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発明の名称 脱気装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−76106
公開日 平成10年(1998)3月24日
出願番号 特願平8−253932
出願日 平成8年(1996)9月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】池浦 敏明 (外1名)
発明者 小林 正幸 / 小橋 加奈子 / 浜崎 貞勝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜とポリテトラフルオロエチレン多孔質体の薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする脱気装置。
【請求項2】 ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜とポリテトラフルオロエチレン多孔質体の薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする脱気装置。
【請求項3】 ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜と織布、不織布、編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする脱気装置。
【請求項4】 ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜と織布、不織布、編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする脱気装置。
【請求項5】 該気体流路形成材が、織布、不織布、編布等の布帛から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱気装置。
【請求項6】 該気体流路形成材が、織布、不織布、編布等の布帛の片面又は両面に合成樹脂の多孔質フィルムを積層したものからなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱気装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体中に溶存する気体を脱気させる脱気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学品製造、食品製造、医療、半導体製造等の種々の分野において、液体中に溶存している気体の脱気が要求されることが多々ある。このような脱気に使用される装置として、溶存気体を透過させる多孔質高分子膜材をスパイラル状あるいはプリーツ状に重ねてモジュール化したものが知られている。このタイプの装置では、膜材の片側を液体流路とし、膜材の他側を減圧条件にされた除去気体流路として、脱気を行っている。
【0003】ところが、上記のような多孔質高分子膜材を用いた脱気装置では、溶剤液、油脂液、界面活性剤を含む液を脱気対象とした場合、液透過が起こりやすく、膜材が濡れて、脱気ができないという問題があった。
【0004】このような問題点を解消するため、膜材として多孔質高分子膜の表面にシリコーン樹脂をコーティングしたものを使用した脱気装置が提案されている(特開平3−169304号、特開平3−249907号公報等)。しかしながら、この装置では、濃度が比較的低い溶剤液、油脂液、界面活性剤を含む液を脱気対象としたときは脱気が行えるが、濃度が高いと液透過を起こしてしまい、脱気が行えなくなるという問題があった。また、シリコーン樹脂は半導体製造で使用される現像液やフォトレジスト液等の特殊液に対して溶出、劣化があるため、この装置はこれら特殊液の脱気には使用できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、膜材をスパイラル状あるいはプリーツ状に重ねてモジュール化した脱気装置において、濃度が高い溶剤液、油脂液、界面活性剤を含む液、半導体製造で使用される特殊液等に対しても効率よく脱気が行える脱気装置を提供することをその課題とする。また、本発明は、強度的にもすぐれた膜構造体を用いた脱気装置を提供することを別の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜とポリテトラフルオロエチレン多孔質体の薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする脱気装置が提供される。また、本発明によれば、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜とポリテトラフルオロエチレン多孔質体の薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする脱気装置が提供される。