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発明の名称 有機溶剤ガス吸着素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−263395
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−89992
出願日 平成9年(1997)3月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】板井 一瓏
発明者 黒沢 正司 / 山下 勝宏 / 小林 岳也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ハニカム構造体に有機溶剤ガスの吸着剤を担持させてなる有機溶剤ガス吸着素子において、ハニカム構造体上の吸着剤担持領域を分割して各吸着剤担持領域に溶剤吸着特性が異なる複数種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とする有機溶剤ガス吸着素子。
【請求項2】 高空隙率の波形紙と平板状紙とを交互に積層してなるハニカム構造体に有機溶剤ガスの吸着剤を担持させてなる有機溶剤ガス吸着素子において、ハニカム構造体を構成する波形紙と平板状紙のぞれぞれに溶剤吸着特性が異なる2種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とする有機溶剤ガス吸着素子【請求項3】 ハニカム構造体に有機溶剤ガスの吸着剤を担持させてなる有機溶剤ガス吸着素子において、ハニカム構造体上の吸着剤担持領域を通気方向において分割して各吸着剤担持領域に溶剤吸着特性が異なる複数種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とする有機溶剤ガス吸着素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤ガスを含む空気から有機溶剤ガスを回収し空気を浄化するための装置に使用する有機溶剤ガス吸着素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種機械器具の塗装設備や印刷工場などでは有機溶剤ガスを低濃度で含む汚染空気が大量に発生する。このような低濃度有機溶剤ガスをそのまま大気中に放出することは光化学反応によるオキシダント生成の原因になるなど、環境衛生上好ましくないので、回収して処分するか再利用するなどの対策が必要になる。
【0003】空気中に低濃度で含まれる有機溶剤を回収する装置として、近年、ハニカム構造の担体に吸着剤を担持させた吸着素子を用いたものが注目されている。この吸着素子は、セラミック繊維等で作られた高空隙率の紙を波形に成形したものと平板状のままのものとを積層した片面段ボール状のものを、通常、円筒状に巻き上げてハニカム構造にし、これに有機溶剤ガス吸着剤を担持させたものであって、両端面間に形成されている管状通気間隙に被処理空気を流して吸着剤に接触させ、空気中の有機溶剤ガスを吸着剤に吸着させるものである(たとえば国際公開第91/16971号等)。
【0004】この方式の吸着素子のための吸着剤として使用可能なものは多数あるが、もっとも普通に使われているのはゼオライトである。ゼオライトは微細な連通気孔を有し、それにより大きな活性表面と分子篩作用を有する。ゼオライトがよく吸着する溶剤ガスの種類はゼオライトの化学組成(SiO2/Al23比)によって異なり、また平均細孔径によっても異なるので、ゼオライトのガス吸着作用には選択性がある。同様の選択的吸着作用は、程度の差はあれ活性炭など他の吸着剤にも認められる性質である。
【0005】そこで、上記方式の吸着素子には、吸着させようとする有機溶剤ガスの種類に応じて最適の吸着剤を選んで担持させる。しかしながら、工場等から排出される汚染空気には複数の溶剤ガスが含まれていることが多いから、そのような汚染空気を十分に処理しようとすると吸着剤を変えた吸着装置2基以上を直列に設置して使用する必要があった。
【0006】単一の吸着素子に2以上の吸着剤を担持させて複数の溶剤ガスを吸着可能にすることは解決困難な問題があって、従来これに成功した例はない。ハニカム構造担体に吸着剤を固定するため何回も吸着剤含浸処理をすると先に固定された吸着剤が後から固定された吸着剤で被覆されてしまい、吸着能力を十分発揮することができないからである。また、複数の吸着剤をあらかじめ混合してから担持させようとすると、もともと均一に分散させることが難しい微粉末状吸着剤が一層凝集し易くなり、均一に担持させることが難しいから、これまた期待するような吸着特性は得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶剤吸着特性が異なる複数の吸着剤をそれらが本来有する吸着能を十分に発揮し得るような態様で担持させた吸着素子を提供し、それにより、複数の溶剤ガスを含有する空気の完全浄化にも使用可能なハニカム構造有機溶剤ガス吸着素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハニカム構造体に有機溶剤ガスの吸着剤を担持させてなる有機溶剤ガス吸着素子において、ハニカム構造体上の吸着剤担持領域を2以上の領域に分割して各吸着剤担持領域に溶剤吸着特性が異なる複数種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とするものである。
