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胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶及びその製造方法 - 大和製罐株式会社
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発明の名称 胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−85873
公開日 平成10年(1998)4月7日
出願番号 特願平8−261224
出願日 平成8年(1996)9月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋沢 政光 (外1名)
発明者 榎木 泰史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したDI缶の胴部に、凹凸模様を形成するアルミニウムDI缶の製造方法において、先ず前記DI缶の胴部のみを焼鈍して軟化させ、直径比が元の直径に対し、1.02〜1.11の範囲となるように同心状に均一に膨出させた後、次いで缶の胴部の少くとも一部に凹凸模様を施すことを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法。
【請求項2】 一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍する工程と、缶外面に塗装,印刷する工程と、缶内面に合成樹脂皮膜を塗布する工程と、缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径する工程と、この缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径よりやや大きく半割りとされた円筒状の側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型押圧し膨出成形する工程と、この缶を側壁金型に代わり、さらに大きな直径を有する凹凸模様をつけた側壁金型を配置し、再度膨出部材を挿入し缶胴部に凹凸模様を膨出成形する工程と、引き続き蓋を巻き締めるための缶開口端部にフランジ加工する工程からなることを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法。
【請求項3】 一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍する工程と、缶外面に塗装,印刷する工程と、缶内面に合成樹脂皮膜を塗布する工程と、缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径する工程と、この缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径より大きな直径を有する半割りとされた凹凸模様をつけた側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型に押圧して缶胴部に凹凸模様を膨出成形し、凹部の膨出が元の直径に対して直径比で少なくとも1.02以上である胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法。
【請求項4】 高周波誘導加熱による缶胴部の焼鈍範囲が、缶エッジ部よりテーパー壁上部と缶胴側壁下端部の境界部の範囲とする請求項2又は3記載の胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法。
【請求項5】 一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍し、次いで缶外面に塗装,印刷し、次いで缶内面に合成樹脂皮膜を塗布し、次いで缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径し、次いでこの缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径よりやや大きく半割りとされた円筒状の側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型押圧し膨出成形し、次いでこの缶を側壁金型に代わり、さらに大きな直径を有する凹凸模様をつけた側壁金型を配置し、再度膨出部材を挿入し缶胴部に凹凸模様を膨出成形し、引き続き蓋を巻き締めるための缶開口端部にフランジ加工する工程により製造し、缶胴部硬度を55〜70ビッカース硬度の範囲としたことを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、胴部に凹凸模様をもつアルミニウムの絞りしごき缶(以下DI缶と略称する)の製造に関し、特に絞りしごき加工が施されたアルミニウムDI缶の胴部に焼鈍処理した後に膨出して加工硬化させ、バルジ加工により凹凸模様を胴部に施すアルミニウムDI缶及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料缶においては、アルミニウム板を円筒状に絞りしごき加工し、缶底と胴を一体成形したDI缶が広く用いられている。この容器を使って販売する各メーカーにおいては、商品のイメージをより良く見せ、ユーザーに購買意欲が涌くようなデザインの開発を行って来た。
