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発明の名称 金属ストリップ鋳造装置、鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル及び金属ストリップ連続鋳造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−211554
公開日 平成10年(1998)8月11日
出願番号 特願平10−10553
出願日 平成10年(1998)1月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
発明者 ウィリアム ジョン フォルダー / ポール カサー / キース フレドリック ピッチフォード
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 相互間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、ロール間隙上方にロール間隙に沿って延び、溶融金属をロール間隙に供給する、炭素から成る耐火材で形成された細長の金属供給ノズルと、該金属供給ノズルの上方に配されて溶融金属を金属供給ノズルに供給する分配器とで構成された金属ストリップ鋳造装置において、金属供給ノズルを、ロール間隙長手方向に延びて溶融金属を分配器から受取る、上向きに開いた細長のノズルトラフで構成し、金属供給ノズルには金属供給ノズルから外方に溶融金属を流すための側部開口を備え、ノズル底部にはノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通させる開口を備えたことを特徴とする、金属ストリップ鋳造装置。
【請求項2】 ノズル下側とノズルトラフ内部との直の連通が、ノズル下側からの気泡放出を制御するためである、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項3】 ノズル底部の開口を通って金属流が降下でき、ノズル下側での鋳造溜めの停滞を防ぐ、請求項1又は2に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項4】 ノズル底部の開口が、ノズル下側付近の鋳造溜めの余分な炭素が金属供給ノズルの溶解を引き起こすのを防ぐためのものである、請求項3に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項5】 ノズル底部の開口が、ノズル下側から上方へと通気して鋳造溜めの上部域に気泡が発生するのを防ぐためのものである、請求項1又は2に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項6】 ノズル底部の開口がノズル長手方向に沿って離間配置されている、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項7】 ノズル下側を上方に凹ませ、ノズル底部の開口をノズルの上方に凹ませた下側の最高部に沿って一線に配置した、請求項5に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項8】 上方に凹ませたノズル下側の両端を閉じて上方にトラフ状になったノズル下側を形成した、請求項7に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項9】 ノズル底部の開口がノズルトラフの床に形成した丸孔である、請求項1乃至8のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項10】 ノズル底部の開口を、下方外方にテーパーした孔とし、金属流降下に優先して上方への通気を促進させた、請求項5、7又は8に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項11】 溶融金属を受ける上向きに開いた細長のノズルトラフを成す、炭素から成る耐火材で造られた耐火体と、溶融金属を金属供給ノズルから側方外方に流す側部開口と、ノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通させるノズル底部の開口とから構成されることを特徴とする、鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項12】 ノズル下側とノズルトラフ内部との直の連通がノズル下側からの気泡放出を制御するためのものである、請求項11に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項13】 ノズル底部の開口により該開口を通して金属流が降下できて、ノズル下側での鋳造溜めの停滞を防ぐ、請求項11又は12に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項14】 ノズル底部の開口を通しての金属流の降下がノズル下側付近の鋳造溜め内の余分な炭素が耐火ノズルの溶解を引き起こすのを防ぐためのものである、請求項13に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項15】 ノズル底部の開口がノズル下側からノズルトラフ内への通気を提供して、鋳造溜めの上部域に気泡が発生するのを防ぐ、請求項11又は12に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項16】 ノズル底部の開口がノズル長手方向に沿って離間配置している、請求項11乃至15のいずれかに記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項17】 ノズル下側が上向きに凹み、ノズル底部の開口がノズルの上向きに凹んだ下側の最高部に沿って一線に配置された、請求項15に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項18】 上向きに凹んだノズル下側の両端を閉じて上向きトラフ状のノズル下側を構成した、請求項17に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項19】 ノズル底部の開口がノズルトラフの床に形成された丸孔である、請求項11乃至18のいずれかに記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項20】 ノズル底部の開口を下方外方にテーパーした孔として、該孔を通した金属流降下に優先させて上方への通気を促進させた、請求項15、17又は18に記載の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