【0009】上記本発明による吸着素子は大別して2種類あり、その第一は、ハニカム構造体を構成する波形紙と平板状紙のぞれぞれに溶剤吸着特性が異なる2種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とするものであり、第二はハニカム構造体上の吸着剤担持領域を通気方向において分割して各吸着剤担持領域に溶剤吸着特性が異なる複数種類の吸着剤を別々に担持させたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では単一のハニカム構造担体に複数の吸着剤を担持させるが、そのとき用いる複数の吸着剤は、処理しようとする空気中に含まれる有機溶剤ガスの種類を考慮して選定する。たとえば、芳香族炭化水素と低級脂肪族ケトン類を含有する空気の処理には、両方をよく吸着する吸着剤はないので、前者をよく吸着する吸着剤と後者をよく吸着する吸着剤とを選んで担持させる。一般的な吸着剤の溶剤吸着特性は周知のものであるから吸着剤の選定に格別の困難はないが、代表的な吸着剤であるゼオライト系吸着剤について吸着作用の傾向を説明すると、それはゼオライトの化学組成(SiO2/Al23比)や平均細孔径の大きさに依存することが確認されていて、概略次のような傾向がある。
【0011】SiO2/Al23比:この値が小さいほど親水性になってアルコール類など極性の強い溶剤がよく吸着されるようになり、反対にこの値が大きくなるほど、親油性になって炭化水素類など非極性溶剤をよく吸着するようになる。
【0012】平均細孔径:この値が小さいと分子サイズの小さい溶剤が選択的に吸着され、大きいほど分子サイズの大きい溶剤がよく吸着されるようになる。
【0013】併用する吸着剤は、必要に応じて3種類またはそれ以上とすることができる【0014】次に、上述のような複数の吸着剤をハニカム構造担体上で別々に担持させる方法を説明する。
【0015】最初に、ハニカム構造体を構成する波形紙と平板状紙のそれぞれに溶剤吸着特性が異なる2種類の吸着剤を別々に担持させる場合について述べる。この場合は、ハニカム構造体製造用の原紙を常法によりコルゲート加工などして波形にしたものに一方の吸着剤Aを担持させ、他方の吸着剤Bを平板状の原紙に担持させる。吸着剤を原紙に担持させる方法は任意であるが、原紙抄造段階で吸着剤を抄造原料に混入する方法、抄造された紙にスラリー状にした吸着剤を塗工または浸漬により含浸、乾燥する方法などが可能である。得られた吸着剤担持済み波形紙と平板状紙とを重ね合わせ、接触部位で接着して片面段ボール状の積層体を得る。これを巻き上げてハニカム構造にし、形状を固定すれば、吸着剤A担持層と吸着剤B担持層が交互に配置された円筒状の吸着素子が得られる。この過程で、必要ならばケイ酸ゲルによる硬化処理、高温焼成等を施す。
【0016】得られた吸着素子においては、その軸線に平行な方向に伸びる通気間隙のいずれもが、吸着剤Aを担持する波形紙層と吸着剤Bを担持する平板状紙層に面しているから、被処理空気は通気間隙を流れる間に2種類の吸着剤による吸着処理を並行して受けることになる。
【0017】ハニカム構造体上の吸着剤担持領域を通気方向において分割して各吸着剤担持領域に溶剤吸着特性が異なる複数種類の吸着剤を別々に担持させる場合は、ハニカム構造体製造のために波形に加工した原紙と平板状のままの原紙の両方に複数の吸着剤を、原紙がハニカム構造体に加工されたとき通気方向になる方向に分割された複数の領域に順番に配置して、塗工または浸漬により担持させる。その後、吸着剤担持済み原紙をハニカム構造体に加工する。
【0018】原紙に吸着剤を担持させずにハニカム構造体を得た後、2種類の吸着剤分散液を用意してそれらにハニカム構造体を、前半部と後半部の2回に分けて浸漬することにより、2種類の吸着剤を通気方向に分割担持させることもできる。
【0019】いずれの方法によっても、得られた吸着素子においては通気方向に複数の吸着剤担持領域が現れるので、被処理空気は通気間隙を流れる間に逐次複数の吸着剤による吸着処理を受けることになる。
【0020】波形原紙と平板状原紙の一方に吸着剤Aを担持させ、他方に別の吸着剤2種以上を通気方向に配置されるよう分割担持させ、得られた吸着剤担持済み波形紙と平板状紙をハニカム構造体に加工してもよく、このようにして得れらる吸着素子においては、被処理空気は吸着剤Aによる吸着処理を受けるのに並行して他の複数の吸着剤による逐次処理を受けることになる。