【0003】それらのほとんどは、缶胴側壁への印刷によるものであったが、缶胴側壁にビードを入れたり、バルジ加工して缶胴に凹凸を入れる等、缶体を変形させ、商品の差別化、個別化を狙うことも試みられている。
【0004】バルジ加工においては、缶体を自由な形に変えることができ、商品の個別化を目的とする上で最適な加工方法であるが、飲料缶に使われるしごき加工されたそのままの缶を加工すると、残留応力のため亀裂が生じることがある。このため一度焼鈍しなければならず、一方焼鈍を行うと材料が軟化して耐圧力が減少し、特に缶詰製造時の殺菌等により、缶底が缶内圧によりバックリングしたり、また缶胴強度の減少により、ネッキング時のネック成形力や内容物充填時のリフター圧により座屈が生ずる。
【0005】座屈に関しては、多くの場合、缶胴径より小さいボトム部の接地直径に向かうテーパー壁上部と、缶胴側壁下端部の境界部で発生する。しかし元板厚が十分厚い場合には、ボトム部の板厚が増すため、缶胴部分で座屈が生ずる。さらにバルジ加工により凹凸模様を施すと、軸荷重は集中荷重として働き、こういった変形部分で座屈する。
【0006】アルミニウム合金3004−H191材を使った211径や202径の飲料缶では、しごき加工された状態において、缶胴部で硬度が85〜95Hv(ビッカース硬度)を有し、壁厚が0.105mmの時、テーパー壁上部と缶胴側壁下端部の境界部の座屈強度は130kgf程度あり、缶胴座屈強度は約190kgf程度ある。また缶底部では硬度82〜89Hvを有し、板厚が0.28mmの場合、耐圧力は6kgf/cm2 以上が確保される。
【0007】缶胴部へ凹凸模様をつける場合、これらの缶を焼鈍処理し、その部分にバルジ加工が施される。ところがこのバルジ加工が全体膨出でなく、部分的な膨出の場合、膨出加工されなかった部分では加工硬化が起こらない低い硬度(40〜50Hv)のままの部分が残り、これらの部分は缶の強度を著しく損なう。
【0008】例えば、バルジ加工前で、テーパー壁上部と缶胴側壁下端部の境界部の座屈強度は約70kgf,缶胴の座屈強度は約100kgfとなり、また耐圧強度が4kgf/cm2 に低下し、耐圧容器としての機能を果たさなくなる。
【0009】この様な理由から、上記の強度不足を補う為に材料の厚みを厚くする方法が考えられるものの、それでは材料コストが上がり不経済になるため、金属製薄肉耐圧容器のバルジ加工は従来殆ど実施されていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、飲料缶での容器としての個別化需要は強く、絞りしごき加工を行った薄肉DI缶のバルジ加工への要求は根強くあった。現在のところ、焼鈍せずに変形できるビード加工等の方法が行われているが、ビード加工ではデザインの自由度がなく、缶需要者の満足を得るまでには至っていない。
【0011】また特公昭59−18261号公報に開示の技術では、焼鈍処理までは至らないものの、缶内面における合成樹脂皮膜形成時の乾燥用加熱器を使ってしごき加工中の残留応力除去を行い、バルジ成形する方法が提案されている。
【0012】この方法では、材料が完全に焼鈍に至るまでの途中の段階、すなわち不完全焼鈍を行い、ある程度軟化した缶を膨出成形する方法と考えられるが、缶内面の樹脂皮膜の乾燥温度との関係から、焼鈍温度の設定が限られ、希望の硬度に焼鈍軟化することが難しい。
【0013】このことは、バルジ加工において十分な膨出変形が得られなかったり、時には複雑な形状において破断を起こす等の問題が生じ、またたとえ不完全焼鈍用に専用のオーブンを設置したとしても焼鈍温度の調整が困難で、材料の引っ張り性能や耐力にばらつきが発生する。又オーブンでの焼鈍では局所に限っての焼鈍は難しく、缶底も軟化するため、内容物の内圧により缶底がバックリングする恐れがある。
【0014】以上のことより薄肉DI缶の製造段階において、耐圧容器としての性能を損なうこと無く、バルジ加工に適した硬度の缶を安定的に得ることができ、さらに自由なデザインのバルジ加工を可能とし、且つ材料を節減し得るアルミニウムDI缶の出現が望まれていた。
【0015】本発明は、特にDI缶の胴部の所定の幅に亘り焼鈍処理した後に膨出して加工硬化させ、その位置に凹凸模様を施すようにして上記課題を解決した、凹凸模様をもつアルミニウムDI缶及びその製造方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の製造方法は、一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したDI缶の胴部に、凹凸模様を形成するアルミニウムDI缶の製造方法において、先ず前記DI缶の胴部のみを焼鈍して軟化させ、直径比が元の直径に対し、1.02〜1.11の範囲となるように同心状に均一に膨出させた後、次いで缶の胴部の少くとも一部に凹凸模様を施すことを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法である。
