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発明の名称 研磨テープ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−296642
公開日 平成10年(1998)11月10日
出願番号 特願平9−123198
出願日 平成9年(1997)4月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】皿田 秀夫 (外1名)
発明者 岡田 今朝男 / 黒瀬 茂夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 可撓性支持体の上に、無機質粉体、結合剤および溶剤を含む研磨層形成用塗料を塗設後、乾燥させて形成された研磨層を備える研磨テープにおいて、前記研磨層形成用塗料に含有される溶剤は、沸点120℃以上の有機溶剤が全有機溶剤量に対して20〜60重量%の割合で含有されており、前記研磨層の膜厚が3〜25μmであり、前記研磨層中の残留溶剤量が、500g/m3 以下であることを特徴とする研磨テープ。
【請求項2】 前記研磨層中の残留溶剤量が、20〜500g/m3 である請求項1記載の研磨テープ。
【請求項3】 前記沸点120℃以上の有機溶剤がシクロヘキサノンである請求項1または請求項2記載の研磨テープ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドや磁気ディスク等の表面の研磨に用いられる研磨テープに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドの精密仕上げ加工や磁気記録媒体の表面仕上げ加工には、可撓性支持体の上に研磨層を有する研磨テープが用いられる。研磨層は、研磨層形成用塗料を可撓性支持体の上に塗設した後、乾燥させることによって形成され、研磨層形成用塗料中には、例えば、酸化アルミニウム、酸化クロム、炭化珪素、酸化鉄、窒化珪素、ダイアモンド等の無機質粉体;塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の有機質結合剤(バインダ);およびその他の配合剤などが混練・分散された状態で含有されている。
【0003】従来より知られている研磨テープの製造方法としては、特公昭53−44714号公報に記載の方法があり、当該方法は、研磨剤微粒子を加熱後、飽和ポリエステル樹脂接着剤の溶液と混合、攪拌し、次いで前記混合物をフィルタでろ過し、このろ過の前または後で硬化剤を添加し、その後、前記混合物をポリエステルに均一に塗布し、更に、このフィルムを乾燥して巻き取り、最後に前記フィルムをキュアする研磨テープの製造方法である。この製造方法によれば、研磨微粒子がフィルム面から脱落しなくなるいう効果が発現されると報告されているものの、研磨テープとしての研磨能は十分であるとは言えない。
【0004】また、特開平7−276246号公報には、可撓性支持体の上に研磨剤粒子と結合剤樹脂を主体とする研磨層を設けてなる研磨テープであって、該研磨層からテトラヒドロフラン(THF)により抽出される抽出量が研磨層に対して0.1〜3.0重量%である研磨テープの提案がなされている。また、当該公報中、塗布膜の残留溶剤量を0.1〜40mg/m2 とする旨の記載もなされている。しかしながら、特開平7−276246号公報記載のものは、複写機用電子写真感光ドラム表面に均一な削条痕をつけ、感光ドラムの寿命の大幅な改善を図るものであり、用途はそれ専用のものと考えられ、磁気記録媒体や磁気ヘッド等の研磨には適合するものとは言えない。また、残留溶剤量は、単なる数値の記載にすぎず、この量を規定することによって発現する具体的作用効果の記載はまったくなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実状のもとに創案されたものであって、その目的は、磁気ヘッドや、磁気ディスク等の表面を研磨するに際して、研磨対象表面に研磨傷が発生するのを極力防止することができ、研磨テープの研磨層の削れが少なく、かつ、研磨能力に優れた研磨テープを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために、本発明は、可撓性支持体の上に、無機質粉体、結合剤および溶剤を含む研磨層形成用塗料を塗設後、乾燥させて形成された研磨層を備える研磨テープにおいて、前記研磨層形成用塗料に含有される溶剤は、沸点120℃以上の有機溶剤が全有機溶剤量に対して20〜60重量%の割合で含有されており、前記研磨層の膜厚が3〜25μmであり、前記研磨層中の残留溶剤量が、500g/m3 以下であるように構成される。
【0007】また、本発明の好ましい態様として、前記研磨層中の残留溶剤量は、20〜500g/m3 の範囲に設定される。
