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発明の名称 液体浄化方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−309647
公開日 平成10年(1998)11月24日
出願番号 特願平9−117704
出願日 平成9年(1997)5月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
発明者 飯原 勝 / 岩崎 孝志 / 濱田 誠之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 研削加工機、洗浄機などの作業機からタンクに戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した液体を浄化しながら再利用するにあたり、この戻されてきた液体をタンク内で積極的に攪拌することにより、異物の沈殿・付着を防止するとともにタンク内の前記異物を流体から分離する異物分離区域に導くような流れを形成させ、この状態で異物分離区域において液体から異物を分離して、タンク外に排出することを特徴とする液体浄化方法。
【請求項2】 前記液体の攪拌は、タンクの底面に向かう前記流れを形成するように行うことを特徴とする請求項1記載の液体浄化方法。
【請求項3】 前記液体の攪拌は、タンクの側壁面に沿う循環状の前記流れを形成するように行うことを特徴とする請求項1又は2記載の液体浄化方法。
【請求項4】 前記異物の分離は、液体の前記流れによって形成される液体表面の渦流に沿って行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の液体浄化方法。
【請求項5】 液体の前記流れを強制的に一時的に乱すようにすることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の液体浄化方法。
【請求項6】 研削加工機、洗浄機などの作業機から戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した液体を収容するタンクと、液体から異物を分離する異物分離手段と、を備え、液体を浄化しながら再利用する液体浄化装置において、前記タンク内の液体を積極的に攪拌する攪拌手段を備えたことを特徴とする液体浄化装置。
【請求項7】 前記攪拌手段は、タンク内の液体を汲み上げる攪拌用ポンプと、該攪拌用ポンプからの液体を噴射するノズルと、を有し、該ノズルのうち少なくとも1つのノズルは、タンクの底部に向かって開口していることを特徴とする請求項6記載の液体浄化装置。
【請求項8】 前記液体が研削加工機用の研削液であり、研削液の戻り側に砥粒だまりを有する砥粒分離手段を設けたことを特徴とする請求項6又は7記載の液体浄化装置。
【請求項9】 前記異物が磁性体材料を主体としており、前記異物分離手段は、磁気吸着力を有し、その一部がタンクの液体中に浸漬しながら回転する円板と、円板上に吸着された異物を掻き落とすスクレーパと、を有し、前記掻き落とされた異物に付着する液体を絞り出す液体絞り出し手段が前記円板の近傍に設けられていることを特徴とする請求項6、7又は8記載の液体浄化装置。
【請求項10】 前記液体絞り出し手段は、前記円板の円板面に押圧された状態で回転可能に支持されており、円板の外径側にいくほど大径となるように形成した円すい軸状をしており、弾力性に富む材料製のテーパ絞りローラを有することを特徴とする請求項9記載の液体浄化装置。
【請求項11】 前記ノズルのうち、少なくとも1つのノズルは前記円板の回転の頂点近傍の外周面に向かって開口するように設けられていることを特徴とする請求項9又は10記載の液体浄化装置。
【請求項12】 前記異物が非磁性体材料を主体としており、前記異物分離手段は、フィルタと、該フィルタにタンク内の異物を含む液体を供給するフィルタ用ポンプと、から成ることを特徴とする請求項6、7又は8記載の液体浄化装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削加工機、洗浄機などの作業機からタンクに戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した液体を、浄化しながら再利用するための液体浄化方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液体浄化装置として、特開平7−213941号公報に示されるようなものがある。この鋼帯の洗浄液浄化装置は、鉄分を含むスラッジが混入した洗浄液を貯蔵する第1の槽と、略下半分が洗浄液に漬かるように配置された回転可能で磁気吸着力を有する円板と、該円板上に吸着されたスラッジを掻き落とす第1のスクレーパと、この掻き落とされたスラッジを貯蔵する第2の槽と、該第2の槽の洗浄液に一方のロールの略下半分が漬かりながら回転させられるように配置された双ロール装置と、前記一方のロールの表面に吸着されたスラッジを掻き落とす第2のスクレーパとから構成されている。なお、槽内には送出ポンプが設けられており、これから送出側配管を介して作業機に送り出された液体が仕事を終えた後、戻り側配管から槽内に流入するようになっている。
