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ドラフトチャンバの風速校正方法 - 株式会社イトーキクレビオ
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発明の名称 ドラフトチャンバの風速校正方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−118504
公開日 平成10年(1998)5月12日
出願番号 特願平8−278117
出願日 平成8年(1996)10月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 茂明 (外2名)
発明者 前田 正行 / 米岡 隆博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 前面開口の処理室を有する本体部と、前記処理室の開口部を開口寸法調整自在に覆う扉と、前記処理室内に連通状とされその処理室からの排気量が一定とされた排気管と、前記処理室内の所定位置に設けられた風速センサとを有するドラフトチャンバに対して、前記処理室開口部における風速と前記処理室内の所定位置における風速との相関関係を求めるためのドラフトチャンバの風速校正方法であって、前記処理室開口部における風速の予測変化範囲内において、複数のサンプリング風速を設定し、前記処理室開口部に一時的に設けられた校正用風速センサの風速が、前記設定されたサンプリング風速と一致するように、前記開口部の開口寸法を調整することにより、前記各サンプリング風速に対する前記処理室内の所定位置における風速センサの風速を順次測定して、前記処理室開口部における風速と前記処理室内の所定位置における風速との相関関係を求めることを特徴とするドラフトチャンバの風速校正方法。
【請求項2】 前記処理室開口部における風速の予測変化範囲内が、前記処理室開口部の最大開口時の前記開口部における風速と、前記処理室における作業時に必要な前記処理室開口部の最小開口時の前記開口部における風速との間に設定されていることを特徴とする請求項1記載のドラフトチャンバの風速校正方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドラフトチャンバにおいて、処理室開口部における風速を求めるための風速校正方法に関する。
【0002】
【発明の背景】処理室内において発生した有毒ガス等を排気管から排出するようにしたドラフトチャンバには、その有毒ガス等から作業者の安全を確保するために、処理室開口部の流入空気の風速に一定の基準が設けられている。
【0003】このため、排気管に可変ダンパを設けたり、排気装置の吸引ファンの強弱を調整して、排気管からの排気量を調整するようにした排気量変動方式のドラフトチャンバでは、処理室開口部での風速と処理室内面の所定位置での風速との間に一定の相関関係が成り立つことを利用して、処理室内の所定位置に取付けられた風速センサからの出力信号により、処理室開口部における風速を求め、この風速が上記基準をクリアするように、排気管からの排気量を制御するようにしている。
【0004】このとき、上述のように処理室内の所定位置に設けられた風速センサにより、処理室開口部における風速を求めるためには、予め処理室開口部での風速と処理室内所定位置での風速との間の相関関係(近似式等)を求めておく必要がある(風速校正という)。
【0005】そこで、処理室開口部の開口寸法を一定にした状態で、排気管からの排気量を変化させ、この変化に伴う処理室開口部における風速の変化と処理室内の所定位置における風速の変化とを測定することにより、両者間の相関関係を求めている。
【0006】このような相関関係は、ドラフトチャンバ自体の劣化や、処理室所定位置に取付けた風速センサの経年劣化等による特性変化により上記相関関係がずれたときにも求め直す必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記排気量変動方式のドラフトチャンバとは別に、排気管からの排気量が一定に固定又は半固定された排気量一定方式のドラフトチャンバがある。
【0008】かかるドラフトチャンバでは、排気管からの排気量が一定であるため、処理室開口部における風速は、主として、処理室開口部の開口寸法によって変化することになるが、この場合にも、処理室開口部における風速を測定できるようにするため、処理室開口部における風速と処理室内の所定位置における風速との間の相関関係を求める風速校正を行う必要がある。
【0009】そこで、この発明は、排気量一定方式のドラフトチャンバにおいて、処理室開口部における風速を測定すべく、処理室開口部における風速と処理室内の所定位置における風速との相関関係を求めることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明の請求項1記載のドラフトチャンバの風速校正方法は、前面開口の処理室を有する本体部と、前記処理室の開口部を開口寸法調整自在に覆う扉と、前記処理室内に連通状とされその処理室からの排気量が一定とされた排気管と、前記処理室内の所定位置に設けられた風速センサとを有するドラフトチャンバに対して、前記処理室開口部における風速と前記処理室内の所定位置における風速との相関関係を求めるためのドラフトチャンバの風速校正方法であって、前記処理室開口部における風速の予測変化範囲内において、複数のサンプリング風速を設定し、前記処理室開口部に一時的に設けられた校正用風速センサの風速が、前記設定されたサンプリング風速と一致するように、前記開口部の開口寸法を調整することにより、前記各サンプリング風速に対する前記処理室内の所定位置における風速センサの風速を順次測定して、前記処理室開口部における風速と前記処理室内の所定位置における風速との相関関係を求めることを特徴とする。