また、本発明によれば、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜と織布、不織布、編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする脱気装置が提供される。さらに、本発明によれば、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜と織布、不織布、編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする脱気装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の脱気装置について詳述する。本発明の第1の脱気装置は、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜とポリテトラフルオロエチレン多孔質体の薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする。
【0008】本発明で用いる膜構造体材料は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以FEPと記す)の薄膜とポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと記す)多孔質体の薄膜との積層膜からなる。
【0009】本発明の膜構造体材料で用いるFEP薄膜は、液体に対しては不透過性、気体に対しては良好な透過性を示す上、耐溶剤性、耐油性、耐界面活性剤性、耐熱性等が良好である。FEP薄膜の厚さは1〜100μm、好ましくは10〜30μmである。FEP薄膜の厚さが上記範囲より薄いと、取り扱い性が低下したり、傷が付いたときに破断が生じたり、静電気によるピンホールが発生し易くなったりする等の問題があり、上記範囲より厚くなるとガス透過性が低下する。
【0010】また、本発明の膜構造体材料で用いるPTFE多孔質体薄膜は、FEP薄膜と同様に液体に対しては不透過性、気体に対しては良好な透過性を示し、さらに、FEPに対する保護効果、機械的強度、クッション性、耐化学薬品性、耐熱性等にすぐれるものである。PTFE多孔質体薄膜の厚さは1〜100μm、好ましくは20〜40μmである。PTFE多孔質体薄膜の厚さが上記範囲より薄いと、膜構造体の耐圧力性を含む耐強度性、FEPに対する保護性、クッション性に欠けるようになり、上記範囲より厚くなると嵩高くなり、ケーシングに収容できる膜の面積が小さくなる。PTFE多孔質体薄膜において、その平均孔径は0.05〜15μm、好ましくは0.1〜0.5μmであり、その空孔率は30〜90%、好ましくは70〜80%である。平均孔径が上記範囲より小さいとガスの透過性が低くなり、上記範囲より大きいと強度の低下、FEP保護効果の低下をきたす。また、空孔率が上記範囲より小さいとガス透過性が低下し、上記範囲より大きいと強度の低下をきたし、FEP保護効果の低下をきたす。
【0011】FEP薄膜とPTFE薄膜とを積層する方法としては、例えばグラビアロールを用いて接着剤を転写しラミネートする方法、熱融着による方法等を使用することができる。
【0012】本発明で用いる膜構造体材料としては、膜厚10〜100μmのFEP薄膜と膜厚20〜200μmのPTFE多孔質体薄膜との積層膜に240〜310℃程度の熱を加え、一方向又は二方向に2〜15倍の範囲に延伸し、さらに多孔質化、薄型化したものを用いることもできる。このようにすると、FEP薄膜とPTFE多孔質体薄膜を単に積層したものに比べ、ガス透過性の点でよりすぐれたものとなる。延伸後におけるFEP薄膜の厚さは0.7〜20μm、好ましくは1〜5μmであり、PTFE多孔質薄膜の厚さは1.3〜100μm、好ましくは5〜20μmであり、積層膜全体の厚さは2〜120μm、好ましくは6〜25μmである。
【0013】本発明で用いる膜構造体は、例えば上記積層膜を2枚用い、周囲の4辺を熱融着等の接合法で接合するか、あるいは上記積層膜の1枚を二つ折りにして、折り返した辺以外の周囲の3辺を同様の接合法で接合することにより、封筒状のものとすることができる。接合は、図1に示すように積層膜どうしのみで接合部を形成してもよいし、図2に示すように融着の信頼性向上のため積層膜の両側をPTFE等の多孔質膜で挟んだ状態で接合してもよい。なお、図1及び図2において1は膜構造体、2は気体流路形成材、3、4は積層膜、5は接合部、6、7はPTFE多孔質フィルムである。
【0014】本発明の膜構造体は封筒状のものであり、その寸法は任意の値に設定することができるが、脱気装置の寸法を考慮に入れると、通常、幅が10〜100cm程度、長さが2〜20m程度であるのが好ましい。膜構造体の長さが長くなりすぎると、減圧にかかる時間が長くなり、初期の脱気に問題が生じてくる。また、膜構造体の長さが短くなりすぎると、十分な脱気を行うことができなくなる。
