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発明の名称 DI缶体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−166083
公開日 平成10年(1998)6月23日
出願番号 特願平8−351989
出願日 平成8年(1996)12月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山口 允彦
発明者 井上 賢一 / 榎木 泰史 / 吉岡 秀一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 絞りしごき成形の後で、更に、缶体を脱脂・洗浄するための工程を含む複数の工程を経て製造されるDI缶体の製造方法において、平坦な缶底部をドーム状に成形するボトム成形を、しごき成形の直後に行うことなく、缶体の脱脂・洗浄よりも後の工程として行うことを特徴とするDI缶体の製造方法。
【請求項2】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後に、缶胴部に装飾や表示のための印刷を施す工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶胴部の印刷工程よりも後の工程として行うことを特徴とする請求項1に記載のDI缶体の製造方法。
【請求項3】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後に、缶底部に塗料を塗装する工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶底部の塗装工程よりも後の工程として行うことを特徴とする請求項1に記載のDI缶体の製造方法。
【請求項4】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後で、ネックやフランジの成形よりも前に、缶体の内面に塗料を塗装するための工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶体内面の塗装工程よりも後の工程として行うことを特徴とする請求項1に記載のDI缶体の製造方法。
【請求項5】 DI缶体の製造方法が、まず、絞りしごき成形に続いて、ネックやフランジを成形する前の缶体の所定の高さよりも、少なくとも、ボトム成形のときに缶胴部が下方に引かれる分より以上高くなるように、缶体の上端部をプレトリミングすると共に、上記のボトム成形の後に、缶体を所定の高さにポストトリミングすることを特徴とする請求項4に記載のDI缶体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミやスチールの金属材料を絞りしごき成形することで缶底部と缶胴部を一体的に成形した、所謂2ピース缶といわれるDI缶体(絞りしごき缶体)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミやスチールの2ピース缶として飲料用に広く使用されている、缶体の底部と胴部が一体的に成形されたDI缶体(絞りしごき缶体)の製造については、従来は、図3および図4に示すように、まず、カップメーカーにより、アルミやスチールの金属板材料をプレス成形による打ち抜き絞りによりカップ状に成形してから、ボディメーカーにより、再絞りとしごきを連続的に行う絞りしごき成形(D1成形)によって缶底部から一体的に缶胴部を引き延ばして成形すると共に、該絞りしごき成形に連続して、缶底部を、略全体が上方に膨出し、周辺部がリング状の脚部となるようなドーム状に成形(ドーミング成形)している。
【0003】すなわち、従来のボディメーカーによるボディ成形では、図5(A)〜(H)に示すように、送給されてきたカップを、パンチの押圧により、一つのリドローダイと複数個のアイアニングダイを有するツールパック内で、該リドローダイとアイアニングダイを通してカップの側壁を連続的に再絞りとしごきをすることで、缶胴部を徐々に引き延ばして所定の高さにすると共に、そのような再絞りとしごき成形のボトム成形段階(G)において、再絞りとしごきのためのパンチの押圧力を利用して、ドーミングステーションの受部の形状に応じて、缶底部をドーミング成形している。
【0004】なお、再絞り成形としごき成形とを別々に行い、しごき成形のためのパンチの押圧力を利用してドーミング成形をするという方法も一部で実施されている。
