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発明の名称 フロアマットの製造方法及び製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−291223
公開日 平成10年(1998)11月4日
出願番号 特願平9−116236
出願日 平成9年(1997)4月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
発明者 池田 有基
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (1)成形用内側壁面と、底面の突起成形用貫通孔とを有し、上面が開放した成形型に、成形材料シートを載せ;
(2)一方の表面上に、周囲を流体密封性に固定した伸縮性膜を担持する蓋部を、伸縮性膜担持面を成形型に向けて、前記の成形型の開放上面に配置し;
(3)伸縮性膜の内側面と、その伸縮性膜に覆われた蓋部内側表面とによって形成される膨張−収縮室へ、前記蓋部を貫通して設けた流体供給手段によって流体を供給して前記の膨張−収縮室を膨張させることにより、成形材料シートを成形型の成形用内側壁面と突起成形用貫通孔とに押圧し;
(4)前記の膨張−収縮室の膨張と実質的に同時に、前記の突起成形用貫通孔の先端開口部に設けられ、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することのできる手段を介して、前記突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引して排除することにより、成形材料シートを突起成形用貫通孔内に実質的に完全に充填させ;
(5)前記工程(3)による押圧状態、及び前記工程(4)による充填状態を維持したままで成形処理し;
(6)前記蓋部を前記成形型の開放上面から取り外し;そして(7)生成されたフロアマットを取り出すことを含むことを特徴とする、フロアマットの製造方法。
【請求項2】 (1)成形用内側壁面と、底面の突起成形用貫通孔とを有し、上面が開放した成形型に、成形材料シートを載せ;
(2)一方の表面上に、周囲を流体密封性に固定した伸縮性膜を担持した蓋部であって、その伸縮性膜の内側面と、その伸縮性膜に覆われた蓋部内側表面とによって形成される膨張−収縮室へ、前記蓋部を貫通して設けた流体供給手段によって流体を供給して膨張させた前記の膨張−収縮室を有する蓋部を、伸縮性膜担持面を成形型の方向に向け、前記の成形型の開放上面から成形型内部に向かって前進させることにより、成形材料シートを成形型の成形用内側壁面と突起成形用貫通孔とに押圧し;
(3)前記の膨張−収縮室の前進と実質的に同時に、前記の突起成形用貫通孔の先端開口部に設けられ、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することのできる手段を介して、前記突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引して排除することにより、成形材料シートを突起成形用貫通孔内に実質的に完全に充填させ;
(4)前記工程(2)による押圧状態、及び前記工程(3)による充填状態を維持したままで成形処理し;
(5)前記蓋部を前記成形型の開放上面から取り外し;そして(6)生成されたフロアマットを取り出すことを含むことを特徴とする、フロアマットの製造方法。
【請求項3】 (1)一方の表面上に、周囲を流体密封性に固定した伸縮性膜を担持する蓋部;
(2)伸縮性膜の内側面と、その伸縮性膜に覆われた蓋部内側表面とによって形成される膨張−収縮室へ、前記蓋部を貫通して、流体を供給することのできる手段;
(3)前記蓋部を貫通して、前記の膨張−収縮室から流体を排除することのできる手段;
(4)成形用内側壁面と、底面の突起成形用貫通孔とを有し、上面が開放している成形型;
(5)前記の突起成形用貫通孔の先端開口部に接触して設けられ、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することのできる手段;
(6)前記の成形材料封鎖手段を介して突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引することのできる手段;及び(7)前記の成形型の熱を交換することのできる手段を含むことを特徴とする、フロアマットの製造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロアマットの製造方法及び製造装置に関する。本発明は、特には、カーペット等からなる表材層と、弾性軟質材料等からなる下地層とからなり、下地層の裏面に位置ずれ防止用突起群を有している積層フロアマットの製造に利用することができる。本発明によって得られるフロアマットは、例えば、自動車用フロアマットや、住居若しくはオフィース用フロアマットとして有用である。
