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発明の名称 濾材及び濾過装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−85527
公開日 平成10年(1998)4月7日
出願番号 特願平8−263696
出願日 平成8年(1996)9月12日
代理人
発明者 木村 政廣 / 丹野 智明
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも流路迂回層の一方の表面側に、空隙率が90%以上の布はくからなる濾過層を具えてなることを特徴とする濾材。
【請求項2】 前記流路迂回層に開口率75%以下の開口部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の濾材。
【請求項3】 筺体内に、空隙率が90%以上の布はくで構成された濾過層を含む複数の濾材を充填してなる濾過装置において、前記筺体内に形成される濾液流路中に流路迂回層を介在させたことを特徴とする濾過装置。
【請求項4】 前記流路迂回層が前記濾過層に積層されてなることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】 前記流路迂回層に開口率75%以下の開口部を設けたことを特徴とする請求項3から請求項4に記載の濾過装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体中に分散している固体(以下、SSと称する場合もある)を濾過する技術に関し、特に、比較的小さな装置容積で効率的な濾過を行うことが可能な濾過技術に関する。
【0002】
【従来の技術】汚水を浄化するため、汚水中に分散している汚染物質を取り除く方式は種々知られている。図1は、係る濾過技術のうちで、最も一般的な技術を説明するものであり、通称「サンドフィルタ」と言われる濾過装置を模式的に示す図である。11は濾過槽を構成する略円筒状の筺体であり、この筺体11中には、例えば珪藻土、砂、ガラス粒など、粒状の濾材13が充填配設される。この種の装置では汚水を導入口15から装置内に導入し、濾材13同士の粒界(間隙)を汚水が通過する際に、当該粒界に分散状態の汚染物質が捕捉され、浄化された水が排出口17から得られるものである。捕捉された汚染物質は上記粒界に蓄積されるが、汚水濾過を続けるうちに濾過能力が失われてしまう。従って、捕捉された汚染物質を除去するため、例えば排出口17側から装置内に水や空気を導入して濾材13を撹拌洗浄する、いわゆる、逆洗方式が広く採用されている。
【0003】上述したサンドフィルタの場合、濾材13が比較的微細であり、空隙率が50%程度であるため、筺体内の液体通過時の圧力損失が大きく、浄化並びに逆洗時に必要な液送の圧力も大きく採らなければならない。さらに、係る微細な濾材が排出口から漏れ出るのを防ぐため、数mmまたはそれ以下の開口を持つメッシュ状の部材19を配設するなどの工夫を要する。従って、能力の大きな送液手段が必要なため、装置の大型化や高価格化を来すと言う欠点があった。このような欠点を改善するため、例えば特開平6−292808号公報及び文献1:「繊維担体を用いたろ過システムの開発」(石橋・藤井著、日本海水学会誌、第48巻,第1号,第38〜55頁,1994年発行)に開示されるような、球状の繊維集合体を濾材とする技術が知られている。
【0004】上述の公報によれば、例えば繊度10デニール程度の捲縮を持たせたポリエステル繊維を200本程度束ねた原糸(の束)を250束程度集束し、例えば300mmの長さに切りそろえ、この繊維束の長手方向の中央部で集束具により結束して、半径150mm程度の球状の濾材を構成する技術が開示されている。
【0005】係る球状濾材の場合、図1に示す筺体11中に、粒状の濾材13の代わりに、当該球状濾材を配設する事によって、送液系に負荷がかかるようなメッシュ状部材19の配設が不要となり、数センチ程度の開口を有する低圧損の部材を設けるのみで、排出口からの濾材流出を防ぐことが可能である。従って、従前のサンドフィルタに較べて、低圧損で濾過を行うことができ、換言すれば、同一の液送能力を備えた濾過装置であれば、粒状濾材の代わりに球状濾材とすることによって、高速濾過が可能となる。
【0006】上述した球状濾材を始めとする繊維濾材は、90%以上の高い空隙率を実現することが可能であり、しかも、濾過時に生じる圧力によって変形しやすい。このような繊維濾材が有する特性として、例えば、文献2:「極細繊維を用いた高速ろ過」(長尾著、水環境学会誌、Vol.15、No.12、第19〜23頁、1992年発行)によれば、濾過装置の運転時、非処理水の上流側での濾材充填率(密度)が低くなり、下流側では濾材充填率が高くなる点が挙げられている。このような特性は内部濾過と称され、サンドフィルタの様な表層濾過との比較において、濾液流路上流側の濾材の目詰まりを遅らせることが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の繊維濾材では、繊維を集束した単純な形状のもの、若しくは球状としたものが知られている。この他、不織布等により繊維を円板形状にした濾材も知られているが、いずれの場合も、被処理水が導入口から排出口に至るまでの濾液流路を積極的に制御し、濾液がたどる距離を長く採る効率的な濾過を実現するものではなかった。例えば、図1の装置構成を参照すれば、導入口15と排出口17とを結ぶ線と直交する筺体の断面(図中、一点鎖線I−Iで示す部分の装置内断面。以下、濾過断面積と称する。)を考えた場合、いずれの繊維濾材も、当該直交面内方向に濾液を迂回させる積極的な構成は見出されておらず、筺体内に充填された複数の濾材の内の一部分のみが濾過に寄与し、筺体体積の利用効率が不十分であるという問題点があった。
