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発明の名称 スライシング装置のブレード変位検出方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−264142
公開日 平成10年(1998)10月6日
出願番号 特願平9−73183
出願日 平成9年(1997)3月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
発明者 川口 桂司 / 濱崎 辰己 / 今田 幸憲 / 田寺 慶宏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ブレードの内周刃の内側にワークの一端部を臨ませ、ブレードを回転させながらワークをブレードの半径方向に相対移動させてワークから薄片を切り出す際、渦電流センサにより前記ブレードの変位を検出するようにしたスライシング装置において、前記ブレードによるワークの切断開始から渦電流センサによる検出誤差が安定するまでの変動区間は、該検出誤差の変化に対応して検出値を補正することを特徴とするスライシング装置のブレード変位検出方法。
【請求項2】 前記変動区間lでの検出誤差Xは、次式【数1】

に従って算出することを特徴とする請求項1に記載のスライシング装置のブレード変位検出方法。
【請求項3】 前記ブレードによりワークから薄片を所定時間内に連続的に切り出す場合、2回目以降は1回目の検出誤差を補正した値を基準とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライシング装置のブレード変位検出方法。
【請求項4】 前記ブレードによりワークから薄片を切り出した後の経過時間に応じてさらに検出誤差を補正することを特徴とする請求項3に記載のスライシング装置のブレード変位検出方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体インゴット等のワークを切断して半導体ウェハ等のウェハを切り出すためのスライシング装置のブレード変位検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スライシング装置では、ブレードでワークを均一厚さに切断するために、ブレードの変位をセンサにより検出し、ブレードを取り付けた主軸の回転速度や送り速度を制御するようにしている。通常、前記センサには、渦電流センサが使用されている(例えば、特開平4―138210号公報参照)。ところが、この渦電流センサは、ワークが低抵抗のものである場合、その影響を受けやすく、検出精度が損なわれるという問題がある。このため、渦電流センサの発振周波数を低周波とすることにより、ワークの影響を抑えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、渦電流センサの発振周波数を低周波とした場合、ワークの切断を開始してから所定寸法切断が進むまでの間に検出誤差が生じやすいという問題があった。これは、ワークからブレードに作用する切断応力の変動に伴いブレードの透磁率が変化するためであると考えられる。このため、ブレードの変位を正確に検出することが困難となっていた。特に、切断開始直後のブレードの変位は、その後の切断に大きな影響を与えるので、正確に検出して正規の位置に修正しておくことは非常に重要である。
【0004】そこで、本発明は、渦電流センサを使用しても正確にブレードの変位を検出することのできるスライシング装置のブレード変位検出方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため、本発明では、ブレードの内周刃の内側にワークの一端部を臨ませ、ブレードを回転させながらワークをブレードの半径方向に相対移動させてワークから薄片を切り出す際、渦電流センサにより前記ブレードの変位を検出するようにしたスライシング装置において、前記ブレードによるワークの切断開始から渦電流センサによる検出誤差が安定するまでの変動区間は、該検出誤差の変化に対応して検出値を補正するようにしたものである。
【0006】前記変動区間lでの検出誤差Xは、次式【数2】

