米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 松下冷機株式会社

発明の名称 炭酸ガス吸着剤及び発泡断熱材及び断熱箱体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−230161
公開日 平成10年(1998)9月2日
出願番号 特願平9−33417
出願日 平成9年(1997)2月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
発明者 津田 善之 / 香村 明子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤。
【請求項2】 炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部がアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤。
【請求項3】 2種以上の有機又は無機物質の被覆層のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性である請求項1又は請求項2に記載の炭酸ガス吸着剤。
【請求項4】 揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする発泡断熱材。
【請求項5】 発泡ポリウレタン組成物に内包された炭酸ガス吸着剤の2種以上の有機又は無機物質の被覆層のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とする請求項4に記載の発泡断熱材。
【請求項6】 外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物が充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする断熱箱体。
【請求項7】 外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に充填された発泡ポリウレタン樹脂組成物中に内包された炭酸ガス吸着剤の2種以上の有機又は無機物質の被覆層のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とする請求項6記載の断熱箱体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍庫等に用いる炭酸ガス吸着剤、発泡断熱材、及び発泡断熱材を充填してなる断熱箱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点より発泡断熱材の熱伝導率を低減し、断熱性を向上させるというニーズがあると同時に、クロロフルオロカーボン(以下CFCと称する)、更にはハイドロロクロロフルオロカーボン(以下HCFCと称する)によるオゾン層破壊、及び地球温暖化等の環境問題が注目されており、これらを解決することが極めて重要なテーマとなっている。
【0003】このため、代表的な発泡断熱材である硬質ウレタンフォームの製造にあたっては、CFC、及びHCFCの使用量消滅を目的として、オゾン僧破壊に対する影響が全く無く、更に地球温暖化に対しても影響の少ないハイドロカーボン(以下HCと称する)であるペンタンやシクロペンタンによる発泡について、種々取り組みが検討されている。
【0004】基本的に、硬質ウレタンフォームの断熱性能を向上するには、フォーム気泡内ガス成分の気体熱伝導率を低減することが重要であり、気体熱伝導率の低い気体成分でフォーム気泡内を満たすことが効果的手段とされてきた。
【0005】しかしながら一方においては、発泡剤使用量の低減、発泡剤と原料成分との相溶性の問題、及びフォーム諸物性の改善等を目的に、有機ポリイソシアネートと水分との反応により発生する炭酸ガスを発泡剤成分として用いる必要がある。しかし、このような構成においては、気体熱伝導率の大きい炭酸ガスが発泡断熱材の気泡内に残存するため発泡断熱材の断熱性能は悪いものとなる。
【0006】こうした課題解決のアプローチとして例えば、特開昭57−49628号公報で示されているようにゼオライト等の炭酸ガス吸着剤で気泡内の炭酸ガス成分を除去する方法や、特開平06−322166号公報で示されているようにアルカリ金属等の水酸化物を利用することにより気泡内の炭酸ガス成分を除去する方法等が提案されている。すなわち、ゼオライト等から成る炭酸ガス吸着剤を原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを吸着剤にて物理的に吸着する、あるいはアルカリ金属等の水酸化物を原料中にあらかじめ添加混合し、生成した炭酸ガスを化学反応により除去し、気泡内を発泡剤ガスで満たすことにより断熱性能を向上させることが特徴となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】オゾン層破壊の影響がなく、地球温暖化に対する影響も極めて低い、地球環境保護には必要不可欠なハイドロカーボンであるシクロペンタン等を発泡断熱材の発泡剤に適用する場合は、発泡剤成分であるシクロペンタンが汎用的な硬質ウレタンフォーム用原料であるポリエーテルポリオールとの相溶性が悪く、プレミックス中への添加部数が制限される。