【0002】
【従来の技術】自動車用フロアマットや玄関マット等は、一般に、カーペット等の表材層と、弾性軟質材料等の下地層とからの積層体である。例えば、図1の自動車用フロアマットの断面図に示すように、自動車用フロアマット1は、カーペット等からなる表材シート2と、弾性軟質材料(例えば、熱可塑性樹脂)等からなる下地シート3からなり、下地シート3の裏面に位置ずれ防止用突起部4を有し、表材シートは基布層2a及び起毛層2bを含む。このようなフロアマットは、例えば、表材用シートと下地用シートとを積層した後、積層体を上金型と下金型との間に配置した状態で加熱及び加圧することにより、下地用シートの成形加工と、下地用シート及び表材用シートの接合とを同時に実施して製造することができる。しかしながら、この製造方法では、表材用シートとして一般的に使用されるカーペット等も同時に加熱及び加圧されるので、カーペット等の風合が著しく損なわれるという欠点があった。そこで、例えば、特開平8−72076号公報には、上金型の表面にエアバッグを設け、そのエアバッグを膨らませて積層体を下金型に押圧することにより成形し、そのエアバッグにより下金型の熱を上金型に伝達させないようにして、カーペット等の風合劣化を防止する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公報記載の技術では、下地シートの裏面に設ける位置ずれ防止用突起部を好ましい形状に成形することが極めて困難であった。すなわち、位置ずれ防止用突起部は、突起群の先端と床面との摩擦抵抗により移動を防止するものであり、突起の形状は、先端部に平坦な平面領域を有する切頭円錐状が一般に好ましいとされている。この種の突起群を有するマットを製造する場合には、図2に示すように、下金型7の底面に突起部3aの形状に相当する窪み8を設ける。しかしながら、前記公報記載の下金型7に、加熱・軟化されている弾性軟質材料3aが、それらの窪み8内に押し込まれると、窪み8の奥に空気が圧縮された空間8aが形成される。成形型の窪み8の底面を、たとえ平坦面に形成しておいても、突起の先端3bには平坦面が形成されず、球面になる。先端部が球面の突起群を有するフロアマットは、充分な摩擦抵抗を発生せず、位置ずれ防止効果も満足すべきものではなかった。また、弾性軟質材料として、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを使用した場合、前記公報記載の技術では、下金型が加熱されているために、成形処理後に下金型を充分に冷却してからフロアマットを取り出さないと、突起部が変形してしまうので製造効率が悪いという問題もあった。更に、図1に示すような、周縁部にフランジ部5を有するバケット型フロアマットを、前記公報記載の技術を利用して製造する場合には、深絞り部分やコーナー部に対してエアーバッグによる圧力を充分に作用させることが困難であるので、成形不良や接着不良を生じやすいという問題もあった。
【0004】従って、本発明の課題は、従来技術の前記の欠点を解消することにあり、表材層にしわや歪みを生じさせることなく、良好な風合いを保ち、突起及び深絞り部やコーナー部における成形ミスが少なく、更に製造効率が良好なフロアマットの製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明による、(1)成形用内側壁面と、底面の突起成形用貫通孔とを有し、上面が開放した成形型に、成形材料シートを載せ;
(2)一方の表面上に、周囲を流体密封性に固定した伸縮性膜を担持する蓋部を、伸縮性膜担持面を成形型に向けて、前記の成形型の開放上面に配置し;
(3)伸縮性膜の内側面と、その伸縮性膜に覆われた蓋部内側表面とによって形成される膨張−収縮室へ、前記蓋部を貫通して設けた流体供給手段によって流体を供給して前記の膨張−収縮室を膨張させることにより、成形材料シートを成形型の成形用内側壁面と突起成形用貫通孔とに押圧し;
(4)前記の膨張−収縮室の膨張と実質的に同時に、前記の突起成形用貫通孔の先端開口部に設けられ、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することのできる手段を介して、前記突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引して排除することにより、成形材料シートを突起成形用貫通孔内に実質的に完全に充填させ;
(5)前記工程(3)による押圧状態、及び前記工程(4)による充填状態を維持したままで成形処理し;
(6)前記蓋部を前記成形型の開放上面から取り外し;そして(7)生成されたフロアマットを取り出すことを含むことを特徴とする、フロアマットの製造方法によって達成することができる。