【0003】このような構成とすることにより、第1の槽の洗浄液に混入したスラッジのうちで円板近傍のものを連続的に分離して第2の槽に集めるようにして、第1の槽の洗浄液を浄化しながら再利用するようにしている。第2の槽に集められたスラッジには、洗浄液が含まれるので、これを双ロール装置によって絞り出して、スラッジのみをスラッジ回収容器に回収するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のような従来の液体浄化装置には、第1の槽において円板配置位置から離れた場所の底部にスラッジが沈殿しやすく、第1の槽の側壁にもスラッジが付着しやすいので、液体全体の清浄度を高めることが困難であるだけでなく、このようなスラッジを除去するために、定期的な槽の清掃作業が必要になり装置の保守に手間がかかるという問題点がある。また、槽を複数個設ける必要があるので、装置の設置スペースが大きくなるという別の問題点がある。
【0005】次に、別の従来の液体浄化装置として、図10に示すように、タンク80にマグネットセパレータ82を設け、遠心分離機84に遠心分離モータ86を設け、タンク80から液送ポンプ88により遠心分離機84に研削液を送るようにしたものもある。なお、遠心分離機84の下方にスラッジ回収容器85が設けられている。しかしながら、このような構成のものでは、スラッジを多く含む研削液が戻り側配管81からタンク80内に流入したとき、図示してない送出ポンプに直接吸い込まれないようにするとともに、送出ポンプに至るまでにできるだけスラッジを分離・沈殿させてしまうようにするために、タンク80内には多くの隔壁を迷路状に配置して、戻り側と送出側との間の流路を長く形成するようにしているのが一般的であり、タンク80の製作に手間がかかるという難点がある。さらに、このような構成にしたとしても、前記2つの問題点を解決できないことには変わりがない上、これを砥石を用いる研削加工機に適用した場合には、研削スラッジの中には液面上に浮遊する性質のものもあるので、このようなタンク80内の浮遊スラッジをマグネットセパレータ82や遠心分離機84によって分離除去することは困難であり、浮遊スラッジを除去するための人手が必要になるという問題点がある。本発明は、このような課題を解決することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、タンク内の異物を含む液体を積極的に攪拌することにより、異物がタンク底部に沈殿したり、タンク側壁面に付着するのを防止しておき、この状態で液体から異物を分離して、タンク外に取り出すようにすることにより、前記課題を解決する。すなわち、本発明の液体浄化方法は、請求項1記載のものは、研削加工機、洗浄機などの作業機からタンクに戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した液体を浄化しながら再利用するにあたり、この戻されてきた液体をタンク内で積極的に攪拌することにより、異物の沈殿・付着を防止するとともにタンク内の前記異物を流体から分離する異物分離区域に導くような流れを形成させ、この状態で異物分離区域において液体から異物を分離して、タンク外に排出することを特徴としている。次に、請求項2記載のものは、前記液体の攪拌は、タンクの底面に向かう前記流れを形成するように行うことを特徴としている。次に、請求項3記載のものは、前記液体の攪拌は、タンクの壁面に沿う循環状の前記流れを形成するように行うことを特徴としている。次に、請求項4記載のものは、前記異物の分離は、液体の前記流れによって形成される液体表面の渦流に沿って行うことを特徴としている。次に、請求項5記載のものは、液体の前記流れを強制的に一時的に乱すようにすることを特徴としている。