【0008】また、シクロペンタンの沸点は49.3℃と従来使用されてきた常温沸点発泡剤であるCFC11の23.8℃や、HCFC141bの32.0℃などと比較すると極めて高く、フォーム発泡効率の改善に際しては、従来のCFC11やHCFC141b等を発泡剤として用いる場合に比べ、水分添加量の増加が必要不可欠である。
【0009】しかしながら、従来の構成ではゼオライト等の物理的な炭酸ガス吸着剤を適用した場合、炭酸ガスの吸着量が少なく、必要吸着剤が多量であるとともにプレミックス添加混合と同時に原料中水分を脱水除去してしまうため、発泡剤としてシクロペンタン等を適用した場合には、フォーム発泡効率が大きく低下し、フォームの低密度化が達成できないという問題があった。又、水酸化アルカリ金属を適用した場合は、炭酸ガスの吸着量は多く、アルカリ金属の水酸化物の必要量は低減しうるが、原料成分であるイソシアネートと反応するためやはりフォーム発泡効率が大きく低下し、フォームの低密度化が達成できないという問題があった。
【0010】これらの問題を解消するために、特願平7−009074公報で提案されたようにアルカリ金属等の水酸化物の表面に被膜を構成することが考えられるが、その場合、発泡効率の低下という問題は解消しうるものの、その被膜が親水性の場合、被膜形成後大気中にさらされることにより大気中の水分が被膜を通過し、炭酸ガス吸着剤が水分を吸着することにより、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下したり、アルカリ金属が水分により溶出し、有効な炭酸ガス吸着剤が減少する等の問題が発生する。
【0011】又、被膜が疎水性の場合は、前記の問題は解消されるが、発泡工程中にウレタン原液をはじき、気泡形成時に独立気泡にならず、連通化する部分が増加し、断熱性能が悪化するという問題が発生する。
【0012】従って、シクロペンタン等を発泡剤として用いた場合においても、これ迄と同様のフォーム発泡効率を確保しながら、フォーム断熱性能に優れた高品質な発泡断熱材を開発する課題があった。
【0013】本発明は、上記課題を鑑み、炭酸ガス吸着剤製造後、一定期間経過後も経時的に炭酸ガス吸着効果が低下することがなく、又ウレタン発泡断熱材に適用した場合においてもフォーム物性を低下させることのない炭酸ガス吸着剤を提供するとともに、フォーム断熱性能に優れた高品質な発泡断熱材と、それら発泡断熱材を充填して成る断熱箱体を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の炭酸ガス吸着剤は、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆したことを特徴とするものである。
【0015】又、炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部がアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化したことを特徴とするものである。
【0016】又、粉体表面を被覆する2種以上の有機又は無機物質のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とするものである。
【0017】又、本発明の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成されアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とするものである。
【0018】又、粉体表面を被覆する2種以上の有機又は無機物質のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とするものである。
【0019】又、本発明の断熱箱体は外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物が充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とするものである。
【0020】又、粉体表面を被覆する2種以上の有機又は無機物質のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤は、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤である。
