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発明の名称 胴部に凹凸模様をもつ変形金属缶の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−128476
公開日 平成10年(1998)5月19日
出願番号 特願平8−297750
出願日 平成8年(1996)10月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 丈夫
発明者 榎木 泰史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 円筒状金属缶の胴部に、その半径方向に突出した凸部と凹んだ凹部とをもつ変形金属缶の製造方法であって、前記胴部の一部を除いた内面にその中心軸線を中心にした放射方向に押圧力を掛けて半径方向外方に突出させる膨出加工を施し、しかる後、前記胴部の膨出加工された部分の内面側に外方への押圧力を付加しながら、この押圧力を付加していない箇所であって、しかも前記放射方向に押圧力を掛けていない箇所の少なくとも一部に、前記胴部の内側に向けた押圧力を作用させて胴部の内側に向けた変形を生じさせる押し込み加工を施すことを特徴とする胴部に凹凸模様をもつ変形金属缶の製造方法。
【請求項2】 円筒状金属缶の胴部に、その半径方向に突出した凸部と凹んだ凹部とをもつ変形金属缶を製造する方法であって、少なくともネックイン加工の施された円筒状金属缶の缶胴を、その内部に挿入した拡径部材を缶胴の半径方向外方に移動させて拡径させることにより、缶胴面に凸部を形成し、ついで拡径部材による押圧力を受けていない缶胴部分の外面に押し込み成形部材を押し当てることによって、缶胴面に凹部を形成することを特徴とする胴部に凹凸模様をもつ変形金属缶の製造方法。
【請求項3】 缶胴面に前記凸部を形成した後、前記拡径部材を缶胴の半径方向内方に僅かに移動させて缶胴に対する押圧力を低下させ、しかる後、前記凹部を形成することを特徴とする請求項2に記載の胴部に凹凸模様をもつ変形金属缶の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、缶胴面に凹凸模様を施した金属缶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料缶においては、電解クロム酸処理鋼板や各種表面処理鋼板を用いて、四角い薄板(ブランク)を作り、これを丸めて、半田付けや、溶接および接着により胴部を形成し、その胴部の両端部に蓋を巻き締めたスリーピース缶と、錫メッキ鋼板やアルミニウム合金板を有底円筒状に深絞り加工して胴部を形成した深絞り缶、深絞り加工後にさらにしごき加工して胴部を形成した絞りしごき缶に代表されるツーピース缶が一般に製造されている。そして、これらの飲料缶は、ほぼ同一の形状であるため、大量にかつ安価に生産することができる。しかしながら、その反面、これらの容器は形状等の点で個性がなく、商品自体を形状により容易に区別することができなかった。
【0003】金属缶は上述のように大量生産が容易で安価であるから、飲料容器としてこれに替わるものが現在では見当たらず、そのため、商品の個別化や差別化を目的として、個性的な形状で、しかも安価な缶が、飲料缶に飲料を充填して販売するメーカーより要求されているのが実情である。
【0004】この種の要求に応えるべく、缶メーカーで改善検討が進められており、個別化や差別化を図れる缶胴部の成形方法が提案されている。その一例として、エキスパンド金型を使った膨出加工(バルジ加工)が知られている。
【0005】具体的には、一例として、特開昭49−28492号公報に開示された製造方法がある。この特開昭49−28492号公報には、円周方向に複数の凹部を配したゴム円筒の内部より、分割金型でエキスパンド成形を行い、缶に剛性のある模様を施す製造方法が記載されている。そして、この成形方法によって、絞りしごき加工のような苛酷な加工を経ていないスリーピース缶の缶胴であれば、素材そのものが未だ充分な伸びを有するので、大きな膨出量が確保でき、その結果、缶胴面に凹凸面を形成することができるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の製造方法によれば、スリーピース缶の缶胴の場合には、素材そのものが未だ充分な伸びを有するので、大きな膨出量が確保できるが、絞りしごき加工のような苛酷な加工を経ている絞りしごき缶の場合には、素材そのものがもはや充分な伸びを保有しないので、大きな膨出量を確保することができず、膨出することによって得た模様がぼけて凹凸感がでないことがあった。
