米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> クレハエラストマー株式会社

発明の名称 ゴムフィルム複合体の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−113934
公開日 平成10年(1998)5月6日
出願番号 特願平9−180730
出願日 平成9年(1997)6月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 了司
発明者 久世 勝朗 / 加藤 重光 / 野並 宏典
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基材フィルム、接着性改良剤を含むゴム組成物からなる未架橋ゴムフィルムおよびカバーシートの積層体に電子線照射による架橋処理を行い、しかるのち上記のカバーシートを剥離して基材フィルムとゴムフィルムとからなるゴムフィルム複合体を製造する方法において、カバーシートを剥離する前に行う電子線照射の基材フィルムとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーをカバーシートとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーよりも大きくすることを特徴とするゴムフィルム複合体の製造法。
【請求項2】 電子線照射を少なくとも1回は基材フィルム側から行う請求項1に記載のゴムフィルム複合体の製造法。
【請求項3】 接着性改良剤がラジカル反応に対して活性な官能基を含む化合物である請求項1または2に記載のゴムフィルム複合体の製造法。
【請求項4】 カバーシートを剥離した後のゴムフィルム複合体に電子線照射をして架橋処理を行う請求項1〜3のいずれかに記載のゴムフィルム複合体の製造法。
【請求項5】 ゴムフィルムと基材フィルムとの層間剥離強度が4N/20mm以上である請求項1〜4のいずれかに記載のゴムフィルム複合体の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴムフィルム複合体の製造法に関し、より詳しくはゴムフィルムと基材フィルムの積層体からなり、ゴムフィルムと基材フィルム間の界面接着力が優れ、かつゴムフィルムの表面粗度を任意に設定可能なゴムフィルム複合体の製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴムフィルムは、クッション性を有しているため、産業上の広い分野でシール材やクッション材等に使用されている。しかしながら、ゴムフィルム、特にシリコーンゴムフィルムやエチレンプロピレン系ゴムフィルムは、他の素材との接着性に乏しいため、ゴムフィルムを装置や部品に組み込む場合に高価な接着剤を必要とした。また、ゴムフィルムは、柔軟であるため、組み込み作業時の作業性に劣る等の欠点も有していた。このような問題を解決する手段として、ゴムフィルムと同様に耐熱性に優れ、かつゴムフィルムよりも接着性が良好で、低価格の汎用接着剤で接着可能なポリエステルフィルム等の基材フィルムと複合することが知られており、この方法はゴムフィルムが基材フィルムで補強されるため、組み込み作業時の作業性は向上するが、ゴムフィルムと基材フィルム間の接着性が悪いため実用化されていない。
【0003】ゴム、例えばシリコーンゴムと他の素材との接着性を向上する手段として、シリコーンゴムにアリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレートを配合すること(特開昭54−162751号公報参照)、ヘキサビニルジシロキサン、ジメチルテトラビニルジシロキサン等のオルガノシロキサンを配合すること(特開平3−111452号公報参照)、アルケニルカーボネート基含有化合物および/またはメルカプトアセテート基含有化合物を配合すること(特開平8−120177号公報参照)等が提案されているが、これらを配合したシリコーンゴムやエチレンプロピレン系ゴムからなるフィルムをポリエステルフィルムに積層しても、両フィルム間の界面接着力はまだ不十分であって、実用的な複合体が得られていない。
【0004】一方、上記のゴムフィルム複合体は、使用目的により、その表面粗度を種々に変えたい場合がある。例えば、コンパクトディスクのドライブテーブル上に取付けるための緩衝用ゴムシートにおいては、コンパクトディスクのグリップ性と離脱性をバランスさせるため、表面粗度を適度に設定する必要がある。このような目的でゴムフィルム複合体の表面粗度をコントロールする方法として、表面粗度の異なる種々の合成樹脂フィルムや布帛をカバーシートとして未架橋状態のゴムフィルム表面に重ね合わせてカバーシートの表面形態をゴムフィルムに転写する方法が知られている。例えば、一般のゴムシートの表面に微細な凹凸を付与する手段として、マット加工やエンボス加工を施したポリエチレンフィルムや塩化ビニルフィルム、またはナイロンタフタやポリエステルタフタ等のフィラメント織物をカバーシートに用いた目付けが広く行われている。