【0006】また、本発明は、(1)一方の表面上に、周囲を流体密封性に固定した伸縮性膜を担持する蓋部;
(2)伸縮性膜の内側面と、その伸縮性膜に覆われた蓋部内側表面とによって形成される膨張−収縮室へ、前記蓋部を貫通して、流体を供給することのできる手段;
(3)前記蓋部を貫通して、前記の膨張−収縮室から流体を排除することのできる手段;
(4)成形用内側壁面と、底面の突起成形用貫通孔とを有し、上面が開放しておる成形型;
(5)前記の突起成形用貫通孔の先端開口部に接触して設けられ、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することのできる手段;
(6)前記の成形材料封鎖手段を介して突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引することのできる手段;及び(7)前記の成形型の熱を交換することのできる手段を含むことを特徴とする、フロアマットの製造装置にも関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によって得られるフロアマットは、少なくとも弾性軟質材料からなり、位置ずれ防止用突起部を裏面に担持するマットであれば、その層構成は特に限定されるものではない。例えば、弾性軟質材料シートのみの1層からなるマット、弾性軟質材料製下地層上に、カーペット等の表材を担持してなるマット、更に、表材層と下地層との間に中間層を1層又はそれ以上を加えたフロアマット等であることもできる。また、住居又はオフィースで使用するフロアマット(例えば、玄関マット、バスマット、トイレマット)も含まれる。しかしながら、本発明は、弾性軟質材料製下地層上に、カーペット等の表材層を担持してなるマットの製造に利用するのが特に適しているので、以下、表材層担持マットの製造に関して説明する。
【0008】本発明で用いることのできる下地層用材料としては、未加硫ゴムシート、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーであることができる。未加硫ゴムシートを用いる場合には、ゴム原料、例えば、天然ゴム、又は合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、又はニトリル−ブタジエンゴム)若しくは再生ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、又はニトリル−ブタジエンゴム)に、添加剤、例えば、加硫剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、カーボンブラック、無機質充填剤、軟化剤、又は老化防止剤を加え、混練し、ゴム配合物を調製し、シート状にし、表材層用シートとの積層体の状態で成形型に供給し、成形型内で加硫させて成形する。
【0009】下地層用の熱可塑性樹脂としては、例えば、熱成形性のポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを使用することができる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、又はポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーを挙げることができ、柔軟で、高弾性の熱可塑性エラストマーが好ましい。また、下地層用材料の硬度(ショアーA硬度)は、好ましくは50〜90、より好ましくは65〜80である。
【0010】これらの中でも、熱可塑性エラストマーは比較的柔らかく、また、再生利用が可能であり、通常の成形機械で成形が可能であり、成形時間が短く、そして連続成形が可能であるなどの利点もある。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)熱可塑性エラストマーや、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)熱可塑性エラストマーなどを使用することができ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー)などのオレフィン系ゴムとポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂とのブレンド、アロイ又はブロック共重合体などを使用することができ、ポリ塩化ビニル系エラストマーとしては、例えば、ニトリルゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドなどを好適に使用することができる。なお、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、架橋処理を行うことができる。これら熱可塑性エラストマーの中でも、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、軽量で、耐候性に優れているため、好適に使用することができる。なお、熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートを下地層用材料として用いる場合には、成形型内に配置する前に予め熱可塑性樹脂シート又は熱可塑性エラストマーシートを可塑状態にしておくことが、製造効率の向上のために好ましい。