【0008】この発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、従って、この発明の目的は、濾過装置の筺体内で、濾液が流れる距離を大きく採ることが可能な濾材を提供すると共に、この濾材を用いた、筺体体積を効率的に活用することが可能な濾過装置を提供し、以て筺体の小型化、並びに濾過装置の低価格化及び運転コスト低減が可能な、新規な濾過技術を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るため、この出願の第一発明に係る濾材によれば、少なくとも流路迂回層の一方の表面側に、空隙率が90%以上の布はくからなる濾過層を具えてなることを特徴としている。
【0010】また、この発明の濾材は、上述した流路迂回層として、開口率0%以上75%以下の開口部を設けるのが好適である。
【0011】さらに、この出願の第二発明に係る濾過装置によれば、筺体内に、空隙率が90%以上の布はくで構成された濾過層を含む複数の濾材を充填してなる濾過装置であって、前述の筺体内に形成される濾液流路中に流路迂回層を介在させたことを特徴としている。
【0012】この装置発明を実施するに当たり、前述した流路迂回層が、前述の空隙率90%以上の布はくで構成された濾過層と積層された濾材とするのが好適である。
【0013】これに加えて、この装置発明に適用する流路迂回層として、開口率が0%以上75%以下の開口部を設けても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本出願の第一発明に係る濾材によれば、流路迂回層の少なくとも一方の表面側に濾過層を具える構成としている。このうち、開口率を0%とした流路迂回層を構成する素材としては、濾液に対して化学的に不活性な耐薬品性を有するポリオレフィン系、ポリエステル系といった種々の合成樹脂を単独、または複数で積層構成した無開口のフィルムを用いればよい。
【0015】さらに、当該流路迂回層を構成する素材は、濾液の性質、濾過装置の送液能力等の設計に応じ、開口率75%以下の開口部を設けた流路迂回層としても良い。この開口率を75%よりも大きく採ると、流路を迂回させる機能が低下し、前述した筺体の体積利用効率が低下する。係る開口部を有する流路迂回層としては、上述した種々のフィルムに物理的に開口したものやネット、或いはテープ状の紐を交差形成した、いわゆる「スプリットファイバー不織布」等を用いることもできる。
【0016】また、この発明の濾材を構成する濾過層としては、繊維で構成されるシート状の布はくであって、しかも空隙率が90%以上の素材であれば、長繊維、短繊維を問わず、従来用いられてきた素材を用いることができる。特に、濾過装置内に配設して実際の濾過を行う際の、濾材に加わる圧力による変形、若しくは空隙率の著しい低下を考慮して、濾過層の厚さ方向での圧縮弾性が高い材料を設計に応じて選択すればよい。このような素材の一例として、ポリエステル、ポリオレフィン系の短繊維を用いた乾式不織布を挙げることができ、上記空隙率や形態維持を実現するためには、例えばポリオレフィン系の短繊維の場合、好ましくは繊度1〜18デニール程度の短繊維で目付100〜500g/m2程度厚み5〜100mm程度の不織布を濾過層として用いればよい。これら濾過層を構成するに当たっては、空隙率の低下等を回避する目的で、種々のバインダや熱接着繊維の使用も有効であり、濾材の形状は、円形、楕円形、矩形または多角形など、種々に設計し得る。
【0017】さらに、上述した流路迂回層と濾過層との配置関係は、非透液層の表面の少なくとも一方の表面側に濾過層を具えていれば良く、流路迂回層の一方の表面側に空隙率が90%未満の布はくからなる構成成分を挟み込むように空隙率90%以上の濾過層を積層したり、2層の濾過層で流路迂回層を挟んで積層するなど、種々に設計することができる。即ち、濾過層の空隙率が90%以上であるために、流路迂回層と濾過層との直接の接着力が低くなる場合、この接着力改善のため、例えば空隙率が90%未満の布はく、好ましくは、熱融着成分を含む繊維で構成した不織布を挟設すればよい。
【0018】この出願の第二発明に係る濾過装置としては、当該装置の特徴となる濾材部分を除き、従来周知の装置構成を採ることができる。例えば、前述した逆洗機能の有無や、濾液の導入口から排出口に至る濾液流路の方向と重力方向との配置関係を意味する上向流方式または下向流方式など、種々設計することができる。これに加えて、当該装置に充填される濾材は、この出願の第一発明で述べた構成を採ることができる。特に、開口率を0%とした流路迂回層を採用する場合、濾材の面積は、例えば、図1に一点鎖線I−Iで示す筺体の濾過断面積よりも小さく採ることが望ましく、好ましくは1〜10,000cm2程度の大きさとすれば良い。
【0019】
【作用】以下、この出願に係る発明の作用につき、図2を参照して説明する。図2は、濾過装置の筺体内に配設された濾材の状態例を模式的に示す断面図である。同図中、濾材を構成する濾過層については、これを構成する繊維の状態を模式的に示すのみとし、さらに、一部を除き図示は省略してある。
