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発明の名称 連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−258343
公開日 平成10年(1998)9月29日
出願番号 特願平9−76666
出願日 平成9年(1997)3月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
発明者 谷口 秀久 / 益尾 典良
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 主成分がCaO,SiO2 ,Al23 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプリメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/SiO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜15.0wt%,MgO:1.0〜15.0wt%、N2 O:1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,1250℃での表面張力が280〜370dyne/cm,凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【請求項2】 主成分がCaO,SiO2 ,Al23 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプリメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/SiO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜10.0wt%,MgO:1.0〜10.0wt%、N2 O:1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,1250℃での表面張力が280〜370dyne/cm,凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【請求項3】 鋳片断面が偏平であるスラブ(厚さ50〜300mm、幅500〜3000mm)の連続鋳造において、鋳造速度1.4m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【請求項4】 鋳片断面の一辺が220mm以下である角ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【請求項5】 鋳片断面の直径が220mm以下である丸ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造に用いられる中空顆粒モールドフラックスに関するもので、特に包晶域鋼種(C=0.08〜0.15%)を除いた鋼種に適用してその効果を発揮すると共に、安価に製造することができ、使用した鋳片の表面および内質共に良好な品質を得ることができるものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においてモールドフラックスは粉末または顆粒(中空を含む)形状を呈し、鋳型内溶鋼面に添加して、鋳型内溶鋼表面を保温しながら、溶鋼表面の凝固を防ぎ、かつ溶鋼表面に浮上してきた非金属介在物を溶融吸収し、さらには、鋳型と鋳片の凝固シェル間に流入するスラグフィルムによって潤滑作用を行いながら、このフィルムが鋳片よりの抜熱を制御し、優れた表面性状の鋳片を得ると共に溶融フラックスがストランド内に巻き込まれにくく、清浄で良好なる鋳片を製造することにある。
【0003】最近の厳しい品質要求の中で、コストの低減も要求され、熱片での直接装入または、直接圧延を円滑に保証するためには、ブレークアウト、鋳片表面品位のみならず、鋳片の内質特にフラックスの巻き込みがなく介在物の少ない鋳片を製造する必要がある。近年、鋼の連続鋳造は、鋳造歩留りの向上、省資源および省エネルギー等の点において有利なことから急速に普及し、極低炭素鋼、低炭アルミキルド鋼の連鋳比率は確実に増加し、その大部分を占めている。
【0004】さらに生産性向上、コストダウンのために、また連続鋳造法の優位性を発展拡大した工程として無手入れ熱片の加熱炉装入−圧延、さらには、製鋼−圧延の直結プロセスすなわち、直送圧延への技術が確立し、安定した高温鋳片の製造供給のためには高速鋳造化は必須であり、一部の低グレードの低炭アルミキルド鋼においては実施されている。
【0005】しかしながら、高速鋳造である1.4m/min以上で鋳造した場合、従来の一般的なモールドフラックスでは低粘度、低結晶化温度をもつが故に鋳造中の溶鋼中に溶融フラックスが巻き込まれてしまい、結果として、鋳片の介在物となり、鋳片の欠陥の上昇に直結するが、低級の低炭Al−K鋼については、特に、品質上問題となるまでには到っていない。しかるに、鋳片内質が厳しく要求される極低炭素鋼、低炭Al−K鋼薄板材、ブリキ薄板材等については、充分に満足されるものは得られず、鋳造できたとしても、高い歩留りは得られず、大幅な生産性の向上、コストの低減は得られていない。