【0007】具体的には、スリーピース缶等に比べ絞りしごき缶はしごき限界までしごき加工され、壁厚を薄くされており、缶胴は、加工硬化と大きな残留応力により、材料の伸びが極端に減少してしまっている。このため、従来の方法では、絞りしごき缶の場合、所望の凹凸模様を得る前に、缶胴部に破断が生じることがあった。すなわち、凹凸模様は、その高低差((最大膨出径−元の缶胴径)/2)が大きいほど鮮明になるので、膨出量を大きくすると、材料の伸びの限度を越えてしまい、缶胴部に破断が生じる。
【0008】また、そこで缶胴部の破断が生じないように、膨出加工量を減らして成形するか、膨出加工前に焼鈍処理を行い残留応力を取り除き、材料の伸びを回復させて膨出加工が行われることになるが、下記の点で不都合が生じる問題があった。
【0009】すなわち膨出加工量を減らし膨出加工すれば、凹凸の高低差が小さく個性的なデザイン面が得られないという不都合があった。また一方、絞りしごき缶を焼鈍すると缶強度や耐圧力が減少し、缶のネックイン加工力や、缶蓋巻き締め時のリフター圧力により、缶胴部が座屈したり、あるいは、缶に飲料を充填し密封した後に缶内圧により缶底がバックリングするという不都合があった。また、これらの不都合を解消するために、缶胴部の壁厚を厚くして強度不足を補おうとすれば、材料が余分に必要となるため、材料コストが高くなり、不経済となってしまう不都合があった。
【0010】さらに、一方、スリーピース缶の缶胴の場合も不都合が生じていた。すなわちスリーピース缶では、素材そのものが未だ充分な伸びを有しているので大きな膨出量が確保できるものの、膨出部分で囲まれた凹部が、その周囲の膨出により材料を引き摺られるため、ある程度膨出してしまい、そのため膨出部の輪郭形状が鮮明には出ずに、所望の凹凸高低差が得られず、ぼやけた感じの形状になってしまう不都合があった。
【0011】また、上述した特開昭49−28492号公報の製造方法の場合について述べると、この方法は、円周方向に複数の凹部を配したゴム円筒の内部より、分割金型でエキスパンド成形を行い、缶に剛性のある模様を製造する方法であるが、前記凹部に対応する缶胴面は各凹部に隣接する膨出部の影響で膨出し、缶胴面に鮮明な窪みを得ることができないという問題があり、隣接する膨出部の距離が近いほど、鮮明な窪みが得られず鮮明な隆起形状を形成することができないとともに、高い剛性を持つビード形状を作ることができない不都合があった。
【0012】さらに、従来、絞りしごき缶に着目した成形方法として他に、特開昭60−75559号公報の製造方法、すなわちアルミニウム合金板製の絞りしごき缶を熱処理し、機械的伸び率を改善してエキスパンド成形量を増大させる方法が開発されているが、この場合、膨張加工工程だけでなく、特別の熱処理工程も追加する必要があるので、加工コストが増加するという問題があった。
【0013】したがって、以上の理由から、従来、絞り加工およびしごき加工缶についての膨出加工は、ほとんど実施されておらず、スリーピース缶にあっても特定デザイン、例えば、樽形状等の凹部を強調する必要のないデザインでしか利用されていないのが現状である。
【0014】この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、缶胴に個性的な変形模様を施すことのできるとともに、深絞り加工された表面処理鋼板やアルミニウム合金板製のツーピース缶や絞りしごき加工されたアルミニウム合金板製のツーピース缶等の伸びが減少した缶胴部に対しても、焼鈍等の熱処理を行わずに、凹凸の高低差が大きな模様を施すことができる製造方法を提供するを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、円筒状金属缶の胴部に、その半径方向に突出した凸部と凹んだ凹部とをもつ変形金属缶の製造方法であって、前記胴部の一部を除いた内面にその中心軸線を中心にした放射方向に押圧力を掛けて半径方向外方に突出させる膨出加工を施し、しかる後、前記胴部の膨出加工された部分の内面側に外方への押圧力を付加しながら、この押圧力を付加していない箇所であって、しかも前記放射方向の押圧力を掛けていない箇所の少なくとも一部に、前記胴部の内側に向けた押圧力を作用させて胴部の内側に向けた変形を生じさせる押し込み加工を施すことを特徴とする方法である。
【0016】したがって請求項1の発明の製造方法によれば、まず、缶胴部の内面の所定箇所に、缶の中心軸線を中心に放射方向に向けて押圧力を掛けて、缶胴面を半径方向で外方に突出させて缶を拡径させること、すなわち缶に膨出加工を施す。なお、その場合、前記所定箇所に対応しない缶胴面では、所定箇所の膨出に伴って缶の半径方向に膨出されることになるものの、その部分においては膨出に反発するように膨出成形前の形状に戻ろうとする残留応力が作用することになるので、缶胴面はその部分で平坦部分か断面U字形の輪郭のはっきりしない浅い窪み部になる。この平坦部分と膨出部分との境界部分は鮮明に現れずに、缶胴面は全体的に一連のぼやけた曲面に形成される。