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発明の名称 鋼の連続鋳造用フロントパウダー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−5953
公開日 平成10年(1998)1月13日
出願番号 特願平8−175469
出願日 平成8年(1996)6月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康弘
発明者 白神 孝之 / 奥原 圭介 / 三隅 秀幸 / 谷口 秀久
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炭素含有量が0.08〜0.18重量%の中炭素鋼を連続鋳造で鋳造するに際し、凝固温度が1000℃以下、溶融温度が930℃以上、粘度;1.5〜4.0poise、溶融速度;3.5〜7.0g/cm2 ・minであることを特徴とする鋼の連続鋳造用フロントパウダー。
【請求項2】 成分組成が酸化物に換算して、CaO/SiO2 =0.60〜1.00(重量%比)の範囲で、Al23 ;3〜7重量%、Na2 O;0.6〜13重量%、Li2 O;0.5重量%以上、F;6〜12重量%、Fe23 ;7〜14重量%、不可避的遊離炭素が1.0重量%以下であり、その成分組成の内に、酸化剤として酸化鉄を7〜14重量%配合し、発熱剤としてCa−Si合金を溶融速度が3.5〜7g/cm2 ・minとなるように配合したことを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造用フロントパウダー。
【請求項3】 請求項2においてLi2 O含有量が5.0重量%を限度とする鋼の連続鋳造用フロントパウダー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造の鋳造初期において、適切な速度で溶融してスラグ層を形成し溶鋼面を被覆するとともに、潤滑作用を行うスラグフィルムを形成することにより、安定した操業と優れた鋳片を製造するために使用するフロントパウダーに関するもので、特に中炭素鋼の連続鋳造において、鋳造初期のブレークアウトの防止および鋳片表面の割れに最大の効果を発揮する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼の連続鋳造は、省エネルギーや省資源、歩留りや原単位の向上によるコストダウンのため高速化、さらには高速連続鋳造で製造された鋳片を冷却、再加熱することなく直接圧延工程に送り込む直接圧延方式が、積極的に採用されるようになっている。この直接圧延を実施するためには、鋳造される鋳片の欠陥を極力少なくする必要があり研究がなされているが、中炭素鋼や包晶組成の鋼では鋳造初期にブレークアウトや割れが発生しやすく、大きな問題として残っている。
【0003】この割れの発生を防止するためには、鋳片の冷却を均一にすることが必要であり、そのためにはパウダーの凝固温度を高めて鋳型と鋳片間に流入して形成されるスラグフィルム自体の伝熱抵抗を大きくすることにより、鋳片から鋳型への伝熱抵抗を大きくして、鋳片を緩冷却することが有効とされている。しかしながらこのようなパウダーを使用しても、鋳造初期においては、溶鋼の温度低下や溶融スラグ層不足などにより、スラグの潤滑性が不足したり不均一流入が起こり、定常操業時に比較して拘束性ブレークアウトや割れが多く発生する。このように本体パウダーの改良だけはこれらの問題を解決できていない。
【0004】これらの問題を解決する目的で鋳造開始時に使用するフロントパウダーも提案されている。すなわち、鋳造初期の安定した操業を確保する手段として、発熱パウダーを鋳造初期に使用する方法がとられている。この鋳造初期に使用するパウダーとしては、例えば特公昭57−7211号、特公平6−73728号の各公報に開示されているが、各々パウダー本来の機能を迅速に発揮させるものおよび、発熱反応後はパウダー本来の役割を果たす必要があるとの記述が示すように、これらのフロントパウダーは発熱性を除き、一般パウダー(本体パウダー)が有する溶融したスラグ特性を特別に変えたものではないことがわかる。このように発熱の機能を付与した上記公告公報の発明では、中炭素鋼の鋳造初期の拘束性ブレークアウトや割れを十分防止できていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようする課題】本発明は、前記従来技術で解決できなかった鋳造初期におけるブレークアウトや、鋳片表面の割れを防止するために、鋳造初期に必要な特有の機能を持つ、鋳造初期に使用するフロントパウダーを提供するものであり、特に中炭素鋼の連続鋳造において、鋳造初期のブレークアウトの防止および鋳片表面の割れに最大の効果を発揮する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、中炭素鋼の連続鋳造初期のブレークアウトや鋳片表面の割れを防止するための研究を行なった結果、本体パウダーと異なった特性を有するフロントパウダーを見いだし、鋳造初期に使用することにより鋳造初期のブレークアウトの防止および鋳片表面の割れを解決できることを見いだした。