【0006】また、鋳片の表面品位についても、従来の高速鋳造用モールドフラックスは、上記のごとく、非常に低い結晶化温度をもつが故に、鋳型上下内面全体において、低粘度の薄いフィルムとなっていると推定され、従って、鋳片からの抜熱度が非常に高い。このため、表面品位についても、極低炭素鋼、低炭Al−K鋼とはいえ、コーナー部の割れ、表面割れが発生し、熱片無手入れ圧延の時、表面疵の原因となり、品質の劣化となっていた。このように、鋳片の内質、表面品位については、充分に満足する成品は得られていなかった。
【0007】一方、包晶域の鋼種については、凝固過程で収縮量が大きく、通常のモールドフラックスはその適用については難点が残されていたが、本発明者らはこれらの鋼種に適応するモールドフラックスの開発に成功し、既に特願平8−235785号他で出願済みであり、本発明が対象とする鋼種は、例えば中炭素鋼(C=0.08〜0.15wt%)、SUS420およびSUS304等の包晶域鋼種を除いた一般的な鋼種に適用するものである。
【0008】従来、公知のモールドフラックスとして高速鋳造を行う場合の潤滑性を向上を目的として、粘度を1.5poise以下にした技術が特開昭61−150752号に開示されている。また、凝固する温度を下げるための技術としては、特開平2−165853号がある。これらは鋳片と鋳型間の摩擦抵抗を下げるための手段として考慮されたものであって、極く通常に用いられている技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開昭61−150752号の如く、モールドフラックスの粘度を低下させるためにはフラックス中に多くのF- ,Na2 O,Li2 O,KaO,B23 を必要とするため、これらの元素の持つ特性上、溶鋼注入ノズルへの溶損作用が激しく、またときには粘度が過剰に低過ぎた場合、フラックスを溶鋼中に巻込んで仕舞い鋳片の品質を低下させる原因となる。
【0010】また、特開平2−165853号に記載の凝固温度を下げる技術は、モールドフラックスのガラス性が高くなり、鋳型の冷却効果が強くなり過ぎ鋳片の表面割れが発生し易く、これも鋳片表面品質の低下要因となる。これらの技術の解決策として特開平7−204810号が提案されている。この場合でも価格として高いAlF3 を用いているためモールドフラックス中のF- 量が多くなり、ノズルの溶損作用が大きく、コスト的にみて採算が合わない。
【0011】これを回避するため、AlF3 を用いないモールドフラックスの場合では、凝固温度が上昇して粘度が高くなり過ぎる等の問題点を有しており、特にF- が多い場合には結晶となる割合が多くなる問題があり、上記公知技術では種々の欠点を解決した満足できるフラックスを得ることができなかった。
【0012】本発明は包晶域鋼種(C=0.08〜0.15%)やSUS420,SUS304鋼を除いた鋼種に適用し、鋳片と鋳型との潤滑性に優れ、かつ鋳片の表面割れの発生もなく、鋳型内においてフラックスを巻き込むことが少ない高速連続鋳造に適した中空顆粒モールドフラックスを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その手段は下記の通りである。
(1)主成分がCaO,SiO2 ,Al23 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプリメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/SiO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜15.0wt%,MgO:1.0〜15.0wt%、N2 O:1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,1250℃での表面張力が280〜370dyne/cm,凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【0014】(2)主成分がCaO,SiO2 ,Al23 ,MgO,F- であり、そのうち2種以上の成分をプリメルト処理を行ったものを用い、これらの主原料の配合率を40wt%以上とし、全体での成分はCaO/SiO2 :0.7〜1.4,Al23 :1.0〜10.0wt%,MgO:1.0〜10.0wt%、N2 O:1.5〜4.5wt%,Li2 O:2.0wt%未満を含有し、AlF3 およびB23 を含有することなく、1300℃での粘度が1.0〜8.0poise,1250℃での表面張力が280〜370dyne/cm,凝固温度が1050〜1250℃であり、包晶域鋼種以外の鋼に適用することを特徴とする連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
【0015】(3)鋳片断面が偏平であるスラブ(厚さ50〜300mm、幅500〜3000mm)の連続鋳造において、鋳造速度1.4m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする(1)または(2)記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
(4)鋳片断面の一辺が220mm以下である角ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする(1)または(2)記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックス。
