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発明の名称 溶接ノズルのスパッタ除去装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−15669
公開日 平成10年(1998)1月20日
出願番号 特願平8−175070
出願日 平成8年(1996)7月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
発明者 中野 富治朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 内部に溶接ワイヤを保持する略円筒状の溶接ノズルに付着するスパッタを除去する装置において、その動作時に溶接ワイヤを囲むように形成された略円柱状の空洞部を有するととともに、その外面には複数の凹凸が形成された回転工具と、前記回転工具を高速回転させる回転工具駆動手段と、を有することを特徴とするスパッタ除去装置。
【請求項2】 前記回転工具は、外面が2段形状となっていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ除去装置。
【請求項3】 前記高速回転は、略2000rpm、または2000rpm以上の回転であることを特徴とする請求項1または2記載のスパッタ除去装置。
【請求項4】 前記回転工具はローレット目状に加工された凹凸を有することを特徴とする請求項1、2または3記載のスパッタ除去装置。
【請求項5】 溶接ノズルに付着するスパッタを除去する装置において、複数のフックを備え、前記溶接ノズルの先端部に付着するスパッタリングに該フックを引っ掛けて溶接ノズルの軸方向に力を加えて除去するスパッタリング除去装置。
【請求項6】 スパッタ防止液中で前記スパッタリングの除去を行うことを特徴とする請求項5記載のスパッタリング除去装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接ノズルに付着したスパッタを除去するスパッタ除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接時に溶接ノズルの先端、及び内面に固着したスパッタ(溶接時に溶接対象の金属(例えば鉄)のカスが高温状態のまま付着したものが自然冷却して固着したもの(例えば酸化鉄と鉄))は、定期的に除去する必要がある。特に、溶接ロボットを用いて自動的に溶接を行う自動溶接装置において、溶接作業の合間に自動的にスパッタを除去するスパッタ除去装置が必要とされている。
【0003】図6(a)は自動溶接装置の溶接ノズル付近の概略構成図、(b)は溶接ノズルの構造とスパッタが付着した状態を示す断面図である。図6(a)において、溶接ロボット140はトーチブラケット130によって溶接トーチ120と接続されている。溶接トーチ120の先端部には溶接ノズル110が設けられている。同図に示す溶接ロボット140はロボットのアーム部分であり、特に図示しない制御装置、駆動装置、関節機構等によって、予め決められたプログラム等にしたがって、所定の動作を行うようになっている。この溶接ロボット140の動作に伴って、溶接ノズル110が移動して、所望の位置での溶接作業を行う。また、溶接ノズル110を定期的にスパッタ除去装置の位置に移動させて、スパッタ除去を行わせる。
【0004】図6(b)は、溶接ノズル110の側断面図である。同図において、溶接ノズル110は先端が開口されている円筒形状であり、その内部にはチップ111と溶接ワイヤ112が存在する。
【0005】同図には、溶接ノズル110の先端部から内面に掛けてスパッタが付着した状態を示してあり、スパッタはノズル先端部に付着するスパッタS1とノズル内面に付着するスパッタS2とに分けられる。これは特に明確な境界があるものではないが、付着量が多く付着力が大きい先端部のスパッタS1と、付着量が少なく付着力も小さいノズル内面のスパッタS2とは、スパッタ除去作業上区別している。尚、スパッタS1は、ノズル先端部の円形状に沿ってリング状に付着して見えることから、以下、スパッタリングと呼ぶ場合もある。
【0006】ところで、上記溶接ロボットは、溶接ノズルが何かに衝突することで破損、故障することを防止する為に、多少の力(3kg重程度)が加わるとショックセンサが働いて動作を停止するようになっている。
【0007】さらに、衝突時の衝撃を緩和する為にトーチブラケット130による溶接トーチ120の固定はゆるいものとなっており、この為溶接トーチ120及び溶接ノズル110がふらつく、不安定な状態となっている。
【0008】一方、スパッタの除去においては、特にノズル先端部のスパッタリングが破断し難い(こわれにくい)ことから、従来のスパッタ除去装置では、スパッタ除去の為に加えられる力が、溶接ノズル自体に加わって、しばしばショックサンサを作動させてしまうものであった。
