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発明の名称 油水分離器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−28803
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平8−205230
出願日 平成8年(1996)7月15日
代理人
発明者 小池 正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 分離器ケ―シングに油水の流入口と溜部と流出口を形成して、当該溜部内に流入した油水をそれぞれの比重差により分離し、溜部内に配置したフロ―トの浮上降下により流出口を開閉して、分離した水を器外へ排出するものにおいて、フロ―トを溜部内に上下動自在な自由状態で配置し、当該フロ―トの下方部外表面で流出口を直接に開閉すると共に、フロ―トの下方部外表面と流出口が当接した場合に、フロ―トの下方部外表面と流出口の当接部のいずれか一方が、または双方が、弾性変形して当接するように、フロ―トの下方部外表面と流出口の当接部のいずれか一方または双方に弾性部材を取り付け、且つ、フロ―トの下方部外表面の降下位置と流出口の端部位置との間に僅かな段差を設け、当該段差をケ―シング外部から調節可能に調節ねじを介して設けたことを特徴とする油水分離器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油貯蔵タンク等において混入した水を自動的に分離し系外へ排出することのできる油水分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油水分離器としては、例えば、実開平3−83603号公報に示されたものがある。これは、分離器ケ―シング内に仕切壁を設け、油と水の中間の比重を有する中空フロ―トを配置して、このフロ―トに流出口を開閉する弁体を連結したもので、ケ―シング内の仕切壁部で分離した水を系外へ排出することができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものでは、製品の運搬時にフロ―トが振動し、その振動が弁体を介して弁座部に伝えられることにより、弁体と弁座部の間にキズや変形を生じてしまい、作動時に油を漏洩してしまう問題があった。
【0004】油の種類によっては、特に可燃性の油や有毒な油が外部へ漏洩することは、危険を伴うために確実に防止しなければならないのである。
【0005】従って本発明の課題は、製品運搬時に弁体や弁座部が損傷することがないようにして、油は器外へ漏洩排出することのない油水分離器を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために講じた本発明の手段は、分離器ケ―シングに油水の流入口と溜部と流出口を形成して、当該溜部内に流入した油水をそれぞれの比重差により分離し、溜部内に配置したフロ―トの浮上降下により流出口を開閉して、分離した水を器外へ排出するものにおいて、フロ―トを溜部内に上下動自在な自由状態で配置して、当該フロ―トの下方部外表面で流出口を直接に開閉すると共に、フロ―トの下方部外表面と流出口が当接した場合に、フロ―トの下方部外表面と流出口の当接部のいずれか一方が、または双方が、弾性変形して当接するように、フロ―トの下方部外表面と流出口の当接部のいずれか一方または双方に弾性部材を取り付け、且つ、フロ―トの下方部外表面の降下位置と流出口の端部位置との間に僅かな段差を設け、当該段差をケ―シング外部から調節可能に調節ねじを介して設けたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】フロ―トの下方部外表面の降下位置と流出口の端部位置との間に僅かな段差を弾性部材を介して設けたことにより、製品運搬時にフロ―トが振動しても、フロ―トの振動は僅かな段差の範囲で且つ弾性部材を介して流出口側へ伝えられるために、双方の当接部が損傷することが防止される。
【0008】また、この段差を外部から調節可能にしたことにより、運搬時にはフロ―トの下方部外表面と流出口が当接しないように調節し、製品の取り付け後の作動時には所定の段差が確保されるように調節することによって、製品運搬時の流出口部の変形や損傷を更に確実に防止することができる。
【0009】ケ―シングの溜部内に流入してきた油水は、その比重差により水は下部に、油はその上部に分離して溜る。水がフロ―トの喫水線まで溜って初めてフロ―トが浮上して流出口を開口することにより水は器外へ排出される。
【0010】水が排出されて喫水線が低下するとフロ―トは浮力が減少して降下し、その下方部外表面で流出口を直接に閉口することにより、所定量の水を溜部内に残したままで、その上部に溜っている油を漏洩することがない。
【0011】また、フロ―ト外表面で流出口を閉口する場合、僅かな段差に相当する量だけ弾性部材が弾性変形して閉口することにより、流出口はより確実にシ―ルされて残留水及び油を漏洩することがない。
【0012】フロ―トの比重を水の比重より小さく油の比重より大きくすることにより、フロ―トの全てが油の中に没した場合でもフロ―トは浮上することがなく、油を器外へ排出することはない。
【0013】
【実施例】本発明の実施例について説明する。図1において、本体1と蓋2で分離器ケ―シングを形成して油水の溜部3を形成すると共に、蓋2に油水の流入口4を、本体1に流出口5を設けて油水分離器を構成する。