その後、膨出部の内面側を押圧しながら缶胴面において前記放射方向の押圧力を掛けていない箇所の少なくとも一部に、缶胴面の外側から内側に向けた押圧力を作用させて缶胴面の内側に向けた変形を施して押し込み成形を施す。つまり、この請求項1の発明の製造方法によれば、膨出加工時において、缶胴部の内面の所定の部分のみに押圧力を掛けて膨出加工した後、膨出加工時に押圧力を掛けなかった部分すなわち膨出成形前の形状に戻ろうとする残留応力が作用する部分に、缶胴部の外側から内側に向って押し込み加工を施すので、缶材に対して苛酷な成形加工とならず、しかも膨出部分を裏面側から支持しつつ押し込み加工をするので、膨出成形時に缶胴面に形成された窪み部と膨出部との境界部分がはっきりと形成され、缶胴面に鮮明な隆起形状が成形される。
【0017】また請求項2の発明は、円筒状金属缶の胴部に、その半径方向に突出した凸部と凹んだ凹部とをもつ変形金属缶を製造する方法であって、少なくともネックイン加工の施された円筒状金属缶の缶胴を、その内部に挿入した拡径部材を缶胴の半径方向外方に移動させて拡径させることにより、缶胴面に凸部を形成し、ついで拡径部材による押圧力を受けていない缶胴部分の外面に押し込み成形部材を押し当てることによって、缶胴面に凹部を成形することを特徴とする方法である。
【0018】したがって請求項2の発明の製造方法によれば、まず、少なくともネックイン加工の施された缶の内部に拡径部材を挿入する。そして、その拡径部材を拡径させて、拡径部材の外周面を缶胴内面の所要部分のみに押圧して、缶を拡径させることにより缶胴面に凸部を形成する。その場合、拡径部材の前記所要部分以外の部分は缶内面に当接しないが、缶胴面においては隣接する膨出部の影響で拡径部材の非接触箇所においても缶半径方向に膨出することになるため、缶胴面には鮮明な隆起形状は成形されず、缶胴面の拡径部材との非接触部分に僅かな窪み部を生じるのみで、缶胴面を形成する材料は全体的に一連のぼやけた曲面を形成することになる。その後、拡径部材によって缶を内面から支持した状態すなわち拡径した状態のまま、缶胴外面の拡径部材による押圧力を受けていない部分すなわち缶胴面の前記僅かな窪み部に、缶胴外面から押し込み成形部材を押し当てて、缶胴面に凹部を形成する。すなわち、缶内部に挿入した拡径部材の缶胴面に接触していない箇所に生じた缶胴面の窪み部に、缶胴の外側から、押し込み成形部材を押し当てることによって、缶内側に配置した拡径部材と缶外側に配置した押し込み成形部材との間に、缶胴面の窪み部と膨出部とがそれぞれ対応して挟み込まれる格好となる。その結果、膨出成形時に缶胴面に形成された窪み部と膨出部との境界部分が鮮明に形成され、缶胴面に鮮明な隆起形状が成形される。すなわち、缶胴面に個性的な変形模様が施されるとともに、凹凸の高低差の大きな模様が施される。
【0019】さらに請求項3の発明は、缶胴面に前記凸部を形成した後、前記拡径部材を缶胴の半径方向で内側に僅かに移動させて缶胴に対する押圧力を低下させ、しかる後、前記凹部を形成することを特徴とする方法である。
【0020】したがって、請求項3の発明の製造方法によれば、凹部を形成する前段で、膨出時の拡径部材の拡径幅が縮小されて、すなわち拡径部材を缶胴の半径方向で内側に僅かに移動させて、缶胴に対する押圧力を低下させ、押圧力を掛けていない箇所の引張り応力を減少させるとともに凸部からの材料流入をしやすくさせるので、例えば、絞りしごき缶のように缶材の伸びが極端に少なく膨出量の少ない缶に対しても凹部形成時に缶胴部に破断を生じることなく、所望の凹凸模様を得ることができる。すなわち、凹部を形成する前段で、缶種に対応して拡径幅を縮小させることによって、多種類の缶に対応でき、その缶胴に個性的な変形模様を施すことができる。そして、例えば、絞りしごき加工されたアルミニウム合金板製の絞りしごき缶や深絞り加工された表面処理鋼板製およびアルミニウム合金板製の深絞り缶のようなツーピース缶等の伸びが減少した素材胴部に対しても、焼鈍等の熱処理を行わずに、凹凸の高低差が大きな模様を施すことができ、個性的なデザイン面が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明を詳細に説明する。まず、この発明の製造方法で使用される缶は、スリーピース缶およびツーピース缶のどちらでもよい。さらに使用される缶材は特に限定するものではなく、Snメッキ、Niメッキ、Sn/Niメッキのそれぞれメッキ層の上に、化成処理を施した、メッキ鋼板や、電解クロム酸処理鋼板等の各種表面処理鋼板、その他に表面処理鋼板に合成樹脂を被覆したフイルムラミネート鋼板、また化成処理をしたアルミニウム合金板を使用することができる。
