米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 株式会社東芝

発明の名称 蛍光体洗浄槽
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−216661
公開日 平成10年(1998)8月18日
出願番号 特願平9−18441
出願日 平成9年(1997)1月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇 (外1名)
発明者 中條 善文 / 及川 充広 / 岡 文孝 / 太田 拓 / 石井 努
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 洗浄槽の側面に配設されたスラリー排出口、該排出口を配設した部位の真下に最低部が位置するように、5〜30%の傾斜率の傾斜を有する底面、および排出口から槽の内部に挿入され、先端が該底面の最低部に届くように配設された吸引管を有することを特徴とする蛍光体洗浄槽。
【請求項2】 槽体が繊維強化プラスチックからなる、請求項1記載の蛍光体洗浄槽。
【請求項3】 槽体を床に設置する、請求項1記載の蛍光体洗浄槽。
【請求項4】 底面が10〜20%の傾斜率を有する、請求項1記載の蛍光体洗浄槽。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体洗浄槽に関し、さらに詳細には、回収された蛍光体を再生するための洗浄工程において、洗浄した蛍光体スラリーを容易に排出できる蛍光体洗浄槽に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管は、光の三原色である赤色、緑色および青色の蛍光体を、それぞれスラリー状にして、蛍光面上のドット状またはストライプ状の所定位置に塗布して蛍光膜を形成する工程を経て製造される。この際に、余剰の蛍光体スラリーが多量に生じ、これをそのまま廃棄することは、資源および製造コストの無駄になるばかりか、環境保全上にも悪影響を及ぼす。特に代表的には赤色蛍光体として用いられる希土類系蛍光体は高価であって、これを回収して再利用することは、カラー受像管の製造コストを引き下げるために重要である。
【0003】しかし、これらの蛍光体スラリーは、蛍光体のほかに、添加物質としてカーボン、顔料、ポリビニルアルコール、クロム化合物などを含有する。また回収の際に他の色の蛍光体が混入して、再利用する蛍光体の発色特性を低下させることがある。蛍光体の回収および再生においては、これらの添加物質や他の色の蛍光体を除去するために、各種の洗浄剤を用いて、繰り返し洗浄を行う必要がある。
【0004】洗浄剤としては、除去対象物質に応じて、酸性、塩基性、酸化性物質などの水溶液が用いられ、また、このような化学洗浄の後に洗浄剤を除去するために、純水による洗浄も行われる。
【0005】従来の蛍光体洗浄槽は、代表的には図1に示すように、中央部に最低点がある曲面からなる底部(1)を有し、その最低点に下に向かって突出部(2)があって、そこにスラリー排出口(3)が配設されている。このような構造の場合、洗浄工程において、撹拌中にもスラリーが突出部(2)に沈積して固結し、撹拌後の静置中に沈降したスラリーとともにその排出が困難になる。また上澄み液を上から抜いた後でも、突出部に沈積したスラリーの固結物を回収して以後の処理に用いることができず、それを廃棄することによる損失がある。さらに、固結物を除去する際に、排出口やそのバルブ(4)を破損することもある。さらに、カラー受像管の製造工程から回収された蛍光体中に、アルミニウム箔やボルト、ナット、スプーンなどの異物が混入していて、排出口の詰まりや破損を招くことがある。
【0006】蛍光体洗浄槽は、前述のように、除去対象物質に応じて酸性、塩基性または酸化性の物質を洗浄剤として用いるため、このような各種の化学薬品に対する耐性を有する材料で、少なくともその内表面を形成しなければならない。したがって、該洗浄槽の槽体としては、ステンレスのような金属材料;グラスライニング、フッ素樹脂ライニング、ポリ塩化ビニルライニング、ポリプロピレンライニング、エポキシ樹脂ライニング、フラン樹脂ライニングのような表面処理鋼などが用いられている。しかしながら、ステンレス鋼のような金属材料は耐酸性がなく、グラスライニングは耐アルカリ性が劣り、また衝撃に弱い。ポリ塩化ビニルライニングおよびエポキシ樹脂ライニングは耐熱性が悪く、前者は60℃、後者は70℃を越える高温では使用できない。その他、フッ素樹脂ライニング、ポリプロピレンライニングをはじめとして、一般にライニング鋼は加工性が悪くて、特に曲率半径の小さい部分、および鋭角的な稜部、角部の内面へのピンホールのないライニングが困難であり、洗浄槽の構造や形状に対する制約がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、撹拌中に排出口およびその周辺部への蛍光体スラリーの沈降、固結がなく、異物混入の際に分別が容易であり、洗浄した該スラリーの排出が容易で、作業性に優れた蛍光体洗浄槽を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課題を解決するために検討を行った結果、スラリー排出口の位置と構造および洗浄槽底部の構造を変更することにより、本発明の目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の蛍光体洗浄槽は、洗浄槽の側面に配設されたスラリー排出口、該排出口を配設した部位の真下に最低部が位置するように、5〜30%の傾斜率の傾斜を有する底面、および排出口から槽の内部に挿入され、先端が該底面の最低部に届くように配設された吸引管を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明の蛍光体洗浄槽は、代表的には図2に示すとおりである。該洗浄槽の第1の特徴は、スラリー排出口(3)が洗浄槽の側面に配設されていることである。このことによって、撹拌中のスラリーが、排出口およびその周辺に沈降し、固結することを防止できる。該洗浄槽の取付位置は、後述の吸引管の垂直部の長さを短くして、沈降した蛍光体スラリーの排出を容易にするために、洗浄槽側面の底部に近い位置が好ましい。
