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発明の名称 炭酸ガス吸着剤及び発泡断熱材及び断熱箱体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−263388
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−75389
出願日 平成9年(1997)3月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
発明者 津田 善之 / 香村 明子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤【請求項2】 炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部がアルカリ金属又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤。
【請求項3】 揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする発泡断熱材。
【請求項4】 外箱と、内箱と、前期外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物ガ充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする断熱箱体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍庫等に用いる炭酸ガス吸着剤、発泡断熱材、及び発泡断熱材を充填してなる断熱箱体に関するものである【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点より発泡断熱材の熱伝導率を低減し、断熱性を向上させるというニーズがあると同時に、クロロフルオロカーボン(以下CFCと称する)、更にはハイドロクロロフルオロカーボン(以下HCFCと称する)によるオゾン層破壊、及び地球温暖化等の環境問題が注目されており、これらを解決することが極めて重要なテーマとなっている。
【0003】このため、代表的な発泡断熱材である硬質ウレタンフォームの製造にあたっては、CFC、及びHCFCの使用量削減を目的として、オゾン層破壊に対する影響が全く無く、更に地球温暖化に対しても影響の少ないハイドロカーボン(以下HCと称する)であるペンタンやシクロペンタンによる発泡について、種々取り組みが検討されている。
【0004】基本的に、硬質ウレタンフォームの断熱性能を向上するには、フォーム気泡内ガス成分の気体熱伝導率を低減することが重要であり、気体熱伝導率の低い気体成分でフォーム気泡内を満たすことが効果的手段とされてきた。
【0005】しかしながら一方においては、発泡剤使用量の低減、発泡剤と原料成分との相溶性の問題、及びフォーム諸物性の改善等を目的に、有機ポリイソシアネートと水分との反応により発生する炭酸ガスを発泡剤成分として用いる必要がある。
【0006】しかし、このような構成においては、気体熱伝導率の大きい炭酸ガスが発泡断熱材の気泡内に残存するため発泡断熱材の断熱性能は悪いものとなる。
【0007】こうした課題解決のアプローチとして例えば、特開昭57−49628号公報で示されているようにゼオライト等の炭酸ガス吸着剤で気泡内の炭酸ガス成分を除去する方法や、特開平06−322166号公報で示されているようにアルカリ金属等の水酸化物を利用することにより気泡内の炭酸ガス成分を除去する方法等が提案されている。
【0008】すなわち、ゼオライト等から成る炭酸ガス吸着剤を原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを吸着剤にて物理的に吸着する、あるいはアルカリ金属等の水酸化物を原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを化学反応により除去し、気泡内を発泡剤ガスで満たすことにより断熱性能を向上させることが特徴となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】オゾン層破壊の影響がなく、地球温暖化に対する影響も極めて低い、地球環境保護には必要不可欠なハイドロカーボンであるシクロペンタン等を発泡断熱材の発泡材に適用する場合は、発泡剤成分であるシクロペンタンが汎用的な硬質ウレタンフォーム用原料であるポリエーテルポリオールとの相溶性が悪く、プレミックス中への添加部数が制限される。
【0010】また、シクロペンタンの沸点は49.3℃と従来使用されてきた常温沸点発泡剤であるCFC11の23.8℃や、HCFC141bの32.0℃などと比較すると極めて高く、フォーム発泡効率の改善に際しては、従来のCFC11やHCFC141b等を発泡剤として用いる場合に比べ、水分添加量の増加が必要不可欠である。
【0011】しかしながら、従来の構成ではゼオライト等の物理的な炭酸ガス吸着剤を適用した場合、炭酸ガスの吸着量が少なく、必要吸着剤が多量であるとともにプレミックス添加混合と同時に原料中水分を脱水除去してしまうため、発泡剤としてシクロペンタン等を適用した場合には、フォーム発泡効率が大きく低下し、フォームの低密度化が達成できないという問題があった。又、水酸化アルカリ金属を適用した場合は、炭酸ガスの吸着量は多く、アルカリ金属の水酸化物の必要量は低減しうるが、原料成分であるイソシアネートと反応するためやはりフォーム発泡効率が大きく低下し、フォームの低密度化が達成できないという問題があった。