【0005】ところで、上記のカバーシートは、上記ゴムフィルムの未架橋時にその表面に重ね合わされ、架橋後に剥離されるが、前記のようにゴムフィルムに基材フィルムとの界面接着力を向上させる接着力向上剤が配合されている場合は、架橋後にカバーシートを剥離しようとしても、ゴムフィルムとカバーシートの界面接着力も向上しているため、カバーシートの剥離が困難になり、かといって架橋処理前にカバーシートを剥離したのでは、ゴムフィルムがカバーシートに付着するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、任意のゴムフィルムと任意の基材フィルムの積層体からなり、その界面接着力に優れ、各種の装置や部品に組み込む際に安価な汎用接着剤で接着加工を行うことができ、組み込み作業の際の作業性が良好なゴムフィルム複合体であって、しかもゴムフィルムの表面粗度を光沢面や梨地等の任意の粗度に設定することができるゴムフィルム複合体の製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、請求項1に記載のように、基材フィルム、接着性改良剤を含むゴム組成物からなる未架橋ゴムフィルムおよびカバーシートの積層体に電子線照射による架橋処理を行い、しかるのち上記のカバーシートを剥離して基材フィルムとゴムフィルムとからなるゴムフィルム複合体を製造する方法において、カバーシートを剥離する前に行う電子線照射の基材フィルムとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーをカバーシートとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーよりも大きくすることを特徴とするゴムフィルム複合体の製造法である。
【0008】この発明では、接着性改良剤が配合されたゴム組成物からなるゴムフィルムが用いられ、このゴムフィルムが基材フィルムに積層されるため、基材フィルムとゴムフィルムの層間接着力が強化され、その界面から容易に剥離することがなくなり、そのためゴムフィルム単体に比べて種々の装置に組み込む際の作業性が向上し、かつ上記の装置等に接着で固定する際、基材フイルムの表面を接着面に用いることにより、汎用接着剤による接着が可能になる。しかも、電子線照射条件が特定されており、ゴムフィルムとカバーシートとの間の層間接着力が低く抑えられ、カバーシートの剥離が容易になる。
【0009】この発明における基材フィルムは、ゴムフィルムに比べて接着性が良好で、かつ腰のあるフィルムであり、更に電子線照射で崩壊しないフィルムであれば特に限定されない。例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリハロゲン化ビニルフィルム、ポリハロゲン化ビニリデンフィルム等が挙げられる。
【0010】上記の基材フィルムとして、その表面を活性線で処理したり、表面に接着性を向上させる化合物を積層したりした易接着性ポリエステルフィルムを使用することができ、この場合は前記ゴムフィルムにおける接着性向上剤の配合量を少なくすることができる。上記の活性線による処理方法としては、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、火炎処理等が例示され、易接着性フィルムの易接着成分としては、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアクリル系の化合物、またはこれらの配合物等が挙げられる。また、易接着層を積層する方法は、製膜時に積層するいわゆるインライン法、または製膜したフィルムに積層するいわゆるオフライン法のいずれでもよい。そして、易接着層を積層したフィルムの易接着層表面を更に上記の活性線で処理することができるが、これらに限定されるものではない。
【0011】この発明に用いられるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)およびフッ素ゴム(FKM)等の任意のゴムおよびこれらの混合物を使用することができる。
【0012】上記のゴム成分に配合される接着性改良剤は、ゴム組成物の基材フィルムに対する接着性を向上させるものであれば特に限定されないが、請求項3に記載のごとく、ラジカル反応に対して活性な官能基を含む化合物が好ましい。この化合物としては、アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体およびアリル誘導体等が例示されるが、これらの誘導体の中で不飽和結合を2個以上、特に3個以上有する化合物が好ましい。これらの化合物は、ゴムの共架橋剤として広く使用されている化合物であり、多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、多価カルボン酸のアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