【0017】本発明の第2の製造方法は、一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍する工程と、缶外面に塗装,印刷する工程と、缶内面に合成樹脂皮膜を塗布する工程と、缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径する工程と、この缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径よりやや大きく半割りとされた円筒状の側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型押圧し膨出成形する工程と、この缶を側壁金型に代わり、さらに大きな直径を有する凹凸模様をつけた側壁金型を配置し、再度膨出部材を挿入し缶胴部に凹凸模様を膨出成形する工程と、引き続き蓋を巻き締めるための缶開口端部にフランジ加工する工程からなることを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法である。
【0018】本発明の第3の製造方法は、一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍する工程と、缶外面に塗装,印刷する工程と、缶内面に合成樹脂皮膜を塗布する工程と、缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径する工程と、この缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径より大きな直径を有する半割りとされた凹凸模様をつけた側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型に押圧して缶胴部に凹凸模様を膨出成形し、凹部の膨出が元の直径に対して直径比で少なくとも1.02以上である胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶の製造方法である。
【0019】また上記第2又は第3の製造方法において、高周波誘導加熱による缶胴部の焼鈍範囲を、缶エッジ部よりテーパー壁上部と缶胴側壁下端部の境界部の範囲とする製造方法である。
【0020】本発明のDI缶は、一体成形により円筒状に成形した缶胴部につながる下部に、環状に下方向に突出している接地部および内部に向け湾曲したドーム部により底部を形成したアルミニウムDI缶を使用し、先ず高周波誘導加熱により缶の上端エッジ部から缶底部手前までの缶胴部を焼鈍し、次いで缶外面に塗装,印刷し、次いで缶内面に合成樹脂皮膜を塗布し、次いで缶蓋径に合わせる様に缶エッジ部開口端を所定の径に縮径し、次いでこの缶を缶底形状に合わせた底金型および加工する元の缶胴直径よりやや大きく半割りとされた円筒状の側壁金型により組立て構成された金型内に押し込め、縮径された缶エッジ部開口端部側より膨出部材を挿入して缶を前記金型押圧し膨出成形し、次いでこの缶を側壁金型に代わり、さらに大きな直径を有する凹凸模様をつけた側壁金型を配置し、再度膨出部材を挿入し缶胴部に凹凸模様を膨出成形し、引き続き蓋を巻き締めるための缶開口端部にフランジ加工する工程により製造し、缶胴部硬度を55〜70ビッカース硬度の範囲としたことを特徴とする胴部に凹凸模様をもつアルミニウムDI缶である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるアルミニウムDI缶の製造過程におけるDI缶の実施の形態例を示す縦断面図、図2はDI缶(バルジ成形缶)の製造方法を説明する工程図である。
【0022】先ず工程Aに示すアルミニウムDI缶1は、一体成形により円筒状に成形した缶胴部2と、この缶胴部につながる缶底部3に、環状に下方向に突出している接地部4および内部に向け湾曲したドーム部5により形成される。
【0023】本発明におけるバルジ成形缶の製造方法にあっては、先ず次工程Bの焼鈍による缶軟化の影響が缶底部3にまで及ばないように、缶胴部2のみの焼鈍を行う必要がある。焼鈍に当たっては、オーブンによる方法と高周波誘導加熱があるが、缶胴部2に部分的に焼鈍する為には、リング状にコイルを巻いた高周波誘導加熱が有効である。
【0024】加熱範囲Aは、缶底接地部4より上方8mm程度の缶胴部2と缶底部3の境界部7から、缶開口端部6までの缶胴部2に行う。缶底部の接地部4より上方8mmの間は、缶をスタックさせるために缶胴部2から胴部外径より小さな接地直径部までテーパー壁Bにて構成される部分であり、この個所にこの後工程の凹凸模様が施されることはない。