また、前記方法を実施するための液体浄化装置は、請求項6記載のものは、研削加工機、洗浄機などの作業機から戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した液体を収容するタンク(10)と、液体から異物を分離する異物分離手段(22、24)と、を備え、液体を浄化しながら再利用するものを対象にしており、前記タンク(10)内の液体を積極的に攪拌する攪拌手段(14、16、17、18、19)を備えたことを特徴としている。次に、請求項7記載のものは、前記攪拌手段は、タンク(10)内の液体を汲み上げる攪拌用ポンプ(14)と、該攪拌用ポンプ(14)からの液体を噴射するノズル(16、17、18、19)と、を有し、該ノズル(16、17、18、19)のうち少なくとも1つのノズル(16)は、タンク(10)の底部に向かって開口していることを特徴としている。次に、請求項8記載のものは、前記液体が研削加工機用の研削液であり、研削液の戻り側に砥粒だまり(30b)を有する砥粒分離手段(砥粒トラップ30)を設けたことを特徴としている。次に、請求項9記載のものは、前記異物が磁性体材料を主体としており、前記異物分離手段は、磁気吸着力を有し、その一部がタンクの液体中に浸漬しながら回転する円板(22)と、円板(22)上に吸着された異物を掻き落とすスクレーパ(24)と、を有し、前記掻き落とされた異物に付着する液体を絞り出す液体絞り出し手段が前記円板(22)の近傍に設けられていることを特徴としている。次に、請求項10記載のものは、前記液体絞り出し手段は、前記円板(22)の円板面に押圧された状態で回転可能に支持されており、円板(22)の外径側になるほど大径となるように形成した円すい軸状をしており、弾力性に富む材料製のテーパ絞りローラ(40)を有することを特徴としている。次に、請求項11記載のものは、前記ノズルのうち、少なくとも1つのノズル(20)は前記円板(22)の回転の頂点近傍の外周面に向かって開口するように設けられていることを特徴としている。次に、請求項12記載のものは、前記異物が非磁性体材料を主体としており、前記異物分離手段は、フィルタ(50)と、該フィルタ(50)にタンク(10)内の異物を含む液体を供給するフィルタ用ポンプ(52)と、を有することを特徴としている。なお、かっこ内の符号などは、実施の形態の対応する部材を示す。
【0007】
【作用】請求項1記載のように、タンク内に戻された液体を積極的に攪拌して異物のタンク底部への沈殿を防止するとともに異物分離区域に導くような流れを形成させ、この状態で液体から異物を分離して、外部に排出するようにしたので、タンク内の液体を従来よりも効率よく浄化することができ、タンク内を清掃する必要がほとんどなくなり、装置の保守が容易になる。鉄鋼鋳物を主体とするスラッジのように粘着性が高く取扱いにくいものであっても、ノズルから噴射される液体により容易にスラッジを洗い落とすことができるので、スラッジの取扱いが容易になる。また、加工液が従来よりも清浄に保たれ、異物が液体表面に浮遊することがほとんどないため、正確な液面を検出することが可能になるので、所定よりも液面が低下した場合に自動的に加工液を補充するように構成した加工液自動補充装置を設置することが可能になり、保守作業の能率化が図れる。この場合、補充加工液によって液面検出用のフロートを洗浄するようにしたセルフクリーニングが可能になるので、スラッジによるフロートの作動不良をよりいっそう確実に防止することができる。
【0008】請求項2又は7記載のように、液体をタンク底面に向かわせる流れを形成するように攪拌することにより、いっそうタンク底面に異物が沈殿しにくくなるので、より効果的に異物を分離することが可能になる。請求項3記載のように、液体をタンクの側壁面に沿う循環状の流れを形成するように攪拌することにより、いっそうタンク側壁面に異物が付着しにくくなるので、より効果的に異物を分離することが可能になる。
【0009】請求項4記載のように、異物が集まりやすい液体表面の渦流に沿って異物を分離することにより、より効果的に異物を分離することが可能になる。請求項5記載のように、液体の流れを強制的に一時的に乱すようにすることにより、タンク内の不特定の場所に異物が滞留するような流れが発生しても、これを解消することがきるので、より効果的に異物を分離することが可能になる。
【0010】請求項6記載のように、タンク内の液体を積極的に攪拌することにより、タンク底部にスラッジが沈殿することを防止できるので、異物分離手段による異物の分離をいっそう効果的に行うことができる。請求項8記載のように構成した場合には、作業に不都合な砥粒(砥石くず)がタンク内に流入することを防止できる。