【0005】次いで、成形された缶体は、トリマーにより、成形品の上端部をトリミングして缶体を所定の高さに揃えてから、続く缶体の脱脂・洗浄工程において、ウォッシャーにより、缶底部が上となるようにネットコンベアー上に倒立させた状態の缶体を集団的に搬送しながら、上方と下方からスプレーで缶体に処理液を噴霧することにより行う、予備水洗い処理−脱脂処理−水洗い処理−化成処理−水洗い処理−純水リンス処理等の処理を、各処理の最後に上方から缶底部に向けて空気を吹き付けることで、缶体の上端凹部(ドーム部)に溜まった処理液を除去(ブローオフ)しつつ、順次行って、絞りしごき成形時にオイル等が付着した缶体の内外面を脱脂・洗浄してから乾燥させている。(各処理液を噴霧する領域のネットコンベアーの下方には、各処理液をそれぞれ貯留する貯留槽が設けられており、各処理液はそれぞれの貯留槽からポンプで汲み上げられて噴霧される。)
【0006】次いで、デコレーターにより、スチール缶で、金属の地肌に影響されずに各インキの色が鮮明に現れるような印刷状態に仕上げたいような場合には、まず、缶胴部の表面を隠蔽するような白色の塗料を塗布(ホワイトコート)してから、また、アルミ缶で、金属の地肌の光沢を利用して簡単に金色や銀色を鮮明に現したいような場合には、そのようなホワイトコートを施すことなく直接的に、何れも、缶胴部の表面に対して装飾や表示のための印刷を行ってから、その外面を保護するための透明塗料の塗装(トップコート)を行っている。
【0007】次いで、アルミ缶では滑性を目的とし、また、スチール缶では滑性と共に防錆を目的として、ボトムコーター(ローラー)により缶底部の接地面に透明塗料を塗装(ボトムコート)してから、次いで、缶体の内面の保護を目的として、インサイドコーター(スプレー)により缶体の内面全体に内面塗料を塗装すると共に、スチール缶については、それと同時に、缶底部の防錆を目的として、ボトムコーター(ローラー)では塗装できなかった缶底部およびその近傍に対して、更に、スプレーにより透明塗料を塗装している。
【0008】そして、次の工程でネッカーおよびフランジャーにより、ネックとフランジの成形加工を行うことにより、DI缶体の製造は一応終了するが、スチール缶については、缶内容液が金属露出部と接触するのを完全に防止するために、該ネックとフランジの成形後、更に、インサイドコーター(スプレー)により缶体の内面全体を再塗装している。
【0009】なお、上記の製造工程において、印刷や塗装の工程の後には、次の工程に至るまでの間に、オーブン内を通過させて焼付や乾燥を行うような工程が設けられている。
【0010】一方、ビール用や炭酸飲料用のような内圧の高い飲料容器においてDI缶体が多く使用されている反面、金属材料を節約するためにDI缶体の薄肉化が進められていることと関連して、DI缶体の底部を、内圧によりドーム形状の反転を招くようなものとしないために、上記のようなDI缶体の製造方法において、絞りしごき成形に連続してドーム状に成形した缶底部の形状を、更に、その後の工程において、耐内圧強度の高いものに再成形するということも従来公知となっている。(特開平4−41031号公報)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような従来のDI缶体の製造方法においては、何れにしても、カップメーカーにより所定の内径に成形したカップを、ボディメーカーにより再絞り成形としごき成形する段階で、図5(G)に示すように、しごき成形に連続して、ドーミングステーションで缶底部(ボトム)の形状も一緒にドーミング成形しているため、当該工程における騒音,振動,機械の摩耗などがより大きなものとなっている。
【0012】また、その後に行われる缶体の脱脂・洗浄工程では、缶底部がドーム状に成形された缶体について、ネットコンベアー上に該缶体を倒立させた状態で搬送しながら脱脂・洗浄における各処理を施すため、缶体上端(缶底部)の凹部(ドーム部)内に処理液が溜まることとなり、それに対して、各処理の最後に、この凹部に上方から空気を吹き付けることで溜まった処理液を吹き飛ばして除去する(ブローオフ)ということを行っている。
【0013】しかしながら、ブローオフするときの空気の圧力が弱いと、凹部内(缶底部の外面)に処理液が残留して、次の処理液噴霧工程にまでその処理液を持ち越すこととなり、次の工程の処理液を薄めたり、汚染したりするし、また、余分な化成液が付着したままだとそれが乾燥して白いシミとなる(白化現象)ために、外見上見苦しいものになるだけでなく、後工程で塗装される塗膜との密着性も悪くなる。