【0013】上記多価アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルは、2個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールのアルコール性水酸基2個以上をアクリル酸やメタクリル酸でエステル化したエステル化合物であり、例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3ブタンジオールジアクリレート、1,3ブタンジオールジメタクリレート、1,4ブタンジオールアクリレート、1,4ブタンジオールメタクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,2′ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロン、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールテトラメタクリレート、ダイマージオールジアクリレート、ダイマージオールジメタクリレート等が挙げられ、特に3個以上のアリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを含む化合物が好ましい。なお、上記の化合物は、アクリル酸およびメタクリル酸のそれぞれの単独エステル化合物を例示したが、アクリル酸とメタクリル酸の混合エステルの形であってもよい。
【0014】また、多価カルボン酸のアリルエステルとしては、フタル酸ジアリレート、トリメリット酸ジアリレート、ピロメリット酸テトラアリレート等が挙げられる。
【0015】上記ゴムフィルムの接着性改良剤は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。また、この発明に用いられる接着性改良剤は、上記の例示化合物に限定されるものではない。
【0016】上記接着性改良剤の配合量は、全ゴム成分100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部であり、0.2重量部未満では基材フィルムとの接着強度が不十分となり、反対に20重量部を超えると上記接着強度の向上効果が飽和に達し、かつゴムの物性が低下する。なお、必要に応じて補強性充填剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤用分散剤等を配合することができる。また、上記の接着性改良剤による接着性向上効果を促進させるための接着性向上促進剤として、過酸化物を配合することができる。
【0017】ゴムに上記配合剤を配合する方法は、特に限定されず、例えばゴムコンパウンドを作製する際に2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー(ニーダー)などのゴム練り機を用いて行ってもよく、またゴムを溶剤に溶解し、流延法で製膜する場合は、ゴムコンパウンドを溶媒に溶解して溶液を作製する際、または得られた溶液に添加配合する方法で実施してもよい。
【0018】この発明のカバーシートは、ゴムフィルムの表面粗度を制御するものである。すなわち、未架橋ゴムの可塑性を利用してカバーシートの表面形状を未架橋ゴムフィルムの表面に転写するものであり、表面形状が制御されたフィルム、布帛、紙等が用いられる。このカバーシートは、腰が弱い方が取扱い易い点で、フィルムおよび布帛が好ましい。素材は特に限定されず、ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、ポリカプロアミドやポリヘキサメチレンアジポアミドに代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステルおよびポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0019】上記カバーシートの表面粗度は、ゴムフィルムに要求される表面粗度に応じて任意の手段で付与される。例えば、フィルムを用いる場合は、表面を鏡面に仕上げたフィルムの外、レジンの重合時や成膜時にポリマーに対して不活性の微粒子を配合する方法およびマット加工やエンボス加工等が挙げられる。また、布帛を用いる場合は、タフタのようなフィラメント織物が好ましく、経糸および緯糸の太さ、密度等によって表面粗度を種々に制御することができる。なお、厚みは、特に限定されないが、取扱い性と経済性の点から、0.015〜0.10mm程度の薄地のものが好ましい。
【0020】この発明において、基材フィルムにゴムフィルムを積層する方法は、任意であり、例えば、ゴム組成物を溶媒に溶解した溶液を基材フィルムの表面に塗工、乾燥してゴムの薄膜を形成する方法、ゴム組成物を高圧下で基材フィルムの表面に押出してゴムの薄膜を形成する方法およびカレンダー法等が挙げられる。液状シリコーンゴムのような液状ゴムを用いる場合は、溶剤で希釈することなく塗工する方法でもよい。なお、本発明におけるゴムフィルムおよび基材フィルムの厚み構成比は、複合体の用途に応じて任意に設定することができる。
【0021】また、カバーシートの積層方法も、カバーシートの表面形状を制御した面をゴムフィルム面側に向けて、かつ架橋処理の前に積層する以外は、特に限定されないが、未架橋のゴムフィルム複合体のゴム表面に上記のカバーシートを重ね、ニップロールに通して積層するのも一方法である。
【0022】なお、この発明における基材フィルムおよびカバーシートの定義は、最終製品であるゴムフィルム複合体の構成により決定される。すなわち、ゴムフィルム複合体のゴムフィルムに一体化された方が基材フィルムであり、製造過程で剥離される方がカバーシートである。例えば、ポリエステルフィルム上にゴムフィルム、次いでポリエチレンフィルムを積層した三層構造の積層体に電子線照射による架橋処理を行ってゴムフィルム複合体を製造する場合、ポリエステルフィルムは、積層体の製造では基材フィルムであるが、この発明では必ずしも基材フィルムとは限らない。すなわち、電子線照射の後でポリエステルフィルムを剥離した場合は、このポリエステルフィルムがカバーシートであり、ポリエチレンフィルムは基材フィルムである。