【0022】なお、凹凸のある缶胴部に印刷するのは困難であるから、膨出加工前に缶胴部外面に予め印刷しておくことが好ましい。また印刷済みの熱可塑性の合成フイルムを缶胴部外面に貼着する場合には、膨出加工後の凹凸のある缶胴部に合成樹脂フイルムを貼着しにくいので膨出加工前に貼着しておくことが望ましい。いずれにせよ押し込み成形部材により、缶外側より押し込み成形するので、金型等を押し込み成形部材として採用した場合、その押し込み成形部材と缶との金属面が直接接触することは好ましくなく、こういった観点からも膨出加工前の缶胴部は、塗膜が形成され、または合成樹脂フイルムが貼着されていることが好ましい。
【0023】また、シームレス缶の缶胴部を膨出加工する場合、缶の開口部の材料が引き込まれるが、その引き込まれ量が缶の円周方向で不均一である(金属板の圧延方向の伸び率と、圧延方向に対し45°の方向の伸び率が不均一である)ことに起因して缶の高さにバラツキが生じることを防止するために、膨出加工前に開口部を加工硬化させることが好ましく、少なくともネックイン加工を施すことが好ましい。なお、フランジ加工については膨出加工の前後で特に差異は生じないので、膨出加工の前後どちらで加工を行っても良い。
【0024】さらに、ネックイン加工の際にノックアウトパンチが缶内に挿入されるが、ノックアウトパンチと缶との金属素地が直接に接触しないように、缶内面に予め塗料を塗布しておくか、あるいは、原材料の板に予め熱可塑性の溶融樹脂を押し出し塗布しておくか、または樹脂フイルムを貼着しておき、それらの板で缶胴を成形することにより、缶内面を合成樹脂フイルムで被覆しておくのが望ましい。
【0025】缶内部に挿入する拡径部材としては、所要の凹凸面を有するとともに、拡径する部材であればよく、一例として、後述するような分割金型や所定の穴が開けられたゴム型等を採用することができる。またその凹凸形状も任意に設定できる。すなわち拡径時に所要部分のみが缶内面と接触し、非接触部分と後述する押し込み成形部材の凸部に対応するよう形成された部材を採用することができる。なお、この拡径部材は回転自在に配置するようにする。
【0026】また、押し込み成形部材としては、前記拡径部材の凹凸面に対応する凹凸面が形成された部材であればよく、一例として、円弧状あるいは平面状などのの板材で缶との接触面に前記凹凸面が形成されたものや、前記拡径部材と相対的に回転するよう構成されたロールで、その外周面に凹凸面が形成されたものなどを採用することができる。
【0027】なお、この押し込み成形方法としては、例えば、押し込み成形部材として、前記円弧状もしくは平面状の板材を採用し、固定された板材の凹凸面に、拡径部材に挿着された缶を押圧するとともに、その缶を板材に沿って転動させる方法もしくは板材を缶外面に押圧した状態で缶胴の接線方向に移動させて相対的に缶を回転させる方法、あるいは、押し込み成形部材として前記ロールを採用し、ロールに拡径部材に挿着された缶の胴面を押圧するとともにロールと拡径部材とを相対的に回転させる方法など、適宜手段によって形成することができる。
【0028】次に、この発明の実施例を図面に基づき具体的に説明する。この実施例にあっては、アルミニウム合金3004−H191の板厚0.3mm材を用いて、絞りしごき加工し、缶胴径φ62.5mm、缶高134mm、胴部厚0.155mmのツーピース缶を作成し、缶外面に印刷・塗装を施し250℃で6秒乾燥させた後、缶内面に、エポキシーフェノール系塗料をスプレー塗装し、230℃で60秒間乾燥させ、その後、図1に示すように、ネックイン加工およびフランジ加工した缶1を準備した。
【0029】図2はこの発明の実施例に係るシームレス缶の側壁部への凹凸模様加工において用いる拡径部材と押し込み成型加工部材との主要部分のみを示す図である。図2に示すように、この実施例では、例えば、拡径部材として後述するエキスパンド金型2を採用し、押し込み成形部材として後述する外金型3を採用している。そして、その各金型2,3には、所要の形状に凹凸面が形成されている。なおこの凹凸面はそれぞれ互いに嵌合できるような形状となっている。
【0030】具体的には、この実施例の場合、エキスパンド金型2は、一例として10ケの分割金型4からなり、これら分割金型4は全体として外面側は、缶径より小径のほぼ缶1と相似の円筒形状に形成されており、内面側は缶1の開口部に相当する側から底部に相当する側に向って次第に小径となるように形成されている。すなわち組み合わされた分割金型4の中央部分(内面側)は図2の上方に行くに従って小径となるテーパー面となっており、この組み合わされた分割金型4の中央部分と接触して、これらの分割金型4を押し広げるテーパー面5を持つプランジャ6が挿入されるようになっている。
【0031】図3は、缶1に分割金型4を挿入するとともに、その分割金型4にプランジャ6が挿入されて、10ケの分割金型4がプランジャ6のテーパー面5を介して押し広げられ、かつ外金型3に対して缶胴面7を押圧している状態を示した図である。図3に示すように、前記分割金型4はそれぞれL字型に形成されており、プランジャ6によって拡径する際、径方向に、平行にスライドするようプランジャ6のテーパー面5と対向するガイド面8が設けられている。さらに、分割金型4を同じ方向で縮小できるよう、分割金型4の缶1に挿入されない部分すなわちスライド面9を持つベース部10の先端部分に、弾性部材の一例としてコイルスプリング11が内包されている。
