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発明の名称 濾過材及びこれを用いたフィルタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−314520
公開日 平成10年(1998)12月2日
出願番号 特願平9−143191
出願日 平成9年(1997)5月16日
代理人
発明者 今井 孝次
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 平均繊維径0.1〜10μmの生分解性繊維からなる不織布Aと、平均繊維径10〜70μmの生分解性繊維からなる不織布Bとが、一体化した層を有することを特徴とする濾過材。
【請求項2】 超音波により融着一体化していることを特徴とする、請求項1記載の濾過材。
【請求項3】 不織布Aがメルトブロー法により形成されたものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の濾過材。
【請求項4】 不織布Bが水流絡合法及び/又はニードルパンチ法により形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の濾過材。
【請求項5】 プリーツ加工されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の濾過材。
【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の濾過材が枠に固定されていることを特徴とするフィルタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体又は液体から固体を分離できる濾過材、及びこれを用いたフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から濾過材を構成する繊維として、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリクラール繊維、ポリ塩化ビニル繊維などを使用していた。これら繊維からなる濾過材を使用した後は、焼却処理したり、埋め立てるなどの方法により処分していた。
【0003】しかしながら、前者の焼却処理する場合には多額の費用が必要となり、また、焼却による排煙によって環境を汚染するという問題があった。他方、埋め立て処理する場合には、濾過材を構成する繊維に自己分解性がないか、きわめて低く、半永久的にその形状を維持するため、限りなく広い廃棄場所が必要となるが、近い将来には、その廃棄場所がなくなるという問題があった。
【0004】そのため、近年開発された生分解性樹脂を使用した濾過材が提案されている(例えば、特開平7−163821号)。しかしながら、単純に生分解性樹脂を使用して濾過材を形成したのでは、給塵量が少ない、剛性がない、強度がない、或いは捕集効率が悪いなど、濾過材本来の性能が損なわれるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、濾過材としての性能、生分解性ともに優れる濾過材、及びこれを用いたフィルタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の濾過材は、平均繊維径0.1〜10μmの生分解性繊維からなる不織布Aと、平均繊維径10〜70μmの生分解性繊維からなる不織布Bとが、一体化した層を有するものである。このように、本発明は不織布Aによる捕集効率の高さと、不織布Bによる給塵量の多さ、剛性、及び強度とを組み合わせることにより、濾過材としての性能を維持し、かつ不織布A、不織布B共に生分解性繊維から構成することにより、濾過材使用後の廃棄の問題も解決したのである。
【0007】本発明のフィルタは上記のような濾過材が枠に固定されたものであるため、フィルタ使用後に濾過材のみを廃棄すれば、自然に還元することができる。なお、枠も生分解性樹脂から構成すれば、フィルタ全体を自然に還元することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の不織布Aは濾過材における捕集効率を高める働きと、廃棄して自然に還元できるように、平均繊維径0.1〜10μmの生分解性繊維からなる。好ましい平均繊維径は0.2〜8μmであり、より好ましい平均繊維径は0.4〜6μmである。このように不織布Aを構成する繊維の平均繊維径が小さく、繊維表面積が広いため、より生分解しやすいという特長も生じる。
【0009】他方、不織布Bは給塵量を多くし、剛性、及び強度を濾過材に付与できるように、また、廃棄して自然に還元できるように、平均繊維径10〜70μmの生分解性繊維からなる。好ましい平均繊維径は13〜58μmであり、より好ましい平均繊維径は15〜30μmである。このように不織布Bを構成する繊維は比較的平均繊維径の大きい生分解性繊維から構成され、不織布Bの空隙も比較的大きいため、微生物等が侵入しやすく、不織布Bの全体から生分解しやすいという特長も生じる。
【0010】本発明における平均繊維径とは、不織布を構成する繊維が短繊維の場合には、50本の短繊維における繊維径の平均値をいい、長繊維の場合には、50点における繊維径の平均値をいう。なお、繊維断面形状が非円形である場合には、繊維断面積と同じ面積を有する円の直径を繊維径とみなす。
【0011】本発明の不織布A又は不織布Bを構成する生分解性繊維として、例えば、ポリ乳酸系、脂肪族ポリエステル系、ラクトン樹脂、澱粉/ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミノ酸など単独、又は混合したもの、或いはレーヨン繊維などのセルロース系繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛などの動物繊維を使用できる。これらの中でもポリ乳酸系、脂肪族ポリエステル系、又はラクトン樹脂は熱融着性に優れており、不織布Aと不織布Bとを融着により一体化しやすいため、好適に使用できる。特に、不織布Bは強度や剛性を必要とするため、引張強さ等の力学的特性に優れ、しかも吸湿性がなく、濾過材の使用中における生分解の心配のないポリ乳酸系生分解性繊維から構成されるのが好ましい。なお、これら生分解性樹脂又は生分解性繊維は市販されているため、容易に入手できる。また、生分解性繊維中に難燃剤などの各種機能性物質を練り込むことによって、各種機能を濾過材に付加することができる。
【0012】このような生分解性繊維からなる不織布A及び不織布Bは、例えば、カード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、或いはスパンボンド法、メルトブロー法などの直接法により繊維ウエブを形成した後、水流絡合法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法を単独で、又は併用することにより形成できる。なお、直接法により繊維ウエブを形成した場合には、必ず結合手段を講じる必要はない。
【0013】不織布Aは前述のような平均繊維径からなるため、生分解性樹脂成分のみからなる外力により分割可能な複合繊維から繊維ウエブを形成し、水流絡合法及び/又はニードルパンチ法により、絡合すると同時に分割して形成したり、生分解性樹脂成分を含む、抽出により分割可能な複合繊維から繊維ウエブを形成し、前述の方法により結合した後に、少なくとも1つの樹脂成分を抽出除去することにより生分解性成分からなる繊維を発生させて形成したり、或いは、メルトブロー法により形成するのが好ましい。これらの中でも、メルトブロー法により形成すると、結晶化度が低く、より生分解しやすいため、より好適である。この好適であるメルトブロー法は、前記平均繊維径を有する生分解性繊維を紡出できれば良く、常法により紡出することができる。