【0023】この方法は、例えば、ゴム組成物を溶媒に溶解して得られた溶液を塗工してゴムフィルム複合体を製造する方法において、ポリエチレンフィルムのような耐溶剤性の悪いフィルムを基材フィルムとする場合に好適な方法である。すなわち、ポリエチレンフィルムに溶液を塗工すると、ポリエチレンフィルムが溶剤に侵されて収縮じわがはいるため満足な積層体が得られないが、ポリエステルフィルムに溶液を塗工して乾燥した後にポリエチレンフィルムを積層し、このポリエチレンフィルムを基材フィルムとしてゴムフィルムと一体化すると、ポリエチレンフィルムの収縮がなく、実用的な積層体が得られる。
【0024】一方、ポリエチレンフィルムを剥離した場合は、ポリエステルフィルムが基材フィルムとなる。したがって、前記した基材フィルムにゴムフィルムを積層する方法は、製造法の一例であり、これに限定されるものではない。基材フィルムおよびカバーシートの変換は、後述の電子線照射条件の最適化により行うことができる。
【0025】この発明では、基材フィルム、接着性改良剤を含むゴム組成物よりなる未架橋ゴムフィルムおよびカバーシートの積層体に電子線照射による架橋処理を行い、次いで上記のカバーシートを剥離して基材フィルムとゴムフィルムとからなるゴムフィルム複合体を製造するが、この発明の最大の特徴は、カバーシートを剥離する前に行う電子線照射の基材フィルムとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーをカバーシートとゴムフィルムの界面にかかる電子線の総エネルギーよりも大きくすることにある。これによってゴムフィルム・基材フィルム間およびゴムフィルム・カバーシート間の接着力に差を生じさせることができる。すなわち、ゴムフィルム・基材フィルム間の接着力は強固となる一方、ゴムフィルム・カバーシート間の接着力は弱くなってカバーシートの剥離が容易となり、所望の表面粗度を備えたゴムフィルム複合体を得ることができる。この特徴は、ゴムフィルム・基材フィルム間およびゴムフィルム・カバーシート間の各接着力がそれぞれの界面にかかる電子線の照射エネルギーの支配を大きく受けるという事象の発見に基づいてなされたものである。
【0026】上記電子線の照射条件を達成する手段としては、請求項2に記載のごとく、電子線照射を少なくとも1回は基材フィルム側から行うことが好ましい。電子線照射においては、電子線が物質を透過する過程において電子線のエネルギーが減衰し、透過距離に比例して電子線のエネルギーが弱くなる。したがって、基材フィルム側から電子線を照射すると、基材フィルム・ゴムフィルム間の方がカバーシート・ゴムフィルム間よりも電子線エネルギーが大きくなり、上記本発明の必要要件を達成することができる。この物質を透過するときの電子線エネルギーの減衰度は、電子線の加速電圧に比例し、加速電圧を低くした方が減衰度が大きくなる。したがって、上記の両界面にかかる電子線エネルギーの差を大きくするためには、電子線の加速電圧を低くすることが好ましい。
【0027】なお、上記の両界面にかかる電子線エネルギーは、EDMULT(Energydeposision in multilayer absorber )と呼ばれる近似式で算出した値を用いた。また、計算は、R,Ito and T,Tabata: Radia.Center Osaka Prefect.Tech.Rep. No .8(1987)に記載されているパーソナルコンピュータのプログラムを用いて行った。
【0028】各界面にかける電子線のエネルギーの最適値は、構成要件である基材フィルム、ゴム組成物、カバーシートおよび接着性改良剤の種類および各構成成分の厚み等によって大きく変化するので、限定することはできない。目的とする製品に合わせて適宜に条件を設定すべきである。一般論としては、カバーシートの剥離強度を実用レベルにするためには、カバーシートと基材フィルムの界面にかかる電子線エネルギーを2Mrad 以下にすることが好ましい。
【0029】請求項4に記載のごとく、上記のカバーシートを剥離した後、ゴムフィルム複合体に電子線照射による再架橋処理を施すことができ、これによってゴムフィルムの架橋を完了させることができる。このときの電子線照射は、基材フィルム側またはゴムフィルム側のいずれから行ってもよいが、効率およびゴムフィルムの厚み方向に架橋度を均一化する意味から、ゴムフィルムの表面側から高加速電圧で行うのが好ましい。この電子線照射の条件は、ゴム成分の組成やゴムフィルムの厚み等により適宜に設定できる。