(5)鋳片断面の直径が220mm以下である丸ビレットの連続鋳造において、鋳造速度1.6m/min以上の鋳造に適用することを特徴とする(1)または(2)記載の連続鋳造用中空顆粒モールドフラックスにある。
【0016】
【発明の実施の形態】モールドフラックスは、鋳型内に添加することにより鋳型と鋳片間に流入し、鋳型からは常に冷却を受ける。このために、流入したモールドフラックスは鋳型側では凝固して、固体状態のフィルム状となって鋳型に接しており、また鋳片側では、高温凝固シェルにより、溶融した液体状態のフィルム状となっている。
【0017】鋳片の縦割れ発生の主原因は、この固体フィルムと溶融フィルム厚みのバラツキに起因し、その結果、鋳片から鋳型への抜熱不均一によるものと考えられ、特に、抜熱が大きくなった局部に凝固収縮が集中し、鋳型内のメニスカス下部で鋳型より離れてしまい、その部分が逆に凝固遅れを起すためそこに応力が集中し、鋳型より離れた部分が凹みを伴い縦割れの発生原因となると言われている。このため、一般的に鋳片の緩冷却を行うためにモールドフラックスの凝固温度を高くし、凝固フィルム厚を厚くすることにより目的を達そうとしたり、モールドフラックスをプリメルト処理をすることにより均質化を図り、鋳片の縦割れ発生の防止を行っている。
【0018】しかしながら、このようにモールドフラックスの凝固温度を高くすることにより、鋳型に接した溶鋼湯面上でモールドフラックスが凝固したベアの発達が過大となり、操業性の悪化、さらには湯面変動により、この大きなスラグベアのためメニスカスで厚いスラグフィルムを形成し、その部分が過緩冷却となり、充分な凝固シェルの発達が抑えられて、鋳型直下で溶鋼の静圧に耐えられず、ブレークアウトの発生に到ることがあり、ブレークアウト発生の原因の一つと考えられている。
【0019】また、一般的に鋳造速度が1.4m/min以上の高速鋳造においては、その操業条件が厳しくなるため、モールドフラックスもそれに適応した性質が要求される。そこで本発明者らは、モールドフラックスにおける凝固温度、粘度、表面張力等について種々の研究調査を重ねた結果、包晶鋼種以外の鋼種の高速鋳造に適し、かつ、経済的にも安価な中空顆粒モールドフラックスの開発を達成することができた。
【0020】先ず、本発明において用いるモールドフラックスの原料は、全てをプリメルトする必要はなく、用いられる原料中2種以上をプリメルト処理をし、そのものを全体で40wt%以上配合することによって目的が達成できるため、原料処理に要するコストの低減化が図られる。
【0021】本発明においては、モールドフラックス成分組成中価格的に高価なB23 やAlF3 を使用することなく、MgOとAl23 量を最適量範囲に調整したところにある。さらには、後述するようにNa2 Oを低目に押えることにより、モールドフラックスの凝固温度を1050〜1250℃の範囲に制御することができ、また粘度を1300℃において1.0〜8.0poise、1250℃における表面張力を280〜370dyne/cmに保つことができるようにしたものである。
【0022】この結果、スラブでは断面厚さ50〜300、幅500〜3000mmの鋳片を1.4m/min以上、また小断面ビレットでは一辺の長さが220mm以下の角鋳片または、断面直径が220mm以下の丸鋳片を1.6m/min以上の高速で鋳造を行うことができるようになった。
【0023】以下、本発明でのモールドフラックスの成分限定理由について説明する。CaO/SiO2 を0.7〜1.4の範囲に限定したのは、0.7以下では粘度が高くなり、物性の調整が困難であり、1.4を超えると、所定の粘度が得られにくいと共に、ガラス性を失い、潤滑性のないフラックスとなってしまい、不適当である。この理由によりCaO/SiO2 は0.7〜1.4の範囲に限定した。
【0024】Al23 を1.0〜15.0wt%に限定した理由は、1.0%以下では、溶融温度が高くなり、しかも、鋳造中に鋼中のAl23 を吸収しての物性(溶融点)の変動が大きくなる。また15.0%を超えると、粘度および溶融温度が極端に高くなり、鋳造条件に合致しなくなると共にAl23 の富化に起因するアルミナ系介在物が多くなり、ノロかみとして鋳造スラブの表面性状を悪化させる。よってAl23 の範囲は1.0〜15.0wt%とした。また、上限については好ましくは10.0wt%であり、前記理由から極力アルミナ系介在物の減少を図ることができる。
【0025】MgOを1.0〜15.0wt%に限定した理由は、1.0wt%未満では、MgOを使用した場合の共晶反応による溶融温度低下の効果が期待できず、また15.0wt%を超えると、MgOを主体とした超高溶融温度のスピネル系の反応物質を生成し、不適となる。
【0026】Na2 Oを1.5〜4.5wt%に限定した理由は、1.5wt%未満では、表面張力が高くなりすぎ溶鋼面を充分に被覆することができず、充分に機能(シール、潤滑)をはたさず、また、4.5wt%を超えると、急激にガラス性を失う(これは、Na2 O系の結晶が凝固時に発生するためである)。
【0027】なお、前述したように本発明においてはNa2 Oを4.5wt%以下にしたところにも特徴を有し、MgO,Al23 を配合することにより、CaO/SiO2 が高くても結晶の発生が少なく、凝固温度を低くすることができる。
【0028】Li2 Oを2.0wt%未満に限定した理由は、軽元素酸化物ゆえに少量の使用で、その効果(溶融温度降下)が大きい。しかしながら2.0wt%以上になると、コスト的には非常に高くなり、使用に耐えなくなる。
