符号124はインフィードローラ122と対向して設けられたニップローラである。
【0042】符号126は、インフィードローラ122から搬送されたウエブ7を、テンションローラヘ案内する案内ローラである。
【0043】符号128は、塗工装置10の下方に設けられたテンションローラであって、これにはウエブ7の張力を測定するテンション測定装置129が設けれている。そして、ウエブ7は、テンションローラ128を通過後に塗工装置10に搬送される。
【0044】符号5は、塗工装置10の上方に設けられた乾燥装置である。この乾燥装置5は、塗工装置10によって両面に塗工液8が塗工されたウエブ7に熱風を噴射して乾燥させるものである。
【0045】符号130はアウトフィードローラであり、符号134はアウトフィードローラ130を駆動させるためのアウトフィードモータであり、符号132はアウトフィードローラ130と対向して設けられたニップローラである。
【0046】符号6は、乾燥装置5を経たウエブ7を巻回する収納ロールである。
【0047】b.塗工装置の説明次に、図2〜図6に基づいて、塗工装置10を説明する。
【0048】(左右一対のダイの構造)符号12,14は、ウエブ7へ塗工液8を塗工するための左右一対のダイであって、これら一対のダイ12,14の間をウエブ7が下から上に向かって垂直方向に移動し、ダイ12,14の吐出口30から塗工液8をウエブ7の両面へそれぞれ吐出する。一対のダイ12,14の幅は、ウエブ7の幅と略同じ大きさにそれぞれ形成されている。
【0049】以下、この左右一対のダイ12,14の構造について説明するが、ダイ12,14は、左右対称であるため、まず左側のダイ12について説明する。
【0050】左側のダイ12は、上下に分割することができるように上部材16と下部材18とより形成されている。
【0051】下部材18は、搬送路の方向、すなわち、右側に行くほど先細りとなるように形成されている。
【0052】下部材18の上面には、凹部が形成され、この凹部が液溜め部22となっている。液溜め部22の右側は傾斜面を成し、その右側ほど容積が小さくなっている。また、液溜め部22の下面の左側は塗工液8の流入口20が貫通している。液溜め部22の平面形状は、図6に示すように、流入口20から両側に広がるように扇形に形成されている。このように液溜め部22を形成しているのは、流入口20から流入した塗工液8が、高粘度で流れにくくてもスムーズに吐出口30に流れるようにするためである。
【0053】上部材16は、下部材18に被さるもので、上部材16と下部材18は、複数本の固定ボルト38によって固定されている。
【0054】上部材16の下面は、液溜め部22を覆うとともに、上部材16と下部材18の間に吐出通路26が形成される。この吐出通路26の右端が塗工液8の吐出口30となっている。
【0055】吐出口30の構造を図7に基づいて説明する。
【0056】下部材18の先端部24は、搬送路と略平行になるように形成されている。また、下部材18の下面は、液溜め部22の右端部22aから先端部24に至るまで一直線状を成し、吐出通路26の下面26aを形成している。また、この吐出通路26の下面26aのうち、先端部24近傍の箇所が吐出口30の下縁部30aとなる。
【0057】吐出通路26の下面26aを覆うように上部材16が被さる。この上部材16の下面は一直線状を成し、吐出通路26の上面右端部26bから上部材16の先端部28に至る曲面形状の部分が上縁部30bとなる。
【0058】この吐出通路26の傾斜角は、図7に示すように、下部材18の先端部24の角度θが、0°<θ<90°、好適には、30°<θ<70°となるように設定する。
【0059】下部材18の下縁部30aは、上部材16の上縁部30bより搬送路の方向に突出しており、一対のダイ12,14を相対向させた場合には、一対の上部材16の先端部28の間隔Aが一対の下部材18の先端部24の間隔Bより大きくなるように形成されている。
【0060】なお、下縁部30aはウエブ7の搬入側の縁部となり、上縁部30bはウエブ7の搬出側の縁部となる。
