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発明の名称 ガス状不純物吸着フィルタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−165730
公開日 平成10年(1998)6月23日
出願番号 特願平8−353234
出願日 平成8年(1996)12月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男 (外2名)
発明者 岡田 孝夫 / 阪田 総一郎 / 高橋 秀人 / 佐藤 克己
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 対向する一対の側面が空気の流入口と流出口に形成された外枠の内部に,波形板もしくは山形板の形状をしたガス状不純物を吸着する性質のある複数枚の吸着シートを,空気の流通方向と平行にして互いに隙間を空けた状態で重ねて配置したことを特徴とするガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項2】 前記吸着シートは,波形板もしくは山形板の形状をしたシート基板の表面にガス状不純物の吸着剤を接着した構成であることを特徴とする請求項1に記載のガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項3】 前記吸着シートは,ガス状不純物の吸着剤をバインダによって波形板もしくは山形板の形状に固めた構成であることを特徴とする請求項1に記載のガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項4】 互いに隣り合う吸着シートの稜線同士が所定の角度を持って交差するように配置したことを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載のガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項5】 互いに隣り合う吸着シートの稜線同士が空気の流通方向に対して線対称を成すことを特徴とする請求項4に記載のガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項6】 互いに隣り合う吸着シート同士の間に,平板形状のセパレータを配置したことを特徴とする請求項1,2または3のいずれかに記載のガス状不純物吸着フィルタ。
【請求項7】 前記セパレータをガス状不純物を吸着する性質のある吸着シートで構成したことを特徴とする請求項6に記載のガス状不純物吸着フィルタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば半導体素子(LSI)や液晶ディスプレイ(LCD)を製造するクリーンルームなどにおいて好適に使用される,気体を清浄化するためのガス状不純物除去フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板やLCD基板を通常のクリーンルーム雰囲気中に放置すると,それら基板の表面にクリーンルーム内の雰囲気由来の酸またはアルカリの無機物や有機物などのガス状不純物が付着する。これらの不純物の発生原因,発生及び汚染のメカニズム,影響,低減対策を表1にまとめて示す。
【0003】
【表1】

【0004】この表1に示すように,クリーンルーム雰囲気由来のガス状不純物は,半導体素子等の製造に対して種々の障害をもたらす。そこで最近では,このようなクリーンルーム雰囲気中のガス状不純物を除去するため,ケミカルフィルタと称する吸着剤を利用したガス状不純物除去設備が実用化されている。通常,このケミカルフィルタは活性炭をベースとしており,酸系ガス(塩酸,フッ化水素,硝酸,硫酸,ボロン,硫化水素など)の除去については炭酸カリウムのような塩基性薬品,アルカリ系ガス(アンモニアなど)の除去についてはりん酸のような酸性薬品をそれぞれ活性炭表面に添着したものが使用されている。また,ガス状有機不純物についてはこれら薬品を無添着の活性炭の表面に不純物をそのまま物理吸着させて除去することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで,活性炭をベースとしたケミカルフィルタには,様々な種類がある。最も簡素なものとしては,容器内に粒状活性炭を詰め込んだ構成の充填塔がある。この充填塔は,例えば充填層の厚みを大きくするなどの方法によって単位処理流量当たりに使用する活性炭重量を多くすれば,吸着効率を高くすることができるが,その反面,圧力損失(通気抵抗)が高くなるという欠点を有する。
