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中空顆粒モールドフラックスの製造装置 - 日鐵建材工業株式会社
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発明の名称 中空顆粒モールドフラックスの製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−193060
公開日 平成10年(1998)7月28日
出願番号 特願平9−15996
出願日 平成9年(1997)1月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
発明者 灘吉 正司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 モールドフラックスの原料スラリーを蒸発乾燥する装置であって、熱風供給源からの熱風を搬送する熱風搬送管を、円筒状の乾燥塔の頂部に接続し、さらに、原料スラリーを乾燥塔内に噴射する複数個のランスノズルを、前記乾燥塔の側壁を貫通させ、乾燥塔直胴部内で点対称に、かつ、ノズルを上向き傾斜をもたせて着脱自在に配設すると共に、前記乾燥塔直胴部の下方には製品フラックスと、乾燥済み熱風の排気とを分別して排出する熱風排気部と、モールドフラックス製品貯留切り出し部とにより構成したことを特徴とする中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【請求項2】 乾燥塔の頂部に熱風を下向きに、かつ、均等分配するセパレータ板を設けたことを特徴とする請求項1記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【請求項3】 乾燥塔内に送風する熱風の一部を熱風搬送管より分岐させ、乾燥塔頂部下方近傍で、かつ、該乾燥塔に対して接線方向に熱風分岐管を設置したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【請求項4】 乾燥塔の側壁に設ける貫通孔の径をランスノズル外径より大とし、該ランスノズルの乾燥塔内挿入深さ位置に設けた湾曲状鍔部材を前記貫通孔に嵌装固定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【請求項5】 乾燥塔内に配設する原料スラリーを乾燥塔内に噴射する複数個のランスノズルを、乾燥塔の外周を囲繞するスラリー供給用環状管の各枝管に遮断弁を設けて、着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造に使用される中空顆粒モールドフラックスの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、鋼の連続鋳造時に鋳型内に添加するモールドフラックスは種々の役割を担っている。すなわち、■鋳造される溶鋼表面を保温すること、■鋳型内溶鋼表面の酸化防止および浮上する介在物を迅速溶解すること、■鋳型と鋳片間の潤滑をつかさどること、■鋳片より最適な抜熱量をコントロールすることなどの働きを課せられている。
【0003】モールドフラックス(以下、単にフラックスと称す)のこれらの作用によって鋳片の表面欠陥をなくし、美麗な鋳肌を形成できる効果を有し、特に連続鋳造操業の鋳込作業の安定性の確保と、鋳片鋳造歩留り向上を図るためには必要不可欠なものである。
【0004】フラックスは、通常粉体あるいは顆粒(中空顆粒を含む)状であり、その成分は一般にCaO,SiO2 を主成分とし、他にAl23 、アルカリ土類金属およびアルカリ金属の化合物(酸化物、炭酸塩、弗化物等)を加えてなるものであり、溶融温度、粘度等を調整し、さらに、溶融速度を調整するためにカーボンを添加してフラックス組成が構成されており、顆粒状の場合は、有機、無機質のバインダー等が用いられ一定の形状を保持している。
【0005】しかして、中空顆粒状フラックスの製造としては、上記組成を含有する原料フラックスに水を適量に混合し、水性のスラリー状となしこれを熱風乾燥塔(室)内にノズルから噴霧し、熱風に曝すことにより乾燥して適度の粒度をもつ製品フラックスを得ている。
【0006】このようなフラックスの製造方法の公知技術としては、特公平3−79100号公報が開示されている。この技術の要旨は、炭素質粉末と金属鋳造用の融剤成分とが含まれた水性スラリーを作り、水性スラリーをスプレー乾燥して水を蒸発させ、水の蒸発が固体部分を含んだ粒子を生成し、粒子内では固体部分の全体にわたって炭素質粉末が分散して含まれており、固体部分内では粒子の表面における炭素質粉末の割合が、粒子全体における炭素質粉末の割合よりも大きくなっていることを特徴としている。
【0007】該公報には特に製造装置については触れられていないが、上記の金属鋳造用融剤の製造方法によれば、スプレー乾燥は水性スラリーを供給ポンプにより噴霧器から霧状の粒子として分散させ、分散物を空気加熱から供給される熱風に乗せて乾燥室内を降下させ、降下の間に粒子を熱風で加熱し、粒子内の水分を瞬間的に蒸発させて、粒子内に空隙を形成させると共に粒子を乾燥して、多孔構造の球形粒子を得、こうして得た粒子を熱風と共にサイクロンに導き、ここで製品と熱風とを分離して目的とする融剤を得ると記述されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平3−79100号でのフラックス製造技術は、熱風乾燥室へのフラックスの原料スラリー供給と乾燥用熱風の供給は、前記乾燥室の上方から同一方向へ向けて放出するいわゆる併流方式を用いている。このような方式においては熱風に曝されている時間を長時間必要とする関係上、乾燥室の規模を大きくする必要があり、設備的に費用が多くかかる。また、添付された図面からみる限り単一ノズルからのスラリー噴出を行っており、スラリーのノズル詰り等の対策については特に触れていない。