【0011】本発明の蛍光体洗浄槽の第2の特徴は、該洗浄槽の底部(1)の内面(以下、単に底面という)が、その最低部を、上記スラリー排出口(3)の真下に位置するように、傾斜が設けられていることである。そのことによって、洗浄工程において、撹拌中および撹拌を止めて静置中に、底部に沈降した蛍光体スラリーが、該排出口の真下に向かって移動する。底面の傾斜率は、5〜30%である。5%未満では、蛍光体スラリーの移動が十分スムースには行われず、底面の他の部分に蛍光体スラリーが残存したままになる。一方、傾斜率が30%を越えると、断面積に対する洗浄槽の内容積が減少し、また撹拌効果が低下して、均一な撹拌が不可能になる。蛍光体のスラリーの移動、内容積および撹拌効果から、底面の傾斜の好ましい傾斜率は10〜20%である。
【0012】本発明の蛍光体洗浄槽の第3の特徴は、先端が該底面の最低部に届くように、前記のスラリー排出口(3)から槽の内部に吸引管(5)が設けられていることである。このことにより、底面の排出口真下の部分に蓄積された蛍光体スラリーを、容易に洗浄槽から排出することができる。必要に応じて、該吸引管が回転して、吸引する際にのみ先端部が真下に向き、先端が底部に届くようにしてもよい。
【0013】本発明の洗浄槽に、さらに必要に応じて、排気口(6)、撹拌機モーター(7)によって駆動される撹拌子(8)、温度計、バッフル、加熱および/または冷却用のジャケット、還流冷却器など、通常の撹拌槽に設けられる任意の部分ないし付属物を備えることができる。また、傾斜を有する底部(1)の下に、安定化のために支柱や補強材を設けてもよく、底面の最低部の水準まで外壁面を延長してもよく、その他、任意の構造をとってもよい。
【0014】本発明の蛍光体洗浄槽の槽体は、用いられる洗浄剤の種類および使用条件に応じて、任意の材質が用いられるが、酸、塩基または酸化性物質の、常温から90℃までの温度領域の水溶液による洗浄工程に使用できる耐薬品性を有し、また加工性に優れ、本発明の洗浄槽の底部(1)、スラリー排出口(3)、および底部と側面との境界部を任意の形状に設計できることから、繊維強化プラスチック(以下、FRPという)を用いることが好ましい。FRPに用いられる繊維としては、ガラス繊維のほか、炭素繊維、炭化ケイ素繊維などが例示され、クロス、ロービング、ストランドなど、各種の形状のものが用いられる。また、樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;およびポリイミドなどの耐熱性樹脂が例示される。
【0015】本発明の蛍光体洗浄槽は、任意の場所に設置できるが、槽体の下端に排出口およびそれに付随するバルブを有する従来の洗浄槽と異なり、高い架台を設ける必要がなく、前記のように短い支柱か外壁の延長で安定化して、槽体を床に設置できる。このことによって、架台を設けるコストを削減でき、また、作業性および耐震性を向上できる。
【0016】
【作用】本発明の蛍光体洗浄槽において、スラリー排出口を側面に配設することによって、排出口およびその周辺に撹拌中の蛍光体スラリーが沈積して固結することを防止できる。底面に傾斜を設けることから、静置中に沈降したスラリーは、排出口の真下に向かって移動し、該排出口に設けられた吸引管によって、減圧を用いて槽外に吸引排出できる。
【0017】
【実施例】図2に示すような、側面にスラリー排出口(3)を配置し、その真下が最低部になるように、底面に傾斜率15%の傾斜を設けた底部(1)を有し、先端が該最低部に届くように、途中で直角に曲がった吸引管(4)を該排出口に設け、排気手段、および撹拌機(7)によって駆動される撹拌翼(8)を備えた、図2に示す構造を有するガラス繊維強化ポリエステル樹脂製の蛍光体洗浄槽を用意した。
【0018】カラー受像管蛍光面の塗布工程より回収した、赤色蛍光体Y22 S:Euを他の添加物質や不純物とともに含む蛍光体スラリーに、脱イオン水を加えてろ過することにより異物を取り除いた後、該スラリーを固形分として60部計量して、上記の洗浄槽に仕込んだ。これに脱イオン水400部と、塩素分5%を含有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液17.6部とを加えて、80℃で3時間撹拌することにより、スラリー中に存在するクロム化合物を酸化分解した。ついで脱イオン水400部ずつを用いて水洗を3回行った。
【0019】次に、80℃の脱イオン水400部と過ヨウ素酸カリウム0.28部とを加え、80℃で1時間撹拌して、スラリー中に存在するポリビニルアルコールを分解した。静置してスラリーを沈降させた後、水相を系外に除去した。
【0020】底部に沈降したスラリーを、吸引管により、減圧吸引して槽外に取り出した。スラリーは固結することなく、容易に、かつ完全に洗浄槽外に回収できた。回収された蛍光体は、クロム化合物およびポリビニルアルコールを、実質的に含有していなかった。
【0021】比較のために、図1に示す構造の、従来の蛍光体洗浄槽を用いて、同様の洗浄操作を行ったところ、繰り返し撹拌と沈降を行う間に、スラリーがスラリー取出口とその周辺の突出部に沈積し、固化して、取出口から槽外に取り出すことができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、洗浄工程において、スラリー排出口およびその周辺部でスラリーが固結することなく、また異物の分別が可能になり、スラリーを容易に取り出すことのできる蛍光体洗浄槽が得られる。このような洗浄槽を用いて、作業性よく蛍光体スラリーを洗浄し、取り出すことが可能になり、本発明は、回収された蛍光体の再生方法の合理化に著しく寄与する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013