【0022】本発明の請求項2に記載の炭酸ガス吸着剤は、請求項1記載の炭酸ガス吸着剤に含まれるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部が、アルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した請求項1に記載の炭酸ガス吸着剤である。
【0023】従って、炭酸ガス吸着剤としての能力の高い水酸化アルカリ金属等を用いても、その複数の被覆層の効果により長期保存した場合においても、侵入した大気中の水分が、被覆層の界面の高臨界表面エネルギーを有する材料側の表面に保持されやすく、水酸化アルカリ金属等の溶出が低減でき、断熱材に適用した場合においても発泡効率やフォーム物性に影響を及ぼさない優れた炭酸ガス吸着剤を得ることができる。
【0024】又、本発明の請求項3に記載の炭酸ガス吸着剤は、請求項1記載の2種以上の有機又は無機物質のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とする炭酸ガス吸着剤であり、疎水性である内層の効果により、侵入した大気中の水分をほぼ完全に遮断することができるため水分の影響をさらに低減することができるとともに、親水性である最外層の効果により各種樹脂中に混合した場合においても樹脂との接着性が優れる。さらに炭酸ガスと水酸化アルカリ金属の反応により生成された水分が被覆を通過することを制御する効果もあり、外部の樹脂等に悪影響を及ぼすこともない。
【0025】本発明の請求項4に記載の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包された発泡断熱材である。
【0026】アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物を主成分とする炭酸ガス吸着剤は、イソシアネートと水分の反応により気泡内に発生する気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを吸着除去することにより、アルカリ金属又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化し、気泡内は、気体熱伝導率の比較的小さい揮発性発泡剤により満たされる。その結果、断熱性能に優れた発泡断熱材となる。
【0027】又、炭酸ガス吸着剤には多層状に被覆が施されてあるため、炭酸ガス吸着剤製造後、一定期間を経過した炭酸ガス吸着剤を適用した場合においても炭酸ガス吸着効果が低下することが少ない。又、活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水等と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすこともない。
【0028】本発明の請求項5に記載の発泡断熱材は、発泡ポリウレタン樹脂組成物中の炭酸ガス吸着剤の被覆層である2種以上の有機又は無機物質のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とする発泡断熱材である。
【0029】従って、疎水性である内層の効果により被覆形成後大気中にさらされた場合においても侵入した大気中の水分をほぼ完全に遮断し、水分の影響をさらに低減することができるため、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することはない。又、親水性である最外層の効果により炭酸ガス吸着剤を混合発泡しても、発泡工程中にウレタン原液をはじき、気泡形成時に独立気泡にならず、連通化する部分が増加し、断熱性能が悪化するという問題はない。
【0030】本発明の請求項6に記載の断熱箱体は、外箱と、内箱と、前記外箱および内箱によって形成される空間部に揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物が充填され、樹脂組成物中にアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物の一部又は全てがアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤が内包されることを特徴とする。
【0031】アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物を主成分とする炭酸ガス吸着剤は、イソシアネートと水分の反応により気泡内に発生する気体熱伝導率の大きい炭酸ガスを吸着除去することにより、アルカリ金属又はアルカリ土金属の炭酸塩に変化し、熱伝導率の比較的小さい揮発発泡剤により満たされる。その結果、断熱性能に優れた発泡断熱材を充填した断熱箱体となる。
【0032】又、炭酸ガス吸着剤には多層状に被覆が施されてあるため、炭酸ガス吸着剤である活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水分と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすこともなく性能に優れた断熱材を充填した断熱箱体となる。