【0007】すなわち、手段1は炭素含有量が0.08〜0.18重量%の中炭素鋼を連続鋳造で鋳造する際、凝固温度が1000℃以下、溶融温度が930℃以上、粘度;1.5〜4.0poise、溶融速度;3.5〜7.0g/cm2 ・minであるフロントパウダーである。
【0008】また手段2は、成分組成が酸化物に換算して、CaO/SiO2 =0.60〜1.00(重量%比)の範囲で、Al23 ;3〜7重量%、Na2 O;0.6〜13重量%、Li2 O;0.5重量%以上、F;6〜12重量%、Fe23;7〜14重量%不可避的遊離炭素が1.0重量%以下であり、その成分組成の内に、酸化剤として酸化鉄を7〜14重量%配合し、発熱剤としてCa−Si合金を溶融速度が3.5〜7g/cm2 ・minとなるように配合したフロントパウダーである。
【0009】さらに手段3は、手段2においてLi2を5重量%以下としたフロントパウダーである。
【0010】
【発明の実施の形態】炭素含有量が0.08〜0.18重量%の中炭素鋼の連続鋳造において、鋳造初期は溶鋼温度が低いことや低鋳造速度のため、鋳片の定常時において最適なパウダー(本体パウダー)では、凝固フィルム厚の過剰成長または不均一凝固、流入不足、スラグベアの成長などが発生し、これが起因となりブレークアウトや鋳片表面の割れが発生することが分かった。
【0011】この凝固フィルムを形成して緩冷却による均一冷却を図るという一般的な方法は、鋳造初期においてはかえって効果がなく、潤滑フィルムを通して鋳型による均一冷却が非常に有効であり、このためフロントパウダーの凝固温度を1000℃以下にする必要がある。
【0012】この凝固温度が1000℃より高いと、不均一な凝固フィルムの形成が進み効果がなくなる。また、このフロントパウダーは、後に使用する本体パウダーよりはるかに低凝固温度であるため、初期の目的を果たした後、鋳型より流出して高凝固温度の本体パウダーにスムーズに置換されるので、特性の異なるパウダーを連続して使用することによる悪影響が見られないことも特徴の一つである。
【0013】さらに、溶融温度を930℃以上にするのは、溶融温度がこれより低くなると溶融速度が速くなりすぎるか、または溶融時にフラックス成分の揮発による白煙の発生や、スラグの泡立ちが急増し実用的でなくなるだけでなく、目的とした効果も得られなくなる。
【0014】粘度は鋳造初期は低速のため、1.5poise以下では溶融スラグが流出し、鋳型と鋳片の間に部分的な空隙ができ不均一冷却となる。4.0poise以上では、本体パウダーとの置換がスムーズに行われるのを阻害し、割れが発生する。
【0015】そして、かかる特性のフロントパウダーを鋳造初期に必要量供給し、かつ最適な溶融状況を得るためには、溶融速度を3.5〜7.0g/cm2 ・minにする必要がある。溶融速度が3.5g/cm2 ・min以下では潤滑に必要な溶融スラグの不足によるブレークアウトが発生する。溶融速度が7.0g/cm2 ・min以上では一旦半溶融状況になったスラグ表面が冷却され、塊状または板状に固化し操業トラブルを起こす。
【0016】また本発明はさらに効果を高めるために、安定した溶融速度および溶融状況が得られるフロントパウダーを提示している。すなわち、凝固温度が1000℃以下で粘度が1.5〜4.0poiseの特性で、フラックス成分の揮発による白煙の発生や泡立ちを抑えるためには、CaO/SiO2 を0.6〜1.0重量%比、Al23 を3〜7重量%にすることで可能となる。このCaO/SiO2が0.6重量%以下でAl23 が7重量%以上になると粘度を下げるために、Na2 O、Fなどフラックス成分が過剰となる。CaO/SiO2 が1.0重量%比以上でAl23 が3重量%以下では凝固温度を下げ、かつ粘度を範囲内に高く維持することが困難となる。
【0017】CaO/SiO2 を0.6〜1.0重量%比で、Al23 を3〜7重量%において、フラックス成分であるNa2 O、F、Li2 Oにより凝固温度が1000℃以下、溶融温度を900℃以上、粘度を1.5〜4.0poiseに調整が可能になる。