【0061】符号34は、上部材16の上面に幅方向に沿って突出した突出部である。この突出部34には、幅方向の沿って、かつ、垂直方向に刻まれた溝32を有する。この突出部34には、水平方向に第1ボルト36が配され、このボルト36の締付け具合によって溝32の隙間の寸法が変化する。すなわち、この第1ボルト36を締付けると、溝32の隙間が狭まり、上部材16の先端部28が持ち上がる。これにより、吐出通路26の間隔を大きくすることができる。なお、第1ボルト36は、ウエブ7の幅方向に沿って複数本設けられ、ウエブ7の幅方向において常に均等に上部材16の先端部28が持ち上がるように形成されている。
【0062】符号40は、下部材18の左端部に対し固定され、その先端部が上部材16の左端部を押圧している第2ボルトである。この第2ボルト40を締付けると、下部材18に対し上部材16が搬送路の方向に対して移動し、前記で説明した間隔Aと間隔Bの寸法差が縮まることとなる。
【0063】符号42は、上部材16に設けられ、液溜め部22の圧力を測定するための圧力センサである。
【0064】符号44は、流入口20に塗工液8を供給するためのホースである。
【0065】符号50は、下部材18の前後面から突出したそれぞれ回転軸である。この前後一対の回転軸50,50によって左ダイ12が支持される。
【0066】そして、右ダイ14は、上記で説明した左ダイ12と左右対称に同じ構成で形成されている。
【0067】符号46,48は、図9に示すように、左右一対のダイ12,14の下方に設けられた案内ローラである。この案内ローラ46,48によって、ウエブ7が垂直方向に搬送できるようにする。なお、本実施例では左右一対の案内ローラ44,46を設けているが、使用する際には、左側からウエブ7が来る場合には左側の案内ローラ46のみを使用し、右側からウエブ7が来る場合には右側の案内ローラ48のみを使用する。
【0068】(支持装置の構造)左右一対のダイ12,14を前後方向から支持する支持装置52について図2に基づいて説明する。
【0069】左ダイ12を支持する前後一対の左支持部54は、左ダイ12の両側から突出した回転軸50を受ける前後一対の軸受部56を有し、この軸受部56が左固定台58に固定されている。この左固定台58は、設置台2に固定されている。そして、軸受部56に対し回転軸50が回転自在に設けられている。
【0070】右ダイ14を支持する前後一対の右支持部は、右ダイ14から突出した回転軸50を受ける前後一対の軸受部62を有し、軸受部62は、右移動台64に固定されている。右移動台64は、設置台2に対し、リニアレール66によって左右方向に移動自在である。この右移動台64の右端部にはエアシリンダ68が設けられ、右移動台64を常に左側方向に付勢している。
【0071】右移動台64の左側面は上下方向に傾斜した傾斜面70を有する。
【0072】左固定台58の右側面には上下方向にリニアレール72が配され、このリニアレール72の上下方向に沿って上下移動部材74が設けられている。この上下移動部材74は、左固定台58の右端部上面から上下方向に突出したネジ棒76に螺合されている。そして、上下移動部材74の左側面は傾斜面78を有し、右固定台64の傾斜面70と接触している。さらに、ネジ棒76は、左固定台の左端部上面に設けられたモータ80によって回動自在となっている。
【0073】すなわち、モータ80によってネジ棒76を回転させると、上下移動部材74がリニアレール72に沿って上下方向に移動する。すると、傾斜面78,70によって上下移動部材74に接触している右移動台64がエアーシリンダー68の付勢力に反して左右方向に移動する。右移動台64がリニアレール66に沿って左右方向に移動すると、右ダイ14が左ダイ12に対して左右方向に移動することとなり、前記した上下左右のダイ12,14の間隔が変化する。
【0074】左右の軸受け部56,62にはモータ82,82が内蔵され、右ダイ14、左ダイ12の回転軸50,50の回転角度を変化させることができる。
【0075】c.塗工装置の制御システムの説明図8は、塗工装置10の制御部84を中心とした制御系統のブロック図である。制御部84は、既存のコンピュータよりなり、塗工装置10を操作するための操作部86を有している。
【0076】図8にあって、今までの説明で出てこなかった装置について説明する。