【0006】また,他の種類として,繊維状活性炭を低融点ポリエステルやポリエステル不織布のバインダと複合してフェルト形状にしたケミカルフィルタ,粒状活性炭をウレタンフォームや不織布に接着剤で強固に付着させたブロック形状またはシート形状のケミカルフィルタなどが知られている。これらフェルト形状やブロック形状またはシート形状のケミカルフィルタは優れた通気性を有するが,活性炭重量を増加することが困難であり,使用し始めの初期での吸着効率は高いものの,短期間の使用で破過現象によって吸着効率が大幅に低下するために寿命が短く,交換頻度が高いという欠点を有する。
【0007】従って本発明の目的は,低い通気抵抗でありながら,フィルタ単位体積当たりの吸着剤量が従来のケミカルフィルタよりも格段に大きく,寿命の長いガス状不純物吸着フィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために,本発明の請求項1のガス状不純物吸着フィルタは,対向する一対の側面が空気の流入口と流出口に形成された外枠の内部に,波形板もしくは山形板の形状をしたガス状不純物を吸着する性質のある複数枚の吸着シートを,空気の流通方向と平行にして互いに隙間を空けた状態で重ねて配置したことを特徴とする。
【0009】この請求項1のガス状不純物吸着フィルタにおいて,吸着シートは,請求項2に記載したように,波形板もしくは山形板の形状をしたシート基板の表面にガス状不純物の吸着剤を接着した構成とすることができる。また,請求項3に記載したように,吸着シートは,ガス状不純物の吸着剤をバインダによって波形板もしくは山形板の形状に固めた構成としても良い。
【0010】また,請求項4に記載したように,互いに隣り合う吸着シートの稜線同士が所定の角度を持って交差するように配置することが好ましい。その場合,請求項5に記載したように,互いに隣り合う吸着シートの稜線同士が空気の流通方向に対して線対称を成すように配置することができる。
【0011】また,請求項6に記載したように,互いに隣り合う吸着シート同士の間に,平板形状のセパレータを配置することが好ましい。その場合,請求項7に記載したように,セパレータをガス状不純物を吸着する性質のある吸着シートで構成することができる。また,セパレータは例えば多孔板の如き通気性のある材質で構成することが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下,本発明にかかるガス状不純物吸着フィルタの好ましい実施の形態を図面を用いて説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかるガス状不純物吸着フィルタ1を概略的に示した分解組立図である。
【0013】ガス状不純物吸着フィルタ1は,外枠2の内部に,ガス状不純物を吸着する性質のある複数枚の吸着シート3を互いに隙間を空けた状態で重ねて配置した構成になっている。外枠2は,例えばアルミニウム製の板材4a,4b,4c,4dを組み立てた構成を有し,図示の例では前面と後面が開口した状態になっている。この外枠2の外形および寸法は設置空間に合わせて任意に設計することができる。例えば300mm×300mm×150mmの略矩形の構造とし,開口寸法を270mm×270mmとすることができる。図中,白抜きの矢印5は空気の流れ方向を示しており,外枠2の前面から空気が外枠2内に流入し,後面から空気が流出するように構成されている。吸着シート3は,この空気の流通方向と平行に配置されている。
【0014】吸着シート3は,図2に示す如き波形板形状,もしくは図5に示す如き山形板形状をなしている。図2に示す吸着シート3は,図3に示す波形板形状をしたシート基板6の表面に,図4に示すように,ガス状不純物の吸着剤7を接着剤を用いて隙間無く接着した構成になっている。同様に図5に示す吸着シート3は,図6に示す山形板形状をしたシート基板6’の表面に,図7に示すように,ガス状不純物の吸着剤7を隙間無く接着した構成になっている。吸着剤7としては,例えば直径0.5mmの球状活性炭が使用される。活性炭に限らず,ゼオライト,シリカゲル,アルミナ,モレキュラーシーブ,イオン交換樹脂など,他のガス状不純物の吸着剤も使用される。また,その形態も球形以外の例えば懸濁液を塗布した形態,粉状,粒状,塊状等の吸着剤の接着,繊維状の吸着剤の接着であっても良い。なお,図示はしないが,これら吸着シート3は,ガス状不純物の吸着剤7をバインダなどによって波形板もしくは山形板の形状に固めた構成とすることもできる。