【0030】また、この発明では、請求項5に記載のごとく、ゴムフィルムと基材フィルムの層間剥離強度を4N/20mm以上に設定することが好ましい。特に好ましい層間剥離強度は6N/20mm以上であり、最も好ましい層間剥離強度は8N/20mm以上である。上記の層間剥離強度が4N/20mm未満では、複合フィルムを部品や装置に組み込んだ場合に外力によって層間に剥離が生じ易いため、実用性が低下する。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施形態1シリコーンゴム100重量部に対し多価アルコールのメタクリル酸エステルを0.2〜20重量部配合し、混練して得られたシリコーンゴム組成物をトルエン等の溶媒に溶解してゴム溶液とし、該ゴム溶液を乾燥後厚みが0.02〜0.5mmとなるようにポリエステルフィルム(基材フィルム、厚み0.01〜0.3mm)の表面に塗布、乾燥し、このゴムフィルム面にカバーシートとしてポリエチレンフィルムを、その表面粗度の制御された面がゴムフィルムに接するように圧着して上記カバーシートの凹凸をゴムフィルムの表面に転写し、次いで基材フィルムの側から100〜1000KV、1〜30Mrad の電子線を照射してプレ架橋を施し、上記のカバーシートを剥離する。しかるのち、得られた複合体を再び電子線照射装置に導き、ゴムフィルム側から100〜1000KV、1〜30Mrad の電子線を照射してポスト架橋を行う。得られたゴムフィルム複合体は、シリコーンゴムフィルムとポリエステルフィルムとの積層体であり、その層間剥離強度は8N/20mm以上となる。
【0032】上記のゴムフィルム複合体は、ゴムフィルムと基材フィルムの層間剥離強度が強く、基材フィルムの面を接着面として使用することにより、市販の汎用接着剤で所望の機材に容易に接着することができ、しかもゴムフィルムと基材フィルムの界面から外力で剥離されることがなく、実用的である。例えば、ゴムフィルムを機材に接着する際に広く使用されている両面粘着テープを用いた場合、上記界面での接着力が強いため、外力を加えたときに界面で剥離が生じることはなく、両面粘着テープによる接着部で剥離が生じる。
【0033】そして、基材フィルムの表面にカバーシートからの転写により鏡面や梨地等の任意の凹凸が形成され、例えば梨地状の微細な凹凸が形成されると、コンパクトディスク等のドライブテープルにゴムフィルム面を上にして接着して用いたとき、コンパクトディスクのグリップ力とクッション性が良好になる。また、ゴムフィルムと基材フィルムとからなる複合体であり、ゴムフィルム単体に比べて腰が強いため、任意の装置に組み込む際の作業性に優れる。したがって、ゴムフィルムのクッション性を十分に活かしてクッション材やシール材として使用可能になる。
【0034】実施形態2カバーシートとしてマット加工を施したポリエステルフィルムを用い、そのマット加工面に実施形態1のゴム溶液を塗布、乾燥し、このゴムフィルム面に基材フィルムとしてポリエチレンフィルムを重ねて圧着し、このポリエチレンフィルム側から電子線照射によるプレ架橋を行ってカバーシートのポリエステルフィルムを剥離する以外は、実施形態1と同様にしてポリエチレンフィルムとシリコーンゴムフィルムとからなるゴムフィルム複合体を得る。
【0035】実施形態3液状シリコーンゴム組成物を用い、これを希釈することなく直ちに多価アルコールのメタクリル酸エステルを添加、攪拌し、しかるのちポリエステルフィルム(基材フィルム)の表面に塗布した後、乾燥することなく、その表面にナイロンタフタをカバーシートとして重ね、圧着して上記タフタ表面の経糸・緯糸が作る凹凸をシリコーンゴムフィルムの表面に転写し、しかるのち実施形態1と同様にして電子線照射によるプレ架橋、カバーシートの剥離およびポスト架橋を順に行って厚みが0.03〜0.5mmのゴムフィルム複合体を得る。得られたゴムフィルム複合体は、シリコーンゴムフィルム表面にカバーシートから転写された織り目状の凹凸を備え、かつシリコーンゴムフィルムと基材フィルムの界面剥離強度が強く、実施形態1のゴムフィルム複合体と同様に使用できる。
【0036】実施形態4実施形態1のシリコーンゴムに代えてEPDMを用いる以外は実施形態1と同様にしてEPDMゴムフィルムとポリエステルフィルム(基材フィルム)の積層体からなるゴムフィルム複合体を得る。この場合は、ゴムフィルムがEPDMで構成されるため、実施形態1のゴムフィルム複合体に比較してゴムフィルムの耐オゾン性および耐熱老化性が向上する。
【0037】実施形態5実施形態1または4のゴム組成物をカレンダーでシート状に成形し、基材フィルムおよびカバーシートを重ねて圧着し、前記同様に電子線照射によるプレ架橋、カバーシートの剥離およびポスト架橋を順に行ってゴムフィルム複合体を得る。なお、カレンダーに代えて押出しで成形してもよい。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳述する。なお、以下の記載で「部」は重量部を示す。
【0039】実施例1シリコーンゴムコンパウンドとして、市販の高強度型シリコーンゴムコンパウンドおよび市販の一般成形用シリコーンゴムコンパウンドを60:40の重量比で配合し、2本ロールを用い、100〜200℃で混練して厚み3mmのゴムシートを成形した。