【0077】符号88は、左ダイ12にホース44を介して塗工液8を定量だけ塗工液タンク90から供給する定量ポンプであって、モータ92によって動作する。
【0078】符号94は、右ダイ14にホース44を介して塗工液タンク96の塗工液8を定量だけ供給する定量ポンプであって、モータ98によって動作する。なお、両定量ポンプ88,94共に、モータ92,98によって動作するが、定量ポンプ88,94の一回転当たりの塗工液8の圧送量は常に一定である。そのため、塗工液8の供給量を増加させるには、モータ92,98の回転数を上げることによって行うことができる。また、モータ92,98の回転数Nが時間的に一定であれば、供給される塗工液8の量も一定である。
【0079】符号102,104は、ウエブ7の両面の塗工厚をそれぞれ検出する塗工厚検出装置であって、β線や赤外線厚み計等よりなる。この塗工厚検出装置102,104はウェットまたはドライ状態の塗工液8の塗工厚さを測定するものである。さらに、これら塗工厚検出装置102,104は、ウエブ7の幅方向に沿って一定速度で移動しつつ、その塗工厚を検出するものである。塗工厚検出装置102,104は、ウエブ7の幅方向に沿って複数(例えば7つ)に分割した各区画部のそれぞれの両面の塗工厚の平均値を移動しながら検出する。そして、検出した複数の区画部のそれぞれの両面の平均塗工厚を、計測した両面の塗工厚とする。
【0080】そして、制御部84には、定量ポンプ88のモータ92、定量ポンプ94のモータ98、右移動台64を移動させるためのモータ80及び左ダイ12の回転角度を変えるモータ82と右ダイ14の回転角度を変えるモータ82、インフィードモータ123、アウトフィードモータ134が接続され、それぞれの回転数を制御することができる。
【0081】また、制御部84には、左ダイ12及び右ダイ14にそれぞれ設けられている圧力センサ42,42の信号が入力し、液溜め部22,22の内部圧力を測定している。
【0082】また、テンション測定装置129によってウエブ7の張力を測定している。
【0083】さらに、塗工厚検出装置102,104からの信号によってウエブ7の両面の塗工厚を測定している。
【0084】この制御部84の制御については後から詳しく説明する。
【0085】d.ウエブの搬送状態この塗工装置10によって塗工されるウエブ7は、網状のアルミ製のシートであって、塗工液8としてはリチウムマンガンオキサイトを主成分とするスラリー合材である。このウエブ7にこの塗工液8を塗工するとリチウム電池の電極部材となる。
【0086】ウエブ7の搬送状態について説明する。
【0087】引出しロール3から引出されたウエブ7は、3個の案内ローラ4,4,4を通過して、インフィードローラ122に至る。
【0088】ウエブ7は、インフィードローラ122とニップローラ124の間を通り、案内ローラ126を通過してテンションローラ128に至る。
【0089】ウエブ7はテンションローラ128を通過後に塗工装置10に搬送される。
【0090】塗工後が完了したウエブ7は、乾燥装置5の中を通り塗工液の乾燥を行う。
【0091】塗工液が乾燥したウエブ7は、アウトフィードローラ130とニップローラ132の間を通り、収納ロール6に巻回される。
【0092】ここで、ウエブ7の搬送速度Vは、インフィードモータ123によって決定される。すなわち、ウエブ7をインフィードローラ122とニップローラ124とで挟んで、インフィードローラ122を駆動させることによってウエブ7が搬送速度Vで搬送される。
【0093】アウトフィードローラ130もインフィードローラ122と同じ回転速度で回転さるようにアウトフィードモータ134を制御する。これにより、アウトフィードローラ130とニップローラ132とで挟まれたウエブ7は搬送速度Vで搬送する。
【0094】また、ウエブ7は、網状のアルミ製のシートであるために高い張力をかけると伸びるため、ウエブ7を低い張力で、かつ、一定の張力で搬送する必要がある。そのために、テンションローラ128に設けられたテンション測定装置129でその張力を常に監視し、測定した張力が高くなれば、アウトフィードローラ130の回転速度をインフィードローラ122の回転速度より落として、ウエブ7を撓ませ張力を低くするように、フィードバック制御を行う。