【0015】本発明で用いる膜構造体の内部には、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材が設けられる。この気体流路形成材としては、その内部を除去空気が移動できるものであればよく、例えばナイロン、ポリエステルのニット、ナイロンのクロス織布、ウレタンスポンジ、ポリエステル、ポリプロピレンのネット、金属ネット等からなる布帛を用いることができ、この布帛の形態は織布、不織布、編布、ネット、スポンジ等とすることができる。この気体流路形成材は、その厚さが0.1〜2mm程度であるのが好ましく、その幅及び長さは、膜構造体の幅及び長さより若干(2〜10mm程度)短いことが好ましい。
【0016】本発明では、気体流路形成材として、上記のような材料からなる布帛の片面又は両面に合成樹脂の多孔質フィルムを積層した構造のものを用いることができる。図3は布帛の両面に合成樹脂の多孔質フィルムを積層した気体流路形成材の構造を模式的に示す断面図、図4及び図5はそれぞれ両面及び片面に合成樹脂の多孔質フィルムを積層した気体流路形成材を膜構造体で包んだ様子を示す断面図で、これらの図中11が布帛、12、13が合成樹脂の多孔質フィルムである。この場合、合成樹脂の多孔質フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂の多孔質体、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル等の多孔質体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂の多孔質体等を使用することができる。この多孔質フィルムは、平均孔径が0.01〜100μm、空孔率が30〜97%、厚さが5〜100μm程度であるのが好ましい。布帛の表面に合成樹脂を積層する方法としては、例えばグラビアロールを用いて接着剤を転写しラミネートする方法、熱融着による方法等を使用することができる。このような構造の気体流路形成材を用いると、膜構造体を真空引きして減圧状態とするときに積層膜同士のくっつきを効果的に防止することができ、目標真空度に到達するまでの時間をより短縮することができ、また、積層膜の損傷を防止するという利点がある。
【0017】本発明で用いる膜構造体は、その内部が減圧になるように、末端部又は中央部等の適所に真空引きのための排気用部材が取り付けられる。この排気用部材としては、適宜の材料からなるチューブ状のものを用いることができる。好ましい材料の一例はFEPである。FEPチューブを用いた場合、積層膜に用いるFEPフィルムと同材質であり、熱融着が容易であるという利点がある。FEPチューブの外径は4〜10mm、肉厚は0.5〜1mm程度が好ましい。
【0018】排気用部材の取付構造例を図6に示す。同図において、21は封筒状の膜構造体を構成する積層膜であり、その適所に設けられた開口部22の位置において、排気用部材としてFEPチューブ23の一端が熱融着により取付られている。即ち、積層膜21の開口部22付近の部分が,PTFE多孔質フィルム24を介して、FEPチューブ23とFEPリング25との間に挟み込まれた状態で熱融着され、気密状態が形成される。ここでPTFE多孔質フィルム24を介在させたのは熱融着時、積層膜が金型にくっつくのを防止、かつ、FEPがPTFEの多孔質構造に溶融状態で含浸し、接合性、気密性を確実にするためであり、FEPリング25を用いたのは熱融着時、ヒーター板の熱で積層膜が変型したり、収縮したりすることを防止するためである。もちろん、排気用部材の取付構造はここに例示のものに限定されるものではなく、その他の公知の取付構造を採用することができる。
【0019】本発明では、膜構造体は液体流路形成材を介して重ねられて、合成樹脂あるいは金属等からなるケーシング内に収容されモジュール化されるが、その重ね合わせの形態としては、図7に示すようなスパイラル状、又は図8に示すようなプリーツ状であることが好ましい。図中31は封筒状の膜構造体、32は液体流路形成材である。
【0020】本発明において、液体流路形成材の構造は、被脱気液体を適当な流速で通液させうるシート状のものが好ましく、例えばネット状、編布状等の構造のものを用いることができる。また、液体流路形成材の材質は、被脱気液体の種類に応じて適当なものを選択することができるが、通常、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、PFA等を用いることができる。液体流路形成材において、その長さは膜構造体の長さとほぼ同じでよいが、その幅については薄膜構造体を保護するため膜構造体の幅より若干広いことが望ましい。液体流路形成材の設置により形成される液体流路部分の隙間寸法は、50〜1000μm、好ましくは100〜600μmである。液体流路部分の隙間が上記範囲より大きいと脱気性能が悪くなり、上記範囲より小さいと液の圧力損失が高くなる。なお、液体流路形成材としてメッシュ状のものを用いた場合には、被脱気液体の粘度に応じてメッシュ寸法を変えることによっても液の圧力損失を調整することができる。