【0014】溜部3は流入口4と連通すると共に、その空間部に縦長のフロ―ト6を自由状態で配置する。フロ―ト6は、有底円筒の縦長形状で、その下方部外表面7の中心部で流出口5を直接開閉するように、本体1に設けた複数のガイド8,9,10,11に沿って上下動自在に配置する。フロ―ト6はステンレス鋼薄板をプレスと溶接で中空フロ―トとして製作することも、あるいは、ポリプロピレンやポリエチレン等の比較的比重の小さな合成樹脂で製作することができる。フロ―ト6側に弾性部材を取り付ける場合は、流出口5と接触する下方部外表面7に合成ゴム等の弾性板状部材14を張り付ける。
【0015】流出口5は、本体1にねじ結合した弁座部材12の中心を貫通して配置し、その下流側は出口13と連通する。弁座部材12すなわち流出口5側に弾性部材を取り付ける場合は、弁座部材12の上端部に流出口5の上部側面と上端外周面を覆うように弾性部材としての合成ゴム座15を略リング状に設ける。この合成ゴム座15を介して、フロ―ト6の下方部外表面7と当接するように配置する。
【0016】図1はフロ―ト6が浮上している状態を示すものであるが、フロ―ト6の上部にはストッパ―26,27を設けると共に、フロ―ト6の下部には、フロ―ト6が降下した場合にフロ―ト6を支持する支持座16,17を調節ねじ28,29を介して設ける。
【0017】調節ねじ28,29は、固定ナット30,31をゆるめて左右へ回転することにより、上下方向へ進退して支持座16,17の位置を微調整することができるものである。本実施例においては、支持座16,17を2ケ設けた例を示したが、より正確にフロ―ト6の降下位置を調節するためには3ケ等配に設けることが望ましい。
【0018】通常の作動時において支持座16,17の上端高さは、流出口5の上端部より僅かに低くなるようにして、僅かな段差を構成する。弾性部材の種類に応じて、段差の距離は適宜決定することができるが、合成ゴムを用いた本実施例においては0.2から0.4ミリメ―トル程度の段差が好ましい。
【0019】支持座16,17によりフロ―ト6の下部と本体1の底部との間にスペ―ス18を形成して、ゴミ等の混入異物の溜りスペ―スとする。本体1の下部に分離器ケ―シングの脚部材19,20を取り付けると共に、バルブ21を介して溜部3と連通する均圧管22と、同じくバルブ23を介して溜部3と連通するブロ―管25を接続する。
【0020】図1に示す状態は、フロ―ト6が上方へ浮上して流出口5を開口している状態を示す。流入口4から油水の混合流体が流入してきて溜部3内へ水は下部に油は上部に分離して溜る。流入してくる水の量が増えるに連れて溜部3内の水位も上昇し、縦長フロ―ト6の喫水線、通常はフロ―ト6の高さの2/3程度の位置、に達すると図1に示すようにフロ―ト6が浮上して、弁座部材12から離座して流出口5を開口することにより下部に溜った水が出口13から器外へ排出される。水が排出されて水位が低下するとフロ―ト6も同時に降下して、溜部3底部に水を残した状態で流出口5を閉口することにより、水の上部に溜った油を漏洩排出することがない。
【0021】フロ―ト6が降下する場合、下方部外表面7の中心部に取り付けた弾性板状部材14と弁座部材12の上端の合成ゴム座15がまず当接し、それぞれの弾性部材が弾性変形をして、下方部外表面7が支持座16,17に当接することにより、確実に流出口5を閉止することができる。
【0022】本実施例においては、製品の運搬時においても、すなわち、フロ―ト6が降下している状態でフロ―ト6に振動が加わった場合においても、支持座16,17の位置を流出口5の上端よりも上に調節しておくことにより、フロ―ト6の振動が合成ゴム座15に伝わることがなく、フロ―ト6と流出口5の当接部の損傷が確実に防止される。
【0023】本実施例においては、調節ねじ28,29を介して支持座16,17を設けたことにより、弾性部材としての合成ゴム座15や弾性板状部材14が使用期間を経ると共に摩耗した場合に、調節ねじ28,29を回転して支持座16,17の位置を再調整することができ、より長期間に渡り流体の漏洩を防止することができる。
【0024】本実施例においては、フロ―ト6を円筒縦長状に形成したことにより、球状や角柱状の場合と比較して小さな空間でより大きな容積を確保することができ、フロ―ト6の重量もその容積と比例的に大きくすることができて流出口5を閉口した場合のシ―ル性を高めることができる。
【0025】また本実施例においては、ブロ―管25を設けたことにより、出口13側に圧縮空気管や蒸気管等を接続してブロ―管25側へ流下させ、弁座部材12とフロ―ト6の下部スペ―ス18を逆洗ブロ―することができ、ゴミやヘドロ状の油水の混濁物を外部へ排除することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の油水分離器では、フロ―ト下方部外表面の降下位置と流出口の端部位置の間に僅かな段差を弾性部材を介して、且つ、その段差を調節可能にして設けたことにより、フロ―トの振動がその僅かな段差分に押えられて当接部が損傷することがないと共に、製品の運搬時においても段差を調節することによってフロ―トと流出口が当接しないようにして損傷を防止することができる。




 

 


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