【0011】なお、請求項2記載のように、前記処理室開口部における風速の予測変化範囲を、前記処理室開口部の最大開口時の前記開口部における風速と、前記処理室における作業時に必要な前記処理室開口部の最小開口時の前記開口部における風速との間に設定するとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるドラフトチャンバの風速校正方法について説明する。
【0013】即ち、図1及び図2に示すように、この風速校正方法が適用される排気量一定方式のドラフトチャンバ1は、本体2内の底面から所定高さ位置に作業台4が配設されると共に、その背面板と天板から所定間隔を有して仕切り板6が配設されて、前面に開口部8を有する処理室10が形成されている。
【0014】本体2の前面には、処理室10の開口部8を閉開自在に覆うスライド扉12が設けられている。このスライド扉12は、アクリル樹脂やガラス等の透明板により形成され、手動又は電動により上下にスライドさせて、任意の高さ位置に保持できるように構成されている。
【0015】本体2の上部には、仕切り板6に形成された複数の吸引孔7を介して、処理室10内と連通する排気管13が設けられている。この排気管13は、図示省略の排気装置に連結されており、排気管13を介して処理室10内の空気が吸引・排気されるように構成されている。また、排気管13内には、手動ダンパ14が回動自在に取付けられており、排気管13外部に設けられた図示省略のハンドルを操作することにより、排気管13からの排気量を半固定に調整することが可能なように構成されている。
【0016】そして、ドラフトチャンバ1の本体2の側部に取付けられた制御ユニット30に、ドラフトチャンバ1の処理室10内側面の所定位置Pに取付けられた風速センサ22が電気的に接続されて風速測定装置が構成されている。
【0017】上記風速センサ22としては、例えば、周知の熱線風速計等が用いられ、風速が電圧(又は電流)として出力され、この出力信号が制御ユニット30に入力されるように構成されている。
【0018】以下に、図3を参照して、この排気量一定方式のドラフトチャンバの制御について説明すると、即ち、制御ユニット30のコントローラ部32には、処理室10開口部8における風速と処理室10内の所定位置Pにおける風速との相関関係を示す近似式が記憶されており(この近似式を求める風速校正方法については後述する)、この近似式と風速センサ22からの出力信号に基づいて、処理室10開口部8における風速が求められる。このように求められた風速は、制御ユニット30前面に設けられた表示部31に表示される。
【0019】また、制御ユニット30前面に設けられた入力部34から所定の基準をクリアするような目標風速を入力しておくと、第1比較演算回路36において上記求められた風速と目標風速との比較を行い、処理室10開口部8における風速が前記目標風速を下回ったときにブザー等の警告を発するように構成されている。
【0020】なお、制御ユニット30には、後述するように、処理室10開口部8における風速と処理室10内の所定位置Pにおける風速との相関関係を示す近似式を求める際に、処理室10開口部8に一時的に設けられる校正用風速センサ40からの出力信号が入力される入力端子(図示省略)が設けられている。
【0021】次に、処理室10開口部8における風速と処理室10内の所定位置Pにおける風速との相関関係を示す近似式を求める排気量一定方式の風速校正方法について図3ないし図6を用いて説明する。
【0022】まず、周囲を気流が乱れていない静環境にして、公的機関で精度を保証された校正用風速センサ40を、開口部8の幅方向略中央の所定高さ位置に取付ける。そして、開口部8の開口寸法を第1の所定寸法にした状態で、校正用風速センサ40の表示風速が所定の値になるように、手動ダンパ14を調整して排気管13による排気量を調整する。
【0023】そして、図4及び図5に示すように、校正用風速センサ40の出力を、制御ユニット30の入力端子に接続する(ステップS1)。この後、スライド扉12を全開状態にして、開口部8の風速Vminを測定した後(ステップS2)、スライド扉12を第2の所定開口寸法にした状態で、開口部8の風速Vmaxを測定すると(ステップS3)、開口部8における風速の予測変化範囲Vmin〜Vmaxが求められる。このとき、第2の所定開口寸法は、ドラフトチャンバ1での通常作業に最小限必要な寸法(例えば150mm)に設定するのがよい。
【0024】この後、入力部34を操作し、制御ユニット10を手動校正モードに設定すると(ステップS4)、コントローラ部32において、サンプリング数nが0にリセットされる(ステップS5)。