【0014】一方、ブローオフするときに空気の圧力が強すぎると、缶体の転倒を招くこととなって、製造ラインを流れる缶体のスムーズな運行が阻害されたり、缶体の洗浄不良や化成処理不良が発生するというような問題を生じる。(洗浄不良缶および化成処理不良缶は、塗料や印刷インキとの密着性が悪く、施された塗膜やインキが剥離し易い。)
【0015】また、上記のような従来の製造方法により製造されたDI缶体では、特に、アルミ缶において、その地肌の金属光沢を利用した金色や銀色を文字や図柄に使用したいようなときには、缶胴部の表面にホワイトコートを施すことなく、直接に装飾のための印刷を行っている。
【0016】そのようなアルミ缶においては、脱脂・洗浄工程およびその後の乾燥工程で缶体同士が接触し、押し合いながら搬送されるため、その際に擦られた跡が、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、印刷された色が薄汚れたような色調(アブレージョン)として現れて、外観を損なうというような問題を生じる。
【0017】すなわち、絞りしごき成形により底部と胴部を一体的に成形した缶体では、しごき成形用のパンチの先端部に付与された先細り状のエントリーアングルのため、底部付近の胴部壁は厚く、胴部中央の壁は薄く加工される。このため、缶体がパンチから取り外されると、大きな加工歪みが残っている胴部中央付近では他の部分よりもバックリングが大きくなるので、この部分の直径は底部付近の直径よりも小さくなるという現象が起こる。
【0018】その後、缶体の脱脂・洗浄工程で集団的に缶体が搬送されるときに、缶胴部で直径が僅かに大きい下端部付近同士が互いに接触して擦れ、それによって、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、非常に細かな擦り傷が無数に発生するが、そのような擦り傷は、金属の地肌そのままでは殆ど目立たないものの、その上に直接印刷で着色を施したときに、上記のような薄汚れたような色調(アブレージョン)として現れることとなる。
【0019】また、上記のような従来のDI缶体の製造方法では、周辺部が脚部となるようにドーム状に成形された状態の缶底部の外面に対して、ボトムコーター(塗装ローラー)により外面塗料を塗装(ボトムコート)することとなるため、ドーム部の周辺で接地面となるリング状脚部の先端(下端)付近にしか塗料を塗装することができない。
【0020】そのため、接地面の滑性を良くするために外面塗料を塗装するアルミ缶の場合はともかく、缶底部全体の防錆をも目的として外面塗料を塗装するスチール缶の場合には、さらに、インサイドコーターによる缶体の内面塗装工程で、同時に、別途のスプレーにより缶底部の外面全体に渡る塗装を再度行わなければならないという問題がある。
【0021】さらに、上記のような従来のDI缶体の製造方法では、缶体の内面に対してインサイドコーター(スプレー)により内面塗料を塗装(インナーコート)する工程において、缶底部内面の周辺部が脚部となるようなドーム状の複雑な凹凸を有する形状となっているため、インサイドコーター(スプレー)による内面塗料の塗装(インナーコート)を、該缶底部の内面全体に渡って均一に行うということが困難なものとなっている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、絞りしごき成形の後で、更に、缶体を脱脂・洗浄するための工程を含む複数の工程を経て製造されるDI缶体の製造方法において、平坦な缶底部をドーム状に成形するボトム成形を、しごき成形の直後に行うことなく、缶体の脱脂・洗浄よりも後の工程として行うことを特徴とするものである。
【0023】また、上記の請求項1に記載したDI缶体の製造方法において、上記の請求項2に記載したように、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後に、缶胴部に装飾や表示のための印刷を施す工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶胴部の印刷工程よりも後の工程として行うことを特徴とするものである。
【0024】また、上記の請求項1に記載したDI缶体の製造方法において、上記の請求項3に記載したように、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後に、缶底部に塗料を塗装する工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶底部の塗装工程よりも後の工程として行うことを特徴とするものである。