に従って算出するのが好ましい。
【0007】前記ブレードによりワークから薄片を所定時間内に連続的に切り出す場合、2回目以降は1回目の検出誤差を補正した値を基準とするのが好ましい。
【0008】前記ブレードによりワークから薄片を切り出した後の経過時間に応じてさらに検出誤差を補正するのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0010】図1は、本発明に係るスライシング装置の要部水平断面図である。図中、ディスク1は、円筒状の主軸2の端部に固着されている。ブレード3は、その開口部4に内周刃5を有し、その外周縁が前記ディスク1の外周端にリング6で挾圧されて支持されている。前記ブレード3は、内周刃5によりシリコンインゴットからなるワーク7を所定厚さに切断する。ワーク7の切落し側にはカーボン製のスライスベース8が接着してあり、切離し時にワーク7に欠けが生じないようになっている。前記主軸2は、軸受10,10により主軸台11に回転可能に支持され、図示しない駆動装置により高速回転するようになっている。主軸2の内部にはセンサ旋回軸12が挿通され、該センサ旋回軸12は軸受13,13により主軸2の内面に回転可能に支持されている。
【0011】ディスク1側に突出するセンサ旋回軸12の先端には、センサ旋回アーム14が固着されている。センサ旋回アーム14の先端には、ブレード変位検出センサ9が取り付けられている。ブレード変位検出センサ9には渦電流センサが採用されており、本実施の形態では、ワーク7が低抵抗のものであっても、その影響を受けにくいように、発振周波数が1MHz以下の低周波に抑えられている。また、このブレード変位検出センサ9は、切断されてゆくスライス片の通過を妨げない程度に内周刃5の近傍のブレード3に裏側より近接している。
【0012】また、ディスク1と反対側に突出するセンサ旋回軸12の先端には、旋回駆動装置15によって回転するピニオン16が固着されている。前記旋回駆動装置15は、図3に示すように、シリンダ17内に収容した2個のピストン18a,18bを連結軸19で連結し、該連結軸19に前記ピニオン16と噛合するラック20を形成したものである。
【0013】通常の状態では、ピストン18aはシリンダ17の図3において左側の部分に収容されたスプリング21により右方向に移動して、ピストン18bがストッパー22に当接した状態で停止している。そして、この静止したピストン18a,18b間のラック20とピニオン16が噛合することにより、センサ旋回アーム14は、図2に示すように、水平に保持され、ブレード変位検出センサ9はワーク7の切断方向の中心線上の検出位置Aに位置するようになっている。
【0014】また、シリンダ17の図3において右側の部分に流体圧をかけると、ピストン18a,18b及びラック20がスプリング21の付勢力に抗して左方向に移動する結果、ピニオン16が回転してセンサ旋回アーム14が図2に示すように斜め下方に所定角度θだけ旋回し、ブレード変位検出センサ9はワーク7の移動に干渉しない回避位置Bに位置するようになっている。
【0015】前記ブレード変位検出センサ9は、図示しないセンサコイルから所定の発振周波数で磁束を発生させ、後述するようにしてブレード3の変位を検出するものである。
【0016】以上の構成からなるスライシング装置では、ワーク7の初期切断時に、ブレード変位検出センサ9を旋回駆動装置15により図2に示すように回避位置Bに旋回させる。従って、この初期切断時において、たとえワーク7が図4に示すように傾いた状態にセットされて部分的に厚肉であるくさび形の初期スライス片が切断されるとしても、ブレード変位検出センサ9は回避位置Bに位置しているので、ワーク7の初期スライス片の通過を妨げることはない。また、ブレード変位検出センサ9は回避位置Bにおいてワーク7と干渉することなく、ブレード3の撓みを検出する。なお、この回避位置Bはブレード3の裏側ではあるが、従来のセンサ位置と同等であるので、従来と同等の撓み量検出精度は確保でき、初期切断時とはいえ従来よりスライス精度が低下することはない。
【0017】ワーク7の初期切断時以外の通常切断時には、ブレード変位検出センサ9を旋回駆動装置15により図2に示すように検出位置Aに復帰させる。この検出位置Aでは、ブレード変位検出センサ9は内周刃5の切断箇所の中心に近づいているため、切断開始から終了まで、ワーク7と初めて接触する位置の内周刃5近傍のブレード3の撓みを正確に検出することができ、この正確な撓み検出値に基づいて、撓み調整制御が行なえるのでスライス精度が向上する。また、このブレード変位検出センサ9が検出位置Aに位置していても、通常切断時におけるスライス片は図1に示すように薄いので、ブレード変位検出センサ9とブレード3との間をブレード変位検出センサ9に干渉することなく通過する。
【0018】次に、前記ブレード変位検出センサ9によるブレード3の変位検出方法について図5のフローチャートに従って説明する。
【0019】まず、ブレード3によるワーク7の切断が開始されると(ステップS1)、ブレード変位検出センサ9での検出値を読み込む(ステップS2)。ワーク7の切断時、ブレード3にはワーク7から切断抵抗に伴う切断応力が生じ、この切断応力の変化によりブレード3の透磁率が図6に示すように変化する。また、ブレード3は切断時に温度上昇し、その抵抗率を変化させる。このため、実際にはブレード3の変位がないにも拘わらず、図7に示すように、ブレード3の透磁率及び抵抗率(温度)の変化に伴ってブレード変位の検出値も変動し、基準値(0)から外れてマイナス(−)の検出誤差が発生する。(ここでは、センサ9に接近する側を(−)としている。)。この検出誤差は、ブレード3によるワーク7の切断開始から所定寸法切断が進められるまで変動する(以下、変動区間l1といい、本実施の形態では60mmである。)。
【0020】図8に、実際にブレード3で直径200mmのワーク7であるインゴットを切断速度40〜50mm/minで切断した場合に於ける検出誤差の変化を示す。左端のグラフが初期切断(1枚目の切断)aを示し、他のグラフが通常切断(2枚目以降の切断)bを示す。このグラフから明らかなように、初期切断と通常切断とで、検出誤差の初期値が異なることがわかる(初期切断:基準値(0)、通常切断:中間値(δ3:グラフ中、A2,A3で示す。))。これは、切断が所定間隔で連続的に行われる通常切断では、ブレード3が残留応力により完全には初期値に復帰しないため、センサ9による検出値が基準値(0)とは一致せず、所定値だけマイナスの中間値δ3となるからである。
【0021】そこで、初期切断であるか否かを判断することにより(ステップS3)、次のようにして検出誤差X1を算出する。すなわち、初期切断であれば、次式に従って検出誤差X1を算出することにより検出値を補正してブレード3の正しい変位を推測する(ステップS4)。
【0022】なお、検出誤差X1は、切断が完了すれば中間値δ3までは急激に復帰するが、この中間値δ3から基準値(0)までの復帰は緩やかなものであるので、切断が所定間隔で連続的に行われる場合は、次回の切断からはその切断開始時の検出値を中間値δ3として、検出値の補正をこの中間値δ3を基準として行う。なお、基準値からの最大検出誤差δ1の値は、切断するワークと同じ抵抗率を有するワークを用いてテスト切断を行うことにより予め求めておく。
【0023】
【数3】