【0021】ここで本発明による第1の脱気装置の構造例を図9に示す。図中41は円筒状のケーシングであり、ケーシング本体41aとケーシングフランジ41bからなり、その内部に、上述した構造を有する封筒状の膜構造体42が液体流路形成材43を介して図7のようにスパイラル状に巻成されたものが収容される。膜構造体42の内部には気体流路形成材44が設けられている。また膜構造体42の適所には図6のような取付構造で排気用部材45の一端が取り付けられ、該排気用部材45の他端はケーシング41の外部に位置している。46は被脱気液体の入口、47は被脱気液体の出口、48は液体流路、49は使用開始時の空気抜きのための穴、50は膜構造体が46、47、49に接して出入口をふさぐのを防止するための合成樹脂ネットである。このような構成において、液入口46から被脱気液体を供給し、排気用部材45の他端に連結された図示しない真空ラインにより膜構造体42が減圧状態にされると、液体流路48内に通液された被脱気液体に溶存している気体が膜構造体42のFEP膜を透過して脱気が行われ、除去気体は気体流路形成材44により形成される気体流路を通り、排気用部材45からケーシング41外部に放出される。
【0022】図11は本脱気装置の別の構造例における要部を示す断面図で、液体流路形成材としてネット状のものを用いたもので、図中61は積層膜からなる封筒状の膜構造体、62は気体流路形成材、63はネット状液体流路形成材、64は液体流路である。
【0023】本発明による第1の脱気装置は、通常の水、水溶液、溶剤液等に溶存する気体の脱気のみならず、濃度が高い溶剤液、油脂液、界面活性剤を含む液、半導体製造で使用される特殊液等に対しても効率よく脱気が行えるものである。また、液体中に溶存する気体は、酸素、炭酸ガス、窒素ガス、炭化水素ガス等の常温常圧でガス状を示す各種の気体であることができる。また、本発明による第1の脱気装置によれば、膜構造体の構成材料として、FEP薄膜とPTFE多孔質体薄膜との積層膜を用いたので、さらに次のような利点もある。すなわち、膜構造体材料としてFEP薄膜単体を用いた場合においても、FEP薄膜は液体に対しては不透過性、気体に対しては良好な透過性を示す上、耐溶剤性、耐油性、耐界面活性剤性、耐熱性等が良好なため初期の目的を達成しうる。ところが、FEP薄膜単体であると、脱気性能の点からは膜厚は薄いことが好ましく、耐強度性の点からはある程度の膜厚をもたせなければならない。そこで、本発明では、FEP薄膜とPTFE多孔質体薄膜との積層膜を採用したことで、上記初期の目的の達成に加え、よりすぐれた脱気性能、強度を有する脱気装置の実現が可能となる。
【0024】本発明の第2の脱気装置は、ケーシング内に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体の薄膜と織布、不織布、編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を介して、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材を有し、該膜構造体の外側には、該液体流路形成材により液体流路が形成され、かつ、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されていることを特徴とする。即ち、本発明の第2の脱気装置は、前記の第1の脱気装置とは、膜構造体の構成が相違し、それ以外の点では前記第1の脱気装置と同様であるので、ここでは相違点につき説明する。
【0025】即ち、ここで用いる膜構造体材料は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以FEPと記す)の薄膜と布帛との積層膜からなる。
【0026】上述のように、膜構造体材料で用いるFEP薄膜は、液体に対しては不透過性、気体に対しては良好な透過性を示す上、耐溶剤性、耐油性、耐界面活性剤性、耐熱性等が良好である。ここでのFEP薄膜の厚さは1〜100μm、好ましくは10〜30μmである。FEP薄膜の厚さが上記範囲より薄いと、取り扱い性が低下したり、傷が付いたときに破断が生じたり、静電気によるピンホールが発生し易くなったりする等の問題があり、上記範囲より厚くなるとガス透過性が低下する。
【0027】また、本発明の膜構造体材料で用いる布帛としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、PFA等のフッ素樹脂等からなる布帛を用いることができ、この布帛の形態は織布、不織布、編布、ネット、スポンジ等とすることができる。この布帛の必要特性は、機械的強度、可とう性、柔軟性、表面平滑性にすぐれていることである。布帛の厚さは1〜100μm、好ましくは20〜40μmである。布帛の厚さが上記範囲より薄いと、膜構造体の耐圧力性を含む耐強度性に欠けるようになり、上記範囲より厚くなると嵩高となり、ケーシング内への膜充填率に欠けるようになる。
【0028】FEP薄膜と布帛とを積層する方法としては、例えばグラビアロールを用いて接着剤を転写しラミネートする方法、熱融着による方法等を使用することができる。
【0029】本発明による第2の脱気装置によっても、前記第1の脱気装置と同様のすぐれた効果が得られるようになる。また、本発明による第2の脱気装置によれば、封筒状の膜構造体を作製するに当り、封筒状膜構造体の長手方向に通気性を有する布帛を用い、この布帛が内面に、FEP薄膜が外面に位置するように形成することにより、布帛が気体流路形成材の役割を兼ねることができ、結果として気体流路形成材を省略することが可能となる。