【0025】さらに容器に軸荷重が働いた場合、テーパー壁B上部と缶胴部下端部の境界部7で座屈するので、この部分の材料の軟化を防ぐ必要がある。そして、缶底中央8にあっては、内圧によるバックリングを防止する必要から、缶底接地部8mm上方の範囲とする加熱範囲を定めた。
【0026】このことにより、缶底部3の耐圧強度とテーパー壁Bと缶胴側壁下端部の境界部7の座屈強度は、通常の絞りしごき缶(DI缶)に対し、多少の熱影響はあるものの、所定以上の強度に維持される。
【0027】次の工程Cとして、缶外面に塗装や印刷を行う。焼鈍前では、熱によりインクが変色するおそれがあり、バルジ加工後では、凹凸により印刷できないので、焼鈍後のこの工程で行う。
【0028】さらに次の工程Dにおいて、缶内面に合成樹脂皮膜を例えばスプレーにより形成しておく必要がある。これは内容物が直接缶にふれない様にすること以外に、バルジ加工に使用される膨出部材が、缶胴内面を滑りながら合成樹脂皮膜を拡張させ、膨出部材と缶内面地金が直接接触するのを防止する。
【0029】これは金属地のままでは膨出部材との摩擦による損傷が大きくなり、特に膨出部材としてゴム等が使用されると、ゴムが発熱したり、また表面が荒れ、膨出部材の寿命が短くなる。このような理由から、事前にスプレー等を用いて缶内面に合成樹脂皮膜を形成する。
【0030】次に工程Eにおいて、バルジ成形に先立ち、缶の開口端部6は、蓋を巻き締めるための口径まで縮径される。その理由は、次の膨出成形に先立ち縮径しておかないと、缶胴部2の膨出時に開口端部6の材料が引き込まれるため、焼鈍むらや材料の偏肉により同一缶内で缶高がばらつく現象が起きる。
【0031】この缶高がばらつくと、巻締時に必要なフランジ長さもばらつくため、巻締不良の原因となり漏れ等を発生する。この理由から先行して縮径を行い、開口端部6に加工硬化を与え、材料の流れを抑制することで缶高ばらつき等の問題を解決することができる。
【0032】開口端部6を縮径され、かつ缶胴部2のみ焼鈍された缶は、次の工程Fにおいて胴部全体を決められた直径比を有する円筒状の金型内で均一に且つ同心状に膨出成形される。この時の加工硬化によって再度缶胴部2に強度が与えられる。与えられる強度は、直径比により調整される。
【0033】一般に材料の硬さは、引張強さとほぼ比例関係にあり、引張強さをσvとすると、ビッカース硬度Hvとの関係は次の(1)式、数1で表される。
【0034】
【数1】
σv=CHv ………(1)
ただしCは比例定数である。
【0035】従って硬度の上昇は、ほぼ硬度の比率分だけ引張強度が改善されることなる。例えば加工硬化による硬度を55Hv以上確保することを目的とすれば、引張強度は、焼鈍後の再結晶状態のアルミニウム硬度(40〜45Hv)に対し、25〜35%改善することとなる。
【0036】ここで硬度が完全に回復するまで過度に缶胴部2全体の膨出成形を行うと、次工程のデザインにおいて必要な凹凸部の変形ができず、材料が破断するに至る。したがって完全に硬度が回復せずとも、凹凸模様を施すのに十分な変形量をとれる範囲内で事前に膨出成形を行い、焼鈍で低下した硬度をある程度回復させることで缶体強度を上げるように膨出成形を行う。
【0037】アルミニウム合金3004−H191材の焼鈍直後の缶は、伸びが21%,硬度45Hvの機械的性質を有する。この伸びが21%有するため、膨出可能な最大直径比はおおよそ1.21まで可能となる。
【0038】ここで事前膨出成形に伴う伸びは、次の凹凸模様を施すのに十分な変形量が確保できることと、急変する凹凸の形状でも割れや肉厚が極端に薄くなるのを防止できる伸びは10%程度必要であり、これを確保するため最大で11%が必要となる。すなわち事前に缶胴を膨出成形できる最大直径比は1.11となる。
【0039】また膨出最低直径比は、1.0より大きければ良いわけだが、加工初期に耐力(0.2%の永久伸びを生ずる降伏応力)が急激に向上するので、2%程度の加工を事前に与え、容器としての強度を改善する。このため、膨出最低直径比を1.02と定めた。
【0040】膨出成形の方法については、まずアルミニウムDI缶を缶底形状に合わせた底金型、円筒状及び凹凸模様をつけた側壁金型で構成された金型に入れ、膨出部材として弾性体を缶内に挿入し、缶外の金型に張り付くまで膨出させる。膨出部材については、ゴムの中実体または薄いゴム袋に油や水を封入し、このゴム袋につながる油圧なしい水圧ポンプ等で加圧して膨出させるものを用いる。また拡張可能なセグメントで構成された金属拡張支持体でもよい。
【0041】缶外に金型を使用し内部から加圧して膨出させる加工にあっては、なめらかな曲線が容器に加工できる。このため、缶内より膨出させる膨出部材としては、ゴム等の弾性体や袋状液圧膨出方法の方がデザイン等に自由度をもたせることができる。
【0042】ただし上記の方法は膨出部材に耐用性がなく、特に袋状膨出を行う場合には、破損した場合でも、後工程で容器を洗浄しなくても良いように、袋へ入れる膨出液として水を使用したほうが良い。