【0095】e.塗工装置の塗工動作の内容(初期状態の設定)この塗工装置10によって塗工されるウエブ7は、網状のアルミ製のシートであって、塗工液8としてはリチウムマンガンオキサイトを主成分とするスラリー合材である。このウエブ7にこの塗工液8を塗工するとリチウム電池の電極部材となる。
【0096】そして、塗工装置10によって両面塗工する前の初期状態の設定方法について説明する。
【0097】ウエブ7が前記したように網状の金属シートであるため、左右一対のダイ12,14は左右対称に設置する必要がある。
【0098】そのために、左ダイ12及び右ダイ14の傾斜角度を、モータ82,82を使用して同じ傾斜角度に設定する。
【0099】また、第2ボルト40を使用して、上部材16と下部材18の突出状態の関係、すなわち間隔AとBの間隔を設定する。この場合に、Bの間隔は塗工するウエブ7の幅になるべく近いように設定すれば、塗工液8の漏れをなくすことができる。
【0100】この場合に、ダイ12,14が左右対称になるように設定する。
【0101】さらに、ダイ12,14の吐出通路26の大きさを、第1ボルト36,36によってそれぞれ調整する。
【0102】これらの調整は、塗工を行う前に試験的に塗工を行って微調整を行う。
【0103】なお、左右一対のダイの先端部の間隔A及びBの間隔を調整する場合には、図9に示すように、上部材16から突出した突出部34の上部にダイヤルゲージ114を配する。この場合の使用方法としては、ダイヤルゲージ114の受手側の装置である固定部材116は左ダイ12の突出部34の上に固定する。一方、数値の計測が可能なダイヤルゲージ114の本体118は、右ダイ14の突出部34の上に配置する。これにより、本体118の先端部である計測部120が固定部材116の受面に接触する位置から、左右一対のダイの間隔を測定する。そして、この間隔を調整する場合には、前記したように右移動台64を移動させることによって調整する。
【0104】(塗工中の状態)次に、塗工装置10によってウエブ7の両面に塗工液8を塗工する場合について説明する。
【0105】ウエブ7を、案内ローラ46を使用して、一対の左右ダイ12,14の間を垂直方向に、下から上に移動するように配置する。
【0106】定量ポンプ88,94から左ダイ12及び右ダイ14の液溜め部22,22に塗工液8を一定量供給する。
【0107】液溜め部22内部の塗工液8は、吐出口30の方向に向かって流れ出す。この場合に液溜め部22は、流入口20から扇状に広がるように形成されているため、吐出口30に至るまで塗工液8は滞留することがなくスムーズに流れる。
【0108】左右一対のダイ12,14の吐出口30,30の付近に塗工液8が吐出されると、ウエブ7に対しその両面から塗工液8が塗工される。
【0109】この塗工状態について図7に基づいて説明する。
【0110】下部材18の先端部24では、ウエブ7に対し塗工圧はかかっていない。一方、上部材12の上縁部30bが曲面形状に形成されているため、ウエブ7に対し次第に塗工圧が高くなり、その先端部28の位置で最大の塗工圧がかかり、吐出口30から吐出された塗工液をウエブ7に塗工すると共に、その塗工面を平滑にする。また、この場合に、上縁部30bが曲面形状に形成されているため、ウエブ7に対し塗工液8がスムーズに流れる。すなわち、この上部材12の上縁部30bから先端部28までの構造が、ドクターエッジとなる。
【0111】また、ウエブ7の搬送方向に沿って吐出通路26が傾斜しているため、塗工液8はウエブ7の搬送方向に沿って流れて上縁部30bの先端部28の方向に流れるため(図7の矢印参照)、その逆方向に位置する下部材18,18の先端部24,24の間から漏れ出ることがない。その上、左側の上部材16と右側の上部材12の間隔Aより左側の下部材18と右側の下部材18の先端部の間隔Bが狭く形成されているため、塗工液8が漏れ出るのを完全に防止できる。
【0112】そして、左右一対のダイ12,14から同じ量の塗工液8が、ウエブ7の両面に塗工されるため、図10に示すように、同じ塗工厚で両面が塗工される。この場合に、図11に示すように、ウエブ7が網状の金属シートであっても、網状によって形成された貫通孔9内部にも同量の塗工液8が含浸され、両面が同じ塗工厚、かつ、同じ位置に塗工される。これにより、リチウム電池の電極部材としては、好適なものとなる。
