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発明の名称 コンベヤ用ゴムベルト
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−71676
公開日 平成10年(1998)3月17日
出願番号 特願平8−248956
出願日 平成8年(1996)8月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 了司
発明者 岡村 康弘
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ゴム製のベルト本体とその下面ゴム層に固着された網状シートからなり、この網状シートが合成繊維の長いフィラメント1本からなるモノフィラメント糸で構成され、上記の網状シートがベルト本体の下面ゴム層に一部埋没するように固着されて凹凸面を形成していることを特徴とするコンベヤ用ゴムベルト。
【請求項2】 ベルト本体に対する網状シートの固着が下面ゴム層の軟化状態で網状シートを重ねて熱プレスすることにより行われる請求項1記載のコンベヤ用ゴムベルト。
【請求項3】 合成繊維のモノフィラメント糸が超高分子量ポリエチレンからなる直径0.3〜1.0mmのフィラメント1本からなるモノフィラメント糸であり、網状シートが5〜12メッシュの平織物である請求項1または2に記載のコンベヤ用ゴムベルト。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンベヤ用ゴムベルトに関し、板上を摺動させて用いた際に下面の摺動抵抗が小さくなるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】板の上を摺動させて用いるためのコンベヤ用ゴムベルトとして、その下面(摺動面)にパラフィンワックスやフッ素樹脂塗料等の潤滑性物質を塗布して上記板との間の摺動抵抗を小さくすることが知られている。また、コンベヤ用ゴムベルトの下面ゴム層に超高分子量ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等の高分子微粒子または炭酸カルシウムやタルク、グラファイト等の無機微粒子を配合して分散させ、加硫後の研磨によって上記の微粒子を下面ゴム層の表面に露出させることが知られている。
【0003】しかしながら、上記の潤滑性物質を塗布したものは、塗布工程を必要とし、かつ塗布した潤滑性物質が摩耗によって早期に失われ、寿命が短いという問題があった。また、下面ゴム層に高分子または無機の微粒子を配合、分散させ、研磨によって露出させたものは、ゴムベルトを加硫した後、その下面を研磨する必要があり、工数が増えると共に、研磨に伴って塵埃が飛散するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、加硫後の下面ゴム層に潤滑性物質を塗布したり、上記下面ゴム層を研磨したりする必要がなく、加硫後に直ちに使用でき、しかも板の上で摺動させて用いた際の摺動抵抗が小さく、寿命が長いコンベヤ用ゴムベルトを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のコンベヤ用ゴムベルトは、請求項1に記載のごとく、ゴム製のベルト本体とその下面ゴム層に固着された網状シートからなり、この網状シートが合成繊維の長いフィラメント1本からなるモノフィラメント糸で構成され、上記の網状シートがベルト本体の下面ゴム層に一部埋没するように固着されて凹凸面を形成していることを特徴とする。
【0006】上記のベルト本体は、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよびウレタンゴム等の耐摩耗性ゴムに高ストラクチャーのカーボンブラック、加硫剤、加硫助剤、可塑剤等を常法にしたがって配合、混練し、所望の厚さのシート状に成形して作られ、必要に応じて中間層に織物、編物等の補強用繊維層を介在させ一体化したものである。
【0007】上記の網状シートは、合成繊維のモノフィラメント糸によって作られる。合成繊維としては、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維およびフッ素繊維等が例示されるが、ポリアセタール繊維や超高分子量ポリエチレン繊維は高強度、高弾性率であり、しかも摺動性とゴムに対する接着性が良好な点で特に好ましい。