【0025】また、上記の請求項1に記載したDI缶体の製造方法において、上記の請求項4に記載したように、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後で、ネックやフランジの成形よりも前に、缶体の内面に塗料を塗装するための工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶体内面の塗装工程よりも後の工程として行うことを特徴とするものである。
【0026】さらに、上記の請求項4に記載したDI缶体の製造方法において、上記の請求項5に記載したように、DI缶体の製造方法が、まず、絞りしごき成形に続いて、ネックやフランジを成形する前の缶体の所定の高さよりも、少なくとも、ボトム成形のときに缶胴部が下方に引かれる分より以上高くなるように、缶体の上端部をプレトリミングすると共に、上記のボトム成形の後に、缶体を所定の高さにトリミングすることを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のDI缶体の製造方法の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】図1および図2は、本発明の一実施形態に係るDI缶体の製造工程を示すもので、本実施形態では、まず、カップメーカーにより、アルミやスチールの金属板材料をプレス成形によって打ち抜き絞りでカップに成形してから、ボディメーカーにより、再絞りとしごきを連続的に行う絞りしごき成形(D1成形)を行って、カップの側壁を薄く所定の高さに引き延ばし、缶底部と缶胴部が一体的に形成されたボディ(缶体)に成形する。
【0029】なお、本実施形態では、一つの装置であるボディメーカーにより、再絞り成形としごき成形の両方を行っているが、再絞り成形としごき成形は別々の装置で行っても良い。
【0030】何れにしても、成形された缶体(ボディ)では、缶底部(ボトム)は平坦な形状のままであって、従来のように、再絞りしごき成形(又はしごき成形)の際に缶底部がドーミング成形されるようなことはない。
【0031】このボディメーカーによる再絞りしごき成形に続いて、本実施形態では、プレトリマーにより、最終的にネックやフランジ成形される前の缶体の所定の高さよりも、少なくとも、後の工程で行われるボトム成形(ドーミング成形)のときに缶胴部が下方に引かれる分より以上高くなるように、絞りしごき成形品の上端部がプレトリミングされて、各缶体の高さが揃えられる。
【0032】なお、ボトム成形を行っても、缶底部から開口上端部までの高さが缶胴部の円周方向で異なることがないような缶材料の場合には、このプレトリミングを行うだけで、後述するようなポストトリミングを行う必要はない。(ボトム成形時の引き込み量を勘案してトリミング位置を決めれば良く、ボトム成形後のトリミングは必要ない。)
【0033】次いで、缶体の脱脂・洗浄工程において、ウォッシャーにより、缶底部が上となるようネットコンベアー上に倒立させた状態の缶体を、該ネットコンベアーにより集団的に搬送しながら、上方と下方からスプレーで缶体に処理液を噴霧することによって、予備水洗い処理−脱脂処理−水洗い処理−化成処理−水洗い処理−純水リンス処理等の各処理を、ブローオフをすることなく、順次行って、缶体の内外面を脱脂・洗浄してから乾燥させる。
【0034】なお、本実施形態では、ブローオフを省略しているが、処理液の使用量節減の観点からは、缶底部が平坦であっても処理液は付着しているので、弱い空気圧のブローオフを行うことが望ましい。
【0035】次いで、デコレーターにより、本実施形態では、スチール缶については、缶胴部の表面を隠蔽するような白色塗料を塗装(ホワイトコート)してから、また、アルミ缶については、そのようなホワイトコートを施すことなく直接的に、何れも、缶胴部の表面に装飾や表示のための印刷を行ってから、その外面を保護するための塗装(トップコート)を行う。
【0036】次いで、缶底部の塗装(ボトムコート)工程において、ボトムコーター(ローラー)により、平坦な形状の缶底部の外面に対して全面的に外面塗料を塗装してから、さらに、缶体内面の塗装(インナーコート)工程において、インサイドコーター(スプレー)により、缶体の内面全体に対して内面塗料を塗装すると共に、それと同時に、スチール缶については、缶底部の外面の防錆を完全なものとするために、必要に応じて、缶胴部と缶底部の境目付近の外面に対して、更にスプレーにより外面塗料を塗装する。