【0032】さらに、前記ベース部10の下側には、分割金型4を下側から支持する基台部12が設けられ、その中心部分に前記プランジャ6が配置されている。前記基台部12の外部に突出した外周部には、ピニオン13が備えられており、図3に示すように、後述する外金型3が取り付けられた外金型支持部材14の下方に設けられたラック31と噛み合うように構成されて、外金型3の移動に対して分割金型4が相対的に回転するよう構成されている。そして前記基台部12が適宜手段によって回転自在に配置されることによって、分割金型4がプランジャ6とともに回転自在となっている。
【0033】またさらに、エキスパンド金型2の外周面を形成する分割金型4の外側表面には、図2,3に示すような膨出形状が設けられている。すなわち、この実施例においては、一例として、缶胴面7に縦筋15および横筋16を形成するために、それぞれに相当する溝部が形成されている。具体的には、この実施例の場合、縦溝はエキスパンド金型2の拡径時に生じる分割金型4,4同士間の隙間17となるので、特に分割金型4自体に形成されないが、横溝18は、分割金型4の缶1の軸方向での中心となる部分および缶1の上下端部となる部分に形成されている。すなわちエキスパンド金型2の軸方向での中心部分および上下端部分の円周に横溝18が形成されている。
【0034】また、缶種によって缶1の高さが異なるので、缶1の高さに対応して、その高さ調整を行い、缶胴面7を模様形成箇所に合わせる調整スペーサ19が、分割金型4の缶1のフランジ加工された缶1の先端が当接する箇所に設けられている。
【0035】そして、外金型3には一例として平面状の板材に取り付けられた金型が採用されている。そしてこの外金型3の缶1との接触面には、エキスパンド金型2の拡径時すなわち缶1の膨出時に生じる分割金型4,4同士の隙間17のピッチに合わせて、縦リブ20が分割金型4の隙間17の数と同数配置されるとともに、外金型3の移動に伴って転動する缶1の転動方向に沿って膨出時の缶1の円周長さより長い横リブ21が、図2に示すように前記分割金型4に形成した横溝18に対応して、三箇所に形成されている。そして、この外金型3が設けられた外金型支持部材14を図示しないエアーシリンダーによって直線的に移動させ、ラック31とピニオン13とを介して、外金型3に対して、エキスパンド金型2を転動させて、外金型3とエキスパンド金型2との間に挟まれた缶胴面7に縦リブ20と横リブ21とを押し込んで、押し込み成形を行うよう形成されている。
【0036】なお、前記横リブ21には、缶胴面7の横筋16部分を押し込み成形する場合、最初から缶胴面7に対して深く押し込みを行うとショックマークが発生するので、徐々に押し込み量を増加させるように、エントリーアングルを設けることが好ましい。
【0037】また外金型3にあっては縦リブ20や横リブ21およびその他の模様などの押し込み量を加減できるよう、外金型3と外金型3が取り付けられた外金型支持部材14との間に、図3に示すような調整スクリュー22等の調整できる機構を採用することが好ましい。
【0038】さらに、エキスパンド金型2等の拡径部材および外金型3等の押し込み成形部材の凹凸模様には前記縦や横の溝部およびリブだけでなく、他に彫刻された模様等の複雑な模様を採用することもできる。なお、押し込み成形にあっては、押し込み成形部材となる外金型3と拡径部材となるエキスパンド金型2とで缶胴面部分の材料を圧接しなければ、その部分の材料を痛めることはない。
【0039】以下、上記のように構成された拡径部材となるエキスパンド金型2、押し込み成形部材となる外金型3を用いて、前記缶1に模様を施す手順を説明する(図3,4,5参照)。
【0040】まず、図4に示すように、拡径していない分割金型4を予め準備した缶1に挿入する。なおこの際、缶1のフランジ部が分割金型4に付属する前記調整スペーサ19(図3参照)に当接するが、缶1はこの調整スペーサ19によって、缶胴面7の所定位置に模様が施されるように位置決めされてセットされる。