【0008】また、本発明の好ましい態様として、沸点120℃以上の有機溶剤が、シクロヘキサノンであるように構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図1を参照しつつ説明する。
【0010】図1には本発明の研磨テープの実施の形態を模式的に示した断面図が表されている。
【0011】本発明の研磨テープ1は、可撓性支持体2の上に、磁気ヘッドや磁気ディスク等の表面(以下、単に『被研磨物』と称す)を研磨(クリーニング)するための研磨層3を備えている。そして、この研磨層3には、研磨材としての無機質粉体と、この無機質粉体をバインドさせるための結合剤を必須成分として含有している。
【0012】本発明における研磨層3は、上記必須成分と、必要に応じて用いられる各種添加剤等を(有機)溶剤とともに混合分散した研磨層形成用塗料を、可撓性支持体2の上に塗設し、乾燥させて形成させたものである。
【0013】このような研磨層3の膜厚は、3〜25μm、好ましくは5〜20μmに設定される。この値が3μm未満となると、塗膜の弾性が失われ、研磨の対象となる被研磨物を傷つける原因となってしまう。また、この値が25μmを超えると、研磨層の削れが発生しやすくなるという不都合が生じてしまう。なお、このような研磨層3の膜厚の設定は、これ単独のみでは本発明の顕著な効果は発現せず、後述する研磨層3中の残留溶剤量の設定と、塗料中に使用する所定溶剤との組み合わされが実現されて初めて、本願発明の相乗的効果が発現するのである。なお、研磨層3の膜厚は、乾燥後の厚さである。また、研磨層3は、通常単独で塗布形成されるが、2層以上の複数層とすることもできる。
【0014】研磨層3に含有される無機質粉体は、モース硬度5以上のものを用いるのが好ましく、例えば、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、ダイモンド、エメリー等の微粉末が単独または2種以上混合して使用される。中でも特に、炭化珪素、あるいは酸化アルミニウムを用いるのが好適である。無機質粉体の粒径は、0.1〜20μm程度の範囲のものが好ましく、実用に供する具体的粒径は、粗削りあるいは仕上げ研磨用のごとく実際の目的に合致するように適宜選定して用いればよい。0.1μm未満の粒径では、仕上げ研磨用としての研磨能が不十分となる傾向にあり、また、20μmを超えると被研磨物に傷を付ける等の不都合が生じやすくなる。
【0015】研磨層3に含有される結合剤(結合剤樹脂)としては、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系共重合体、繊維素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用される。これらの中でも特に、フェノキシ樹脂とポリウレタン系樹脂の組み合わせが好適である。
【0016】研磨層3に含有される結合剤の含有量は、無機質粉体100重量部に対して、5〜50重量部、特に10〜40重量部とするのがよい。結合剤の含有量が5重量部未満となり少なくなり過ぎると研磨層の塗膜強度が低下するため、研磨塗膜の脱落が発生する。この一方で、結合剤の含有量が50重量部を超えて多くなり過ぎると相対的に無機質粉体の含有量が低下するため、十分な研磨能が得られなくなるという不都合が生じる。
【0017】さらに、このような結合剤を硬化させるために、通常、架橋剤が含有される。架橋剤としては、各種ポリイソシアナート、特に、ジイソシアナートを用いることができ、特に、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジイソシアナートの中から選定される1種以上を用いるのがよい。これらの架橋剤は、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有するものに変性した架橋剤、またはジイソシアナート化合物3分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤として用いることが特に好ましい。このような架橋剤は、前記結合剤樹脂に含有される官能基等と結合して樹脂を架橋する作用をする。架橋剤の含有量は、結合剤100重量部に対し、10〜30重量部とすることが好ましい。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、通常、加熱オーブン中で50〜70℃の温度にて、12〜48時間加熱すればよい。
【0018】また、本発明の研磨層には、必要に応じて添加剤として潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果等を有するものを添加して使用することができる。具体的には、公知の種々の脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル類、フッ素オイル、界面活性剤、カーボンブラック等が添加され得る。