【0008】上記の合成繊維は、比較的太いフィラメントの1本をそのまま糸にしたモノフィラメント糸の形で用いられる。比較的細いフィラメントの多数本を集束して1本の糸としたマルチフィラメント糸や多数本の細く短いステープルを撚って1本の糸とした紡績糸は、個々のフィラメントやステープルが細く、摩擦や引っ掛けによって切断し易く、かつ糸の表面に凹凸が存在して摺動性が低いので不適当である。また、上記モノフィランメト糸の太さは直径0.3〜1.0mmが好ましく、0.3mm未満ではベルト本体の下面に露出した部分が摩擦や引っ掛けで切断し易く、また1.0mmを超えると、剛性が過大で、網状シートの形成が困難になり、かつ目が粗くなってベルト下面の凹凸が大きくなり、平滑性が失われる。また、網状シートの組織は、上記モノフィラメント糸の屈曲が小さく、製造容易な点で織物の平織りが好ましい。
【0009】上記の網状シートをベルト本体の下面に固着する方法として、加硫済みベルト本体の下面ゴム層を再加熱し、網状シートを重ねて圧着し、下面ゴム層を部分的に変形させて凹ませながら網状シートの熱可塑性を利用して融着させる方法、網状シートを未加硫のベルト本体の下面ゴム層に重ね、プレス加硫を施し、加硫と同時に網状シートを融着する方法、およびベルト本体の片面の加硫を高温で完結させ、反対側を低温で半加硫とし、この半加硫面に網状シートを重ねて圧着し、加硫を完結させる方法等が例示されるが、半加硫状態で網状シートを重ねる第3の方法は、網状シートの埋没程度をコントロールし易い点で好ましい。なお、熱プレス時の温度は、網状シートを構成するモノフィラメント糸の融点付近が好ましい。
【0010】得られたベルト本体と網状シートの積層体は、所望の幅と長さに切断され、そのままコンベヤ用ゴムベルトとして供され、台板上を長さ方向に摺動させ、ゴムベルト上に物品を乗せて搬送するために使用される。この場合、ベルト本体の下面に合成繊維のモノフィラメント糸からなる網状シートが固着され、その一部がベルト本体の下面に露出して凹凸面を形成しているため、摺動抵抗が小さく、物品の搬送を円滑に行うことができ、かつ網状シートを構成するモノフィラメント糸が摩耗等で容易に切断されることがない。そして、網状シートを構成するモノフィラメン糸の厚み方向の一部がベルト本体の下面に埋没しているため、網状シートの耐剥離性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施形態1SBRにカーボンブラック、硫黄、加硫助剤、可塑剤等を常法にしたがって適量配合し、混練した後、厚さ2〜3mmのゴムシートを成形し、このゴムシートをナイロン帆布(補強用繊維層)の上下両面に重ねて3層構造のベルト本体とする。一方、分子量百万以上の超高分子量ポリエチレンからなる太さ0.3〜1.0mmのモノフィラメント糸を経糸および緯糸に用い、5〜12メッシュの平織物(網状シート)を製織する。次いで、図1に示すように、熱プレス機の下熱盤11上に上記未加硫のベルト本体12および網状シート13を重ねて置き、下熱盤11を上昇させ、この上下の熱盤11、14間に圧力2〜5 kgf/cm2 でベルト本体12および網状シート13を挟み、ベルト本体12の上面ゴム層に網状シート13の経糸13aおよび緯糸13bの一部を埋没させ、同時に温度140〜150℃で30〜20分間の加硫を行う。
【0012】得られたベルト本体12および網状シート13の積層体は、所望の寸法に切断され、図2(経糸13aに沿った断面図)および図3(2本の経糸13aの中間における経糸13aと平行な断面図)に示すように、網状シート13を下にして用いられる。この場合、ベルト本体12に未加硫の軟化状態で網状シート13が熱盤11、14により圧着されるため、上記熱盤11、14の圧力に応じて経糸13a、緯糸13bの一部(好ましくは経糸13aと緯糸13bの交差部で上側に位置する経糸13aまたは緯糸13bの全部と下側に位置する緯糸13b、経糸13aの上半部程度)がベルト本体12の下面ゴム層に埋没し、残り部分(好ましくは上記交差部で下側に位置する緯糸13b、経糸13aの下半部程度)がベルト本体12の下面に露出している。そして、ベルト本体12の下面に露出する経糸13aと緯糸13bの交差部の頂点が総てベルト本体12の上面から等しい高さに配置され、上記交差部の頂点がコンベヤ用ゴムベルトの摺動面を構成する。
【0013】実施形態2実施形態1のベルト本体12のみを上下の熱盤11、14間に挟み、下熱盤11の温度を170〜180℃に、また上熱盤14の温度を140〜150℃に、面圧を5〜15 kgf/cm2 にそれぞれ設定して上記のベルト本体12に5〜10分間の一次加硫を施し、ベルト本体12の下面の加硫をほぼ完結させ、上面を半加硫状態とし、上下の熱盤11、14を開く。次いで、半加硫状態にあるベルト本体12の上面に実施形態1の網状シート13を乗せて再び上下の熱盤11、14を閉じ、温度130〜140℃、圧力2〜5 kgf/cm2 で2〜4分間の二次加硫を施し、実施形態1と同様にベルト本体12の下面ゴム層に網状シート13が一部埋没状に積層されたコンベヤ用ゴムベルトを得る。