【0033】本発明の請求項7に記載の断熱箱体は、外箱と、内箱と前記外箱および内箱によって形成される空間部に充填された発泡ポリウレタン樹脂組成物中に内包された炭酸ガス吸着剤の2種以上の有機又は無機物質の被覆層のうち、最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性であることを特徴とするものである。
【0034】従って、親水性である最外層の効果により炭酸ガス吸着剤を混合発泡しても、発泡工程中にウレタン原液をはじき、気泡形成時に独立気泡にならず、連通化する部分が増加し、断熱性能が悪化するという問題はなく又、疎水性である内層の効果により被覆形成後大気中にさらされた場合においても大気中の水分が被覆を通過し、炭酸ガス吸着剤が水分により溶出することがなく、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することのない優れた性能を有する断熱材を充填した断熱箱体となる。以下、本実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0035】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施例における炭酸ガス吸着剤の断面図を示し、アルカリ金属水酸化物1が最外層2及び最内層3の2層の被覆を施してある。アルカリ金属水酸化物1は雰囲気中の炭酸ガスと反応することにより炭酸ガスを吸着除去する作用を行うもので、水酸化ナトリウムで構成されている。その他、水酸化カリウム等アルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等アルカリ土金属の水酸化物でも同様の効果がある。又、アルカリ金属の水酸化物とアルカリ土金属の水酸化物の混合物や、アルカリ金属の水酸化物の一部が炭酸塩に変化したもの、アルカリ土金属の水酸化物の一部が炭酸塩に変化したもの、さらにそれらの混合物でも同様の効果がある。又、表面を、最外層2、最内層3を含む各々乾燥硬化時の臨界表面エネルギーの異なる複数の被覆層を設けている。そのため、炭酸ガス吸着剤製造後一定期間を経過した後においても被覆を通過した大気中の水分が被覆層界面の、臨界表面エネルギーが高い材料側の表面に保持されやすく、炭酸ガス吸着剤が水分により溶出することは少なく、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することを抑制する作用を行うものである。最外層2、最内層3の材質は各々乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが異なれば、有機系、無機系どのような材料を適用しても効果は発揮できるが、望ましくは最外層に親水性材料、最外層を除く少なくとも1層に疎水性材料を適用することにより効果がさらに発揮できる。それは、最外層を少なくとも1層に疎水性材料を適用することにより被覆を通過した大気中の水分が、疎水性の層によりほぼ完全に遮断されるため炭酸ガス吸着剤が水分により溶出することが更に低減されるためである。又、最外層に親水性材料を適用することにより、ウレタン発泡断熱材に適用した場合において炭酸ガス吸着剤を混合発泡しても、発泡工程中にウレタン原液をはじくことはないため、気泡形成時に独立気泡にならず連通化する部分が増加することによる断熱性能の悪化を抑制する作用を行うためである。疎水性材料としては、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が代表的であるが、その他ポリプロピレン、ポリエチレン等疎水性を有するものであれば何れも効果が高い。又、親水性材料としてはアクリル系樹脂が代表的であるが、その他ウレタン系樹脂や水ガラス系無機材料等親水性を有する被覆であれば同様の効果がある。
【0036】(実施の形態2)図2は、本発明の一実施例における発泡断熱材の拡大断面図、図3は断熱箱体の斜視図を示す。発泡断熱材4は、気泡5、気泡壁6で構成され、実施の形態1に示す炭酸ガス吸着剤7が分散されている。発泡断熱材4製造直後は気泡5内には揮発性発泡剤及びイソシアネートと原料中の水分との反応で発生する熱伝導率の大きい炭酸ガスからなる混合気体で満たされている。その後炭酸ガス吸着剤7の被膜を通過した炭酸ガス吸着剤7中のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土金属水酸化物と反応し、炭酸塩を形成する作用を行う。従って気泡5内の炭酸ガスが除去されることにより、発泡断熱材4の断熱性能の向上が図れるものである。さらにこの炭酸ガス吸着剤7は、複数の層で被覆しているため、活性の高い水酸化アルカリ金属等が原料中のイソシアネートや水等と反応することはなく、発泡過程において発泡効率が低下する等の悪影響を及ぼすことがない。又、炭酸ガス吸着剤製造後一定期間を経過した炭酸ガス吸着剤を適用した場合でも、炭酸ガス吸着効果の低下は少なく、問題なく適用できる。