【0011】以下、本発明装置の1態様を模式的に示す図3及び図4に沿って本発明を説明する。本発明装置10は、成形型20と、蓋部30とを含む。成形型20は、成形用内側壁面21と、底面22に設けた突起成形用貫通孔23とを有し、上面が開放し、側面と底面とからなる容器状である。突起成形用貫通孔23の先端開口部24には、その開口部24を封鎖するように成形材料封鎖手段41が配置されている。この成形材料封鎖手段41は、多孔質材料からなり、成形材料を封鎖することができるが、同時に気体を通過させることができる。成形材料封鎖手段41は、気体通路42と連絡しており、気体通路42は、気体吸引装置(図示せず)に連絡している。気体通路42は、場合により、バルブ(図示せず)を有する分岐部43及び気体通路44aを経て、気体吸引装置に連絡させることもできる。気体通路42と、気体吸引装置との間に分岐部43を介在させると、バルブ(図示せず)及び気体通路44bを経て、気体供給装置(図示せず)を配置することができる。成形型20を、場合により、熱交換手段11上に担持させることができる。
【0012】成形型20には、成形型20の熱を交換することのできる手段11を設ける。熱交換手段11は、例えば、成形型20に挿入される成形材料を加熱するための加熱手段及び/又は冷却するための冷却手段であることができる。熱交換手段としては、熱交換手段11の内部に熱交換媒体(例えば、空気、水、又はオイル)通路を設け、適当な熱交換媒体を循環させる熱交換体であるか、あるいは、電熱線利用ヒーターであることができる。
【0013】成形型20及び成形材料封鎖手段41は、加熱された樹脂成形材料と接触するので、耐熱性材料からなるのが好ましい。成形型20は、従来の成形型と同様の材料、例えば鋼鉄材若しくはステンレススチール、又は従来使用が困難であったアルミニウム若しくはアルミニウム合金などから調製することができる。成形型20をアルミニウム又はアルミニウム合金から調製すると、熱伝導性が優れているので、少ない熱量で成形することができる。また、アルミニウム又はアルミニウム合金は、それ自体が成形性に優れているので、成形型20自体の成形も容易になる。また、成形材料封鎖手段41は、耐熱性多孔質、例えば焼結金属、金属製不織布、ガラス不織布、焼結セラミック又は溝付鉄板などから調製するのが好ましい。
【0014】蓋部30は、一方の表面上に、周囲を例えばネジ部材32によって流体密封性に固定した伸縮性膜31を担持する。この伸縮性膜31の内側面と、伸縮性膜31に覆われた蓋部内側表面とによって膨張−収縮室51が形成される。膨張−収縮室51は、前記蓋部30に設けた流体通路52と連絡しており、流体通路52は、流体供給装置(図示せず)に連絡している。流体通路52は、場合により、バルブ(図示せず)を有する分岐部53及び流体通路54aを経て、流体供給装置に連絡させることもできる。流体通路52と、流体供給装置との間に分岐部53を介在させると、バルブ(図示せず)及び流体通路54bを経て、流体吸引装置(図示せず)を配置することができる。分岐部53を設けずに、流体通路52とは別に、膨張−収縮室51と連絡する流体通路を設け、その流体通路を流体吸引装置に連絡させることもできる。
【0015】膨張−収縮室51へ供給することのできる流体は、伸縮性膜31を膨張することのできる流体(すなわち、気体又は液体)であれば特に限定されるものではないが、例えば、空気、水、又はオイルを用いるのが好ましい。伸縮性膜31は、前記の流体の吸入及び排出によって膨張及び収縮することのできる材料からなる限り特に限定されるものではないが、例えば、シリコーンゴム、ブチルゴム、又はEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー)などから構成される。