【0025】この後、ステップS6において、サンプリング数nが、表示部31に表示される。
【0026】そして、このサンプリング数nを見た作業者は、ステップS7において、上記開口部8における風速の予測変化範囲Vmin〜Vmaxを、その範囲内でサンプリングを行う総数Nで均等分割し、即ち、下記式サンプリング風速(Vn)=Vmin+{(Vmax−Vmin)/N}×nから、サンプリング数nに対応するサンプリング風速Vnを求める。
【0027】この後、作業者は、サンプリング数nに応じて求められたサンプリング風速Vnに、校正用風速センサ40に表示される開口部8の風速が一致するように、スライド扉12を上下にスライド調整する(ステップS8)。
【0028】そして、開口部8の風速がサンプリング風速Vnと一致したときに、入力部34のセットキーを押す(ステップS9)。
【0029】すると、ステップS10においてサンプリング、即ち、開口部8の風速が上記サンプリング風速Vnであるときの処理室10内所定位置Pにおける風速センサ22の出力信号の電圧Enが測定され、これらサンプリング風速Vn,電圧Enがコントローラ部32に記憶される。
【0030】この後、サンプリング数nに1加算された後(ステップS11)、このサンプリング数nがサンプリング総数Nと同じ値になったか否かが判定され(ステップS12)、n≠Nである場合には、再度ステップS6に戻ってそのサンプリング数nにおけるサンプリングがなされる。
【0031】そして、ステップS6〜S11がN回繰り返されて、0から(N−1)までの各サンプリング風速Vnに対応する風速センサ22の出力信号の電圧Enがそれぞれ測定された後、n=Nであると判定されると(ステップS12)、処理室10開口部8における風速Vnと処理室10内の所定位置Pにおける風速センサ22の出力電圧Enとの相関関係を示す近似式が求められる(ステップS13)。
【0032】このように求められた近似式は、図6に示すように、上記ステップS6〜S12においてサンプリングされた出力電圧Enのデータ区間では、それぞれサンプリングされたVn,Enから最小二乗法により3次近似式を求めている。また、最小の電圧Enよりも小さい区間では、そのデータポイントと風速0m/s時の風速センサ22の出力信号の電圧間の直線近似式を求め、最大の出力電圧Enよりも大きい区間では、上記各サンプリングされたVn,Enから最小二乗法で直線近似式を求めて、その傾きでかつ最大の電圧Enのデータポイントを通る直線近似式を求めている。
【0033】ここで、スライド扉12を第2の所定開口寸法にした状態と全開にした状態との間で上記データ区間を定め、このデータ区間のみで最小二乗法により3次近似式を求めているのは、通常のドラフトチャンバ1の使用時において風速測定に用いられる範囲で、風速測定の精度を確保するためである。
【0034】上記排気量一定方式の風速校正方法によると、排気量一定方式のドラフトチャンバ1に対して、処理室10開口部8における風速変化範囲内において、複数のサンプリング風速Vnを設定し、処理室10開口部8に一時的に設けられた校正用風速センサ40の風速が、サンプリング風速Vnと一致するように、開口部8の開口寸法を調整する一方、各サンプリング風速Vnに対する処理室10内の所定位置における風速センサ22からの出力電圧Enを順次測定して、開口部8の風速と上記所定位置における風速センサ22の出力電圧Enとの相関関係を表す近似式、即ち、処理室10の開口部8の風速Vnと処理室8内の所定位置での風速との相関関係を求めているため、処理室10内所定位置に設けられた風速センサ22により開口部8の風速Vnを求めることが可能となる。
【0035】なお、上記風速校正方法のステップS7において、開口部8における風速の予測変化範囲内で均等分割せずに任意に分割してVnを求めてもよい。
【0036】また、校正用風速センサ40に出力端子がなく、単に測定した風速が表示されるのみである場合等には、各サンプリング風速Vnと開口部8における校正用風速センサ40の表示風速とが一致するように順次開口部8の開口寸法を順次調整してこれらが一致したときに、そのサンプリング風速Vnを入力部34を介して制御ユニット30に入力するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1又は2記載のドラフトチャンバの風速校正方法によると、処理室開口部における風速の変化範囲内において、複数のサンプリング風速を設定し、処理室開口部に一時的に設けられた校正用風速センサの風速が、設定されたサンプリング風速と一致するように、開口部の開口寸法を調整することにより、各サンプリング風速に対する処理室内の所定位置における風速センサの風速を順次測定して、処理室の開口部の風速と処理室内の所定位置での風速との相関関係を求めているため、排気量一定方式のドラフトチャンバにおいて風速の校正が可能となり、上記相関関係及び処理室内所定位置に設けられた風速センサからの出力信号により、処理室開口部における風速の測定が可能となる。




 

 


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