尚、適用する炭酸ガス吸着剤の被覆層の材質は、実施の形態1に示したと同時に最外層2、最内層3の材質は各々乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが異なれば、有機系、無機系どのような材料を適用しても効果は発揮できるが、望ましくは最外層に親水性材料、最外層を除く少なくとも1層に疎水性材料を適用することにより効果がさらに発揮できる。それは親水性である最外層の効果により炭酸ガス吸着剤を混合発泡しても、発泡工程中にウレタン原液をはじき、気泡形成時に独立気泡にならず、連通化する部分が増加し、断熱性能が悪化するという問題はなく又、疎水性である内層の効果により被膜形成後大気中にさらされた場合においても大気中の水分が被膜を通過し、炭酸ガス吸着剤が水分により溶出することがなく、炭酸ガス吸着剤としての効果が低下することのない優れた性能を付与することができるためである。
【0037】又、内箱8と外箱9によって形成される空間10に上記発泡断熱材を充填することにより断熱性能に優れた断熱箱体が形成される。
【0038】以下、実施例を挙げて本発明の発泡断熱材を説明する。
(実施例1)(表1)に実施例1の原料処方を示した。
【0039】
【表1】

【0040】ポリオールは、芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの混合物でトータル水酸基価460mgKOH/g、整泡剤は、信越化学(株)製F335、触媒は、花王(株)製カオライザーNo.31、主発泡剤はシクロペンタンである。炭酸ガス吸着剤は、水酸化アルカリ金属粉体として、平均粒子径500μmの関東電化(株)製水酸化ナトリウムを用いた。
【0041】尚、炭酸ガス吸着剤を、遠心流動型コーティング装置にて二層被覆を施した。被覆層の材料として、最内層を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが38dyne/cmであるアクリル酸エステル、最外層を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが35dyne/cmである酢酸ビニル系コーティングを施したものを作製し、実施例1とした。
【0042】以上の原料を所定の配合部数で混合し、プレミックス成分として構成する。一方、イソシアネート成分は、アミン当量135のポリメリックMDIからなる有機ポリイソシアネートである。
【0043】このように調合したプレミックス成分とイソシアネート成分とを所定の配合部数で混合撹拌し、高圧発泡機にて発泡、内箱と外箱からなる箱体内部に充填し、断熱箱体を得た。
【0044】(実施例2)同様に(表1)に実施例2の原料処方を示した。
【0045】ポリエールは、芳香族アミン系ポリエーテルポリオールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールの混合物でトータル水酸基価460mgKOH/g、整泡剤は、信越化学(株)製F335、触媒は、花王(株)製カオライザーNo.31、主発泡剤はシクロペンタンである。炭酸ガス吸着剤は、水酸化アルカリ金属粉体として、平均粒子径500μmの関東電化(株)製水酸ナトリウムを用いた。
【0046】尚、炭酸ガス吸着剤を、遠心流動型コーティング装置にて二層被覆を施した。被覆層の材料として、最内層を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが23dyne/cmである疎水製材料のシリコーン樹脂、最外層を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが46dyne/cmである親水性材料のメタクリル酸エステル系コーティングを施したものを作製し、実施例2とした。
【0047】以上の原料を所定の配合部数で混合し、プレミックス成分として構成する。一方、イソシアネート成分は、アミン当量135のポリメリックMDIからなる有機ポリイソシアネートである。
【0048】このように調合したプレミックス成分とイソシアネート成分とを所定の配合部数で混合撹拌し、高圧発泡機にて発泡、内箱と外箱からなる箱体内部に充填し、断熱箱体を得た。
【0049】以上の実施例1及び実施例2で得た断熱箱体から切り出した硬質ウレタンフォームの密度、熱伝導率、気泡内炭酸ガス量の測定結果を(表1)に示した。尚、熱伝導率は、英弘精機(株)製AUTO−λにて測定した。尚、炭酸ガス吸着剤は作成後一週間経過後のものを発泡断熱材に適用した。又、フォーム物性は、発泡後3日経過後に測定を行った。
【0050】又、同時に比較例として、炭酸ガス吸着剤を使用しない場合(比較例1)、及び炭酸ガス吸着剤を乾燥硬化時の臨界表面エネルギーが46dyne/cmであるメタクリル酸エステル系コーティングのみで被覆したものを使用した場合(比較例2)、及び炭酸ガス吸着剤を乾燥硬化時の臨界表明エネルギーが23dyne/cmであるシリコーン樹脂のみで被覆したものを使用した場合(比較例3)についてもそれぞれ(表1)に示した。