【0011】請求項9記載のように構成した場合には、タンク底部にスラッジが沈殿することを防止しながら、液体中の異物を分離できるので、異物分離手段による異物の分離をいっそう効果的に行うことができる。請求項10記載のように構成した場合には、鋳物以外の磁性体材料を主体とするスラッジのように、水分が比較的多くてもあまり粘着性が高くならないものを、より安価な装置で容易に取扱うことができる。
【0012】請求項11記載のように構成した場合には、特に装置の起動時のように大量の異物が円板の外周面に付着したような場合であっても、スクレーパが負荷増大による作動不良を生じないように、外周面の異物を両側面側に洗い流して分散させることができる。請求項12記載のように構成した場合には、非磁性材料を主体とするスラッジであっても、効率よく液体から異物を分離することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)図1〜4に、研削液を用いる研削加工機(作業機)のタンクに本発明を適用した第1の実施の形態を示す。図1において、図示してない研削加工機から戻されてくる、スラッジなどの異物が混入した研削液(液体)を収容するタンク10には、研削加工機に研削液を供給する加工用ポンプ12、タンク10内の研削液を積極的に攪拌するための攪拌用ポンプ14、この攪拌用ポンプ14に接続された複数の攪拌用ノズル16、17、18(図2参照)、19、洗い流し用ノズル20、多数の磁石92を有する円板22、マグネットローラ26、ゴム製の絞りローラ28及び砥粒トラップ(砥粒分離手段)30が図示のように設けられている。攪拌用ポンプ14及び攪拌用ノズル16〜19によって攪拌手段が構成されている。ノズル16〜20の配置については後で詳しく説明する。円板22は、モータ90により回転可能に、かつ研削液の液面に略下半分が浸漬されるように配置されている。多数の磁石92は、円板22の円板面に埋め込まれている。砥粒トラップ30は、角筒管状をしており、入口30aが作業機と接続されているとともに、排出口30cがタンク10に開放されており、その中間部に砥粒だまり30bが形成されている。図3に示すように、砥粒だまり30bには箱形の砥粒回収容器31がはめ込まれている。砥粒回収容器31には、多数の穴の明いたじゃま板33が設けられている。研削加工機から排出されたスラッジを含む研削液は、砥粒トラップ30の入口30aを通って、じゃま板33で砥粒(砥石くず)の大部分がトラップされた後、スラッジを含む液体がじゃま板33の穴を通過し、排出口30cから排出液としてタンク10に戻されるようになっている。
【0014】図2に示すように、円板22の両側面の直径方向の半分及び外周面を取り囲むように断面「コ」字状の刃面が形成されたスクレーパ24が配置されている。この実施の形態においては、円板22、磁石92、モータ90及びスクレーパ24によって異物分離手段が構成されている。スクレーパ24は、図示のように、円板22の直径方向のほぼ1/3を取り囲むように配置されている。なお、図4に示すように、スクレーパ24は、スクレーパ取付板25を介して後述するブラケット27、29によって支持されている。円板22は、モータ90によって回転させられながら、磁石92の磁力により、液体中のスラッジ(鉄粉、砥石くずの微粉状のもの、研削液の滓などが混じったもの:異物)を吸着する。次いで、円板22がスクレーパ24を通過する際に、吸着されていたスラッジが掻き落とされるようになっている。
【0015】前述の第1攪拌用ノズル16は、タンク10内の研削液をタンク底面に向かって噴射し、後述する円板22に向かう流れを形成するように配置されている。次に、第2攪拌用ノズル17は、砥粒トラップ30の排出口30cから流れ落ちたスラッジを含む排出液をタンク底面に向かわせた後、図2中上側のタンク側壁面10aの左端側に導くように、すなわち、排出液を両ポンプ12、14から遠ざけるように配置されている。また、第3攪拌用ノズル18は、排出液が直接加工用ポンプ12に流入するのを防止するとともに、タンク底面から円板22に向かう流れを形成するように配置されている。次に第4攪拌用ノズル19は、排出液が攪拌用ポンプ14に近づかないように円板22に向かう流れを形成させるような位置に配置されている。また、洗い流し用ノズル20は、円板22の回転の頂点近傍の外周面に向かって開口するように配置されている。この洗い流し用ノズル20は、特に装置の始動時のように大量の異物が円板22の外周面に付着したような場合であっても、スクレーパ24が過負荷により作動不良を生じないようにするため、円板22の外周面に付着した異物を両側面側に洗い流す目的で設けられているが、被研削材が鉄鋼鋳物の場合のように、生成されたスラッジの粘着力が大きい場合に、円板22の外周面に付着した異物を積極的に洗い流すことによってスクレーパで掻き落としやすくするためのものでもある。