【0037】次いで、缶底部を成形(ボトム成形)する工程において、ドーマーにより、平坦な缶底部を、プレス成形で、ドーム部の周辺をリング状の脚部としたドーム状にドーミング成形(ボトム成形)してから、本実施形態では、次の工程で、ポストトリマーにより、既にプレトリミングされている缶体に対して、更に、ネックやフランジを成形する前の缶体の所定の高さにポストトリミングする。(なお、ドーミング成形後の缶底部から開口上端部までの高さが缶胴部の円周方向で異なることがないような缶材料の場合に、このポストトリミングを省略することができるのは、前述した通りである。)
【0038】そして、最後に、ネッカーおよびフランジャーにより、ネックとフランジの成形を行って、DI缶体の製造工程を終了する。
【0039】なお、上記の製造工程において、印刷や塗装の工程の後には、次の工程に至るまでの間に、オーブン内を通過させて焼付や乾燥を行うような工程が設けられており、また、スチール缶については、ネックとフランジの成形後、必要に応じて、缶体内面の塗膜を更に強化して防錆効果を向上させるために、更に、インサイドコーター(スプレー)により缶体の内面全体を再塗装する工程を設けることがある。
【0040】以上に述べたような製造工程による本実施形態のDI缶体の製造方法によれば、しごき成形直後の段階では、缶底部はドーム状に成形(ドーミング成形)されず、その後に行われる缶体の脱脂・洗浄工程では、缶底部は平坦な形状のままであって、倒立させた缶体の上端(缶底部)に処理液が溜まり難いため、ブローオフを弱くしても、あるいは、ブローオフを全く行わなくても、平坦な缶底部から処理液を簡単に除去することができる。
【0041】したがって、脱脂処理での脱脂液を缶体に付着させたまま水洗い処理用の水を噴霧することによって起きる貯留槽中の水洗い用の水の汚染や、水を付着させたままの缶体に化成処理用の化成液を噴霧することによって起きる缶体表面に付着した化成液の希釈および貯留槽中の化成液の希釈などが軽減され、その結果、処理液の使用量を節減することができる。また、乾燥工程に送られてくる缶体は、水の付着量が少ないので、乾燥に要する熱エネルギーが少なくて済む。
【0042】さらに、化成液が缶底部に残留して白化現象を起こすことにより缶底部が外見上見苦しいものになるというようなことがないと共に、ブローオフを弱くすることができ、あるいは、ブローオフを全く不要とすることができて、ブローオフによる缶体の転倒により、製造ラインのスムーズな運行が阻害されたり、洗浄不良缶や化成処理不良缶が発生するというようなこともない。
【0043】また、ボディメーカーで再絞りしごき成形(又はしごき成形)によりボディ成形する段階で、しごき成形の直後に、連続してドーミングステーションで缶底部のドーミング成形(ボトム成形)を行わないため、その分だけボディメーカーにおける騒音,振動を軽減することができると共に、ボディメーカーにおける部品の損傷も軽減することができる。
【0044】また、特に、アルミ缶において、その地肌の金属光沢を生かして金色や銀色等の金属色の装飾模様を印刷するために、缶胴部の表面にホワイトコートを施すことなく、直接に装飾のための印刷を行うような場合に、従来のDI缶体の製造方法では、既に述べたような理由により、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、印刷された色が若干薄汚れたような色調(アブレージョン)として現れる。
【0045】しかしながら、本実施形態の製造方法によれば、上記の印刷工程の後で、缶底部の成形(ボトム成形)工程において、ドーマーによりプレス成形で平坦な缶底部がドーミング成形される際に、缶胴部全体が下方に引かれて、上記のアブレージョンの部分が、缶底部の方に移動するため、当該部分が外見上目立たないようなものとなる。
【0046】また、本実施形態の製造方法では、缶底部の塗装(ボトムコート)工程において、缶底部はドーム状に成形されておらず、平坦な形状のままであるため、ボトムコーター(ローラー)により、缶底部の外面全体に外面塗料を簡単且つ均一に塗装することができて、スチール缶の場合についても、その後の工程で、周辺部を除く缶底部の外面全体に対する別途スプレーによる塗装を不要なものとすることができる。
【0047】また、本実施形態の製造方法では、缶体内面の塗装(インナーコート)が行われる工程においても、缶底部はドーム状に成形されておらず、平坦な形状のままであるため、そのような平坦な缶底部の内面に対して、インサイドコーター(スプレー)による内面塗料の塗装を容易にムラなく均一に行うことができる。
【0048】しかも、本実施形態の製造方法では、缶底部外面と缶体内面全体にそれぞれ塗料が均一に塗装(ボトムコートとインナーコート)された後で、ドーマーによるプレス成形で、缶体の平坦な底部をドーミング成形(ボトム成形)することから、再絞りしごき成形又はしごき成形の直後の段階で缶底部をドーミング成形(ボトム成形)する場合と比べて、缶体の内面と外面に塗布されている塗膜が、潤滑材となり補強材となって、所謂ボトム割れの発生を減少させることができる。