【0016】次に、図3及び図4に示す本発明装置10を用いて、フロアマットを製造する場合について説明する。なお、図3は、挿入された積層体17を伸縮性膜31で押圧している状態を示し、図4は、伸縮性膜31で押圧された積層体の成形処理を実施している状態を示す。まず図3に示すように、下地層用成形材料シート15と表材層用シート16とからなる積層体17を、下地層用成形材料シート15が成形型20と接触するように、成形型20上に配置する。表材層用シート16は基布層16aと起毛層16bとからなる。下地層用成形材料シート15が、未加硫ゴムである場合には、加硫温度以下の状態で配置し、下地層用成形材料シート15が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである場合には、可塑状態に加熱して配置するのが好ましい。次に、蓋部30を、伸縮性膜担持面を成形型20側に向けて、前記の成形型20の開放上面側に配置する。続いて、流体供給手段から流体通路52を経て、膨張−収縮室51へ流体を供給し、膨張−収縮室51を膨張させ、伸縮性膜31によって積層体17を成形型20の成形用内側壁面21と突起成形用貫通孔23とに押圧する。この際、伸縮性膜31と積層体17との間に存在する空気は、積層体17の周縁部の起毛層16bから排除され、積層体17と成形型内部(成形用内側壁面21及び成形型底面22)との間に存在する空気は、成形用内側壁面21に設けた気体通路62から気体通路42を経て排除される。なお、図3及び図4に示すように、気体通路62の少なくとも内側開口部領域に、成形材料を封鎖するが、気体を通過することのできる成形材料封鎖手段41を設けることができる。また、気体通路62の全体に成形材料封鎖手段を充填させることもできる。更に、膨張−収縮室51への流体供給と実質的に同時に(すなわち、前記の流体供給と相前後して)、突起成形用貫通孔の先端部の空気を、成形材料封鎖手段41及び気体通路42から気体吸引装置により吸引排気する。従って、積層体17は、図4に示すように、伸縮性膜31によって成形型20に押圧され、下地層用成形材料シート15の裏面は、下地層の形状に相当する形状を有する成形用内側壁面21に密着し、更に、突起成形用貫通孔23内に押し込まれた下地層用シートは、貫通孔先端部の成形材料封鎖手段41にまで達し、位置ずれ防止用突起部の形状に相当する形状を有する貫通孔内部に完全に充填される。
【0017】図4に示す状態で、積層体17の成形処理を行う。下地層用成形材料シート15が、未加硫ゴムである場合には、加熱手段によって成形型20及び未加硫ゴムを加熱する。下地層用成形材料シート15が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである場合には、冷却手段によって成形型20及び熱可塑性樹脂を冷却する。成形処理の終了後に、蓋部30を前記成形型20の開放上面から取り外し、続いて、生成されたフロアマットを取り出す。この際、気体供給装置から気体通路42及び成形材料封鎖手段41を経て、突起成形用貫通孔の先端部へ気体、例えば空気を供給して、成形型20からの脱離を容易にすることもできる。また、膨張−収縮室51内の流体の少なくとも1部を流体通路52から流体吸引装置によって排除して、蓋部30を前記成形型20の開放上面から取り外すこともできる。
【0018】図3及び図4に示す装置は、図1に示すような、周縁部にフランジ部5を有するバケット型フロアマットの製造に適しているが、フランジ部5を有さない、ほぼ平坦状のフロアマットの製造に適している本発明装置の別の態様を図5及び図6に示す。図5及び図6に示す装置において、図3及び図4に示す装置と同様の部位は、図3及び図4で用いた参照番号をそのまま使用する。なお、図5は、挿入された積層体17を伸縮性膜31で押圧する前の状態を示し、図6は、伸縮性膜31で押圧された積層体の成形処理を実施している状態を示す。図5及び図6に示す本発明装置10は、成形型20の側面に気体通路62を有する。この気体通路62は、蓋部30の伸縮性膜担持面(特に、伸縮性膜31)と、成形型20の内側壁面(特には、成形型20内に挿入された積層体17の表材用シート16の表面)との間に形成される成形室34内の空気を排出し、あるいは成形室34内へ空気を供給することができる。すなわち、この気体通路62は、成形型20の外側で、気体吸引装置(図示せず)に連絡していることもできる。また、この気体通路62は、場合により、バルブ(図示せず)を有する分岐部63及び気体通路64aを経て、気体吸引装置に連絡させることもできる。気体通路62と、気体吸引装置との間に分岐部63を介在させると、バルブ(図示せず)及び気体通路64bを経て、気体供給装置(図示せず)を配置することができる。また、図5及び図6に示す本発明装置10においては、伸縮性膜31をネジ部材32によって蓋部30表面に流体気密性に固定すると共に、成形型20の上面にネジ部材収容孔33を設けた態様を示す。ネジ部材収容孔33は、成形処理時に成形型20と蓋部30とを接触させた場合に、ネジ部材32の突出部が直接に成形型20と接触しないようにその突出部を収納するためのものである。