【0029】また、本発明においてはAlF3 およびB23 を用いないところに大きな特徴があり、これはAlF3 を用いると注入ノズルの溶損に悪影響を及ぼし、さらに弗素ガスが発生し環境上好ましくない。また、価格も高くコストアップに繋がる。同様にB23 はフラックスを非結晶質にし、冷却能を高めると共にB23中のボロンがフラックス中から溶鋼中に還元され、鋳片の割れ感受性を増大させる恐れがある。また、価格的にも高価な物質であり、本発明の如く使用せずに他の組成を適正に保つことにより代替できるので、その使用を避けた。
【0030】なお、本発明においてはモールドフラックスの物性値として粘度、表面張力および凝固温度を規定しているが、これらの特性値は相互に関連したもので、その理由は、モールドフラックスが溶鋼に接触するとき、急速に溶融してスラグ化するに適する凝固温度を有し、かつ、溶融した際に適正なる粘度を有するものである。
【0031】すなわち、スラグの粘度が小さすぎるとメニスカスの下方の鋳片と鋳型内壁との間に多量のスラグが流れ込んで、オシレーションのたびに流動するスラグが多くなり、凹みも大きくまた不規則なものとなる。一方、逆にスラグの粘度を高くするとメニスカスの中にスラグが流動せず、メニスカスと鋳型の内壁との間の潤滑が悪く、オシレーションマークは浅いが鋸歯状となり鋳片に割れを生じ、ひいてはブレークアウトの原因ともなる。
【0032】また、表面張力については、280dyne/cm未満では、界面で溶鋼にまき込まれ易くなり、また370dyne/cmを超えると、溶鋼界面上で充分に被覆することができず、潤滑不良やフラックスによるシール不良を起こし、溶鋼の酸化を起こし欠陥となる。
【0033】これらの物性値は、モールドフラックスの特定した成分組成によって支配され、前述したような適正な配合割合を保持することにより、自から決定されてくるものである。その結果として、粘度1.0〜8.0poise(at 1300℃)、表面張力280〜370dyne/cm(at 1250℃)、凝固温度1050〜1250℃のモールドフラックスが得られ、これらの特性値を満足するフラックスを使用することにより、所期の目的に合致した鋼の連続鋳造において健全な鋳片の内外品質を確保することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。表1は本発明のモールドフラックスの成分組成範囲を満足する実施例であって、成分およびその物性値を示したものであり、表2は同様に従来例(比較例)を示したものである。また、表3と表4はそれぞれ表1と表2に対応した操業条件とモールドフラックス使用後の評価を示したものである。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】本発明実施例のものは何れも成分組成において、適正範囲内に収めたことにより、Na2 Oが少なく、MgO,Al23 を適正量配合することにより、CaO/SiO2 が高くとも結晶の発生が少なく、凝固温度も低くすることができた。しかも、表3で見られるようにいずれもコスト的に安価なものであった。
【0038】その結果、高速鋳造が可能となり、フラックスの巻き込みもなく、良好な表面性状の鋳片を得ることができた。ただし、実施例7はCaO/SiO2 が低く、凝固温度も低いが他に比しMgOが高いことにより、表面張力が高くなっており、その結果、鋳片内、外質共に良好な成品が得られた。また、ZrO2 を含むことによりコストは高くなっているが耐ノズル溶損防止のためであり、ノズルのコストを包含するとコスト的には安くなる。
【0039】従来品は本発明と異なり、いずれもコスト的に高く、かつB23 を含有した1(比較例)は非結晶質が大きくなり過ぎ、冷却能が高く表面割れが発生した。また、従来例2,3ではAl23 を低下させ粘度を下げて潤滑能と冷却能を調整したものであるが、F- ,Na2 Oが共に多く必要となり表面張力も低過ぎ低粘度とあいまって、鋳片内質に悪影響が表われた。
【0040】さらに、従来例4,6は粘度を高めビレットを鋳造したものであるが、鋳片内質は問題はなかったが、潤滑性が悪いため表面欠陥が発生し不良品となった。従来例5はMgOを多く含有することによりNa2 Oの通常量の状態における表面張力を調整したものであるが、充分に同等とすることはできず、前記4,6とは全く逆の結果が得られ、鋳片の表面品質はまずまずであったが、内質欠陥の発生をみた。
【0041】また、7,8はNa2 Oのみが高い従来のフラックスであり、コスト評価は良いが、Na2 Oが高いために表面張力が低く、範囲内に入らない。また、ガラス性が少ない(凝固濃度は、範囲内ではあるが、凝固温度は高い傾向がある)。このため、フラックスのまき込みが認められ内質欠陥は良い評価が得られなかった。
【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
【発明の効果】本発明は、包晶域鋼種以外の鋼種に適用するのに最も適したモールドフラックスの成分組成範囲を見出したもので、本発明範囲内の成分組成によって最適な物性値が得られ、かつ、コスト的にも低廉なフラックスを製造することが可能となり、これによってスラブはもとよりビレットにおいても鋳片内、外品質に欠陥をみることなく、高速で連続鋳造することができるようになった。




 

 


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