【0019】このような研磨層を形成するために、予め調製される研磨層形成用塗料には、有機溶剤が含有される。
【0020】本発明で使用される有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等を単一溶剤またはこれらの任意比率の混合溶剤として用いられる。この中でも、沸点120℃以上の高沸点溶剤は必須成分であり、塗料の全有機溶剤に対して20〜60重量%、好ましくは25〜50重量%含まれることを必要とする。沸点120℃以上の高沸点溶剤の含有量が、20重量%未満では、3〜25μmという比較的膜厚の厚い研磨層塗膜においては、研磨層塗膜中より有機溶剤が急速に気化するため、研磨層の表面性が悪化してしまう。これを用いた研磨操作は、被研磨物に傷をつけることになる。沸点120℃以上の高沸点溶剤の含有量が、60重量%を超えると、研磨層中の残留溶剤量が増加し、研磨能の低下および研磨層の削れの発生を引き起こす。沸点120℃以上の高沸点溶剤としては、シクロヘキサノン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸アミル等が挙げられる。これらの中でも、特にシクロヘキサノンを用いることが最も好適である。
【0021】本発明においては、研磨層中の残留溶剤量が、500g/m3 以下(特に、20〜500g/m3 )、好ましくは450g/m3 以下(特に、20〜450g/m3 )、さらに好ましくは400g/m3 以下(特に、20〜400g/m3)に設定することが要求される。残留溶剤量が、500g/m3 を超えると、研磨層塗膜の可塑性および結合剤(樹脂)の架橋反応の阻害等の不都合が発生し、その結果、研磨能の著しい低下および研磨塗膜の削れの発生等の不都合が生じる。残留溶剤量は、理論的にはゼロが可能であるが、実際の実験ではゼロにすることはできない。なお、残留溶剤量が、ゼロに近づくにつれて、被研磨物に傷をつけるという傾向が生じるために、下限値は、20g/m3 が好適であると考えられる。実験的に求められた好適な下限値は、20g/m3 である。なお、本発明の研磨層中の残留溶剤量(g/m3 )は、もちろん研磨層が乾燥された後の値であり、以下のように定義される。また、その具体的測定方法は以下のとおりである。
【0022】残留溶剤量(g/m3 )の定義塗布、乾燥後の研磨層塗膜単位体積(1m3 )中に残留する有機溶剤の重量(g)で定義される。
【0023】残留溶剤量の測定方法塗膜厚を精密マイクロメーターにて測定し、3/4インチ幅×1m長に裁断した研磨テープサンプルを20mLのバイアルビンに密封し、120℃にて1時間ホールド(放置)した後、発生したガスをヘッドスペーサーガスクロマトグラフ(島津製作所製、HSS−2A,GC−9A)にて測定する(サンプルの全残留溶剤量)。そして、塗膜厚とサンプルのサイズより求めた塗膜体積とから単位体積当たりの残留溶剤量を求める。
【0024】上記の残留溶剤量の調整は、用いる溶剤種、溶剤混合比率、研磨層形成用塗料の固形分濃度および乾燥条件等を適宜コントロールすることにより、行えばよい。
【0025】ところで上記の研磨層形成用塗料の固形分濃度は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%とされる。この値が30重量%未満となると、研磨層中の残留溶剤量が増加したり、ベナードセル現象により均一な厚さの塗膜が得られなくなる等の不都合が生じる。この一方で、固形分濃度が70重量%を超えると、塗料粘度の上昇および研磨層塗膜の乾燥速度が速くなることにより、均一な塗膜が得られなくなるという不都合が生じる。
【0026】本発明に用いられる可撓性支持体2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のフィルムを使用することができる。必要に応じ、フィラーとしてAl、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無機化合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添加してもよい。上記フィルムの中では、PET、PEN、芳香族ポリアミドが好ましく、さらには、PETないしPENの2種ないし3種による多層共押出しによる複合化フィルムが好ましい。このような可撓性支持体には予め、コロナ放電処理、プラズマ放電および/または重合処理、易接着剤塗布処理、防塵処理、熱および/または調湿による緩和処理等を行ってもよい。可撓性支持体2の厚さは、通常、5〜100μm程度とされる。
【0027】本発明の研磨層形成用塗料を製造するに際しては、分散機として、ボールミル、アトライター、サンドミルを使用することが好ましい。分散後の塗料には、濾過工程を設けることが好ましい。研磨層形成用塗料に無機質粉体の未分散物や凝集物あるいは樹脂不溶物などが存在すると、研磨層塗膜を形成したときに欠陥となり、被研磨物に傷をつける原因となる、なお、濾過工程は、研磨層形成用塗料の中の異物の除去を目的としている。
