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発明の名称 アルミニウム−珪素合金鋳物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−323747
公開日 平成10年(1998)12月8日
出願番号 特願平9−135229
出願日 平成9年(1997)5月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
発明者 伊藤 友仁 / 谷沢 元治
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】鋳造金型中のキャビティの一部に所望形状の金網からなる濾過材を配設する工程と、上記キャビティに過共晶アルミニウム−珪素合金の溶湯を注入する工程と、該溶湯を加圧して上記濾過材に溶湯を浸透させ、該濾過材との接触界域に初晶珪素を凝集させる工程と、溶湯の凝固後、上記濾過材を鋳造成品から除去して上記初晶珪素の凝集した珪素富化層を表出させる工程とからなるを特徴とするアルミニウム−珪素合金鋳物の製造方法。
【請求項2】溶湯と接触して上記濾過材の実質的な濾過面を形成する主金網は、ステンレス鋼、銅又は銅合金、ニッケル又はニッケル合金等の線材を用いた織金網であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】上記濾過材は、上記主金網がそれよりも目の粗い厚さ調整用の副金網と多層状に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】上記濾過材は、上記主金網が上記副金網又はスチールウールを包蔵して構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性及び強靱性に優れたアルミニウム−珪素合金鋳物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特公昭52−27608号公報、特開昭57−101641号公報、特開昭57−98647号公報に耐摩耗性アルミニウム合金材の鋳造方法が開示されている。これらの鋳造方法では、過共晶アルミニウム−珪素合金の溶湯を遠心鋳造することにより、耐摩耗性アルミニウム合金材を得ている。
【0003】こうして得られた耐摩耗性アルミニウム合金材では、比重差及び遠心力で初晶珪素が円筒状に凝集するため、円筒状の耐摩耗面をもつ耐摩耗性摺動部材として利用可能である。また、本出願人は、特開昭60−63335号公報において、過共晶アルミニウム−珪素合金鋳物の製造方法を提案した。この方法の場合、まず圧力鋳造可能な金型と、アルミナ短繊維等の繊維が集積された濾過材と、過共晶アルミニウム−珪素合金の溶湯を用意する。金型には成品に適合するキャビティが形成されている。そしてキャビティの一部に濾過材を配置し、キャビティ内に注入した溶湯を加圧して濾過材に溶湯を浸透させる。このとき、濾過材が溶湯内の初晶珪素を分離するため、濾過材との接触界域には高密度の初晶珪素が凝集される。溶湯の凝固後、成品から濾過材を除去することにより、成品には高密度の初晶珪素が凝集した硬化層が表出される。
【0004】こうして得られた鋳造成品には、所望の表面に高密度の初晶珪素が凝集した硬化層が形成され、残部の母材には硬化層から遠ざかるにつれて低密度の初晶珪素が存在することとなる。このため、所望表面の高い耐摩耗性に加えて、母材内部における優れた強靱性を併有することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭52−27608号公報等の遠心鋳造により得られる耐摩耗摺動部材は、そのままでは円筒状であるため、おのずと適用範囲が限られてしまう。一方、特開昭60−63335号公報開示の方法に採用されている濾過材(繊維集積体)は、通常吸引成形によって製造されるため専ら平板状であり、これを要求に基づいた特殊形状に形成することはかなり難しく、しかもこのような濾過材は、使用繊維のコストや溶湯とのぬれ性を配慮した選択に加えて、ハンドリング中に損壊しない程度の最小厚さを必要とするなど経済性並びに作業性の面からも幾多の制約を受けることになる。
【0006】本発明は、上記濾過材の改良により、高密度の初晶珪素を凝集した硬化層、つまり、珪素富化層を有するアルミ鋳物の汎用性及び生産性を飛躍的に向上させることを、解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求項1記載の発明は、鋳造金型中のキャビティの一部に所望形状の金網からなる濾過材を配設する工程と、上記キャビティに過共晶アルミニウム−珪素合金の溶湯を注入する工程と、該溶湯を加圧して上記濾過材に溶湯を浸透させ、該濾過材との接触界域に初晶珪素を凝集させる工程と、溶湯の凝固後、上記濾過材を鋳造成品から除去して上記初晶珪素の凝集した珪素富化層を表出させる工程とからなるを特徴としている。
【0008】この方法では、濾過材として屈曲変形自在な金網を採用しており、至極簡単に所望の濾過面形状を得ることが可能となるので、鋳造品への適用範囲を大幅に拡大することができる。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、溶湯と接触して上記濾過材の実質的な濾過面を形成する主金網は、ステンレス鋼、銅又は銅合金、ニッケル又はニッケル合金等の線材を用いた織金網であることを特徴としている。