【0019】図5及び図6に示す本発明装置10を用いて、フロアマットを製造する場合について説明する。まず図5に示すように、前記の図3及び図4に示す装置に関して説明したのと同様に、積層体17を、下地層用成形材料シート15が成形型20と接触するように、成形型20内に挿入する。下地層用成形材料シート15が、未加硫ゴムである場合には、加硫温度以下の状態で挿入し、下地層用成形材料シート15が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーである場合には、可塑状態に加熱して挿入するのが好ましい。次に、蓋部30を、成形型20の開放上面側に配置する。続いて、流体供給手段から流体を供給して膨張−収縮室51を膨張させ、伸縮性膜31によって積層体17を成形型20の突起成形用貫通孔23に押圧する。この際、伸縮性膜31と積層体17との間の成形室34に存在した空気を、気体通路62から排除する。気体通路62からの気体排除は、膨張−収縮室51の膨張を利用することもできるが、気体通路62に連絡した気体吸引装置(図示せず)を併用することもできる。更に、膨張−収縮室51への流体供給と実質的に同時に(すなわち、前記の流体供給と相前後して)、突起成形用貫通孔の先端部の空気を、成形材料封鎖手段41及び気体通路42から気体吸引装置により吸引排気する。従って、この装置においても、図6に示すように、積層体17は、伸縮性膜31によって成形型20に押圧され、下地層用成形材料シート15の裏面は、突起成形用貫通孔23内に押し込まれ、貫通孔先端部の成形材料封鎖手段41にまで達し、貫通孔内部に完全に充填される。
【0020】この状態で、前記の図3及び図4に示す装置に関して説明したのと同様に、積層体17の成形処理を行い、蓋部30を前記成形型20の開放上面から取り外し、続いて、生成されたフロアマットを取り出す。この際、図5及び図6に示す本発明装置10では、気体通路62から気体を供給して、フロアマットと伸縮性膜31との間の分離を容易にすることができる。
【0021】本発明においては、膨張−収縮室51の膨張は、図4及び図6に示すように、伸縮性膜31によって積層体17の下地層用成形材料15が突起成形用貫通孔23の内部に完全に充填するように行う。また、バケット型フロアマットを製造する場合には成形型20の成形用内側壁面21に充分に押圧する。この膨張−収縮室51の膨張は、膨張−収縮室51内部に流体が全く存在しない状態から開始することもできるが、若干量の流体を含有して若干膨張した状態の膨張−収縮室51へ不足分の流体を供給することによって行うこともできる。更に、本発明方法は、既に説明したように、蓋部30を成形型20の開放上面側に配置してから膨張−収縮室51を膨張させることによって実施することもできるが、充分に膨張した膨張−収縮室51を有する蓋部30を成形型20の開放上面側から成形型内部に向かって前進させて押圧することにより、実施することもできる。
【0022】本発明においては、膨張−収縮室51を膨張させる際の圧力は、伸縮性膜31によって積層体17を成形型20に密着させることができる限り限定されないが、例えば、1〜10kgf/cm2 とすることができ、5〜7kgf/cm2 とすることが好ましい。流体圧が1kgf/cm2 より低いと表材層と下地層との接着が不十分になることがあり、また流体圧が10kgf/cm2 より高いと表材層の風合いを損なうことがある。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、伸縮性膜による押圧及び突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引して排除することにより位置ずれ防止用突起群、深絞り部及びコーナー部が正確に成形されたフロアマットを製造することができる。また、伸縮性膜によって表材層を押圧する圧力が小さいと共に、伸縮性膜によって蓋部が隔離され、蓋部が加熱されないので、表材層の風合いを良好に保つことができる。また、本発明では、突起成形用貫通孔の先端部の気体を吸引することによって成形型を冷却することができるので、冷却を短時間で完了させ、製造効率を向上させることができる。
【0024】前記の吸引によって、加熱時間が短く、しかも低い圧力で成形することができるため、従来の成形型に比べて強度が低くても使用可能であるため、従来の成形型よりも薄い成形型を使用することができる。このため、成形型を軽量化することができ、成形型の交換も容易となり、微細な模様を有する成形型の製作も可能になる。また、軽量化した薄い成形型は熱伝導性に優れるので、より少ない熱量で成形することができる。本発明においては、上金型と下金型とを使用する従来法と異なり、成形型を1つしか使用しないので、加熱時において勘合させるための精密な精度が金型に必要とされないので、交換作業性やコストの点でも優れている。




 

 


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