【0015】図2に示す波形板形状の吸着シート3には,波の最頂部を結んだ曲げ線aと最底部を結んだ曲げ線bが表れる。また,図5に示す山形板形状の吸着シート3には,山側の折り線aと谷側の折り線bが表れる。本発明では,これら曲げ線a,bおよび折り線a,bは,吸着シート3の配置方向を決定するための重要な因子である。以下,これら曲げ線a,bと折り線a,bを稜線cと総称し,図8,9を参照にしながら,吸着シート3の配置について説明する。
【0016】図8は,互いに隣り合う二枚の吸着シート3A,3Bを重ねる様子を拡大して示した説明図である。この実施の形態においては,図9に示すように,吸着シート3Aの稜線cと吸着シート3Bの稜線cとが2θ゜(例えば60゜)の角度を持って交差するように配置されている。また,これら吸着シート3Aの稜線cと吸着シート3Bの稜線cは,空気の流通方向5に対して互いにθ゜(例えば30゜)ずつ反対側に傾いて配置された構成になっており,これにより,吸着シート3Aの稜線cと吸着シート3Bの稜線cは,空気の流通方向5に対して線対称を成す配置となっている。
【0017】このように,互いに隣り合う二枚の吸着シート3A,3Bを重ねるに際し,吸着シート3Aの稜線cと吸着シート3Bの稜線cとが所定の角度を持って交差するように配置されているので,吸着フィルタ3A,3Bを重ねた際に両者の稜線c同士が一致して重なることがない。従って,隣接する吸着シート3Aの山(波もしくは山の最頂部)同士,谷(波もしくは山の最底部)同士が重ならないので,吸着フィルタ3A,3B同士を互いに隙間を空けた状態で平行に配置でき,空気5の良好な流通が確保される。
【0018】また,隣接する吸着シート3A,3Bの稜線c同士を空気の流通方向5に対して線対称を成す配置としているので,流通方向5に流れる空気流は,外枠2内部において吸着シート3A,3Bの稜線cに沿って流れる際に撹拌や混合を生じ,吸着シート3A,3B表面の吸着剤7と空気が効率よく接触して,ガス状不純物が吸着作用によって除去される。従って,吸着シート3の稜線cと空気流方向5を平行に配置した場合と比較して,外枠2内部における空気の撹拌や混合の作用が飛躍的に増大し,乱流も生じやすくなって空気と吸着剤7との接触機会も増大し,ガス状有機物の除去効率も増大する結果となる。
【0019】次に図10は,本発明の他の実施の形態にかかるガス状不純物吸着フィルタ20を概略的に示した分解組立図である。このガス状不純物吸着フィルタ20においても同様に,外枠2の内部に,ガス状不純物を吸着する性質のある複数枚の吸着シート3を互いに隙間を空けた状態で重ねて配置した構成になっている。外枠2及び吸着シート3の具体的な構成は,先に図1及び図2〜7で説明したものと同様であるため,これらについての詳細な説明は省略する。
【0020】ただし,この実施の形態にあっては,互いに隣り合う吸着シート3同士の間に,平板形状のセパレータ21が配置されている。この実施の形態のように吸着シート3の間にセパレータ21を配置する場合は,隣り合う吸着シート3とセパレータ21によって囲まれる流路同士の間を空気が流通できるようにするために,セパレータ21は通気性を持った平板構造,例えば多孔板などで構成することが望ましい。図11は,波形板形状をなす吸着シート3の間にセパレータ21を配置した構成を示す拡大断面図である。同様に,図12は,山形板形状をなす吸着シート3の間にセパレータ21を配置した構成を示す拡大断面図である。これら図11,12に示すように,セパレータ21は薄い平板形状をした基板22の表面に,ガス状不純物の吸着剤23を接着剤を用いて隙間無く接着した構成になっている。先と同様に,吸着剤23としては,例えば直径0.5mmの球状活性炭が使用されるが,その他,ゼオライト,シリカゲル,アルミナ,モレキュラーシーブ,イオン交換樹脂など,他のガス状不純物の吸着剤も使用される。なお,図示はしないが,このセパレータ21も,ガス状不純物の吸着剤23をバインダなどによって平板形状に固めた構成とすることもできる。この実施の形態では,吸着シート3同士の間にセパレータ21を挟むことによって,空気は,図11に示すような細い疑似半月形断面の筒状空間24,もしくは図12に示すような細い三角形断面の筒状空間24を通過することとなるので,ガス状不純物が吸着シート3とセパレータ21の表面に接触する機会は,セパレータ21を挟まない場合よりも一層増すことになり,不純物の吸着率が高い。