【0009】この方法では、実質的に濾過面を形成する主金網が、アルミ溶湯とのぬれ性の良好な金属線材を用いた織金網であるため、セラミック濾過材に比べて低圧の濾過(1気圧程度の加圧濾過又は吸引濾過)が可能になるとともに、織金網の線径及び目数を選択することにより凝集される初晶珪素の粒径を調整することができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記濾過材は、上記主金網がそれよりも目の粗い厚さ調整用の副金網と多層状に構成されていることを特徴としている。この方法では、実質的に濾過面を形成する主金網よりも目の粗い適数枚の副金網が、主金網に重ね合されて濾過材として所要の厚さが保持されているので、溶湯の十分な浸透に加えて形成される珪素富化層の厚さも加減できる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、上記濾過材は、上記主金網が上記副金網又はスチールウールを包蔵して構成されていることを特徴としている。この方法では、使用される適数枚の副金網が主金網に包蔵されて、実用上単体の濾過材として取扱いうるので、搬送や金型内へのセット等すべての過程において利便性が向上する。しかも包蔵される副金網に代えてスチールウール等を用いれば一層安価な製造が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜3に基づいて具体的に説明する。本発明に係るアルミニウム−珪素合金鋳物の製造方法の第1工程は、鋳造金型1のキャビティ2の一部に濾過材3を配設することである。鋳造金型1は一般に常用されているものを用いることができるが、濾過材3の濾過面が、形成されたキャビティ2の内壁面と共同して実質的に鋳造成品の外面の一部を画成することとなるので、該鋳造金型1にはキャビティ2と連接した濾過材3の収納空所が設けられている。なお、図1はキャビティ2を形成する一内壁面の全域にわたって配設された濾過材3を示している。
【0013】濾過材3は図2の(a)及び(b)に示すように、平織又は綾織をなす織金網であって、直接溶湯と接触して実質的な濾過面を形成する主金網3aと、該主金網3aよりも目の粗い厚さ調整用の副金網3bとが重ね合されて所要の厚さに構成されている。両金網3a、3bには溶湯とのぬれ性が良好なステンレス鋼、銅又は銅合金、ニッケル又はニッケル合金等の金属線材が使用され、主金網3aの線径及び目数は、0.05mmφ・250メッシュ〜0.35mmφ・30メッシュ程度の範囲で選択される。これは主金網3aの網目がこの範囲よりも密になると、抵抗が大きくなって溶湯の濾過が不十分となり、逆に網目がこの範囲よりも粗になると、所望の粒径及び密度を充足する初晶珪素4までが網目を通過してその凝集が不可能となるからである。
【0014】本発明方法の第2工程は、過共晶アルミニウム−珪素合金として例えばA390の溶湯をキャビティ2に注入し、さらに該溶湯を加圧することにより濾過材3に溶湯を浸透させて、該濾過材3との接触界域に初晶珪素4を凝集させることである。凝集される初晶珪素4の平均粒径や密度は選択された主金網3aによって左右されるが、現実には溶湯の冷却速度に加えて、主金網3aに被着した溶湯や濾過によって滞留する初晶珪素4それ自体の濾過作用も微妙に関与する。また、比較的目の粗い適数枚の副金網3bは、濾過材3に必要とされる厚さを保持しながら、主金網3aを潜通した溶湯の更なる浸透を妨げないようサポートしているので、主金網3aによる正常な濾過が遂行される。図1に示すRはアルミ合金マトリックスM中に高密度の初晶珪素4が凝集した珪素富化層(リッチ層)であり、Pは初晶珪素4が低密度に存在するプアー層である。該珪素富化層Rの厚さは実用上1mm以上であることが望ましいが、この厚さは注湯から加圧開始までの時間、冷却速度、濾過材3の厚さなどを変えることによって至極容易に調節することができる。
【0015】本発明方法の第3工程は、溶湯の凝固後、上記濾過材3を鋳造成品から除去して初晶珪素4の凝集した珪素富化層Rを表出させることである。このようにして得られた鋳造成品は、所望表面に優れた耐摩耗性を有しつつ、内部には極めて良好な靱性を確保しうるので、とくに初晶珪素4の微細化処理等を施すことなく、十分満足すべき機械的強度を備えることができる。
【0016】図3は濾過材3の他の実施形態を示すもので、(a)は複数枚の副金網3bを主金網3aで包蔵したものであり、(b)は直接溶湯と接触して鋳造成品の外面を画成する主金網3aの濾過面Fを所要形状に変形したものであり、更に(c)は副金網3bに代わるスチールウール3cを主金網3aによって包蔵し、一層のコストダウンを図ったものである。なお、上記主金網3aの材質如何によっては、包蔵された濾過材3の成形性を確保するため、微細な金属線材を用いてこれを緊縛するように構成することもできる。このように副金網3bやスチールウール3cを主金網3aで包蔵するようにすれば、実用上単体の濾過材3として取扱うことが可能となるので、搬送や鋳造金型1内へのセットに際しても利便性を著しく向上させることができる。
【0017】
【発明の効果】以上、詳述したように請求項1〜4記載の発明は、屈曲変形自在な金網からなる濾過材の採用により、簡単に所望形状の濾過面を得ることができるので、従来のセラミック繊維集積体を用いた濾過材に比して鋳造品への適用範囲を大幅に拡大することができ、しかも単に濾過材の製造価格のみにとどまらず、これがアルミ合金マトリックスと簡単に分離されて、アルミ合金のリサイクル性を向上させる金属であるという点において、格段と優れた経済効果を発揮する。
【0018】また、従来のアルミナ短繊維などセラミックを使用した濾過材では、これを鋳造成品から除去する際、とかく刃具を傷めがちであるが、切削性に優れた金網からなる濾過材は、この点でも頗る有利である。請求項2記載の発明は、実質的に濾過面を形成する主金網がアルミ溶湯とのぬれ性の良好な金属線材を用いた織金網であるため、低圧の濾過が可能となつてコストの低減を図ることができ、また、織金網の自在な選択によって凝集される初晶珪素の粒径調整も容易である。
【0019】請求項3記載の発明は、主金網と副金網とが重ね合されて所要の厚さをもつ濾過材に構成されており、溶湯の十分な浸透に加えて形成される珪素富化層の厚さ調整も至って簡便に行うことができる。とくに請求項4記載の発明のように、副金網やスチールウールを主金網で包蔵するようにしたものでは、濾過材のハンドリング性を著しく向上させることができる。




 

 


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