また、初期切断でなければ、通常切断であると判断されるので、次式に従って検出誤差X2を算出することにより検出値を補正してブレード3の正しい変位を推測する(ステップS5)。なお、中間値からの最大検出誤差δ2の値もδ1と同様にテスト切断により予め求めておく。
【0024】
【数4】

【0025】こうして、変動区間l1,l2の切断が終了するまで、前記(数3),(数4)により算出した検出誤差X1,X2から検出値を補正して正規のブレード3の変位を推測することにより、ブレード3の変位を調整しながら切断を続行する(ステップS6)。ブレード3の変位は、従来同様、主軸2の回転数を抑制したり、クーラントの吹き付け量をブレード3の両側で異ならせたりすること等により調整する。そして、変動区間l1,l2の切断が終了すれば(ステップS7)、検出誤差X1,X2を固定値δ1とし(ステップS8)、切断作業を完了させる。
【0026】以下、同様にして、センサ9による検出誤差X1,X2を補正してブレード3の変位を調整しながらワーク7の切断を続行する。
【0027】但し、作業の中断やワーク7の交換によりワーク7の切断が中断すれば、回復時間(1〜3分)を経過したか否かにより推測する検出誤差X1,X2を変更する。すなわち、前記回復時間を越えれば、基準値(0)に復帰するが、越えない場合、検出誤差X1,X2の変化が無視できなくなる。そこで、次式に従って検出誤差X1,X2を補正してセンサ9の検出値を修正し、ブレード3の正規の変位を推測する。
【0028】
【数5】

【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係るスライシング装置のブレード変位検出方法によれば、ブレードに切断応力が作用することにより、その透磁率が変化する点に着目して、渦電流センサでの検出データを補正するようにしたので、渦電流センサを低い発振周波数で使用しても正確にブレード変位を検出できる。
【0030】また、ワークを連続的に切断する場合には、ブレードの残留応力を考慮して補正量を修正するようにしたので、常に正確なブレードの変位を検出可能である。
【0031】さらに、ブレードによりワークから薄片を切り出した後の経過時間により、前記修正量を調整するようにしたので、ワークの切断間隔があいた場合であっても正確にブレードの変位を検出することが可能である。




 

 


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