【0014】実施形態3実施形態1のベルト本体12のみを上下の熱盤11、14間に挟み、上下の熱盤11、14の温度をそれぞれ170〜180℃に設定して上記ベルト本体12を5〜10分間加硫する。得られた加硫済みベルト本体12の片面に実施形態1の網状シート13を重ねて再び上下の熱盤11、14間に挟み、温度130〜140℃、圧力2〜5 kgf/cm2 で2〜4分間圧着し、ベルト本体12が変形して網状シート13が一部埋没するように融着させる。この場合は、ベルト本体12に対する網状シート13の埋没深さが実施形態1、2に比べて浅くなる反面、網状シート13を構成する経糸13a、緯糸13bが偏平化されベルト本体12の下面に密着する。
【0015】実施形態4実施形態1のベルト本体12のみを連続加硫機(ロートキュア)に供給して加硫し、連続加硫機を出た直後、得られた全加硫または半加硫のベルト本体12を走行させながら実施形態1の網状シート13を重ね、予熱を利用しロールによる圧着でベルト本体12と網状シート13を一体化する。
【0016】
【実施例】下記表1の配合ゴムをミキシングロールで混練し、厚み2mmのゴムシートを成形し、1200デニールのナイロン糸からなる平織り帆布の上下両面に重ねてベルト本体12とした。
【0017】
表 1 配合1 配合2 スチレンブタジェンゴム 100部 100部 亜鉛華 2部 2部 ステアリン酸 1部 1部 SAFカーボンブラック 60部 20部 プロセスオイル 10部 10部 硫黄 2部 2部 TMTD(加硫促進剤) 0.2部 0.2部 CBS(加硫促進剤) 0.8部 0.8部 超高分子量ポリエチレン粉末 0部 60部【0018】超高分子量ポリエチレンからなる直径0.545mmのモノフィラメント糸を経糸および緯糸に用いて7メッシュの平織物を製織し、これを網状シート13として上記配合1のベルト本体12の下面ゴム層に重ね、上下の熱盤11、14間に圧力15 kgf/cm2 で挟み、温度150℃で10分間の加硫を行い、図2および図3に示されるように、ベルト本体12の下面に網状シート13の一部が埋没し、経糸13aおよび緯糸13bの交差部において下側に位置する経糸13aまたは緯糸13bの下半部が露出するように固着されたベルト本体12と網状シート13の積層体からなるベルト材料(実施例)を得た。
【0019】比較例1上記実施例の網状シート13を省略する以外は実施例と同様にして比較例1のベルト材料を得た。
【0020】比較例2上記比較例1のベルト材料の下面にフッ素系潤滑剤(米国ケム・トレンド社製「モノコートE272A」)を塗布、乾燥して厚さ6μmの潤滑性硬質塗膜を形成して比較例2のベルト材料を得た。
【0021】比較例3前記配合2から得られたベルト本体を実施形態1と同様に加硫した後、その表面を研磨して超高分子量ポリエチレン粉末を露出させ、比較例3のベルト材料を得た。
【0022】上記の実施例および比較例1〜3のベルト材料から直径120mmの円板を鋏で切り取って試験片とし、JIS K6264のテーバー摩耗試験法により、摩耗試験を行った。ただし、試験時の荷重を1000gfに設定し、試料を乗せた回転テーブルを1000回転させ、砥石にH−22を用いた。この摩耗試験の結果を静摩擦係数および動摩擦係数の測定値と共に下記の表2に示す。
【0023】
表 2 実施例 比較例1 比較例2 比較例3 摩耗量(mmg) 53 135 94 39 静摩擦係数 0.41 0.85 0.51 0.44 動摩擦係数 0.32 0.78 0.47 0.41【0024】上記の実験結果から分かるように、この発明の実施例は、網状シートを有しない比較例1に比べて摩耗量が少なく、摩擦係数も小さい。また、上記網状シートの代わりに潤滑性硬質塗膜を設けた比較例2に比べて摩耗量が少なく、摩擦係数が小さく、しかも加硫後に潤滑剤の塗布、乾燥が不要である。また、網状シートを積層する代わりに超高分子量ポリエチレン粉末を配合し、研磨により露出させた比較例3に比べて摩耗量が若干多いものの、摩擦係数が小さく、かつ加硫後の研磨を要しない。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、台板上に下面の網状シートが接するように置いて台板上を摺動させた際、摺動抵抗が小さく、摩耗が少なく、しかも加硫後に潤滑剤を塗布したり、研磨して微粒子を露出させたりする必要がなく、台板上を摺動させて使用するコンベヤ用ゴムベルトとして優れている。
【0026】また、請求項2に記載の発明によれば、網状シートの固着が容易で、ベルト本体の下面に形成される凹凸の凸部の高さが均一に揃えられる。また、請求項3記載の発明は、網状シートの接着性および摺動性が特に良好になる。




 

 


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