【0021】上述の製造法において、併用担持させる吸着剤の種類、それらをハニカム構造担体に担持させる位置および面積比は、被処理空気中の有機溶剤の種類、濃度比等を考慮して最良の処理結果が得られるように選定することが望ましい。
【0022】なお、本発明の吸着素子におけるハニカム構造担体のための原紙は特殊なものである必要はないが、ゼオライト等の粉末状吸着剤を担持させる必要上、なるべく空隙率の高いものであることが望ましい。適当な原紙は、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ・シリカ繊維、ジルコニア繊維、ガラス繊維等の無機繊維;レーヨン、木材パルプ等のセルロース系繊維、ビニロン、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等を適宜混合したものを、有機バインダーを用いて厚さ0.15〜0.50mm、密度0.1〜0.5g/cm3の紙に抄造したものである。
【0023】
【実施例】
実施例1アルミナ・シリカ繊維に少量の有機質合成繊維を加えたものを原料にして、厚さ0.2mm、密度0.25g/cm3の紙を抄造する。得られた原紙を2分し、半分には平均細孔径が5Åの合成ゼオライトをスラリー状にして含浸させ、乾燥する。別の半分には、平均細孔径が10Åの合成ゼオライトをスラリー状にして含浸させ、乾燥後、さらに波長3.3mm、波高1.9mmの波形紙にコルゲート加工する。ゼオライトの担持量は、いずれも110g/m2とする。
【0024】得られた2種類のゼオライト担持済み原紙を重ね合わせ、接着剤を用いて積層したのち波形紙の波形伝播方向に巻き上げて、両端面に開口する通気間隙を有する円筒状ハニカム構造体(直径2000mm,長さ400mm)を得る。これを無機バインダーに浸漬したのち乾燥、さらに焼成して有機物を除去し、2種類のゼオライトを別々に担持しているハニカム構造の吸着素子を得る。
【0025】実施例2平均細孔径が10Åの合成ゼオライトを平板状の紙に担持させ、平均細孔径が5Åのゼオライトを波形紙に担持させたほかは実施例1と同様にして、2種類のゼオライトを別々に担持しているハニカム構造の吸着素子を得る。
【0026】実施例3実施例1,2と同様の方法において、原紙にゼオライトを担持させることなくハニカム構造担体を製造し、その後に、ゼオライトスラリーにハニカム構造体の半分を浸漬する方法によりゼオライトを担持させる。ゼオライトは、吸着素子として使用するとき入口側となる半分の領域に平均細孔径10Åのものを、出口側の半分に平均細孔径5Åのものを、それぞれ担持させる。
【0027】実施例4吸着素子として使用するとき入口側となる半分の領域に平均細孔径5Åのものを、出口側の半分に平均細孔径10Åのものを、それぞれ担持させたほかは実施例3と同様にして、吸着素子を製造する。
【0028】比較例1波形紙と平板状紙の両方に平均細孔径10Åのゼオライトを担持させたほかは実施例3と同様にして、2種類のゼオライトを別々に担持しているハニカム構造の吸着素子を得る。
【0029】比較例2波形紙と平板状紙の両方に平均細孔径5Åのゼオライトを担持させたほかは実施例1と同様にしてハニカム構造体を得る。
【0030】上記各例の方法により製造したハニカム構造吸着素子を用いて吸着実験を行なった。実験条件は次のとおりである。
【0031】被処理空気:キシレン150ppm、MEK(メチルエチルケトン)200ppmを含有する。温度25±2℃。湿度60%RH。
通風条件:2m/sec測定:通風開始1分後から4分後まで、1分ごとに出口ガスを採取してキシレン濃度およびMEK濃度を測定する。
実験結果をまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】 出口ガス濃度〔ppm〕
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2 キシレン 1分後 0 0 0 0 0 50 2分後 0 5 0 0 0 150 3分後 5 10 5 10 0 150 4分後 10 25 15 20 5 150 MEK 1分後 0 0 0 0 0 0 2分後 0 0 0 0 10 0 3分後 0 0 0 0 25 0 4分後 0 5 0 5 55 0【0033】
【発明の効果】上述のように、溶剤吸着特性が異なる複数の吸着剤をハニカム構造体上に別々に担持させた本発明によれば、複数の吸着剤を単一の担体上に担持させたにもかかわらず各吸着剤の性能を十分に発揮させることができるので、親油性溶剤と極性溶剤の両方を含有するような空気も単一の吸着素子で効率よく処理して完全に浄化することが可能になる。




 

 


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