【0016】マグネットローラ26及び絞りローラ28は、円板22に隣接するように配置されている。図4に示すように、マグネットローラ26及び絞りローラ28は、前述の一対のブラケット27及び29によって回転可能に支持されており、互いの円筒面が所定の押付力で押し付けられるように配置されている。ブラケット27にはモータ94が取り付けられており、これの駆動軸にはギヤ96が取り付けられている。マグネットローラ26にはギヤ98が取り付けられている。両ギヤ96、98間にはチェーン100が掛け渡されている。モータ94を駆動することにより、ギヤ96、チェーン100、ギヤ98を介してマグネットローラ26が回転され、絞りローラ28が従動回転されるようになっている。この実施の形態においては、マグネットローラ26、絞りローラ28及びモータ94によって液体絞り出し手段が構成されている。スクレーパ24によって円板22から掻き落とされたスラッジには、排出液が含まれているが、マグネットローラ26及び絞りローラ28間を通過する際に排出液を絞り出し、スラッジのみをマグネットローラ26に吸着させ、絞り出された排出液は図示しない戻り通路を経由してタンク10に戻るようになっている。マグネットローラ26の円筒面に一端側が接触するようにシュータ32が配置されている。この一端側には刃先32aが形成されている。すなわち、シュータ32はスクレーパとしての機能を有している。シュータ32の下方にはスラッジ回収箱34が設けられている(図2参照。なお、図1では、タンク10の内部を示す必要上、スラッジ回収箱34は省略されている)。マグネットローラ26上に吸着されたスラッジは、マグネットローラ26の回転に伴ってシュータ32の刃先32aによって掻き取られるとともに、傾斜面32bに沿って落下し、スラッジ回収箱34内に貯めることができる。
【0017】次に、この第1の実施の形態の作用を説明する。タンク10内の研削液は、加工用ポンプ12から図示してない研削加工機に供給され、研削作業が行われる。仕事を終わった後、研削加工機から排出されたスラッジを含む研削液は、砥粒トラップ30の入口30aを通って砥粒だまり30bにおいて所定以上の大きさの砥石くずがトラップされ、その残りの液体がスラッジとともに排出液として排出口30cからタンク10内に戻される。この排出液は、第2攪拌用ノズル17によって、タンク底面に向かった後、図2中上側のタンク側壁10aの左端側に向かうように流れの向きが制御される。これとともに第1攪拌用ノズル16は、タンク10内の研削液をタンク底面に向かって噴射し、円板22に向かう流れを形成する。この際、排出口30cから出た排出液の一部(第2攪拌用ノズル17によって制御しきれなかったもの)が直接加工用ポンプ12に流入しようとするが、第3攪拌用ノズル18によって、流入を防止されるとともに、タンク底面から円板22方向に向かうように流れの向きが変えられる。これらの各ノズル16〜19の総合的な作用により、タンク10内に排出された排出液が両ポンプ12、14に直接吸入されるのを防止しながら、スラッジがタンク底面に堆積するのを防止するとともに、研削液が全体としてタンク側壁に沿った循環流となるように制御される。したがって、排出口30cから流れ落ちた排出液は、最終的にほとんど全てのスラッジが沈殿することなく円板22の近傍に集まり、排出液中のスラッジが効率よく円板22に吸着されることになる。吸着されたスラッジは、スクレーパ24を通過する際、円板22から掻き落とされる。この掻き落とされたスラッジには液体が含まれるが、マグネットローラ26及び絞りローラ28間を通過する間に液体が絞り出され、スラッジのみがマグネットローラ26に付着する。次いでスラッジは、シュータ32の刃先32aによってマグネットローラ26から掻き取られ、傾斜面32bに沿って落下し、スラッジ回収箱34内に貯められることになる。このようにして、砥粒トラップ30の砥粒回収容器31に砥石くずが貯まるが、定期的に砥粒トラップ30から砥粒回収容器31を取り出して砥石くずを回収・廃棄すればよい。
【0018】なお、円板22に向かう流れが形成されるように各攪拌用ノズル16〜19の向き及び噴出流量を設定しておいても、浮遊性のスラッジの動きなどによって、流れの状態が変化して異物の一部が特定の場所に滞留してしまうことがある。このようなときは、たとえば各攪拌用ノズル16〜19から噴出する液体を一時的に止め、その後で液体の噴出を再開するなどして、流れの状態を一時的に乱すようにすると、設定した流れ状態に戻しやすくなり、異物の滞留を解消することが可能になる。したがって、攪拌用ポンプ14と各攪拌用ノズル16〜19間を接続する管路中に、たとえば電磁弁とタイマとから構成されるような「一時的に流れの状態を乱す手段」を装置に追加して設けるようにするとよい。