【0018】Na2 Oが7重量%以下では凝固温度または粘度を十分下げることができず、Na2 Oが13重量%以上になると、白煙や泡立ちが急増する。またFが5重量%以下では粘度が高くなりすぎ、12重量%以上になると粘度が低くなり、また白煙や泡立ちを増長させる。
【0019】この白煙や泡立ちを抑える成分としてLi2 Oは非常に有効であると共に、図1、図2に示すように、当該パウダーの凝固温度が低下することを抑制し、鋳片の表面割れおよびブレークアウトの発生を抑制する効果がある。しかし、Li2Oが0.5重量%以下では効果が不足し、5重量%を超えてもその効果は飽和した状態であり、経済面からみてそれ以上の添加の必要はない。
【0020】また、これら成分のフロントパウダーを前記3.5〜7.0g/cm2 ・minの溶融速度で安定して溶融させるため、発熱を利用することが有効である。この発熱は不可避的遊離炭素を低減して、Ca−Si合金と酸化鉄の組み合わせによる酸化還元反応を利用することが、成分や特性への影響が少なく最適である。酸化鉄は7重量%以下では溶融速度が遅くなる。14重量%以上では溶融速度が速すぎるか、白煙の発生を引き起こす。
【0021】Ca−Si合金の配合重量%は溶融速度が3.5〜7.0g/cm2 ・minとなるように量を決定する。成分や原料系によりその量は変化するがおよそ12〜20重量%である。さらに、不可避的遊離炭素が1.0重量%を超えて多くなると、溶融速度が遅くなり3.5g/cm2 ・minを確保できなくなる。このように発熱性を付与することにより、炭酸塩など溶融過程で吸熱反応を伴う原料を使用しても安定した溶融速度が得られる。
【0022】また、本発明のフロントパウダーは、鋳造条件の変動に対する追従を考え原料はすべて100mesh通過重量%が95%以上の粉末の原料を使用している。使用方法、使用量については鋳造初期のみの使用であり、溶鋼面が浸漬ノズルの吐出孔を覆った時に添加し、使用量は溶鋼上部面積当たり溶融スラグに換算して7〜15mm/cm2 の厚みに相当する量を添加する。そして一部、溶融が上部表面に達した時に本体パウダーを添加する。
【0023】前記溶融速度は、中周波炉で溶解し、1550℃に保持した10kgの溶鉄上に、1.0g/cm2 の量のフロントパウダーを投入して溶融するまでの時間より求めた。凝固温度は、回転円筒法により1300℃より1℃/minで温度(T)を下げながら粘度(η)を測定し、1/Tとlogηの直線関係が結晶析出による見掛けの粘度の急増で変化する点の温度とした。溶融温度は、5mmφ×5mmhの円柱状に形成した試料を700℃より10℃/minで昇温し、2.5mmhの半球状になった時の温度とした。
【0024】
【実施例】以下に本発明によるフロントパウダーの実施例と比較例を挙げてさらに具体的に説明する。表1に本発明品および比較品および実機での使用結果を記載する。鋳造条件は、鋳型サイズ220〜280×900〜1800mm、鋳造鋼種は炭素含有量が0.08〜0.18%の中炭素鋼。ブレークアウトの防止についての評価は予知検知によりブレークアウトに至らずとも鋳片焼き付きの跡が認められたチャージを含めて、チャージ比での発生比率が0.2%以下を○、2%以下を△、2%を超えるものを×とした。鋳片表面割れの評価については、長さ100mm以上の縦割れに対する手入れ率が、スラブ長さ比で1.0%以下のものを○、3.0%以下を△、3.0%を超えるものを×とした。
【0025】
【表1】

【0026】表1のA、B、Cは本発明によるもので、いずれも良好な結果を示した。比較品Dは溶融温度と粘度が低く、また、Li2 Oを含まずNa2 OとFが本発明の範囲より多いため、白煙の発生が激しく鋳片表面品質も悪かった。比較品Eは凝固温度が本発明範囲より小さく、また、CaO/SiO2 が本発明範囲より多いため、本体パウダーとして良好な溶融特性を有しているが、鋳造初期には不均一な凝固フィルムを形成し、また、潤滑性に劣るため、ブレークアウト(予知検知を含め)が多く、鋳片表面品質も改善されなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明のフロントパウダーは、従来困難とされていた中炭素鋼の鋳造初期のブレークアウトの防止および鋳片表面品質向上を同時に達成でき、歩留りや省エネルギーだけでなく、安全な操業をもたらすものである。




 

 


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