【0041】そしてプランジャ6を、例えば、油圧シリンダ等により押し上げ、テーパー面5を介してエキスパンド金型2を、その軸に対して直角方向に拡径させる。すなわち各分割金型4を缶1の半径方向外方に移動させる。すると、エキスパンド金型2の各分割金型4の間にそれぞれ隙間17が生じるとともに、エキスパンド金型2の外周面が缶1の内面に当接し、さらに缶1の内面が押圧され、缶1の胴径より大きく分割金型4が張り出される。したがって、分割金型4が張り出されることによって、エキスパンド金型2の外周面すなわち分割金型4の外面に形成した横溝18と、各分割金型4の間に生じた隙間17とが、缶胴面7に横および縦の窪み部23として現れる。すなわちエキスパンド金型2を拡径させることによって缶1の内面と所要部分すなわち各分割金型4の外面とが接触し、分割金型4の外面との接触部分のみを缶1の内面から放射状に押圧して缶1を膨出させる。そしてその際、エキスパンド金型2の拡径時の外周面すなわち分割金型4の外面が拡径部材としての凸部形成部として作用し、その分割金型4同士の隙間17および横溝18が拡径部材としての凹部形成部となって、該拡張部材の凸部形成部に相当する分割金型4の外面によって、缶胴面7に膨出部24が形成される(図5の中央の缶参照)。
【0042】なお、缶胴面7に窪み部23が形成される仕組みを具体的に説明すると、上記の成形時には、エキスパンド金型2は拡径時に隣り合った分割金型4,4同士の間でそれぞれ隙間17を生じ、この隙間17では各分割金型4は缶1の内周面と非接触状態となる。そしてこのために、この隙間17部分および分割金型4の外周に形成した横溝18部分においては缶1の内面が、各分割金型4によって押圧されず、分割金型4の接触部分に比べて膨出量が小さくなる。すなわち、缶胴面7は拡径部材となるエキスパンド金型2によって、全体としては膨出するものの、その分割金型4が接触していない部分においては、膨出前の形状に戻ろうとする復元作用が生じて、分割金型4との非接触部は接触部に比べて膨出量が小さくなる。その結果、缶胴面7において、分割金型4の接触部と非接触部との間に僅かに膨出量の差が生じ、また膨出成形時に生じる缶1の円周方向への引張り作用によって分割金型4との非接触部となる缶胴面7には、分割金型4によって膨出された部分と異なり、隙間17部分においては平坦面23a(縦の窪み部23)が形成され、横溝18部分においては断面U字形部分23b(横の窪み部23)が形成される。また、それに伴って、缶胴面7における分割金型4との接触部分と非接触部分との境界は、はっきりと形成されず、図5に示すように、金型の縁に沿って輪郭のはっきりしない縦筋15、横筋16となって缶胴面7に現れるのみである。
【0043】前述したように、缶胴面7は円周方向の引張り作用を生じるので、隣り合った分割金型4,4同士の隙間17で生じた窪み部23は平坦面23aに形成される。また、この場合、分割金型4の隆起による形状がその金型4の縁に沿ったラインでしか区分されず、彫りの深い凹凸面を出すまでには至らない。
【0044】次に、押し込み成形を行う前段で、その缶1の缶胴部の伸び率および押し込み加工量に応じて、押し込み成形時に缶胴が破断するのを避けるために、エキスパンド金型2の拡径幅が調整される(拡径幅を維持または縮小させる)。具体的には分割金型4に挿入されたプランジャ6の挿入量の調整(挿入量の維持または減少)が行われる。なお、実施例では、絞りしごき加工を施した缶1を採用したので、プランジャ6を分割金型4に対して下側に後退させてエキスパンド金型2を缶胴の膨出時よりも縮径させる。
【0045】なお、押し込み成形する際、スリーピース缶のような絞り加工などの苛酷な加工を受けていない材料では充分な材料の伸び率があるため、分割金型4の拡径幅の調整を行わなくとも問題なく加工できるが、絞り加工や絞りしごき加工されたツーピース缶では、缶胴材料の伸び率が低下している。このためエキスパンド金型2の拡張量も限界がある。膨出比をRとして、R=(膨出後の缶胴直径)/(元の缶胴直径)
で表せば、膨出限界としてはローティンチールと呼ばれる薄スズメッキ鋼板を用いたスリーピース缶でR=1.15程度、絞りしごき加工されたアルミニウム合金板製の缶では、R=1.05程度である。
【0046】したがって、深絞りや絞りしごき加工したツーピース缶にあっては、押し込み成形による材料の伸び率低下による破断を避けるため、拡径したエキスパンド金型2を一度縮径させる。すなわち膨出時において、缶胴面7には膨出による円周方向の引張力が作用したままの状態になっているので、押し込み成形をする前にこれらを取り除くことが望ましい。
【0047】なお、この場合、缶胴面7はバックリングにより若干縮むので、エキスパンド金型2の縮径幅は、バックリングで縮む量程度が好ましい。また、縮径幅を大きく取ると、缶1が円周方向に廻ったり、ぐらついたり、がたつくので缶1につけられた膨出形状とエキスパンド金型2の分割金型4の外面の位置とがずれてしまう不都合がある。すなわち押し込み成形部材となる外金型3とエキスパンド金型2の各分割金型4,4間の隙間17のピッチとがずれることになるので、缶胴面に押し込み成形する際に、膨出成形時に形成された窪み部23と外金型3の押圧箇所がずれてしまい、缶胴面7に所要の模様が正確に施されない問題が発生するので、それらを考慮して縮径幅を設定するのが好ましい。なお、それらの影響が少ないような模様においては、膨出した材料をルーズメタルとして利用し、より深い押し込み量を確保するために縮小幅を大きくとることが可能である。