【0028】研磨テープの製造に際して、巻き出しロールから引き出された長尺・フィルム状の可撓性支持体の上には、必要に応じて硬化剤を混合しながら(あるいは混合した)塗料を、濾過工程によって所定濾過精度の濾過フィルターによって濾過した後、グラビアコート、リバースロールコート、エクストルージョンノズルコート等の公知の種々の塗布手段によって研磨層形成用塗料が塗布される。
【0029】一般に、塗料の塗布前には可撓性支持体2に対して、クリーニングおよび表面調整等の目的で、水や溶剤等を使用する湿式クリーニング;不織布や極微細繊維織物等をワイパーとして使用する乾式クリーニング;圧搾空気やバキューム、イオン化空気等を使用する非接触式クリーニング等の公知の種々の手段によって可撓性支持体の前処理が行われる。塗料と可撓性支持体2との密着性や塗布面を向上させる目的等で、コロナ放電、紫外線照射、電子線照射等の公知の種々の非接触表面処理が行なわれることもある。
【0030】可撓性支持体2に塗設された研磨層形成用塗料は、通常、乾燥炉等の内部に設けられた熱風、遠赤外線、電気ヒーター、真空装置等の公知の乾燥および蒸発手段によって、乾燥される。乾燥温度は、40〜200℃、好ましくは60〜180℃、さらに好ましくは、80〜150℃の範囲で、可撓性支持体の耐熱性や溶剤種、濃度等によって適宜選定すればよい。乾燥温度が40℃未満となると、乾燥効率が低く残留溶剤量が増加してしまう。この一方で、乾燥温度が200℃を超えると研磨層塗膜中の溶剤の蒸発が急激すぎるために研磨層の表面粗さの悪化を招いてしまう。なお、乾燥炉内に温度勾配をもたせてもよく、乾燥炉内のガス雰囲気は、一般の空気または不活性ガス等を用いればよい。
【0031】このようにして研磨層3を乾燥した後、研磨層の硬化を促進するために、40℃〜80℃の熱硬化処理および/または電子線照射処理を施してもよい。
【0032】次いで、所定の形状に切断加工し、さらに二次加工を行い、本発明の研磨テープが製造される。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0034】(実験例1)まず、最初に、以下の要領で、研磨層形成用塗料を作製した。
〈研磨層形成用塗料〉 (1)バインダー(結合剤)溶液の調整 ・フェノキシ樹脂(Phenoxy Associates社製 PKHH)
… 20重量部 ・ポリエステルポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製 T-5206 ) … 80重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) … 140重量部 ・トルエン … 120重量部 ・シクロヘキサノン … 140重量部上記の組成物をハイパーミキサー中に投入し、6時間混合攪拌を行い、バインダー溶液とした。上記バインダー溶液を95%カット濾過精度=15.0μmのデプスフィルターを用いて8時間の循環濾過を行った。
【0035】
(2)分散処理 ・無機質粉体(炭化珪素,TNNKフジミインコーポレーテッド 社製 GC#4000) … 500重量部 ・バインダー溶液(上記のもの) … 500重量部上記組成物をアトライターに投入し、3時間の分散を行った。
【0036】(3)粘度調整上記の分散処理を完了した後、さらに下記の溶剤を投入し、さらに1時間の分散を行った。
【0037】
・MEK(メチルエチルケトン) … 80重量部 ・トルエン … 60重量部 ・シクロヘキサノン … 80重量部上記粘度調整後の研磨層形成用塗料を95%カット濾過精度=25.0μmのデプスフィルターを用いて8時間の循環濾過を行った。
【0038】(4)最終塗料濾過後の塗料1220重量部にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)20重量部を加え、攪拌混合し、研磨層形成用塗料とした。
【0039】〈研磨テープの作製〉75μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる可撓性支持体の片側表面に上記の研磨層形成用塗料を所定の厚さに塗布、乾燥させ、ロール状に巻き取った。
【0040】乾燥済のロールを60℃の加熱オーブンにて24時間硬化させた後、3/4インチ幅に切断して研磨テープサンプルを作製した。なお、上記研磨層形成用塗料を可撓性支持体の上に塗設するに際しては、塗膜厚さを変え、下記表1に示されるような種々の研磨層厚さを備える研磨テープサンプル1〜7を作製した。
【0041】このように作製した各研磨テープサンプル1〜7について、下記に示す要領で、残留溶剤量の測定、並びに相対研磨能、ヘッド研磨傷、および研磨テープ削れの特性を、それぞれ評価した。