【0113】また、ウエブ7に継ぎ目がある場合には、右移動台64を移動させて、一対のダイ12,14の間隔を大きくしてやり、この継ぎ目部分がスムーズに一対のダイ12,14の間を走行させるように配慮することができる。
【0114】f.塗工装置の制御方法の内容次に、塗工装置10の2種類の制御方法について説明する。
【0115】(第1の制御方法)本実施例の塗工装置10はダイ12,14から同じ量の塗工液8を圧力をかけつつ噴射してウエブ7に塗工する方法であるため、塗工厚は定量ポンプ88,94の吐出量によって決定される。すなわち、この定量ポンプ88,94の単位時間当たりの吐出量は搬送速度とウエブ7の塗工幅と塗工厚の積、すなわち塗工量の体積によって決定される。
【0116】なお、この場合の塗工厚はウェット状態の塗工厚である。また、単位時間当たりの塗工液8の吐出量は、定量ポンプ88,94の回転数によって決定される。なお、ここで重要なのは、ウエブ7の両面の塗工厚を同じにするために、ダイ12,14から同じ量の塗工液8を噴射する必要があり、そのためには、定量ポンプ88と定量ポンプ94とを同じように動作させて同じ吐出量を吐出することである。
【0117】したがって、定量ポンプ88,94の回転数N(rpm)は、(1)式によって決定される。
【0118】
N=(D×W×V)/(K1×Q) …… (1)
(但し、Dはウエットの塗工厚(mm)、Wは塗工幅(mm)、Vは搬送速度(m/分) 、Qは定量ポンプ88,90の1回転当りの吐出量(cc/REV)、K1は定数である。)
Qは定量ポンプ88,94のポンプ形式が決まれば定数と考えることができるので、(1)式は、N=(D×W×V)/K2 …… (2)
(但し、K2=K1×Qである。)のようになる。
【0119】したがって、ウェットの塗工厚Dと塗工幅Wを制御部84に操作部86を介して数値入力し、ウエブ7の搬送速度VをAD変換器を介して制御部84に入力すれば、制御部84は(2)式によって求めたポンプ回転数Nになるように定量ポンプ88,94の回転用モータ92,98を制御する。
【0120】これにより、搬送速度Vの変化に定量ポンプ88,94の回転数Nが自動的に追従して、搬送速度Vが変化しても常に同じ塗工厚及び同じ塗工幅で塗工液8を塗工することができる。
【0121】(第2の制御方法)塗工作業中には塗工厚や塗工幅の変化は通常行わないため、(2)式における塗工厚Dと塗工幅Wは定数と考えられる。したがって、(2)式は、N=K3×V …… (3)
(但し、K3=D×W/K2 …… (3′)である。)のように表される。
【0122】ところで、上記K3は塗工厚Dを含んでいるが、塗工厚Dは変動する場合があるので、塗工厚検出装置102,104によってそれぞれの面の全塗工幅に対する平均値Dpを測定して、このDpの変動をK3に反映させる必要がある。そのため、K3は、(3′)式とは異なる観点から注目して、すなわち、塗工厚のみから注目すると下記のように与えられる。
【0123】K3=Ds/Dp×K0 …… (4)
(但し、Dsは設定塗工厚及びK0は定数である。)
(4)式で求めた計算を(3)式に代入することにより、設定塗工厚に対応する定量ポンプ88,94の回転数Nが(5)式のようになる。
【0124】
N=(Ds×V×K0)/Dp …… (5)
これにより、搬送速度Vの変化に定量ポンプ88,94の回転数Nが自動的に追従するだけでなく、塗工厚の変化に対しても対応することができるので、常に同じ塗工厚及び塗工幅で塗工液8を塗工することができる。
【0125】以上2つの制御方法によりウエブ7の塗工厚が制御されており、これによりウエブ7の両面に同じ厚さの均一な塗工ができる。
【0126】第2の実施例次に、図12〜図14に基づいて、塗工装置10の第2の実施例について説明する。
【0127】本実施例の塗工装置10はストライプ塗工ができるものであり、第1の実施例の塗工装置10と異なる点は、上部材16と下部材18の間にストライプ塗工用のストライプ塗工部材106を設けた点にある。