【0030】次に、本発明による第3の脱気装置について述べる。本発明による第3の脱気装置は、ケーシング内に、FEP薄膜とPTFE多孔質体薄膜との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする。即ち、本発明による第2の脱気装置は、前記第1の脱気装置とは、液体流路形成材が膜構造体の内部に設けられる点、膜構造体が液体流路形成材を介することなくスパイラル状又はプリーツ状に重ねられる点、及び液体流路形成材は膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する積層膜に密着して液体流路を形成する点が相違し、それ以外の点は前記第1の脱気装置と同様であるので、ここでは相違点のみにつき説明する。
【0031】本脱気装置で用いる液体流路形成材は封筒状の膜構造体の内部に設置され、被脱気液体とは直接接液しない。この液体流路形成材は、減圧時に加わる圧縮力に耐える程度のものであればよく、接液しないため溶剤液等の被脱気液体に侵されることがなく、被脱気液体の種類によってその材質は限定されない。この液体流路形成材としては、通常、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、PFA等のフッ素樹脂等の熱溶融性樹脂を用いることができる。また、この液体流路形成材は減圧時に、膜構造体の積層膜と密着して液体流路を形成できる形状のものであればよく、例えばネット状のものや液の流れ方向に谷ないし山が延びる繰り返し凹凸形状のもの等とすることができる。
【0032】図10に本脱気装置の構造例における膜構造体及びその内部の減圧時の様子を斜視図で示す。図中51は積層膜からなる封筒状の膜構造体、52は気体流路形成材、53は液体流路形成材、54は排気用部材、55は液体流路である。この構造例では、減圧時に液体流路形成材53は膜構造体51の積層膜と密着し、被脱気液体と接することなく液体流路を形成している。
【0033】本発明による第3の脱気装置によれば、前記第1の脱気装置の利点に加え、液体流路形成材が被脱気液体と接液しないので、被脱気液体の種類によって液体流路形成材の材質が限定されない。特に、被脱気液体中への溶出があってはいけない半導体装置分野での利用等において、高価なフッ素樹脂を用いる必要が無く、他の材質を使うことができるという利点がある。
【0034】本発明によれば、第3の脱気装置において、気体流路形成部材と液体流路形成材を一つの部材、例えばネット状の部材で兼用させることも可能である。この場合、圧力損失が大きくなってしまわないよう、その形状、メッシュ寸法を適切に設定する。
【0035】次に、本発明による第4の脱気装置について述べる。本発明による第4の脱気装置は、ケーシング内に、FEP薄膜と織布、不織布編布等の布帛との積層膜からなり周囲が閉じられた封筒状の膜構造体が、スパイラル状又はプリーツ状に重ねられてなり、該膜構造体はその内部に、除去気体の流路を形成するための気体流路形成材及び被脱気液体を通液させる液体流路を形成するための液体流路形成材を有し、該膜構造体はその内部が減圧になるように構成されており、かつ、該液体流路形成材は該膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する薄膜と密着して液体流路を形成することを特徴とする。即ち、本発明による第4の脱気装置は、前記第2の脱気装置において、前記第3の脱気装置で新たに採用したものと同様の構成:液体流路形成材を膜構造体の内部に設けること、膜構造体を液体流路形成材を介することなくスパイラル状又はプリーツ状に重ねること、及び液体流路形成材に膜構造体の内部が減圧になるとき該膜構造体を構成する積層膜に密着して液体流路を形成させることを採用したものである。このような構成によっても、前記第3の脱気装置と同様のすぐれた効果が得られるようになる。
【0036】
【実施例】以下本発明の実施例を述べる。
【0037】実施例1厚さ25μmのFEPフィルム(ダイキン工業社製)の表面をエチルアルコールで洗浄した後、常温乾燥させた。その後、FEPフィルムの表面にテトラエッチ液(潤工社製)を表面に塗った後、エチルアルコールで洗浄、乾燥させた。次に、厚さ250μmのポリエステル樹脂製ニット(東レ社製:品番2020、20デニール)の表面に、エポキシ樹脂系の接着剤(メレコ社製:製品番号3446)をラミネート装置を使って、グラビアロールのドットパターンに転写し、その転写面に上記でテトラエッチ処理されたFEPフィルムをラミネートした。このラミネートフィルムをロール状に巻き取り、それをオーブンで80℃で2時間、乾燥させた。このようにして膜構造体材料を作成した。次に、この膜構造体材料を幅19cm、長さ8.5mにカットしたものを2枚作り、それらをFEPフィルムが外になるように重ね合わせ、周囲4辺を熱融着し、封筒状の膜構造体とした。この膜構造体の一端(末端から5cmの位置)に図6に示す方法で外径6mm、肉厚1mmのFEPチューブを熱融着で取付け、排気用部材とした。一方、20メッシュ、厚さ0.5mmのPFA樹脂のネットを幅23cm、長さ8.5mにカットして液体流路形成材とした。この液体流路形成材を上記で作成した排気用部材付き膜構造体の上にそわせ、図7のようにスパイラル状に巻成した。この巻成体を円筒状ケーシング内に収納し、図9の構造の脱気装置を作成した。ケーシングの本体及びフランジはPTFEモールディングパウダーで作ったものを用いた。この脱気装置の接液面積は3.2m2、接液距離は19cm、液体流路隙間寸法は0.5mmであった。この脱気装置に配管を施した後、純水を用い次の条件でその特性を評価した。