【0051】(表1)の結果から明らかなように、本実施例1及び実施例2は、比較例1に比べ、大幅な熱伝導率の低減、即ち断熱性能の向上が認められる。これは、気泡内ガス測定結果からも判るように、炭酸ガスの減少が要因と考えられる。又、フォーム密度の上昇は、炭酸ガス吸着剤による影響のみと考えられ、発泡効率の低下はみられず、発泡過程での問題はない。本実施例2が実施例1より僅かに熱伝導率の低減効果が大きいのは、最内層の疎水性材料の効果により大気中の水分の影響をより受けにくくなったものと考える。
【0052】又、本実施例1及び実施例2は、比較例2及び比較例3と較べても熱伝導率の低減が認められる。比較例2は、発泡過程での問題はなく、気泡内の炭酸ガスの現象は見られ、熱伝導率の低減効果もあるが、本実施例に比べると効果は少ない。これは、炭酸ガス吸着剤の被膜が親水性であるため、作成後一定期間放置することにより大気中の水分が被膜を通過し、炭酸ガス吸着剤中のアルカリ金属の水酸化物が溶出しために、有効な炭酸ガス吸着剤量が確保できなかったためと考えられる。又、比較例3もやはり熱伝導率の低減は本実施例に比べ少ない。これは、炭酸ガス吸着剤の被膜が疎水性であるため、炭酸ガス吸着剤を混合発泡した際、発泡工程中にウレタン原液をはじき、気泡形成時に独立気泡にならず、連通化する部分が増加したため、断熱性能が悪化すると考えられる。
【0053】このように本実施例の発泡断熱材は、揮発性発泡剤で満たされた独立気泡を有する発泡ポリウレタン樹脂組成物から構成され、アルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土金属の水酸化物からなる粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質にて多層状に被覆し、望ましくは最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性である炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材であり、プレミックス中の水分を吸着することがないため、フォーム発泡効率の低下といった問題がなく、又、一定期間放置後においても炭酸ガス吸着剤中のアルカリ金属の水酸化物の溶出による有効炭酸ガス吸着剤量の減少や、炭酸ガス吸着剤を混合発泡した際のウレタン原液をはじき、気泡形成時にフォームが連通化する等の問題は解消される。
【0054】従って、フォーム諸物性を損なうことなく、フォーム気泡内ガスを純化しフォーム断熱性能の向上が図れたものである。
【0055】この結果、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤として、フォーム諸物性に問題のない高断熱性能を有する高品質な発泡断熱材、また前記発泡断熱材を発泡充填した高品質な断熱箱体が提供できるのである。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明は、アルカリ金属の水酸化物及びアルカリ土金属の水酸化物の少なくとも1種で構成される粉体又は、それらのアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土金属の水酸化物の一部が炭酸塩に変化した粉体の表面を、乾燥硬化時の臨界表面エネルギーがそれぞれ異なる2種以上の有機又は無機物質、望ましくは最外層に形成された被覆層が親水性、最外層を除く層のうち少なくとも1層が疎水性である有機又は無機物質にて多層状に被覆した炭酸ガス吸着剤、及び発泡ポリウレタン樹脂組成物質中に前記炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材及び前記炭酸ガス吸着剤を内包した発泡断熱材を充填した断熱箱体である。前記炭酸ガス吸着剤は多層状の被覆を施しているため、断熱材のプレミックス中の水分を吸着することがなくフォーム発泡効率の低下といった問題は発生しない。又、被覆層の中の疎水性被膜の効果により一定期間放置後においても炭酸ガス吸着剤中のアルカリ金属の水酸化物の溶出による有効炭酸ガス吸着剤量の減少がなく、さらに被覆層の中の親水性被膜の効果により、炭酸ガス吸着剤を混合発泡した際にウレタン原液をはじき、気泡形成時にフォームが連通化する等の問題は解消される。従ってフォーム諸物性を損なうことなくフォーム気泡内ガスを純化しフォーム断熱性能の向上が図れたものである。
【0057】この結果、地球環境を守る上で必要不可欠なオゾン破壊係数0、地球温暖化に与える影響も殆ど無いハイドロカーボンの一つであるシクロペンタンをウレタンフォーム用発泡剤として、フォーム諸物性に問題のない高断熱性能を有する高品質な発泡断熱材、また前記発泡断熱材を発泡充填した高品質な断熱箱体を提供できるのである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013