【0019】上述の液体浄化処理の流れを図5に示す。研削作業によって生成したスラッジを含む研削液は、研削加工機から排出され砥粒トラップ30に導びかれる(ステップ200)。ここで大きい砥石くずのみが砥粒回収容器31に貯められ(ステップ202)、残りのものが排出液としてタンク10に戻され、攪拌用ポンプ14及び攪拌用ノズル16〜19によってスラッジが沈殿しないように、またタンク壁面に付着しないように攪拌される(ステップ204)。さらに排出液は、磁石92の埋め込まれた円板22に向かうように流れが制御され、スラッジが円板22に吸着される(ステップ206)。次いで円板22上のスラッジはある程度の液体を含んだ状態でスクレーパ24によって掻き落とされる(ステップ208)。このスラッジ及び液体はマグネットローラ26及び絞りローラ28によって、それぞれ分離させられる(ステップ210)。すなわち、絞りローラ28によって液体が搾り取られてタンク10に戻され、スラッジのみがマグネットローラ26に吸着される。次にマグネットローラ26上のスラッジがスクレーパ作用を有するシュータ32によって掻き取られ、傾斜面32bに沿って投下される(ステップ212)。この投下されたスラッジはスラッジ回収箱34内に貯められる(ステップ214)。この第1の実施の形態の構成は、被研削材が鉄鋼鋳物のように、生成するスラッジに水分が含まれていると、スラッジの粘着性が大きくなるような材料の場合に好適なものである。
【0020】(試験結果)図10に示すような構成の従来の液体浄化装置と、図1に示す本発明の構成の液体浄化装置とを用いて実際の研削加工により比較試験を行った。従来のものでは、外部に排出されたスラッジと、ほぼ同量のスラッジが砥石くずとともにタンクの底部に沈殿しており、また、液面には多量の泡状スラッジが浮遊していたため、これらを除去するために定期的に清掃する必要があった。また、鉄鋼鋳物を研削加工する場合には、水分を含んだスラッジがシュータなどに粘着して、排出を妨げることがあり、スラッジ排出部の点検・清掃も必要であった。
【0021】これに対して、本発明のものでは、従来のものの、ほぼ2倍の量のスラッジがスラッジ回収箱34に排出され、タンク10底面にはスラッジや砥石くずがほとんど沈殿していないで、研削液全体の清浄度が従来のものよりも格段に向上していることが確認された。また、絞りローラ28を通過した後のスラッジには水分がほとんど含まれないことから、スラッジがシュータ(スラッジ排出部)32に粘着するようなこともなく、スラッジの点検・清掃作業はほとんど必要ない状態であった。なお、被研削材の研削面の加工精度は、従来のものと同等か、むしろ向上していることが認められた。これは研削液全体の清浄度が向上したことに関係があるものと考えられる。
【0022】(第2の実施の形態)次に、被研削材が鋳物以外の鋼材のように、生成するスラッジに水分が含まれていても、あまり粘着性が高くならないような材料の場合に好適な構成を以下に説明する。図6及び7に本発明の第2の実施の形態(請求項10に対応するもの)を示す。これは、第1の実施の形態のものにおいては、液体絞り出し手段がマグネットローラ、絞りローラ及びモータにより構成されており、絞りローラにスクレーパ作用を有するシュータが設けられていたが、これらに代えて、円板の側面に円すい面が押し付け接触するように配置された弾力性に富む材料製のテーパ絞りローラを設け、これと円板の側面部とにより、液体絞り出し手段を構成するとともに、スクレーパにシュータの機能を兼ねさせるようにしたものである。
【0023】すなわち、タンク10の上部に一対のブラケット110が設けられており、これに回転可能にゴム製のテーパ絞りローラ40が支持されている。テーパ絞りローラ40の円すい面は、円板22の外径側にいくほど大径となるように形成されている。また、テーパ絞りローラ40の円すい面が円板22の円板面に押し付けられるように、ブラケット110の位置が設定されている。図7に示すようにテーパ絞りローラ40及び一対のブラケット110は、円板22の両側にそれぞれ設けられている。また、円板22の外表面を「コ」字状に挟み込むように配置されたスクレーパ42の図中右端側は、タンク10の外方まで傾斜面状に伸び出しており、この傾斜面42aがシュータを兼ねるようになっている。スクレーパ42の傾斜面42aの下方には、スラッジ回収箱34が設けられている。その他の構成は、第1の実施の形態のものと同様であるから説明は省略する。