【0009】図7、8、9は、従来のスパッタ除去装置の一例を示す図である。図7に示す従来のスパッタ除去装置(その1)は、2枚刃の回転工具200と近接センサ210より構成される。溶接ロボットの動作に伴って溶接ノズル110が移動(下降)してくると、これを近接センサ210が検知して、特に図示しない回転駆動部によって2枚刃の回転工具200を高トルクで低速回転(例えば1秒に1回転)させる。
【0010】2枚刃の回転工具200の刃は、例えば表面がクロムメッキされており溶接ノズルの内側に沿うように湾曲した形状となっている。そして、主に溶接ノズル内面のスパッタS2を、回転駆動部のトルクの力によって刃先で削るようにして除去する。
【0011】図8(a)は従来のスパッタ除去装置(その2)の概略構成図、図8(b)はその一部拡大図である。図8(a)に示すスパッタ除去装置(その2)は、溶接ノズル先端部に付着したスパッタS1を除去するためのブラシ310と、溶接ノズル内面に付着したスパッタS2を除去するためのブラシ320を有する。また、ブラシ310、ブラシ320をそれぞれ独立して回転させるためのモータ(不図示)を内蔵してある駆動部330を有する。更に、溶接ノズル110の接近を検知するための近接センサ340より構成させる。
【0012】ブラシ310は、図8(b)に示すように、多数の細い針金を密集させた針金ブラシ部311を複数(図では6個)有する構成で、上記駆動部330によって駆動されて回転する。そして、針金ブラシ部311によって溶接ノズル110の先端部のスパッタリングを削り落とすものである。
【0013】また、ブラシ320は、例えば細長いピアノ線を多数本束ねてなるピアノ線ブラシ部322が、シリンダ321にその一端を固定されており、シリンダ321が駆動部330内の特に図示しない機構によって上下動、及び回転するようになっている。そして、通常時、及び上記ブラシ310の動作時は、図8(a)に示すように、シリンダ321は下降しており、ピアノ線ブラシ部322は装置内部に収容されている。そして、動作時には、図8(b)に示すように、シリンダ321が上昇することで、細長い多数のピアノ線が溶接ノズル110の内面に向けて拡がるようになっている。この状態で、シリンダ321を回転させることで、ピアノ線ブラシ322が溶接ノズルの内面のスパッタS2を除去するものである。
【0014】上記のように、従来は、針金の束を回転接触させ摩擦力で除去したり、2枚刃の回転工具等の鋭利な器具を用いて、低速回転且つ高トルクで削り取る方法であった。
【0015】また、ショットブラスト方式と呼ばれている無数の小さな鉄球を打込む方法もある。図9は、従来よりあるショットブラスト方式によるスパッタ除去装置(従来のスパッタ除去装置(その3))の概略構成図である。
【0016】同図において、チャンバー410の上面に開けられた孔411に溶接ノズル110を挿入すると、チャンバー内に設けられたショット吹き出し口420から多数のショット玉430が高速で吹き出される。ショット玉430は、例えば極小サイズの鋼球であり、これをショット吹き出し口420から高速で発射して、溶接ノズル先端及び内面のスパッタに衝突させて除去するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の主な方法は、針金の束を回転接触させ摩擦力で除去したり、2枚刃の回転工具等の鋭利な器具を用いて、低速回転且つ高トルクで削り取る方法であったが、上記従来のスパッタ除去装置(その1)、(その2)では、以下のような問題があった。
【0018】すなわち、溶接ノズル110内にある溶接ワイヤ112が、ピアノ線ブラシ322や2枚刃の刃の間に巻き込まれて、溶接ワイヤが破損したり、その衝撃でショックセンサが動作し、溶接ロボットが停止し、作業効率が悪くなるという問題があった。
【0019】また、針金等によって溶接ノズル表面を傷つけてしまうことで、この傷部分にスパッタが付着し易くなり、更に傷部分のスパッタの固着力が増して除去し難くなるという問題があった。
【0020】また、特に先端のスパッタリングのように破断し難いスパッタを除去する際に、破断させることが出来ない為に除去できなくなったり、針金がスパッタリングに片当たりして溶接ノズルを接線方向に動かしてしまう等することで、度々ショックセンサが作動し、溶接ロボットが停止し、作業効率が悪くなるという問題があった。
【0021】また、ショットブラスト方式と呼ばれている無数の小さな鉄球を打込む方法では、付着力、破断力の大きいスパッタは除去出来ないという問題があった。特にショットブラスト方式では、上記他の2つの方法に比べて、付着力が大きく破断し難いスパッタは除去できない場合が多かった。