【0012】これらの問題を解消するために、特願平7−009074公報で提案されたようにアルカリ金属等の水酸化物の表面に被膜を構成することが考えられるが、その場合、発泡効率の低下という問題は解消しうるものの、被膜形成後大気中にさらされることにより大気中の水分が被膜を通過し、アルカリ金属がその水分により溶出し、有効な炭酸ガス吸着剤量が減少するという問題が発生する。
【0013】従って、シクロペンタン等を発泡剤として用いた場合においても、これ迄と同様のフォーム発泡効率を確保しながら、フォーム断熱性能に優れた高品質な発泡断熱材を開発する課題があった。
【0014】本発明は、上記課題を鑑み、炭酸ガス吸着剤製造後、一定期間経過後も経時的に炭酸ガス吸着効果が低下することがない炭酸ガス吸着剤を提供するとともに、フォーム断熱性能に優れた高品質な発泡断熱材と、それら発泡断熱材を充填して成る断熱箱体を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の炭酸ガス吸着剤は、水酸化アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆したことを特徴とするものである。
【0016】又、炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物及び、又はアルカリ土金属の水酸化物の一部がアルカリ金属の炭酸塩及び又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化したことを特徴とするものである。
【0017】又、本発明の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とするものである。
【0018】又、本発明の断熱箱体は外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物が充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤は、水酸化アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤であり、本発明の請求項2に記載の炭酸ガス吸着剤は、請求項1記載の炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部がアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤である。
【0020】従って、炭酸ガス吸着剤として能力の高い水酸化アルカリ金属等を用いても、その被膜層に含まれる吸水性粉体の効果により長期保存した場合においても、侵入した大気中の水分が、吸水性粉体に捕捉され、水酸化アルカリ金属等の溶出が低減できる。又、被膜層に熱可塑性樹脂を使用することにより、加熱した水酸化アルカリ金属又はアルカリ土金属に直接熱可塑性樹脂粉体と吸水性粉体の混合粉体を噴射し被膜層を形成できる。
【0021】即ち、水や溶剤等の溶媒を用いることなく被覆できるため、製造工程中に吸水性粉体へ悪影響を及ぼすことはない。従って断熱材に適用した場合においても発泡効率やフォーム物性に影響を及ぼさない優れた炭酸ガス吸着剤を得ることができる。
【0022】本発明の請求項3に記載の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包された発泡断熱材である。
【0023】アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物を主成分とする炭酸ガス吸着剤は、イソシアネートと水分の反応により気泡内に発生する気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを吸着除去することにより、アルカリ金属又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化し、気泡内は気体熱伝導率の比較的小さい揮発性発泡剤により満たされる。その結果、断熱性能に優れた発泡断熱材となる。
【0024】又、炭酸ガス吸着剤には内部に吸水性粉体が分散された熱可塑性樹脂にて被覆が施されてあるため、炭酸ガス吸着剤製造後、一定期間を経過した炭酸ガス吸着剤を適用した場合においても炭酸ガス吸着効果が低下することが少ない。又、活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水等と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすこともない。
【0025】本発明の請求項4に記載の断熱箱体は、外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物が充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤にて被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする。
【0026】アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物を主成分とする炭酸ガス吸着剤は、イソシアネートと水分の反応により気泡内に発生する気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを吸着除去することにより、アルカリ金属又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化し、熱伝導率の比較的小さい揮発性発泡剤により満たされる。その結果、断熱性能に優れた発泡断熱材を充填した断熱箱体となる。