【0021】なお,この実施の形態にあっては,隣接する吸着シート3の間にはセパレータ21が挟まれているため,図10に示すように,互いに隣り合う吸着シート3の稜線cを同じ方向に一致させて配置しても,隣接する吸着シート3同士が密着する心配が無く,空気5の良好な流通が確保される。ただし,このように吸着シート3同士の間にセパレータ21を配置した場合でも,図13に示すように,互いに隣り合う吸着シート3の稜線c同士が所定の角度を持って交差するように配置しても構わない。
【0022】
【実施例】先ず比較例として,薬品無添着の粒状活性炭をウレタンフォームに接着剤で付着させたシート形状のケミカルフィルタを用いてクリーンルーム雰囲気を処理した。比較例のケミカルフィルタでは,フィルタ単位体積当たりの活性炭担持量の最大値は250g/リットルであった。フィルタの通気方向の厚み65mm,面風速0.5m/s,圧力損失4mmH20の条件下で,通常のクリーンルーム雰囲気中(非メタン炭化水素濃度0.5ppm)に含まれる有機系のガス状不純物を除去した。図14は,クリーンルーム雰囲気と,前記条件下(250g/リットル,厚み65mm,面風速0.5m/s)の粒状活性炭を使用した市販のケミカルフィルタにより処理したクリーンルーム雰囲気と,クリーンルームエアを液体窒素で冷却し不純物を凝縮除去した後のドライエア雰囲気の3つの雰囲気中に放置した酸化膜付きウェハ表面の接触角について経時変化を測定した結果である。なお,ウェハの表面に超純水を滴下して測定される接触角は,表面の有機物汚染の程度を簡便に評価する方法である。有機物汚染のない酸化膜付きシリコンウェハやガラスの表面は水に馴染みやすい性質,つまり親水性であり,接触角は小さい。ところが,有機物で汚染されたそれらの表面は水をはじく性質,つまり疎水性であり,接触角は大きくなる。洗浄直後の3つのウェハ表面を前述の3種の雰囲気に1日間(24時間)放置して,洗浄直後と比較してどれだけ接触角が増加したかを縦軸に,経過日数を横軸にそれぞれ示した。
【0023】クリーンルーム雰囲気にはガス状有機物が含まれるため,1日放置で約25゜接触角が増加した。ドライエア雰囲気には,ガス状有機物はほとんど含まれないから接触角は増加しない。一方,市販のケミカルフィルタは,使用開始後1週間程度では1日放置で約10゜の接触角の増加に留まるが,使用開始後1ヶ月程度で1日放置で約25゜の増加になり,ガス状有機物の吸着能力は全く失われたことが分かった。
【0024】次に本発明の実施例として,高さ3mmの波形状の凹凸を有するアルミニウムシート表面に隙間なく0.5mm直径の球状活性炭を接着し,吸着シートを構成した。この吸着シートを外枠の内部に複数枚平行に重ねて配置し,図1に示す如きガス不純物吸着フィルタを製作した。このガス不純物吸着フィルタについて圧力損失と吸着性能を調べたところ,薬品無添着の粒状活性炭の担持量は300g/リットル,通気方向の厚み130mm,面風速0.5m/sにおける圧力損失はわずか3mmH2Oであった。また,通常のクリーンルーム雰囲気(非メタン炭化水素濃度0.5ppm)を処理したところ,洗浄直後の酸化膜付きウェハを24時間処理後の雰囲気に放置した場合の接触角の増加は,経過時間が40日に達するまで20゜以下に抑えられた。従来のケミカルフィルタでは,洗浄直後の酸化膜付きウェハを24時間処理後の雰囲気に放置した場合の接触角の増加は,経過時間が18日において20゜を超えた。本発明のガス状不純物吸着フィルタは,従来のケミカルフィルタと比較して,フィルタ単位体積当たりの吸着剤担持量をより多くすることができ,より低い通気抵抗を示し,かつ吸着性能において長寿命である。
【0025】
【発明の効果】本発明のガス状不純物吸着フィルタによれば,吸着シートの表面に処理対象の空気を接触させる機会を高めることができ,圧力損失を低く押さえつつ,処理空気中に含まれるガス状不純物を効果的に除去することが可能となる。また本発明のガス状不純物吸着フィルタは,長期間使用しても吸着性能の劣化が少なく,長寿命である。




 

 


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