【0022】上記のように、特にロボット溶接を行う場合における従来のスパッタ除去装置では、溶接ワイヤを巻き込んだり、溶接ノズルに衝撃を与えてしまうことで、ロボットのショックセンサを作動させてしまい、自動溶接装置を停止させてしまうという問題があった。
【0023】あるいは、付着力、破断力の大きいスパッタを除去できないという問題があった。本発明の課題は、溶接ワイヤを巻き込んだり、溶接ノズルに大きな力を与えることなく、付着力、破断力の大きいスパッタも除去できるスパッタ除去装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明によるスパッタ除去装置は、内部に溶接ワイヤを保持する略円筒状の溶接ノズルに付着するスパッタを除去する装置において、その動作時に溶接ワイヤを囲むように形成された略円柱状の空洞部を有するととともに、その外面には複数の凹凸が形成された回転工具と、前記回転工具を高速回転させる回転工具駆動手段とを有する。
【0025】上記構成のスパッタ除去装置では、外面に複数の細かい凹凸面を有する回転工具を高速回転させた状態でスパッタに接触させることで、衝撃力によってスパッタを瞬間的に破壊する。これによって、溶接ノズル内面に接触することなく、また溶接ノズル自体に力を加えてしまうことなくスパッタを除去できるので、ノズル内面を傷つけることやショックセンサを作動させてしまうことはない。
【0026】また、溶接ノズル内の溶接ワイヤなどは、略円柱状の空洞部に収まるので、溶接ワイヤを回転に巻き込んでしまうことはない。本発明によるスパッタリング除去装置は、複数のフックを備え、前記溶接ノズルの先端部に付着するスパッタリングに該フックを引っ掛けて溶接ノズルの軸方向に力を加えて除去する。
【0027】上記構成のスパッタリング除去装置では、付着力が大きく破断し難いスパッタであるノズル先端部のスパッタリングを、フックを用いて、溶接ノズルの軸方向に力を加えることによって除去する。これによって、回転工具を用いる方法よりも小さい力であってもスパッタリングを除去できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施例によるスパッタ除去装置の概略外観図である。
【0029】同図において、溶接ノズル110、溶接トーチ120、溶接ブラケット130、及び溶接ロボット140よりなる構成と、近接センサ30は、従来と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0030】回転工具10は、外形が2段形状の略円筒状のスパッタ除去用工具である。回転工具10の外面は例えばローレット目状の細かい凹凸の形状を有するようになっている。また、内部は溶接ノズル110内のチップ111、溶接ワイヤ112を充分余裕をもって挿入できる程度の内径を有する略円柱形の空洞を有するものとなっている。
【0031】回転工具10は、回転駆動部20によって回転駆動される。回転駆動部20は、近接センサ30が溶接ノズル110の接近を検知すると、回転工具10を回転駆動する。このとき、回転数が例えば2000rpm 前後、あるいはそれ以上で高速回転させる。
【0032】そして、溶接ロボット140の下降動作に伴って溶接ノズル110が下降してくると、外面にローレット目状の凹凸加工を施してある回転工具10が、高速回転でスパッタリングに接触する。このとき、瞬間的な衝撃力がスパッタリングに加わって一瞬でスパッタリングが破壊される。スパッタの固着力は破断し難さに比べればそれほど強くないので、スパッタが破断することにともなって固着がとれることになり、スパッタリングが除去される。
【0033】同様に、溶接ノズル内面のスパッタS2も衝撃力で瞬間的に破壊されることで除去される。このとき、回転工具10は溶接ノズル110の内部まで入り込むが、溶接ノズル110内のチップ111、溶接ワイヤ112は、回転工具10の略円柱形の内部に入っているので、回転工具が溶接ワイヤ112を巻き込むことはない。また、衝撃を与えるのは一瞬であり、その衝撃力はスパッタを破壊する力となるので、ショックセンサを作動させてしまうことはない。
【0034】図2(a),(b)は、回転工具10によるスパッタ除去の詳細を示す図である。同図において、2段形状の回転工具10は、その外面に1段目の曲面12、2段目の曲面13の2つの曲面と、1段目の曲面12と2段目の曲面13との間の傾斜面14とを有し、その内部に空洞11を有する構造となっている。更に、1段目の曲面12から先端までの間にも傾斜面15を有するものである。
【0035】回転工具10の外面は、例えば上記したローレット目のような凹凸の形状の加工が施されている。また、回転工具10は、例えば2000rpm で高速回転している。