【0009】本発明の対象とするフラックスの原料スラリーは、前記したように、水中に固体粒子が懸濁した状態で、かつ所定量のバインダーが配合された流体である。この固体粒子は所定の粒径、例えば、0.3mm以下に微粉砕された微粒子であるが、不可避的に管理外の粗粒の混在が避けられないことに起因して、しばしばノズル詰まりを発現する。
【0010】このノズル詰まりはその都度操業停止をまねき、生産性を著しく阻害するので、より経済的な他の手段によって操業停止を排除することが望まれていた。このようなスラリーの熱風乾燥においては、上記したような問題点を有しており、本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、フラックス製造に際して、最適な製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決するために下記の手段をとるものである。
(1) モールドフラックスの原料スラリーを蒸発乾燥する装置であって、熱風供給源からの熱風を搬送する熱風搬送管を、円筒状の乾燥塔の頂部に接続し、さらに、原料スラリーを乾燥塔内に噴射する複数個のランスノズルを、前記乾燥塔の側壁を貫通させ、乾燥塔直胴部内で点対称に、かつ、ノズルを上向き傾斜をもたせて着脱自在に配設すると共に、前記乾燥塔直胴部の下方には製品フラックスと、乾燥済み熱風の排気とを分別して排出する熱風排気部と、モールドフラックス製品貯留切り出し部とにより構成したことを特徴とする中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【0012】(2) 乾燥塔の頂部に熱風を下向きに、かつ、均等分配するセパレータ板を設けたことを特徴とする(1)記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
(3) 乾燥塔内に送風する熱風の一部を熱風搬送管より分岐させ、乾燥塔頂部下方近傍で、かつ、該乾燥塔に対して接線方向に熱風分岐管を設置したことを特徴とする(1)または(2)記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【0013】(4) 乾燥塔の側壁に設ける貫通孔の径をランスノズル外径より大とし、該ランスノズルの乾燥塔内挿入深さ位置に設けた湾曲状鍔部材を前記貫通孔に嵌装固定することを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
(5) 乾燥塔内に配設する原料スラリーを乾燥塔内に噴射する複数個のランスノズルを、乾燥塔の外周を囲繞するスラリー供給用環状管の各枝管に遮断弁を設けて、着脱自在に取付けたことを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の中空顆粒モールドフラックスの製造装置。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは従来技術の問題点に鑑み、フラックス製造時のフラックス原料のスラリーを、どのような形で熱風に曝せば理想に近い形で中空顆粒状フラックスを効率よく得ることができるか種々検討を重ねた結果、本発明の完成をみるに至った。
【0015】すなわち、原料スラリー(以下、単にスラリーと称す)と熱風との接触は、向流方式を採用することによって熱風乾燥塔を設備的にコンパクトな形にでき、また、スラリーの噴出ノズルをマルチ方式にすることによってノズル詰りが発生した場合、そのノズルのみを交換することによって、装置全体を休止せずに連続稼働を継続することができる等、フラックスの有効な製造装置を開発することができた。
【0016】以下、図1および図2に基づいて本発明の特徴とその詳細を説明する。送風機(図示せず)より送られてきた空気2は、熱風発生装置1によって重油または燃料ガスの燃焼熱によって加熱されて熱風となり、搬送管3を通りスラリー4を向流乾燥する熱風乾燥塔(以下、単に乾燥塔と称す)5の頂部から熱風が圧送される。該乾燥塔5は概ね截頭円錐形(水平面とのなす角度約45°)をした上部乾燥塔5aと、円筒形(水平面とのなす角度90°)の直胴部からなる中部乾燥塔5bおよび、逆截頭円錐形(水平面とのなす角度約60°)の下部乾燥塔5cより構成されている。
【0017】該乾燥塔5の上部乾燥塔5aの上方には、セパレート板6を設置しており、該セパレート板6は熱風搬送管(以下、単に搬送管と称す)3と乾燥塔5の頂部との接続部において、搬送管3を流れてきた熱風2を数個のセパレート板6によって均等に分配すると共に、熱風2を下向に方向転換させる役目を担っている。