【0024】次に、この第2の実施の形態の作用を説明する。この実施の形態においては、被研削材として鋳物以外の鋼材を加工するときに用いるものとする。研削加工機から排出されたスラッジを含む研削液は、砥粒トラップ30において所定以上の大きさの砥石くずがトラップされた後、残りの液がスラッジとともに排出液としてタンク10内に戻される。この排出液は、円板22に向かう流れとなり、液体に含まれるスラッジが効率よく円板22の磁石92に吸着されることになる。スラッジに付着している液体は、円板22の円板面とテーパ絞りローラ40との間を通過することにより、大部分が絞り出され、ほとんど水分を含まないスラッジが円板22に吸着された状態となり、さらにスクレーパ42に至って円板22から掻き取られ、傾斜面42aに沿って落下し、スラッジ回収箱34内に貯められる。この際、被研削材が鋳物以外の鋼材なので、スラッジに多少水分が含まれていても、あまり粘着力が大きくならないため、スクレーパ42の傾斜面42aに粘着するようなことは、ほとんどなく、スラッジ回収箱34内に落下することになる。
【0025】この第2の実施の形態においては、液体絞り出し手段として、テーパ絞りローラ40及びブラケット110を設ければよいので、高価なマグネットローラを設ける必要がない。また、テーパ絞りローラ40は円板22の回転力によって強制的に回転させられるので、テーパ絞りローラ40を駆動するためのモータを設ける必要もない。したがって、第1の実施の形態のものに比べて装置の価格をかなり安くすることができる。
【0026】図8に、被加工物が黄銅などの非磁性体材料の場合に好適な本発明の第3の実施の形態(請求項12に対応するもの)を洗浄機の油圧回路図として示す。タンク10には、被加工物に洗浄液(加工液)を供給する加工用ポンプ12、攪拌用ポンプ14、図示してない洗浄機から戻されてくる洗浄後の異物を含む洗浄液をタンク10に流入させるための戻り管路15及び攪拌用ノズル19が設けられている他に、異物分離手段として、洗浄液から異物を分離するためのフィルタ50及びこれにタンク10内の洗浄液を供給するためのフィルタ用ポンプ52が設けられている。なお、図示してないが、第1の実施の形態と同様な円板形(ただし、磁石は不要)のスラッジ除去装置を用いて浮遊するスラッジを分離・除去できる構成にするとよい。
【0027】この第3の実施の形態においては、加工用ポンプ12から被加工物に洗浄液が供給される一方、攪拌用ポンプ14及び攪拌用ノズル19によってタンク10内の洗浄液が攪拌されるとともに、戻り管路15からタンク10内に戻された異物を含む洗浄液がフィルタ用ポンプ52からフィルタ50に供給される。フィルタ50によって洗浄液中の異物が濾過され、清浄化された洗浄液がタンク10内に戻される。フィルタ50内のフィルタエレメントは定期的に交換される。これにより、スラッジなどの異物が磁性を有しないものであっても、異物の沈殿を防止しながら、洗浄液から異物を分離することができ、効果的に洗浄液を浄化することができる。
【0028】なお、異物分離手段として、戻り管路15中にフィルタを設けることも考えられるが、目詰まりによる戻り洗浄液のオーバーフローなどの不具合が起こりやすいため、あまり好適なものではない。
【0029】図9に、本発明装置に併用される加工液自動補充装置の概念図を示す。加工液の液面に浮かぶようにフロート60が設けられており、フロート60の図中上部のピストン部60aと対応するように、下限液面検出器62及び上限液面検出器64が設けられている。加工液補充用バルブ66は、下限液面検出器62からの信号により、開とされるともに、上限液面検出器64からの信号により、閉とされるように構成されている。加工液補充用バルブ66の図中左側の配管68は、図示してない加工液補充用タンクと接続されており、図中右側の配管70は、図示のようにフロート60の上方に開口するように配置されている。
【0030】フロート60、下限液面検出器62及び上限液面検出器64は、周知のように液面の検出を行い、下限液面検出器62から信号が出力された場合には、加工液補充用バルブ66が開となり、加工液補充用タンクから加工液が配管68、加工液補充用バルブ66、及び配管70を通ってタンク10に補充される。この際、フロート60に付着したスラッジなどの異物は、補充された加工液によって洗い流されるので、セルフクリーニングが可能になる。また、上限液面検出器64から信号が出力された場合には、加工液補充用バルブ66が閉となり、加工液補充用タンクからの加工液が遮断される。このような、加工液自動補充装置は、本発明のような、液体浄化装置と併用することによって、確実な液面検出を行うことが可能となり、加工液の安定した自動補充が可能となるものである。