【0020】この発明の濾材21は、流路迂回層23と濾過層25とを積層して構成されている。これがため、同図中、Aの符号を付して示すように、濾液は流路迂回層23によって濾材21の厚み方向への進行を妨げられ、濾材同士の間隙や、濾過層の層内(当該層の延在方向)に濾液流路が形成されることとなる。
【0021】また、この発明の濾材は、流路迂回層に75%以下の開口率で開口部(図示省略)を設けることもできるが、係る場合には、開口率0%の流路迂回層で構成した濾材の面積寸法を小さくした場合と同様な作用を示し、同図中、点線の矢印にBの符号を付して示すような濾液流路を形成することもできる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例につき説明する。尚、以下の説明では、この発明の理解が容易となる程度に、特定の形状、材料、数値条件、配置関係等を例示して説明するが、この発明はこれら条件にのみ限定されるものではなく、この発明の目的の範囲内で任意好適な設計を行い得る。
【0023】実施例1まず、濾材の概略断面を示す図3を参照し、実施例1に係る濾材の構成につき説明する。実施例1の濾材21aは、開口率が0%である約200μmのポリエステルフィルムを用いた流路迂回層23aの一方の面側に、空隙率が約98.5%の濾過層25aを具える構成とした。この濾過層25aには、ポリプロピレン/ポリエチレンの芯鞘構造により熱融着機能を有する複合繊維を用いた。この濾材21aの作製に当っては、濾過層25aとして、繊度3デニール/繊維長64mmの短繊維を60重量%、繊度6デニール/繊維長102mmのものを30重量%及び繊度14デニール/繊維長76mmのものを10重量%配合し、カード機によりウエブを作製後、ニードルパンチによる絡合を施して、目付約190g/m2厚さ25mm(1g/cm2荷重時)の嵩高な不織布とした。次いで当該不織布と前述した流路迂回層23aを構成するポリエステルフィルムとを加熱ロールで熱接着した後、直径約100mmの円形に打ち抜き、濾材21aを得た。
【0024】実施例2実施例2に係る濾材としては、図4に示すように、空隙率が約99%の濾過層25bと、空隙率が約98%の中間層27と、開口率が約75%で開口部29を有する流路迂回層23bとの3層構造の濾材21bを作製した。
【0025】これら濾過層25bと中間層27とを構成するに当たっては、2層構造の不織布を作製して用いた。詳細には、実施例1と同一構成の複合繊維を用い、繊度3デニール/繊維長64mmの短繊維を60重量%、繊度6デニール/繊維長102mmのものを30重量%及び繊度14デニール/繊維長76mmのものを10重量%配合して目付を95g/m2に設計した濾過層25bに相当するウエブを作製する。当該ウエブと、繊度3デニール/繊維長64mmの短繊維を50重量%及び繊度1.5デニール/繊維長102mmのものを50重量%配合し、目付を95g/m2とした中間層27に相当するウエブとを積層後、ニードルパンチによって絡合し、目付約190g/m2、厚さ約18mm(1g/cm2荷重時)の、2層構造の不織布を得た。然る後、当該不織布の中間層27と、「日石ワリフSSL」(日石プラスト(株)製商品名、目付18g/m2、面積開口率約75%)とを熱接着し、実施例1と同様に、直径約100mmの円形に打ち抜くことによって開口部29を有する濾材21bを得た。
【0026】上述した実施例1及び実施例2に係る濾材を評価するに当たっては、直径19cm、高さ100cm(何れも筺体を構成する内部寸法)の円筒状の筺体内に、各々、360ヶを充填し、予め一定のSSを分散させた濾液を対象として、下向流方式により濾過を行った。これら実施例に係る濾材の評価は、各々の濾材を充填した装置に上述の濾液を送り、導入口直前と排出口直後との送液圧の差が一定となるまで濾過を続け、充填した濾材を取り出して重量を測定し、捕捉されたSS分の正味量を求めた。その結果、SS分の捕捉量の分布は、各濾材で実質的に均一であった。
【0027】上述した実施例では、筺体内に、この発明の濾材を、単に充填した場合につき例示したが、この出願に係る濾過装置は、上記実施例にのみ限定されるものではない。例えば、複数の濾材をメッシュ状の部材に固定配置し、これを筺体内に複数充填することにより、導入口から排出口への方向と、各濾材の流路迂回層の延在方向とが概ね直交するようにすれば、濾液流路の距離を大きく採り得るため、好適な濾過効率を実現することが可能である。
【0028】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、この出願の第一発明に係る濾材によれば、少なくとも流路迂回路の一方の表面側に、空隙率が90%以上の布はくからなる濾過層を具える構成としている。また、この出願の装置発明は、空隙率が90%以上の布はくを含んで構成された濾材を筺体内に複数充填した装置であって、当該筺体内に形成される濾液流路中に流路迂回層を介在させたことを特徴としている。
【0029】これら、この出願に係る濾過技術によって、濾液がたどる流路の距離を大きく採ることができ、濾過装置の様態体積が効率的に活用され、コンパクトで運転コストが安く、かつ低価格な濾過装置を提供することができる。




 

 


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