【0018】また、搬送管3より熱風2の一部を分岐し、上部乾燥塔5aの一部に熱風分岐管7を接線方向に接続して熱風を供給する。かくすることにより、該熱風には上部乾燥塔5aの上壁内面および、中部乾燥塔5bの側壁内面を旋回しながら下方向に向う熱風旋回流2aを付与することができる。このような構成をとることにより、後述するノズル9より噴射されたスラリー4が粒滴となって熱風との向流接触によって蒸発乾燥される過程において、乾燥塔5の内壁に付着することを抑制防止できる。
【0019】一方、前記中部乾燥塔5bの下部寄りには、スラリー4を吹込むために先端部にノズル9を有するランス10が、乾燥塔外より側壁8を貫通して乾燥塔内の所定位置に、ノズルが特定角度をもって上向きに設置されている。ノズル数は乾燥塔の大きさにも関係してくるが、概ね3〜10本程度とし、マルチノズルタイプを構成する。
【0020】また、乾燥塔5bの側壁8に設ける貫通孔の径はランスノズル外径より大とし、ランスノズルの挿入を容易とする。さらに、ランスノズルの乾燥塔内挿入深さの位置に応じて設けた乾燥塔5bの外壁の曲率に合致する湾曲状鍔部材21を前記貫通孔に嵌装することにより、ノズル9をほぼ上向きに指向させた状態でランスノズルを固定することができる。
【0021】また図示しない攪拌処理装置で調製されたフラックスの原料であるスラリー4は、該乾燥塔5の側壁の周囲を囲繞する環状管11によって所定のスラリーヘッダー圧を保持し、各ランス10へ均等にスラリー4が供給できるよう構成され、かつ、各ランス10のいずれにも環状管11との間に遮断弁が設置されており、その上部にはランス10を脱着できる接続部12があり、環状管11との間で脱着自在に取付けられている。従っていずれかのノズルにおいてノズル詰りが発生した場合は、操業を停止することなく、そのランス10のみをノズル9と共に取替えることができる。
【0022】また、ノズル9の配設位置は乾燥塔5内で点対称としているため、該塔内において略均等にスラリーが噴射され熱風との接触がムラなく行われる。さらに、下部乾燥塔5cには熱風との熱交換により乾燥された、所定の大きさの球状の中空顆粒状フラックスが貯留され、排出口部に設けた、例えば、ロータリーバルブによってほぼ連続的に切り出される。
【0023】さらにまた、下部乾燥塔5cの上方部にはスラリー4との熱交換済み熱風排気部(中空体)13が設けられており、排気ダクト18に繋がっているので排気を乾燥塔5外へ吸引排出するので、微細なフラックスも排気と共に吸引されて室外に排出されるため、中空顆粒状フラックスとしては微粒粉を含まない製品が得られる。
【0024】なお、図中19はスラリーの送り出しを一時中断する遮断弁で、14はノズル9から噴出するスラリー4の状況を絶えず監視するための覗き窓であり、20は乾燥塔内を点検するための出入口である。
【0025】前記ノズルから噴出したスラリーはノズルからの噴霧圧力によって一定の高さまで熱風中を上昇しながら、上方から降下してくる熱風と向流熱交換し、さらに、反転下降する過程でも熱風と並流熱交換して乾燥され水分を蒸発することにより中空顆粒フラックス製品を形成する。
【0026】乾燥塔5内へスラリー4を噴出するに当っては、本発明者らの経験によれば、単一ノズルではノズル詰まりが発生した場合に装置全体の操業を停止せねばならない。また、単一ノズルに限らずノズル9の先端部の一部にスラリーから生成した付着物(ダレ)が生じた場合には、スラリーの噴射条件が変動するため、乾燥塔5内でスラリー4の噴霧によって生成する粒滴が均一に分布されずデッドゾーンができ、部分的に熱風との適正な接触が阻害され、所定の短時間での蒸発乾燥が達成できなくなる。
【0027】また、付着物(ダレ)のためノズル9からのスラリー4の噴射方向が変わり、粒滴の飛翔方向が乾燥塔5内壁に向かった場合、半乾燥の粒滴の付着という好ましくない事態がおこる。さらに、ノズル詰まりを発生したランスノズルを乾燥塔5内に放置しておくと塔5内の高温雰囲気や高圧ポンプによる圧縮作用によってランスノズル内の原料スラリーが固化してしまい、修復不能状態となる。
【0028】このような事態を避けるため、本発明においてはマッチタイプのノズル配設をとるものであり、もし仮りに数個のノズルのうち1個のノズルが上記現象を惹起したとしても、乾燥塔内を覗く覗き窓14からその様子を逐次監視し、素早く対応することによってそのノズルへのスラリー4の供給を停止し、該ノズル9をランス10と共に新しいノズルと交換することで、操業を停止する必要はなく対処することができる。
【0029】ノズル配設数8個の本発明装置で実際の操業を行ってみたところ、製造開始より約1,5時間後の監視によって1個のノズル先端部に付着物が発生し異常噴霧が認められたので、操業を実行しながら付着物発生ノズルのみについて、遮断弁19によりスラリーの送り出しを停止し、接合部12でランス10を取外しノズル交換作業を直ちに行い、予備ノズルに取替えたので以後の操業は順調に行われた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、乾燥熱風とスラリーの熱交換を向流方式としたため、乾燥塔の規模を大きくする必要がなく、設備コストの低減に役立ち、また、マルチノズル方式を採用したので、操業中にノズル詰り、またはノズル先端部に付着物が発生しても、操業を停止せずに異常状態となったノズルのみを交換することにより、操業に支障をきたすことなく適正な粒度をもつ中空顆粒フラックスの製造を容易に行うことができ、生産性の低下をきたすことのない優れた効果を有する。




 

 


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