【0042】残留溶剤量の測定塗膜厚を精密マイクロメーターにて測定し、3/4インチ幅×1m長に裁断した研磨テープサンプルを20mLのバイアルビンに密封し、120℃にて1時間ホールド(放置)した後、発生したガスをヘッドスペーサーガスクロマトグラフ(島津製作所製、HSS−2A,GC−9A)にて測定した(サンプルの全残留溶剤量)。そして、塗膜厚とサンプルのサイズより求めた塗膜体積とから単位体積当たりの残留溶剤量を求めた。
【0043】相対研磨能フェライトヘッドを研磨テープサンプルを用いて研磨し、フェライトヘッド1μmを研磨するのに要する時間を求めた。この研磨時間を、サンプルNo.4の研磨時間に対する相対値で示した。すなわち、基準となるサンプルNo.4の研磨能を100とし、これに対する相対表示とした。100よりも値が小さくなればなるほど、研磨能が優れる。
【0044】ヘッド研磨傷フェライトヘッドを研磨テープサンプルを用いて研磨した時、ヘッド表面に形成される傷の状態を、光学顕微鏡にて観察し、下記の判断基準に基づいて評価した。
【0045】
◎…全く傷のないもの○…1〜2本の傷は有るものの、製品としてOKレベルのもの△…3〜5本の傷は有るものの、製品としてOKレベルのもの×…6本以上の傷が有り、製品としてNGレベルのもの研磨テープ削れフェライトヘッドを研磨テープサンプルを用いて研磨した時、研磨テープの研磨層に削れが発生している否かの状態を、光学顕微鏡にて観察し、下記の判断基準に基づいて評価した。
【0046】
○…削れ発生なし△…軽度の削れは有るものの、製品としてOKレベルのもの×…大きな削れが有り、製品としてNGレベルのものこれらの測定結果を下記表1に示した。
【0047】
【表1】

(実験例2)上記実験例1で行った乾燥条件を変えることによって、下記表2に示すごとく残留溶剤量を種々変えた研磨テープサンプル8〜14を作製した。研磨層の乾燥厚さは、すべて15.0μmとした。
【0048】このように作製した研磨テープサンプル8〜14について、上記と同じ要領で、残留溶剤量の測定、並びに相対研磨能、ヘッド研磨傷、および研磨テープ削れの特性を評価した。
【0049】これらの測定結果を下記表2に示した。なお、参考のため上記実験例1における研磨テープサンプル4の結果も併記した。
【0050】
【表2】

(実験例3)上記実験例1の研磨テープサンプル4において、研磨層形成用塗料中のシクロヘキサノンの含有比率を変えた塗料を用いて、下記表3に示すごとく種々の研磨テープサンプル15〜20を作製した。
【0051】このように作製した研磨テープサンプル15〜20について、上記と同じ要領で、残留溶剤量の測定、並びに相対研磨能、ヘッド研磨傷、および研磨テープ削れの特性を評価した。
【0052】これらの測定結果を下記表3に示した。なお、参考のため上記実験例1における研磨テープサンプル4の結果も併記した。
【0053】
【表3】

上記表3に示される結果より、研磨層形成用塗料のシクロヘキサノン比率が15重量%と低い場合には、研磨層塗膜中より溶剤が急速に気化するために、研磨層の表面性が悪化し、被研磨物に傷をつけてしまうことがわかる。
【0054】(実験例4)上記の実験例における研磨テープサンプル4および13を用いて、予め準備しておいたフレキシブル磁気ディスクを研磨し、ディスク表面の傷および研磨テープ削れの特性を評価し、その結果を下記表4に示した磁気ディスク研磨傷フレキシブル磁気ディスクを研磨テープサンプルを用いて研磨した時、磁気ディスク表面に形成される傷の状態を、光学顕微鏡にて観察し、下記の判断基準に基づいて評価した。
【0055】
○…全く傷のないもの×…傷が発生し、製品としてNGレベルのもの研磨テープ削れフレキシブル磁気ディスクを研磨テープサンプルを用いて研磨した時、研磨テープの研磨層に削れが発生したかどうかを光学顕微鏡にて観察し、下記の判断基準に基づいて評価した。
【0056】
○…削れ発生なし×…削れが発生し、製品としてNGレベルのものこれらの測定結果を下記表4に示した。
【0057】
【表4】

【0058】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明の研磨テープは、可撓性支持体の上に、無機質粉体、結合剤および溶剤を含む研磨層形成用塗料を塗設後、乾燥させて形成された研磨層を備える研磨テープであって、研磨層形成用塗料に含有される溶剤は、沸点120℃以上の有機溶剤が全有機溶剤量に対して20〜60重量%の割合で含有されており、研磨層の膜厚が3〜25μmであり、前記研磨層中の残留溶剤量が、500g/m3 以下であるように構成されているので、被研磨物(研磨対象)表面に研磨傷が発生するのを極力防止することができ、研磨テープの研磨層の削れが少なく、かつ、研磨能力に優れるという極めて優れた効果を発現することができる。




 

 


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