【0014】他方、不織布Bを水流絡合法及び/又はニードルパンチ法により形成すると、強度、給塵量に優れ、しかも生分解性繊維同士を結合するための樹脂を必要としないので、好適である。この水流絡合やニードルパンチは、30N/5cm幅程度以上の強度を付与できる条件で行なえば良く、常法により行なうことができる。
【0015】本発明の濾過材はこのような不織布Aと不織布Bとが一体化した層を有するものである。この一体化の方法としては、水流による方法、ニードルパンチによる方法、接着剤による方法、熱融着による方法、或いはこれらを併用する方法がある。これらの中でも熱融着による方法は少ない融着面積で十分に一体化することができ、しかも圧力損失の上昇が少なく、また捕集効率の低下がないため、好適な一体化方法である。なお、いずれか一方の不織布(A又はB)上に他方の不織布(B又はA)となる繊維ウエブを積層し、一体化と同時に他方の不織布(B又はA)を形成しても良いし、繊維ウエブの状態で積層し、一体化と同時に両方の不織布(A及びB)を形成しても良いし、更には、一方の不織布(A又はB)上に、直接法により形成する繊維ウエブ(不織布B又は不織布A)を吹き付けても良い。
【0016】この好適である熱融着の中でも、超音波による融着一体化は、圧力損失を低く抑えることができ、しかも結晶化度を向上させない程度の圧力下で行うことができるため、生分解性の低下を抑えることができ、好適である。この超音波による融着は不織布A及び不織布Bの全体にわたって部分的に、つまり点状及び/又は線状に行うのが好ましい。この融着状態は、格子状、千鳥状、ランダムであっても良いし、或は融着部分によって正方形、正六角形などの多角形状を形成するように融着しても良い。なお、融着面積が広くなると、圧力損失が高くなるので、融着面積は5%以下であるのが好ましい。
【0017】この超音波発生装置としては、例えば、磁ワイ形振動子、圧電形振動子、電ワイ形振動子、電磁形振動子、サイレン形発振子、空洞共振形発振子、クサビ共振形発振子などを使用でき、また、工具ホーンの押圧力は0.1MPa〜0.2MPa、印加時間0.01〜0.02秒程度で行うことができる。
【0018】本発明の濾過材は不織布Aと不織布Bとを一体化した層を有するものであるが、更に、織物、編物、ネット、不織布などの繊維シートを積層しても良い。なお、これら繊維シートも不織布Aや不織布Bと同様に、不織布Aや不織布Bを構成する生分解性繊維と同様の生分解性樹脂から構成されるのが好ましい。
【0019】このような不織布Aと不織布Bとを一体化した層を有する濾過材は、平板状の状態で使用することもできるが、プリーツ加工することにより、濾過面積をより広くでき、捕集効率を高くすることができるため、好適な実施態様である。このプリーツ加工方法としては、例えば、レシプロ方式、ロータリー方式などのプリーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押型でプレスする方法などがある。
【0020】本発明の濾過材は上述のような構成からなるが、この濾過材を枠に固定することにより、より取り扱いやすいものとすることができる。この枠としては、繰り返し使用できるアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、非生分解性樹脂から構成することもできるし、濾過材と一緒に廃棄できるように、濾過材を構成する生分解性繊維と同様の生分解性樹脂から構成することもできる。なお、濾過材を枠に密着させる場合には、例えば、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性のホットメルト樹脂を、枠と濾過材との間に介在させれば良い。
【0021】本発明の濾過材又はフィルタは、不織布Bが処理流体の上流側に位置するように設置して使用し、使用後は自然界に廃棄することにより、自然に還元することができる。
【0022】以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
(実施例1)常法のメルトブロー法により、ポリブチレンサクシネート共重合体(昭和高分子(株)製、登録商標:ビオノーレ#1020)を紡出して、平均繊維径2.7μmの生分解性繊維からなる、面密度20g/m2、厚さ0.11mmの不織布Aを形成した。
【0024】他方、繊維径18.3μm、繊維長51mmのポリ乳酸生分解性繊維(鐘紡(株)製、製品名:ラクトロン)を100%使用し、カード機により形成した一方向性繊維ウエブを、クロスレイヤーにより、繊維ウエブの流れ方向に対して交差させ、交差繊維ウエブを形成した。次いで、この交差繊維ウエブを水流で絡合して、面密度115g/m2、厚さ0.7mm、引張強度100N/5cm幅の不織布Bを形成した。
【0025】次いで、不織布Aと不織布Bとを積層した後、不織布B側から超音波発生装置(日光テクノ(株)製)により、押圧力0.17MPa、印加時間0.01秒で、不織布Aと不織布Bとを融着一体化して濾過材を形成した。なお、不織布Aと不織布Bとの融着状態は、点状の融着部によって、対角が15mmの亀甲パターンが形成された状態にあった。また、融着面積は濾過材の3%であった。この濾過材は剛性、強度ともに優れていた。
【0026】次いで、この濾過材をレシプロ方式プリーツ加工機によりプリーツ加工し、山高さ58mm、山数100山の濾過材を形成した。
【0027】他方、ポリエステル繊維85mass%及びレーヨン繊維15mass%からなる粗繊維ウエブ、ポリエステル繊維60mass%及びレーヨン繊維40mass%からなる中間繊維ウエブ、及びポリプロピレン芯成分をポリエチレン鞘成分で被覆した芯鞘型複合繊維30mass%及びレーヨン繊維70mass%からなる密繊維ウエブとを積層した積層繊維ウエブ(面密度155g/m2)に対して、ニードルパンチ処理し、次いでアクリル系ラテックスを付与した後、乾燥した、面密度200g/m2、厚さ2.8mm、引張強度98N/5cm幅以上の枠材を形成した。
【0028】そして、前記プリーツ加工した濾過材を上記枠材にホットメルト接着剤により固定して、たて610mm、よこ610mm、高さ60mmの外寸を有するフィルタを形成した。
【0029】(実施例2)不織布Aとして、常法のメルトブロー法により、ポリブチレンサクシネート共重合体(昭和高分子(株)製、登録商標:ビオノーレ#1020)を紡出した、平均繊維径2.46μmの生分解性繊維からなる、面密度25g/m2、厚さ0.17mmの不織布を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布Aと不織布Bとを積層、超音波による融着一体化して、濾過材を形成した。この濾過材は剛性、強度ともに優れていた。
【0030】次いで、実施例1と全く同様に枠で固定して、たて610mm、よこ610mm、高さ60mmの外寸を有し、濾過材の山高さ58mm、100山のフィルタを形成した。
【0031】(実施例3)不織布Aとして、常法のメルトブロー法により、ポリブチレンサクシネート共重合体(昭和高分子(株)製、登録商標:ビオノーレ#1020)を紡出した、平均繊維径2.1μmの生分解性繊維からなる、面密度40g/m2、厚さ0.24mmの不織布を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして、不織布Aと不織布Bとを積層、超音波による融着一体化して、濾過材を形成した。この濾過材は剛性、強度ともに優れていた。
【0032】次いで、実施例1と全く同様に枠で固定して、たて610mm、よこ610mm、高さ60mmの外寸を有し、濾過材の山高さ58mm、100山のフィルタを形成した。
【0033】(圧力損失の測定)実施例1〜3の濾過材及び実施例1〜3における不織布Aのみの、面速10cm/sにおける圧力損失をJIS B 9908に規定する圧力損失測定機(形式1)により測定した。この結果は表1に示す通りであった。
【0034】
【表1】