【0049】また、本実施形態の製造方法では、再絞りしごき成形によるボディ成形に続いて、まず、ネックやフランジを成形する前の缶体の所定の高さよりも、少なくとも、ドーミング成形(ボトム成形)の際に缶胴部が下方に引かれる分より以上に高くなるように、缶体の上端部をプレトリミングしてから、缶底部のドーミング成形(ボトム成形)の後で、缶体を所定の高さにポストトリミングしている。
【0050】そのため、缶体の内面に対してインサイドコーター(スプレー)により内面塗料を塗装(インナーコート)する工程において、余分な塗料が機外に激しく飛び散るようなオーバースプレー状態で缶体の上端近傍を完全に塗装しなくても、該インサイドコーターによる缶体の内面塗装の後で、缶体の上端近傍をトリミングしてしまうため、結果的には、該ポストトリミング後の缶体の上端近傍は、均一厚の塗膜に仕上がった状態となる。
【0051】以上、本発明のDI缶体の製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に示したような具体的な製造工程にのみ限定されるものでなく、例えば、ドーミング成形によるボトム成形工程を、缶体の脱脂・洗浄よりも後でさえあれば、缶底部の塗装工程よりも前としたり、缶体内面の塗装工程よりも前として実施することも可能であり、また、缶底部の塗装工程と缶体内面の塗装工程の順序を変更して実施することも可能である等、特許請求の範囲の請求項1に記載された限りにおいて、適宜設計変更可能なものであることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したような本発明のDI缶体の製造方法によれば、缶体の脱脂・洗浄工程で、倒立させた缶体の上端(缶底部)に処理液が溜まり難く、また缶底部から処理液を簡単に除去することができるため、処理液の使用量を節減することができると共に、脱脂・洗浄工程後の乾燥に要する熱エネルギーの消費量を節減することができ、更に、化成液が缶底部に残留して白化現象を起こすことや、缶体と塗膜との密着性が低下して塗膜が剥離し易くなることなどを防止することができる。
【0053】また、処理液を除去するためのブローオフを弱くすることができ、あるいは、ブローオフを全く不要とすることができて、ブローオフに起因する缶体の転倒を招くようなこともなく、製造ラインの缶体をスムーズに運行させることができ、缶体の転倒に起因する洗浄不良缶や化成処理不良缶の発生を防止することができる。
【0054】さらに、再絞りとしごき成形によりボディ成形する段階で、しごき成形の直後に、連続して缶底部のドーミング成形(ボトム成形)を行わないため、その分だけ当該工程での騒音,振動を軽減することができると共に、当該工程における部品の損傷も軽減することができる。
【0055】なお、上記の請求項2に記載した製造方法によれば、アルミ缶において、缶胴部の表面にホワイトコートを施すことなく、直接に装飾のための印刷を行うような場合に、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って現れるアブレージョン(薄汚れたような色調の部分)を、缶底部の方に移動させて、当該部分を外見上目立たないようにすることができる。
【0056】また、上記の請求項3に記載した製造方法によれば、ボトムコーターにより缶底部の外面全体に塗料を簡単に均一厚に塗装することができて、スチール缶の場合についても、その後の工程で、周辺部を除く缶底部の外面に対して別途スプレーにより塗装するようなことが不要となる。
【0057】また、上記の請求項4に記載した製造方法によれば、缶体の底部内面に対して、インサイドコーターによる塗装を容易にムラなく均一厚に行うことができると共に、缶底部の内面に塗料が均一厚に塗装された後で、ボトム成形が行われることから、該塗膜が潤滑材となり補強材となって、所謂ボトム割れの発生を減少させることができる。
【0058】さらに、上記の請求項5に記載した製造方法によれば、缶体の内面に対してインサイドコーターにより塗料を塗装する際に、余分な塗料が機外に激しく飛び散るようなオーバースプレー状態で缶体の上端近傍を完全に塗装しなくても、結果的には、ポストトリミングした後の缶体の上端近傍の塗膜が、均一厚な塗装状態に仕上がったものとなる。




 

 


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