【0043】事前膨出され、硬度がある程度回復した側壁をもつ缶は、円筒状金型より取り出され、つぎの工程Gにおいてさらに凹凸模様を施した側壁金型に移し替えて、再度膨出成形を行う。この成形において、径の拡張が行われない部分があっても、焼鈍直後の軟化した側壁部はなく、容器として耐デント特性が向上し、且つ、缶胴強度の確保にも貢献することとなる。
【0044】上記工程は膨出工程を2工程としたが、全体を膨出することを前提とするならば、前記工程Fの円筒状膨出成形を省略し、工程Gの凹凸模様を施した金型だけの1工程で行っても良い。
【0045】最後に工程Hとして、容器として最終的にユーザーに提出するにあたり、缶高さを規格内で管理する必要がある。バルジ加工に先立ち、膨出変形が高さ方向へ影響を及ぼさぬように開口端部6成形を事前に行ったが、それでも僅かながらネック部の材料は側壁の変形に引き込まれる。従って、缶高さを整えるために、最後にフランジ加工を行う必要がある。
【0046】このように本発明では、バルジ加工に当たりある程度の強度と伸びを持った事前膨出缶を準備する過程において、不完全な焼鈍を行うのではなく、焼鈍を完結させた後、全体を膨出する手段で加工硬化させることを特徴とし、このようにして、安定して凹凸模様を形成する所望の硬度を得ることがでる。
【0047】このようにして製造された容器は、どの部分も焼鈍で軟化されたままの個所がなく、その缶胴部2にあっては、硬度が55Hv〜70Hvとある程度回復した状態にあり、大量生産される時にも、安定的にこれら硬度を維持することができる。さらに缶強度の向上により、薄肉で耐圧力をもったバルジ加工缶を提供することが可能である。
【0048】
【実施例】アルミニウム合金3004−H191材で板厚0.32mmを使用して、缶胴径φ60mm,缶高134mm,壁厚0.18mm,缶底形状を図1に示す様な絞りしごき缶を製作し、図2に示す本発明の製造工程に従ってバルジ加工容器を製造した。途中、焼鈍処理後の缶について、膨出直径比別に側壁硬度と缶胴部座屈強度を表1にしめすように測定した。
【0049】
【表1】

( )内は膨出直径比【0050】以上の測定結果から、膨出成形により缶胴座屈強度が改善されることが判る。これらの改善は、焼鈍後の冷間加工によるもので、缶胴硬度など安定的に得ることができる。なおテーパー壁Bの上部と缶胴側壁下端部の境界部7での座屈強度は表2の通りであった。
【0051】
【表2】

【0052】接地部4から8mm上方で焼鈍を停止しているもののその熱影響を受け、座屈強度が多少低下した。従って、8mm以下に焼鈍域を広げることは、更なる強度低下を招くので、この様に焼鈍範囲を限定した。
【0053】このようにして製作・焼鈍されたDI缶に図3に示すように事前膨出10したこの缶の側壁に凸模様11を形成する再加工を行った。このバルジ加工の結果を表3に示す。
【0054】
【表3】

( )内は膨出直径比【0055】膨出直径比1.12においては、材料破断が見られた。すなわち模様を形成するための材料の伸び代が事前膨出で使われたため、破断に至ったと考えられる。
【0056】図4に示す缶は、本発明の製造方法により加工された容器である。この様に複雑な形状の凹凸模様12の場合、円筒状膨出10は直径比を1.03に抑制し、後の凹凸模様を形成するための伸び代を確保する必要がある。
【0057】凹凸模様12を形成することにより、座屈はその模様部分で発生する。座屈強度は殆どの場合、材料が円筒状態の場合より低下する。これら座屈強度は形状によって数値が大きく異なるものの、座屈が凹凸模様の周辺で起きることから、事前膨出によって焼鈍直後の硬度を上げておくことが、これらの座屈強度を向上させるのに役立つ。
【0058】即ち表4に示す結果から、事前膨出量を調整することで胴部座屈強度に改善が見られ、壁厚を増加することなく、事前膨出成形の如何により座屈強度を向上したバルジ成形加工が可能である。
【0059】
【表4】

【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、DI缶の凹凸模様を形成するバルジ加工に当たり、ある程度の強度と伸びを持った事前膨出缶を準備する過程において、不完全な焼鈍を行うのではなく、焼鈍を完結させた後、全体を膨出する手段で加工硬化させることを特徴としている。このようにして、安定して凹凸模様を形成する所望の硬度を得ることができ、量産過程の上で均一な硬度を持った良質のバルジ加工品を生産することができる。
【0061】さらに、未加工の個所が無いので、必要以上に板厚を厚くすることもなく、薄肉でバルジ加工を施した耐圧容器を提供できるという優れた効果を奏する。
【0062】また最終形状により、事前に膨出できる範囲は異なるが、材料伸びの観点から事前膨出量を調整することにより、凹凸加工を行う目安を容易に算定することができる。




 

 


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