この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片とし、この細片をトルエンに対する重量比率が23%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にトリメチロールプロパントリメタクリレートを、シリコーンゴムコンパウンド100部に対して2部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧が−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0040】次いで、上記の溶解、脱泡で得られたシリコーンゴム溶液をロールコーターに供給し、コロナ処理を施した厚み0.038mmのポリエチレンテレフタレートフィルム(基材フィルム)のコロナ処理面に乾燥後厚みが0.15mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入し、80℃で乾燥し、そのシリコーンゴム側の面に、ポリエチレンからなり片面にエンボス加工で微細な凹凸が形成された厚みが0.1mmのカバーシートをエンボス加工面がシリコーンゴムに向くように重ね、圧着ロールを用いて圧力49N/cmで押さえながら連続して積層し、得られた積層体を更に連続して電子線照射装置に導き、基材フィルムの側から150KV、10Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を施し、しかるのちカバーシートを剥離し、シリコーンゴムフィルムとポリエステルフィルムからなる総厚み0.188mmの複合体を得、これをロール状に巻取った。そして、上記の複合体を再び電子線照射装置に導き、シリコーンゴムフィルム側から200KV、10Mradの電子線を照射してポスト架橋処理を行い、カバーシートのエンボス加工面が良好に転写されたシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0041】比較例1実施例1において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例1と同様にして比較例1のシリコーンゴムフィルム複合体を製造した。
【0042】比較例2実施例1において、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行う以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0043】実施例2実施例1において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加量を1部とし、かつ基材フィルムとしてポリエステルフィルムの表裏両面にポリエステル系の接着性向上剤(テレフタル酸、イソフタル酸、3−スルホイソフタル酸のナトリウム塩、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールよりなるポリエステル)を積層した易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、更にカバーシートとしてマット加工を施した厚み0.05mmのポリエチレンフィルムを用いる以外は実施例1と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。なお、シリコーンゴムフィルムの表面は、カバーシートの表面に対応し実施例1よりも表面粗度の低いものであった。
【0044】比較例3実施例2において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例2と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0045】比較例4実施例2において、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行う以外は実施例2と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0046】実施例3実施例2において、 (1)シリコーンゴムコンパウンドとして、市販の高強力型シリコーンゴムコンパウンド、市販の一般成形用シリコーンゴムコンパウンドおよび市販の導電型シリコーンゴムコンパウンドを用い、これらを70:10:20の比率で混練し、 (2)カバーシートとしてナイロンタフタを用い、 (3)プレ架橋処理時の電子線の加速電圧を200KV、エネルギを2Mrad にする以外は、実施例2と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を製造した。なお、上記複合体のシリコーンゴムフィルム表面には、ナイロンタフタの布目がきれいに転写されていた。
【0047】比較例5実施例3において、プレ架橋処理を行うことなくカバーシートの剥離を行ったところ、シリコーンゴムフィルムがナイロンタフタに付着してしまい、基材フィルムと積層されたゴムフィルム複合体を製造できなかった。
【0048】比較例6実施例3において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合を省略する以外は、実施例3と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を製造した。
【0049】比較例7実施例3において、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行う以外は実施例3と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0050】実施例4実施例2において、接着改良剤としてトリメチロールプロパントリアクリレートを用い、かつその配合量を4重量部とする以外は、実施例2と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を製造した。