【0027】又、炭酸ガス吸着剤には熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被覆が施されてあるため、炭酸ガス吸着剤製造後、一定期間を経過した炭酸ガス吸着剤を適用した場合においても炭酸ガス吸着効果が低下することが少なく、又炭酸ガス吸着剤である活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水等と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすこともなく性能に優れた断熱材を充填した断熱箱体となる。
【0028】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施例における炭酸ガス吸着剤1の断面図を示し、アルカリ金属水酸化物2に、内部に吸水性粉体3を分散した熱可塑性樹脂被膜4の被覆を施してある。アルカリ金属水酸化物2は雰囲気中の炭酸ガスと反応することにより炭酸ガスを吸着除去する作用を行うもので、水酸化ナトリウムで構成されている。その他、水酸化カリウム等アルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等アルカリ土金属の水酸化物でも同様の効果がある。
【0029】又、アルカリ金属水酸化物2及びアルカリ土金属の水酸化物の混合物や、アルカリ金属水酸化物2及びアルカリ土金属の水酸化物の一部が炭酸塩に変化したものでも同様の効果がある。
【0030】又、表面を、内部に吸水性粉体が分散された熱可塑性樹脂にて被覆が施されてあるため炭酸ガス吸着剤製造後一定期間を経過した後においても被膜を通過した大気中の水分が被覆層内部の吸水性粉体に捕捉されるため、炭酸ガス吸着剤の主成分であるアルカリ金属水酸化物2又はアルカリ土金属の水酸化物が水分により溶出することはなく、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することを抑制する作用を行うものである。
【0031】又、被膜層を熱可塑性樹脂被膜4とすることにより、加熱したアルカリ金属水酸化物2に直接熱可塑性樹脂粉体と吸水性粉体3の混合粉体を噴射し被膜層を形成できる、即ち、水や溶剤等の溶媒を用いることがなく被覆できるため、製造工程中に吸水性粉体3が溶媒を吸着し、吸水性能が低下する等の悪影響を及ぼすことはない。
【0032】熱可塑性樹脂被膜4の材料は、熱可塑性を有する樹脂であれば何れも可能であるが、作業性の観点からは比較的融点の低いポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレンや、天然又は合成ワックス等が望ましい。又、熱可塑性樹脂被膜3内部に分散する吸水性粉体2は、吸水性を有する粉体であれば何れも可能であり、例えばポリアクリル酸塩、イオン交換樹脂、グラフトデンプン等の有機系物質や、シリカゲル、ゼオライト等の無機系物質等が適用できる。
【0033】(実施の形態2)図2は、本発明の一実施例における発泡断熱材の拡大断面図、図3は断熱箱体の斜視図を示す。発泡断熱材5は、気泡6、気泡壁7で構成され、実施の形態1に示す炭酸ガス吸着剤8が分散されている。発泡断熱材5製造直後は気泡6内には揮発性発泡剤及びイソシアネートと原料中の水分との反応で発生する熱伝導率の大きい炭酸ガスからなる混合気体で満たされている。
【0034】その後炭酸ガス吸着剤8の被膜を通過した炭酸ガスが炭酸ガス吸着剤8中のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土金属水酸化物と反応し、炭酸塩を形成する作用を行う。従って気泡6内の炭酸ガスが除去されることにより、発泡断熱材5の断熱性能の向上が図れるものである。
【0035】さらにこの炭酸ガス吸着剤8は、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆しているため、活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水等と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすことがない。
【0036】又、炭酸ガス吸着剤製造後一定期間を経過した炭酸ガス吸着剤を適用した場合でも、被膜を通過した大気中の水分が被覆層内部の吸水性粉体に捕捉されるため、炭酸ガス吸着剤の主成分であるアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物が水分により溶出することはなく、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することを防ぎ、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することのない優れた性能を付与することができる。
【0037】又、内箱9と外箱10によって形成される空間11に上記発泡断熱材を充填することにより断熱性能に優れた断熱箱材が形成される。
【0038】以下、実施例を挙げて本発明の発泡断熱体を説明する。
(実施例1)(表1)に実施例1の原料処分を示した。
【0039】
【表1】

【0040】ポリオールは、芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの混合物でトータル水酸基価460mgKOH/g、製泡剤は、信越化学(株)製F335、触媒は、花王(株)製カオライザーNo.31、主発泡剤はシクロペンタンである。