【0036】いま、図2(a)に示すように、溶接ノズル110が下降してくると、溶接時間が長く、スパッタが多量に付着して、溶接ノズル110の先端のスパッタS1(スパッタリング)のリングの内径が小さくなっている場合は、1段目の曲面12あるいは傾斜面15にスパッタリングが接触して、衝撃力によってスパッタリングが破壊され四散する。また、溶接時間が短く、付着するスパッタの量が少ないことから、スパッタリングの内径が大きい場合には、2段目の曲面13、あるいは傾斜面14にスパッタリングが接触して、衝撃力によってスパッタリングが破壊され四散する。
【0037】回転工具10の2段目の曲面13の外径は、溶接ノズル110の内径より多少小さいものとなっており、溶接ノズル110の内面には直接接触しないようになっている。例えば、溶接ノズル110の内径が16mmの場合、例えば2段目の曲面13の外径は14.5mm、1段目の曲面12の外径は12.5mmである。
【0038】溶接ノズル110の先端のスパッタS1(スパッタリング)が破壊されて除去されると、更に溶接ノズル110が下降してくる。これより、ノズル内面に付着しているスパッタS2が回転工具10の傾斜面あるいは2段目の曲面13に次々接触して破壊され除去される。
【0039】図2(b)は、スパッタS2を除去途中の状態を示す。同図において、溶接ノズル110内のチップ111、溶接ワイヤ112は、回転工具10の円柱形の空洞11内に入っており、溶接ワイヤなどが引っ掛かって回転に巻き込まれるようなことはない。
【0040】以上説明したように、本発明の第1の実施例によるスパッタ除去装置は、凹凸形状の外面を有する回転工具10を高速回転させることで、瞬間的な衝撃力をスパッタに加えて破壊することができる。また、このとき、チップ111、溶接ワイヤ112を円筒内に挿入させて保護しているので、溶接ワイヤなどが引っ掛けて回転に巻き込んでしまうことはなくなる。
【0041】次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例によるスパッタ除去装置は、本発明者などによって行われた実験結果に基づくものである。
【0042】図3は、実験方法、及び実験結果を説明する図である。図3(a)、(b)は実験方法、図3(c)は実験結果を示す。図3(a)に示す実験は、例えば第1の実施例で用いたような円筒形状の回転工具50を、溶接ノズル110の先端に付着したスパッタS1(スパッタリング)の内側に接触するようにして挿入して、これを手で回転させて回転可能であるか否かを確かめる実験である。
【0043】図3(b)に示す実験は、複数のフック41をスパッタS1のリングの上側に引っ掛けて、フック41をバネ秤40で溶接ノズルの軸に沿って下方に引っ張り(以下、軸方向に抜くという)、スパッタS1を除去(破壊せずにノズルの先端部から剥離させる)したときの力をバネ秤40で測るものである。
【0044】図3(a),(b)の実験は、溶接ノズル110による溶接時間を、3、6、9、12分と変えることで、溶接ノズル110に付着するスパッタの量を変化させる。当然、溶接時間が長いほどスパッタの量は多くなり、壊れ難く、除去し難くなる。
【0045】図3(c)の実験結果60に示すように、上記図3(a)の実験の結果は、溶接時間が3分、6分の場合には手で回転可能であったが、9分、12分では回転させることができないものであった。
【0046】一方、フックで引っ掛けて軸方向に抜く方法では、溶接時間が12分であってもスパッタを除去でき、そのとき必要な力は、わずかに1200(g)であった。
【0047】上記のように、実験結果は、数値で正確に比較できるものではないが、通常の人間の手によって加え得る力は1200(g)よりはるかに大きなものであり、そのような力を加えても、溶接時間が9分以上の場合は回転不可能であった。
【0048】したがって、上記実験結果より、溶接ノズル110先端のスパッタリングは、軸方向に力を加える方法により、非常に小さい力を加えるのみで除去できることが分かった。
【0049】図4は、第2の実施例によるスパッタ除去装置の外観図である。このスパッタ除去装置は、スパッタリング除去部70とノズル内面スパッタ除去部80とから構成される。
【0050】スパッタリング除去部70は、スパッタリング除去用工具71、スパッタ防止液用容器72、スパッタ防止液73、スパッタ防止液供給用タンク74、及びスパッタ防止液面一定保持用穴75より構成される。
【0051】スパッタリング除去用工具71は、その先端に例えば4つのフック76を設けてあり、図3(b)の実験のように、フック76をスパッタリングに引っ掛けて軸方向に抜いて除去する為の工具である。
【0052】スパッタリング除去用工具71は、スパッタ防止液用容器72内に収容されており、スパッタ防止液用容器72内にはスパッタ防止液73が満たされている。スパッタ防止液73は、一般に知られているものであり、スパッタを剥離し易くするための溶液である。