【0051】比較例8実施例4において、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行う以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を製造した。
【0052】実施例5実施例3において、ポリエステルフィルムとしてサンドマット加工をした厚み0.075mmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、そのサンドマット加工面にシリコーンゴム溶液を塗布すること、トリメチロールプロパントリメタクリレート配合量を4重量部とすることおよびポリエチレンフィルムとしてコロナ処理を施した厚み0.05mmのポリエチレンフィルムを用いる以外は、実施例3と同様の方法により積層体を得た。なお、上記のポリエチレンフィルムは、コロナ処理面をゴム面に合わせて積層した。
【0053】上記の積層体を電子線照射装置に導き、ポリエチレンフィルム側から150KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を施し、しかるのちポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、シリコーンゴムフィルムとポリエチレンフィルムとからなる総厚み0.20mmの複合体をロール状に巻取った。そして、この複合体を再び電子線照射装置に導き、シリコーンゴムフィルム側から200KV、10Mrad の電子線を照射してポスト架橋処理を行い、ポリエステルフィルムのサンドマット加工面が良好に転写されたシリコーンゴムフィルムとポリエチレンフィルムとからなるシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0054】比較例9実施例5において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの配合を省略する以外は、実施例5と同様にしてシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0055】実施例6ゴムとしてEPDM(エチレン含有量34%)を用い、下記の配合で常法により混練した。
EPDM 100.0部ポリエチレングリコール 2.5部ステアリン酸 0.5部老化防止剤A 1.5部老化防止剤B 0.7部フェノール・ホルムアルデヒド樹脂 2.0部MAFカーボン 30.0部FTカーボン 40.0部ナフテン系可塑剤 15.0部NN′−mフェニレンジマレイミド 1.5部2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 5.0部【0056】上記の混練ゴムを厚み10mmのゴムシートに成形し、この未加硫のゴムシートを切断して1cm角の細片とし、この細片をトルエンに対する重量比率が30%となるように秤量し、トルエンと共に真空脱泡装置付き攪拌機に投入し、大気圧下で15時間攪拌して上記細片をトルエンに溶解した後、該溶液にトリメチロールプロパントリメタクリレートを、EPDM100部に対して12部となるように添加し、均一に攪拌した後、真空脱泡装置を駆動し、ゲージ圧が−750mmHgの真空下で更に20分間攪拌し、脱泡した。
【0057】得られたEPDMゴム溶液をロールコーターに供給し、実施例2に用いた易接着性ポリエチレンテレフタレートフィルム(基材フィルム)に乾燥後厚みが0.25mmとなるように塗布し、続いてオーブンに導入し、80℃で乾燥し、そのゴム側表面に実施例1に用いたカバーシートのエンボス加工面を重ね、圧力49N/cmで押さえながら連続して積層し、得られた積層体を更に電子線照射装置に導き、基材フィルムの側から150KV、15Mrad の電子線を照射してプレ架橋処理を施し、しかるのちカバーシートを剥離し、EPDMゴムフィルムとポリエステルフィルムからなる複合体を得、これを再度電子線照射装置に導き、EPDMゴムフィルム側から200KV、15Mrad の電子線を照射してポスト架橋処理を行い、総厚み0.288mmのEPDMゴムフィルム複合体を得てロール状に巻取った。
【0058】比較例10上記の実施例6において、トリメチロールプロパントリメタクリレートの添加を省略する以外は実施例5と同様にして比較例10のEPDMゴムフィルム複合体を得た。
【0059】比較例11実施例6において、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行う以外は実施例6と同様にしてEPDMゴムフィルム複合体を得た。
【0060】実施例7前記実施例2のシリコーンゴム配合物、基材フィルム(ポリエステルフィルム)およびカバーシート(ポリエチレンフィルム)を用い、カレンダー法により実施例2と同じ構成に積層し、得られた積層体に実施例2と同様の電子線照射処理を施してシリコーンゴムフィルム複合体を得た。
【0061】上記の実施例および比較例の複合体におけるゴムフィルムに対するカバーシートの剥離強度および基材フィルムの剥離強度をそれぞれJIS K6854に準じ、T型剥離法で試験した。その結果を下記の表1に示す。ただし、表中の「実」は実施例を、「比」は比較例を示す。また、TMPはトリメチロールプロパントリメタクリレートを意味する。また、剥離強度で「超」を付したものは、測定時にゴムフィルムが破損したことを意味する。また、界面エネルギおよび剥離強度の「基側」はゴムフィルム・基材フィルム間を、「カ側」はゴムフィルム・カバーシート間をそれぞれ示す。なお、※は、電子線照射をカバーシート側から行ったものである。