【0041】炭酸ガス吸着剤は、水酸化アルカリ金属粉体として、平均粒子径500μmの関東電化(株)製水酸化ナトリウムを用いた。被膜形成には転動流動型コーティング装置を用い、予め仕込んだ水酸化ナトリウムを約120℃に加熱し、熱可塑性樹脂粉体と吸水性粉体の混合粉体を噴射する方法で行った。
【0042】熱可塑性粉体として水酸化ナトリウムの加熱温度より30〜40度高い融点を有する平均粒径約15μmのポリメタクリルメチル粉体を、吸水性粉体として平均粒径約30μmのポリアクリル酸塩粉体を用い、配合比率は、2:1とし、混合粉体の添加量は水酸化ナトリウムに対し10重量部とした。このように作成した炭酸ガス吸着材を実施例1とした。
【0043】以上の原料を所定の配合部数で配合し、プレミックス成分として構成する。一方、イソシアネート成分は、アミン当量135のポリメリックMDIからなる有機ポリイソシアネートである。
【0044】このように調合したプレミックス成分とイソシアネート成分とを所定の配合部数で混合攪拌し、高圧発泡機にて発泡、内箱と外箱からなる箱体内部に充填し、断熱箱体を得た。
【0045】以上の実施例1で得た断熱箱体から切り出した硬質ウレタンフォームの密度、熱伝導率、気泡内炭酸ガス量の測定結果を(表1)に示した。尚、熱伝導率は、英弘精機(株)製AUTO−λにて測定した。尚、炭酸ガス吸着剤は作成後一週間経過後のものを発泡断熱材に適用した。又、フォーム物性は、発泡後3日経過後に測定を行った。
【0046】又、同時に比較例として、炭酸ガス吸着剤を使用しない場合(比較例1)、及び炭酸ガス吸着剤をメタクリル酸エステル系コーティング剤のみで被覆したものを使用した場合(比較例2)についてもそれぞれ(表1)に示した。
【0047】(表1)の結果から明らかなように、本実施例1は、比較例1に比べ、大幅な熱伝導率の低減、即ち断熱性能の向上が認められる。これは、気泡内ガス測定結果からも判るように、炭酸ガスの減少が要因と考えられる。又、フォーム密度の上昇は、炭酸ガス吸着剤の添加による影響のみと考えられ、発泡効率の低下はみられず、発泡過程での問題はない。
【0048】又、本実施例1は、比較例2と較べても熱伝導率の低減が認められる。比較例2は、発泡過程での問題はなく、気泡内の炭酸ガスの減少は見られ、熱伝導率の低減効果もあるが、本実施例に比べると効果は少ない。これは、炭酸ガス吸着剤作成後一定期間放置することにより大気中の水分が被膜に浸透してくるが、実施例1ではその水分を被覆層内部の吸水性粉体が捕捉するため、被覆層に留まるのに対し、比較例2では水分が被覆層を通過し、炭酸ガス吸着剤の主成分である水酸化ナトリウムが溶出したために、有効な炭酸ガス吸着剤量が確保できなかったためと考えられる。
【0049】このように本実施例の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、水酸化アルカリ金属の水酸化物粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材であり、プレミックス中の水分を吸着することがないため、フォーム発泡効率の低下といった問題がなく、又、一定期間放置後においても炭酸ガス吸着剤中のアルカリ金属の水酸化物の溶出による有効炭酸ガス吸着剤量の減少の問題も解消される。
【0050】従って、フォーム諸物性を損なうことなく、フォーム気泡内ガスを純化しフォーム断熱性能の向上が図れたものである。
【0051】この結果、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシンクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤としてフォーム諸物性に問題のない高断熱性能を有する高品質な発泡断熱材、また前記発泡断熱材を発泡充填した高品質な断熱箱体が提供できるのである。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明は、水酸化アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体又は、それらのアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物の一部が炭酸塩に変化した粉体の表面を、熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層にて被覆した炭酸ガス吸着剤、及び発泡ポリウレタン樹脂組成物中に前記炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材及び前記炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材を充填した断熱箱体である。前記炭酸ガス吸着剤は熱可塑性樹脂内部に吸水性粉体が分散された被膜層を設けているため、断熱材のプレミックス中の水分を吸着することがなくフォーム発泡効率の低下といった問題は発生しない。
【0053】又、被覆層内部の吸水性粉体の効果により一定期間放置後においても炭酸ガス吸着剤中のアルカリ金属の水酸化物の溶出による有効炭酸ガス吸着剤量の減少がない。
【0054】従ってフォーム諸物性を損うことなくフォーム気泡内ガスを純化しフォーム断熱性能の向上が図れたものである。
【0055】この結果、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤として、フォーム諸物性に問題のない高断熱性能を有する高品質な発泡断熱材、また前記発泡断熱材を発泡充填した高品質な断熱箱体が提供できるのである。




 

 


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