【0048】なお、本実施例では、膨出成形後の最大外径(最も突出している凸部の最大外径)が65.5mmで縮径幅は直径で0.5mmとした。また最大押し込み量は1.2mmである。
【0049】そして、前記缶1の内部においてエキスパンド金型2を拡径させた状態で維持し、各分割金型4の膨出時の隙間17のピッチに合わせて、すなわち分割金型4,4の同士の隙間17に対応する箇所に合わせて、缶胴面7の外側から押し込み成形部材となる外金型3で押圧する。なお、この場合、同時にエキスパンド金型2の前記基台部12の突出した外周部に設けたピニオン13部分に、外金型3が取り付けられた外金型支持部材14のラック31部分が噛み合う。そして、この状態で、缶胴面7の接線方向に外金型3を移動させて、エキスパンド金型2を相対的に転動させ、これによって缶1を円周方向に回転させる。すなわち外金型3の移動に合わせて缶1を回転させて、缶1の内面と分割金型4とが接触していない部分すなわち拡径時の分割金型4,4同士の隙間17に対応する缶胴面7の前記平坦部23a(縦の窪み部23)に、外金型3の縦リブ20によって、1縦筋ずつ押し込み成形を行うとともに、缶胴面7の外周の前記エキスパンド金型2に形成した横溝18に対応する前記断面U字形部分23b(横の窪み部23)に、外金型3の横リブ21を徐々に押し込んで押し込み成形を行う。すなわち分割金型4の缶1の内面に対する押圧箇所と異なる部分、すなわち拡径部材の凹部形成部となるエキスパンド金型2の横溝18およびその分割金型4,4同士の隙間17に、押し込み成形部材となる外金型3の横条および縦条の各リブ20,21を、缶1の外面から缶1の内部に向けて押し込む。その結果、押し込み模様が缶胴面7に形成される(図5,6参照)。
【0050】こうして作られた変形缶1は図6に示すように膨出部(凸部)24と押し込み部(凹部)25との高低差が充分に施された状態に仕上がり、その境界部分もはっきりと形成され、缶胴面7に隆起感のある模様が形成される。なお、この変形缶1の胴部未加工部の外径は62.5mmであるが、膨出部24の外径(各膨出部24を結ぶ仮想円の直径)は64.5mmであり、膨出部24と押し込み部25との高低差は、0.8mmであった。そして上述したように缶1の缶胴部の伸び率および押し込み加工量に合わせて拡径部材となるエキスパンド金型2の拡径幅が調整されるので、伸び率の低下した深絞り缶や絞りしごき缶に対しても、焼鈍などの操作なしに適用することができる。またエキスパンド金型2の拡径幅を減少して製造する場合であっても、プランジャ6の挿入量を減少するだけで済み、複雑な機構を必要としない。
【0051】なお、本実施例では、缶1の中央部の押し込み部25の上方部分と下方部分の膨出部24の外径を等しくしたが、分割金型4の外面形状を変更することで上方部分と下方部分の膨出部24の外径を変えることができる。すなわち、この発明では、最初に缶胴面7に膨出加工を施してから押し込み加工をするので、膨出加工の際に、ワイン樽のように中央部が半径方向外方へ大きく突出した凸部をもつ形状、中央部に比べて上方部分と下方部分とが外方へ大きく突出した凸部をもつ形状等、変化に富んだ形状に膨出加工できるので、缶1の高さ方向で凸部の外径の異なる凹凸模様を成形できる。したがって、例えば、著名なコカコーラ(登録商標)の瓶の胴部形状のような複雑で面白味に富んだ凹凸模様を缶1に形成することができる。
【0052】なお、従来のようなバルジ加工によって膨出成形を缶1に施した場合、缶1の内面全体に押圧力を掛けることになるから、缶胴面7の全体に押圧力が掛かる。そのため、缶胴面7にさらに押し込み成形を行うとすると、残留応力が残っている部分にさらに成形力を加えることになるので、缶1の材料に対して苛酷な成形加工となり、缶胴面7に亀裂等が発生するおそれがあるが、この実施例の製造方法によれば、膨出成形加工の際に、バルジ加工のように缶の内側から缶内全面に押圧力を掛けるのではなく、缶胴面7の内側から外側に向けて、所要の一部分が残るように押圧力を掛けて、膨出させて膨出部(凸部)24を形成した後、膨出成形時に押圧力を掛けていない部分すなわち缶1の膨出前の形状に戻ろうとする復元作用が生じる部分に、缶胴面7の外側から内側に向けて押圧力を掛けて、押し込み成形加工を行うので、缶1の材料に対して苛酷な成形加工とならず、缶胴面に亀裂等が発生することなく、缶胴面7において凹凸の段差が非常に大きく形成され、その結果、缶胴面に模様が鮮明に形成される。