【0062】
表 1 TMP プレ架橋 界面エネルギ ポスト架橋 剥離強度 配合量 電圧 エネルギ 基側 カ側 電圧 エネルギ 基側 カ側 (部) (KV) (Mrad) (Mrad) (KV) (Mrad) (Mrad)実1 2 150 10 8.2 0.7 200 10 10超 0.8比1 − 150 10 8.2 0.7 200 10 0.6 0.1比2 2 150 10 ※ 0.4 5.5 − − 0.2 10 超実2 1 150 10 8.2 0.7 200 10 12超 0.1比3 − 150 10 8.2 0.7 200 10 0.5 0.05 比4 1 150 10 ※ 0.7 8.1 − − 1.2 12 超実3 1 200 2 2.0 0.8 200 10 11超 1.8比5 1 − − − − − − ゴム付着比6 − 200 2 2.0 0.8 200 10 0.8 0.1比7 1 200 2 ※ 0.8 2.0 − − 2.0 11 超実4 4 150 10 8.2 0.7 200 10 10超 0.08 比8 4 150 10 ※ 0.4 5.5 − − 0.1 10 超実5 4 150 15 12.2 1.1 200 10 10以上 0.5比9 − 150 15 12.2 1.1 200 10 0.1 0.1実6 12 150 15 12.3 0.4 200 15 30 1.5比10 − 150 15 12.3 0.4 200 15 1.5 0.7比11 12 150 15 ※ 0.2 8.2 − − 0.2 20 実7 1 150 10 8.2 0.7 200 10 12超 0.1【0063】表1に示すように、実施例1〜7は、いずれもゴムフィルム・カバーシートの層間剥離強度が低くてカバーシートを円滑に剥離することができ、かつカバーシートのエンボス加工面、マット加工面、布目等が良好に転写され、しかもゴムフィルム・基材フィルムの層間剥離強度が高くて基材フィルムが剥離せず、実用性に優れていた。そして、これら実施例1〜7のゴムフィルム複合体は、基材フィルムであるポリエステルフィルムやポリエチレンフィルムの表面を接着面として使用すると、汎用の接着剤で機材に接着することが可能であり、かつゴムフィルム・基材フィルム間の接着力が強いので、外力により両者の界面で剥離することがなく、実用性に優れていた。例えば、基材フィルム側を両面粘着テープで任意の機材に接着した場合、ゴムフィルムを剥離しようとしても、剥離はゴムフィルムと基材フィルムとの間に起きないで、両面粘着テープによる接着部に起きた。また、上記の複合体は、ゴムフィルムの単体に比べて腰が強く、装置や部品に組み込む際の取扱いが容易で、作業性に優れていた。
【0064】これに対して比較例1、3、6、9、10は、接着改良剤の配合を省略したため、ゴムフィルム・基材フィルムの層間剥離強度が著しく低くなり、複合体を装置や部品に組み込んだ際に弱い外力で簡単に層間剥離が生じ、実用性に欠けていた。また、比較例2、4、7、8、11は、プレ架橋処理の電子線照射をカバーシート側から行ったので、ゴムフィルム・カバーシートの層間剥離強度が高くなり、カバーシートの剥離を円滑に行うことができなかった。また、比較例5は、プレ架橋処理を省略したため、前記のとおり、カバーシートの剥離に際してカバーシートにゴムが付着し、複合体を製造できなかった。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、任意の基材フィルムと任意のゴムフィルムとからなり、該ゴムフィルムの表面が市場要求に応じて任意の粗度に制御されたゴムフィルム複合体が得られ、しかもゴムフィルムからカバーシートを剥離する際、その剥離が容易で、しかもカバーシートにゴムが付着しない。そして、得られたゴムフィルム複合体は、ゴムフィルムと基材フィルムの複合体であるから、基材フィルム面を接着面として装置や部品に組み込む際、ゴムフィルム単体では接着力が弱くて使用できないような汎用接着剤を用いることができ、かつゴムフィルム単体に比べて腰が強いため、組み込み作業が容易になって能率が向上する。更に、上記のゴムフィルム複合体は、ゴムフィルムと基材フィルムの層間接着力が強いので、装置や部品に組み込んだ後に外力で剥離することがなく、産業上の広い分野でシール材や緩衝材として使用することができる。
【0066】請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の目的が容易に達成される。また、請求項3に記載の発明は、接着性改良剤としてラジカル反応に対して活性な官能基を含む化合物を用いるので、ゴムフィルムと基材フィルムの層間接着強度が向上し、実用性が向上する。
【0067】また、請求項4に記載の発明によれば、ゴムの架橋を容易に完了させることができる。また、請求項5に記載の発明によれば、ゴムフィルムと基材フィルムの層間接着力が強いので、装置や部品に組み込んだ後に両者が外力で剥離することはなく、産業上の広い分野でシール材や緩衝材として使用することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013