【0128】このストライプ塗工部材106は、板状であり、図12に示すようにその平面形状が櫛形となっている。すなわち、幅方向に沿って設けられている基部108より、櫛状に閉塞部110が複数枚突出している。そして、このストライプ塗工部材106を上部材16と下部材18の間に挟み込むようにして固定し、吐出通路26を、閉塞部112の間に複数の吐出空間112を形成する。すなわち、閉塞部110に位置する吐出通路26からは塗工液8が吐出させず、閉塞部110の間の吐出空間112から塗工液8が吐出する。そのため、一対の左右ダイ12,14から吐出される塗工液8は塗工部7aと無塗工部7bとに区別され、この塗工装置10によって塗工されたウエブ7は、図14に示すようにストライプ塗工される。
【0129】変 更 例a.ダイの先端部の形状の変更例図15〜図17に基づいて、上部材16,下部材18の先端部の形状の変更例について説明する。
【0130】図15は第1の変更例であって、下部材18の先端部24が三角形状に尖ったものとなっている。
【0131】図16は下部材18の先端部24の形状が円弧状に形成されたものである。
【0132】図17は上部材16の先端部28に至る形状が、曲面形状でなく、多角形に形成されたものである。
【0133】b.ウエブ7の変更例第1の実施例のリチウム電池の電極部材のウエブ7として網状の金属シートとしたが、これに代えて多孔性の金属シートのものであってもよい。また、金属の種類として銅を用いた場合には、これに塗工するスラリー合材としてはカーボンを主成分とするものが好適である。
【0134】なお、上記実施例では、網状の金属シートをウエブ7として用いたため、左右一対のダイ12,14を左右対称に配置する必要があったが、金属シートにパンチで孔を開けた多孔性の金属シートについても同様に左右対称に設置する必要がある。
【0135】しかし、孔が開口していない通常の布帛等のウエブ7に両面塗工を行う場合には、必ずしも左右対称に設置する必要はない。すなわち、左ダイ12より右ダイ14を多少上方にずらして設置してもよい。
【0136】この場合には、ウエブ7が左右方向に多少ぶれても、どちらか一方のダイ12,14の先端部に接触することがない。
【0137】c.塗工装置の取付け角度の変更例第1の実施例及び第2の実施例においては、ウエブ7を下から上に垂直方向に搬送させる場合について説明したが、これに代えてウエブ7を水平方向に搬送する場合であっても塗工装置10を使用することができる。この場合には、上記で説明した左右一対のダイ12,14を上下方向に配すればよい。
【0138】また、ウエブ7の搬送方向を多少傾斜させても、塗工装置10をその搬送路に対し直交するように配すれば、ウエブ7の搬送路が傾斜していても塗工装置10を使用することができる。
【0139】さらに、本発明の塗工装置であると、ウエブ7を上から下に垂直方向に搬送する場合においても使用することができる。この場合には特に、上から下にウエブ7が搬送するため、塗工液8が搬送方向とは反対、すなわち上方に漏れ出すことが絶対になく、完全な塗工を行うことができる。
【0140】d.その他の変更例上記実施例では、左右一対のダイ12,14の傾斜角度をモータ82,82によって回転させたが、これを手動で行わせてもよい。
【0141】上記実施例では、右移動台64の移動はモータ80によって行ったが、これに代えてネジ棒76をハンドル等の手動で回転させて右移動台64を移動させてもよい。
【0142】
【発明の効果】以上により本発明の両面塗工型塗工装置であると、一対のダイから同じ量の塗工液を吐出してウエブの両面に塗工するため、同じ塗工厚で、かつ、同じ位置に塗工することができる。
【0143】また、一対のダイの間から塗工液が漏れ出ることがない。
【0144】さらに、吐出通路に吐出空間と閉塞空間を交互に設けることにより、ストライプ加工も可能となる。
【0145】また、この両面塗工型塗工装置によって網状の金属シートまたは多孔性の金属シートであるウエブに塗工液を両面から塗工した場合には、これら金属シートにの両面に同じ塗工厚さで、同じ位置に塗工できるため、電池の電極部材として好適なものが製造できる。




 

 


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