【0053】スパッタ防止液73は、スパッタ防止液供給用タンク74から供給され、スパッタ防止液面一定保持用穴75によって液面が一定になるようにしてスパッタ防止液用容器72内に常に満たされている。
【0054】そして、スパッタ除去作業時に、まず、溶接ロボット140の動作に伴って溶接ノズル110がスパッタリング除去用工具71の真上に移動してくる。次に、溶接ロボット140によって溶接ノズル110が徐々に下降し、スパッタリング除去用工具71の先端のフック76が溶接ノズル110内に挿入される。
【0055】このとき、図5(a)に示すように、フック76はスパッタリングの内側に衝突して変形するが、スパッタリングの上方では弾性力によって元に戻る。そして、図5(b)に示すように、フック76がスパッタリングの上面に引っ掛かると、今度は、溶接ロボット140によって溶接ノズル110が徐々に上昇する。これより、スパッタリングには溶接ノズル110の軸方向に沿って下方向に力が加わることになる。そして、図3の実験結果のように、少ない力によってスパッタリングが溶接ノズル110の付着面から剥離して除去される。
【0056】上記作業は、スパッタ防止液中で行われるので、溶接ノズルのスパッタ付着箇所をスパッタ防止液に浸す作業と、スパッタリング除去作業が一度に行える。そして、スパッタ防止液を併用することで、スパッタはより剥離し易くなり、より小さい力でスパッタリングが除去できる。したがって、従来のように大きな力を加えてもスパッタを破断できずに、加えた力によってノズルを動かしてしまい、溶接ロボットのショックセンサを作動させてしまうようなことはなくなる。
【0057】上記のようにしてスパッタリングを除去すると、続いて、溶接ロボット140は、溶接ノズル110をノズル内面スパッタ除去部80に移動させる。ノズル内面スパッタ除去部80は、ノズル内面スパッタ除去用回転工具81、近接センサ82、筐体83、及び筐体83内のモータ84より構成される。
【0058】ノズル内面スパッタ除去用回転工具81は、円筒形の回転工具であり、第1実施例の回転工具10と略同様のものであってもよいが、この回転工具81を用いるのは既にスパッタリングを除去した後であるので、特に2段形状にする必要はなく、例えば同図に示すように先端からの緩やかな傾斜面を有する一段形状のものであってもよい。
【0059】溶接ロボット140によって溶接ノズル110が移動して回転工具81の真上にくると、近接センサ82がこれを検知することで、モータ84が回転工具81を回転させる。続いて、溶接ノズル110が下降することで、溶接ノズル内面に付着したスパッタS2は回転工具81によって破壊され除去される。
【0060】上記したように、第2の実施例のスパッタ除去装置では、最も除去し難いスパッタであるスパッタリングを、回転力ではなく、軸方向に力を加えることによって、より小さい力で除去することができる。また、その後、溶接ノズル内面のスパッタS2は、スパッタリングに比べて破断し易く付着力も弱いので、回転工具81によって簡単に除去することができる。
【0061】尚、上記回転工具10の外面形状は、2段形状に限るものではなく、例えば回転工具81のように傾斜面を有する一段形状であってもよい。更に、単に外面に凹凸を有する円筒形状であってもよい。あるいは、凹凸ではなく、例えば刃を設けたものであってもよい。すなわち、略円筒形状であって、高速回転による衝撃をスパッタに与え得る形状に外面を加工してあるものであれば良い。但し、一段目によるガイド効果(多少の衝撃が加わっても溶接ノズルをふらつかせず安定させる効果)を得ることができるので、2段形状の回転工具が最適であることが実験により確かめられている。
【0062】また、第1の実施例において、スパッタ防止液を併用するようにしてもよい。この場合、予め溶接ノズルをスパッタ防止液中に所定時間浸してから、回転工具によるスパッタ除去を行う。
【0063】更に、上記第2の実施例におけるスパッタリング除去用工具71のフックは、溶接ノズル内部に挿入時は内側に閉じることでスパッタリングに衝突しないようにし、内部に挿入後は外側に開くことでスパッタリングに引っ掛かるように動作する構成にしてもよい。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、外面に凹凸を有する円筒形状の回転工具を高速で回転させてスパッタに衝突させることで、スパッタを瞬時に粉砕して除去することができる。これより、スパッタリングのように付着力が大きく壊れ難いスパッタであっても、溶接ロボットのショックセンサを作動させてしまうことなく除去することができる。
【0065】更に、スパッタリングを軸方向に抜いて除去する方法を用いることで、より小さな力でスパッタを除去することができる。




 

 


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