【0053】なお、この実施例においては、平面状の板材に取り付けられた外金型3を缶胴面7に対してその接線方向に移動させ、その移動に伴って缶1を相対的に転動させて缶胴面7に模様が形成されるよう構成したが、図7に示すように外金型3として、内周面に前記縦リブ20や横リブ21のような凹凸面が形成された円弧状金型26を採用し、その円弧状金型26を固定して、その内周面に沿ってエキスパンド金型2を転動させるように構成してもよい。また具体的には、図7に示すように、エキスパンド金型2の拡径時の分割金型4,4同士間の隙間17に対応する箇所に合わせた後、エキスパンド金型2を回転させてラック31とピニオン13との噛み合いにより円弧状金型26の内周面を転動させて、円弧状金型26の内周面に形成した縦リブ20を缶胴面7に1縦筋ずつ押し込んで、缶胴面7に押し込み成形を施すとともに、横リブ21を缶胴面7に徐々に押し込んで押し込み成形を施すように構成してもよい。なお、この場合においても、前述したように初期の押し込み量を加減できる調整機構を採用することが望ましく、例えば、図7に示すように押し込み調整スクリュー22等を採用するのが好ましい。
【0054】また、上記実施例の缶胴面7の模様は縦横の溝に形成したが、これに限定されず、缶胴面7に模様を施す拡径部材と押し込み成形部材との凹凸面を任意に設定して、任意の形状に成形することもできる。
【0055】さらに、上記実施例では、膨出成形時と押し込み成形時とで拡径部材を共用したが、それぞれの成形時で別の拡径部材を使用してもよい。
【0056】また、前述したように、拡径部材としてはエキスパンド金型2の分割金型4に限定されず、所定の凹凸形状を有しかつ拡径可能な適宜ゴム型等であってもよい。その場合、ゴム型に凹部を設け、その凹部においては缶胴を積極的には拡径しないようにし、押し込み加工をその凹部に相当する部分に施すことが好ましい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の製造方法によれば、缶胴面の内側から外側に向けて、所要の一部分が残るように押圧力を掛けて、半径方向に缶を膨出させる膨出加工を行った後、膨出加工された部分の内面側に外方への押圧力を付加しながら、この押圧力を付加していない箇所であって、しかも膨出成形時に押圧力を掛けていない部分すなわち缶の膨出前の形状に戻ろうとする復元作用が生じる部分の少なくとも一部に、前記缶胴面の外側から内側に向けて押圧力を作用させて、缶胴面の内部に向けた変形を生じさせる押し込み加工を行うことによって、缶胴面に凹凸段差が非常に大きく形成され、缶胴面に鮮明な模様が形成される。また、膨出成形時に押圧力を掛けていない部分に、押し込み加工を施すので、缶材に対して苛酷な成形加工とならず、缶胴面に亀裂等が発生することがない。
【0058】また請求項2の発明の製造方法によれば、缶内部に挿入した拡径部材の拡径によって缶胴面に膨出成形を施した後、拡径部材の拡径を保持した状態で、その膨出部以外の窪んだ箇所すなわち拡径部材と缶内面とが接触していない箇所に対応する缶胴面部分を、その外面から缶内部に向けて押し込み成形する。すなわち拡径部材と押し込み成形部材とによって、缶胴面を内側と外側とから挟み込むような状態で押し込み成形する。つまり拡径部材によって膨出加工を施し、さらに膨出加工が施されていない部分に押し込み成形部材によって押し込み加工を施すという二工程によって缶胴面の成形を完了するから、缶材に対しても苛酷な成形とならず、缶胴面に破断等が生じることが防止できるとともに、凹凸形状がはっきり浮き上がり、膨出形状の輪郭が鮮明に表れて、缶胴面に隆起感のある模様を施すことができる。また、拡径部材および押し込み成形部材を任意の形状に成形すれば、缶胴面に隆起感のある任意の模様、絵柄等を施すことができるので、従来に比べてより複雑な模様を缶胴面に形成することができる。さらに、製造する際には、従来の飲料缶製造工程に、この発明の変形工程を追加するだけでよく、安価に変形缶を製造することができる。
【0059】さらに請求項3の発明の製造方法によれば、凹部を形成する前段で、膨出時の拡径部材の拡径幅が縮小されて、すなわち拡径部材を缶胴の半径方向で内側に僅かに移動させて、缶胴に対する押圧力を低下させ、押圧力を掛けていない箇所の引張り応力を減少させるとともに凸部からの材料流入をしやすくさせるので、例えば、絞りしごき缶のように缶材の伸びが極端に少なく膨出量の少ない缶に対しても凹部形成時に缶胴部に破断を生じることなく、所望の凹凸模様を得ることができる。すなわち、凹部を形成する前段で、缶種に対応して拡径幅を縮小させることによって、多種類の缶に対応でき、その缶胴に個性的な変形模様を施すことができる。そして、例えば、絞りしごき加工されたアルミニウム合金板製の絞りしごき缶や深絞り加工された表面処理鋼板製およびアルミニウム合金板製の深絞り缶のようなツーピース缶等の伸びが減少した素材胴部に対しても、焼鈍等の熱処理を行わずに、凹凸の高低差が大きな模様を施すことができ、個性的なデザイン面が得られる。




 

 


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