水流量 200cc/min真空度 60Torr水温 22℃液−スペーサー距離 0.5mm入口出口液体圧力差 0.1kg/cm2液中の溶存酸素濃度 8.5ppm測定の結果、装置出口における溶存酸素量は3.04ppmと良好な値であった。通水時の水圧力は2kg/cm2であった。FEPフィルムの平均厚さは27.3μmであった。また、膜の強度を確認するため、水圧力を4kg/cm2にして同様に通水したところ、装置出口における溶存酸素量は3.02ppmであった。このまま水圧力を2kg/cm2に戻して同様に測定したところ、溶存酸素量は3.08ppmであり、膜の強度が良好であることが確認された。また、界面活性剤の入った中性洗剤を5重量%含有する水道水を準備し、上記と同様な条件で評価したところ、装置出口における溶存酸素量は3.1ppmと良好な値を示した。また、水を抜いた後、98%エチルアルコールを入れ、30Torrで真空引きしたところ、排気用部材(FEPチューブ)にはアルコールは検出されず、アルコール液の膜透過が起きてないことが確認された。また、90℃の温水を通水した後、装置を解体して各部材を調べたところ、材料には何ら変化はみられなかった。以上により、本実施例の脱気装置は溶剤液、界面活性剤入り液の脱気が可能であり、90℃の温水による洗浄でも問題ないことが確認された。さらに、本実施例の脱気装置は、接液部にPTFE、FEPを使用しているため、強酸、強アルカリの薬液でも使用可能である。
【0038】実施例2厚さ25μmのFEPフィルム(ダイキン工業社製)と厚さ30μm、平均孔径約0.2μm、空孔率85%のPTFE多孔質フィルム(ジャパンゴアテックス社製)を、295℃に加熱したヒートロールを用い、熱融着させ、膜構造体材料を作成した。このときFEPフィルムがPTFEフィルムに一部含浸した状態で融着した。一方、気体流路形成材として20メッシュのポリエステルネット(厚さ0.5mm、幅23cm、長さ8.5m)を準備した。上記で作成した膜構造体材料を幅19cm、長さ8.5mにカットしたものを2枚作り、それらをFEPフィルムが外になるように重ね合わせ、間に気体流路形成材を挟み込み、以下実施例1と同様にして、封筒状の膜構造体を作成した。 この膜構造体を用い、実施例1と同様にして脱気装置を作成した。そして実施例1と同様な条件で特性評価を行った。その結果、装置出口における溶存酸素量は、水圧力が2kg/cm2のとき2.45ppm、水圧力が4kg/cm2のとき2.62ppm、さらに水圧力を2kg/cm2に戻したとき2.57ppmであり、良好な脱気特性、良好な膜強度が確認された。また、溶剤液、油脂液、界面活性剤入り液の脱気が可能であり、90℃の温水による洗浄でも問題ないことが確認された。
【0039】実施例3実施例2で作ったFEPフィルムとPTFE多孔質フィルムとの積層フィルムを、ピン式テンター加熱炉で285℃の温度条件のもと、横方向に3倍延伸し、厚さ30μmの膜構造体材料とした。このときFEP樹脂部分の厚みは約9.5μm(PTFE多孔質体の表面部分に一部含浸)、PTFE多孔質体部分の厚みは21μmであった。以下実施例2と同様の気体流路形成材を用い、実施例1と同様に封筒状の膜構造体を作成し、それを用い実施例1と同様にして脱気装置を作成した。そして実施例1と同様な条件で特性評価を行った。その結果、装置出口における溶存酸素量は、水圧力が2kg/cm2のとき1.70ppm、水圧力が4kg/cm2のとき1.80ppm、さらに水圧力を2kg/cm2に戻したとき1.74ppmであり、良好な脱気特性、良好な膜強度が確認された。また、溶剤液、油脂液、界面活性剤入り液の脱気が可能であり、90℃の温水による洗浄でも問題ないことが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明の脱気装置によれば、従来の脱気装置ではできなかった比較的濃度が高い溶剤液、界面活性剤入り液、油脂液等の脱気が可能となる。また、本発明の装置は耐熱性に優れているため、溶存酸素等のガスがなくなる水の沸点である100℃付近の温度においても使用することができるため、食品関連液での脱気後の殺菌においても有効である。また、本発明の脱気装置は、半導体製造で使用される特殊液、強酸、強アルカリ等の脱気にも使用可能である。さらに、本発明の脱気装置は耐強度性にもすぐれたものである。




 

 


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