【0035】(捕集効率及び塵埃保持量の測定)実施例1〜3のフィルタにおける捕集効率及び塵埃保持量をASHRAE比色法により測定した。この結果は表2に示す通りであった。なお、風量は56m3/min、最終圧力損失は300Paとした。また、初期圧力損失はASHRAE比色法により測定した値である。
【0036】
【表2】

【0037】(生分解性試験)実施例3の濾過材を5cm×4cmに裁断した後、コンポスト中に埋設し、6日、12日、及び40日経過後の重量減少率を測定した。この結果は表3に示す通りであった。
【0038】
【表3】

【0039】このように表1〜3の結果から、本発明の濾過材又はフィルタは給塵量が多く、捕集効率に優れ、しかも生分解性にも優れていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明の濾過材は、平均繊維径0.1〜10μmの生分解性繊維からなる不織布Aと、平均繊維径10〜70μmの生分解性繊維からなる不織布Bとが、一体化した層を有するものである。このように、本発明は不織布Aによる捕集効率の高さと、不織布Bによる給塵量の多さ、剛性、及び強度とを組み合わせることにより、濾過材としての性能を維持し、かつ不織布A、不織布B共に生分解性繊維から構成することにより、濾過材使用後の廃棄の問題も解決したのである。
【0041】本発明のフィルタは上記のような濾過材が枠に固定されたものであるため、フィルタ使用後に濾過材のみを廃棄すれば、自然に還元することができる。なお、枠も生分解性樹脂から構成すれば、フィルタ全体を自然に還元することができる。




 

 


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