【0031】なお、前記各実施の形態の説明においては、絞りローラとしてゴム製のものを用いるものとしたが、弾力性に富む材料製のものであればよく、ゴム質プラスチックなどで絞りローラを構成することもできる。また、前記各実施の形態の説明においては、加工用ポンプ、攪拌用ポンプなどを別々に設けるものとしたが、1つのポンプを用いて、吐出管路を2つ又は3つに分けて、加工用と攪拌用、又は加工用、攪拌用及びフィルタ用の液体をそれぞれ供給するようにすることもできる。
【0032】さらに、前記各実施の形態の説明においては、タンク10を長方形箱形のものとしたが、底付き円筒形のものとすることもできる。これにより、よりいっそう液体の流れを円滑なものにして、異物をより容易にスラッジ分離箇所に集めることが可能になる。また、前記第1の実施の形態においては、円板回転用のモータと、マグネットローラ回転用のモータとを別々に設けるものとしたが、1つのモータにより、円板及びマグネットローラをそれぞれ回転させるように構成することもできる。
【0033】なお、前記第1の実施の形態の説明においては、砥石を用いる研削加工機に本発明を適用するものとして、砥粒トラップ30にトラップされた砥粒は廃棄するものとしたが、たとえば、砥粒を含む研削液を用いる多刃切断機に、本発明を適用することができる。この場合には砥粒トラップ30にトラップされた砥粒を再利用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によると、タンク内に戻された液体を積極的に攪拌して異物のタンク底部への沈殿やタンク側壁への付着を防止するとともに液体を異物分離区域に導くような流れを形成させながら、液体に含まれる異物を分離して外部に排出するようにしたので、タンク内の液体を従来よりも効率よく浄化することができ、タンク内を清掃する必要がほとんどなくなり、装置の保守が容易になる。鉄鋼鋳物を主体とするスラッジのように粘着性が高く取扱いにくいものであっても、ノズルから噴射される液体により容易にスラッジを掻き落とすことができるので、スラッジの取扱いが容易になる。また、加工液が従来よりも清浄に保たれ、異物が液体表面に浮遊することがほとんどないため、正確な液面を検出することが可能になるので、液面が所定よりも低下した場合に自動的に加工液を補充するように構成した加工液自動補充装置を設置することが可能になり、保守作業の能率化が図れる。この場合、補充加工液によって液面検出用のフロートを洗浄するようにしたセルフクリーニングが可能になるので、スラッジによるフロートの作動不良をよりいっそう確実に防止することができる。
【0035】請求項2又は7記載のように構成した場合には、いっそうタンク底面に異物が沈殿しにくくなるので、より効果的に異物を分離することができる。請求項3記載のように構成した場合には、いっそうタンク側壁面に異物が付着しにくくなるので、より効果的に異物を分離することができる。請求項4記載のように構成した場合には、流れが異物分離区域の隅々まで届くので、より効果的に異物を分離することができる。請求項5記載のように構成した場合には、タンク内の不特定の場所に異物が滞留するような流れが発生したとしても、これを解消することができるので、より効果的に異物を分離することができる。
【0036】請求項6記載のように構成した場合には、タンク底部にスラッジが沈殿することを防止できるので、異物分離手段による異物の分離をいっそう効果的に行うことができる。請求項8記載のように構成した場合には、作業に不都合な砥粒(砥石くず)がタンク内に流入することを防止できる。請求項9記載のように構成した場合には、鉄鋼鋳物を主体とするスラッジのように粘着性が高く取扱いにくいものであっても、スラッジの取扱いが容易になる。請求項10記載のように構成した場合には、鋳物以外の磁性体材料を主体とするスラッジのように、水分が比較的多くてもあまり粘着性が高くならないものを、より安価な装置で容易に取扱うことができる。
【0037】請求項11記載のように構成した場合には、特に装置の起動時のように大量の異物が円板の外周面に付着したような場合であっても、スクレーパの負荷増大による作動不良を生じないように、外周面の異物を両側面側に洗い流して分散させることができる。請求項12記載のように構成した場合には、非磁性材料を主体とするスラッジであっても、効率よく液体から異物を分離することができる。




 

 


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