【請求項21】 一対の冷却した鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配した細長の金属供給ノズルを介し溶融金属を鋳造ロール間に導入して、ロール間隙上方に支持された溶融金属鋳造溜めを形成し、ロール間隙から下方に送給される凝固ストリップを鋳造するよう鋳造ロールを回転する金属ストリップ連続鋳造方法において、金属供給ノズルを、ロール間隙長手方向に延びて溶融金属を受ける上向きに開いた細長のノズルトラフで構成し、金属供給ノズルには溶融金属を金属供給ノズルから外方に流す側部出口を備え、ノズル底部にはノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通する開口を備えたことを特徴とする、金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項22】 ノズル下側とノズルトラフ内部との直の連通が、ノズル下側からの気泡放出を制御するためである、請求項21に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項23】 ノズル底部の開口を通って金属流が降下でき、ノズル下側での鋳造溜めの停滞を防ぐ、請求項21又は22に記載の金属ストップ連続鋳造方法。
【請求項24】 ノズル底部の開口が、ノズル下側付近の鋳造溜めの余分な炭素が金属供給ノズルの溶解を引き起こすのを防ぐためのものである、請求項23に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項25】 ノズル底部の開口が、ノズル下側から上方へと通気して鋳造溜めの上部域に気泡が発生するのを防ぐためのものである、請求項21又は22に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項26】 ノズル底部の開口がノズル長手方向に沿って離間配置されている、請求項21乃至25のいずれかに記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項27】 ノズル下側を上方に凹ませ、ノズル底部の開口をノズルの上方に凹ませた下側の最高部に沿って一線に配置した、請求項25に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項28】 上方に凹ませたノズル下側の両端を閉じて上方にトラフ状になったノズル下側を形成した、請求項27に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項29】 ノズル底部の開口がノズルトラフの床に形成した丸孔である、請求項21乃至28のいずれかに記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項30】 ノズル底部の開口を、下方外方にテーパーした孔とし、金属流降下に優先して上方への通気を促進させた、請求項21、27又は28に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ストリップの鋳造に関する。特に鉄系金属ストリップの鋳造に適用されるが、これに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造装置で連続鋳造することにより金属ストリップを鋳造することが公知である。冷却されて相反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般を指すものとする。溶融金属は取鍋から1つ又は一連の小容器へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持される溶融金属の鋳造溜めを形成することができる。この鋳造溜めの端は、ロール端面に摺動係合して保持される側部堰又は側部プレートで構成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】双ロール鋳造は、冷却によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功をおさめているが、凝固温度が高く、冷却されたロール鋳造表面での不均一な凝固により欠陥の生じやすい鉄系金属の鋳造技術に適用するにはいろいろ問題がある。
【0004】従って、金属を滑らかに且つ均一に鋳造溜めへ且つ溜め内で流すよう金属供給ノズルの設計に多くの留意が払われている。
【0005】アメリカ特許第5,178,205号及び第5,238,050号に開示の装置はいずれも、金属供給ノズルが鋳造溜め表面下へと延びており、鋳造溜めに浸漬した金属供給ノズル底端の長孔出口へと流下する溶融金属の運動エネルギを減らす手段を組み入れている。アメリカ特許第5,178,205号に開示の装置では、運動エネルギを減らすのは流れディフューザである。流れディフューザは複数の流路とディフューザ上方に位置したバッフルとを有しており、ディフューザ下方では溶融金属が出口長孔を介して緩やかに且つ均一に鋳造溜めへと流れ込むので乱れが最小となる。アメリカ特許第5,238,050号に開示の装置では、溶融金属流が鋭角の衝突角度でノズル傾斜側壁面に落下・衝突できるようになっているので、金属が前記側壁面に付着して出口流路へと向う流れシートを形成する。ここでも、目的とするところは、鋳造溜めの乱れを最小とするよう金属供給ノズルの底部から金属流を緩やかに且つ均一に流出させることである。
【0006】新日本製鐵株式会社の特公平5−70537号公報も、鋳造溜めへ緩やかで均一な金属流を流下させるようにした金属供給ノズルを開示している。この金属供給ノズルには多孔のバッフル/ディフューザが備えられていて、流下する溶融金属から運動エネルギを除去し、運動エネルギを除去された金属流がノズル側壁の一連の開口から鋳造溜めへと流れる。開口は、ロール間隙長手方向にロール鋳造表面に沿って金属流が流れ込むような角度となっている。即ち、金属供給ノズルの一側の開口がロール間隙長手方向に金属流を一方向に流入させ、他側の開口が金属流をロール間隙長手方向の他方向に流入させ、鋳造表面に沿った滑らかで均一な流れを造り出すことにより鋳造溜め表面の乱れを最小とすることを目的としている。
【0007】本発明者らは鋭意試験・研究した結果、欠陥の大きな原因は、鋳造溜め表面がロール鋳造表面と出会う、いわゆる「メニスカス」又は「メニスカス域」において溶融金属が過早凝固することにあることを見知した。これらの域各々の溶融金属は隣接する鋳造表面の方へ流れ、もしロール表面と均一に接触する前に溶融金属の凝固が起きると、金属殻とロールとの間に不規則な初期伝熱が生じやすく、結果として、窪み、さざ波マーク、湯境、割れ等の表面欠陥が形成されてしまう。
【0008】鋳造溜めに溶融金属を非常に均一に流入させようとする従来の試みは、金属が最初に殻表面形成のために凝固する域、即ち、最終的に形成ストリップの外表面となる域から外れて金属流を流入させるため、過早凝固が或る程度激化するのを避けられず、従って、ロール間の鋳造溜め表面域での溶融金属温度は流入する溶融金属の温度よりもはるかに低い。メニスカス域での鋳造溜め溶融金属温度が低くなりすぎると、割れや「メニスカスマーク」(鋳造溜めレベルが不均一なままで固化するメニスカスにより生じるストリップ上のマーク)が非常に起きやすい。
【0009】従来、この問題を扱う1つのやり方として、流入する溶融金属に高レベルの過熱を与えることにより、ロール表面への到達前に凝固温度に達することなく溶融金属が鋳造溜め内で温度低下できるようにするという仕方があった。しかしながら、近年、鋳造溜めのメニスカス域に金属供給ノズルを直接差し入れて溶融金属の比較的急速な流入を確保するという手段をとることによって、鋳造ロール表面との接触前に溶融金属が過早固化するという傾向を最小限にすることで、過早凝固の問題が有効処理できることが認識されるようになった。この方法は、鋳造溜めへ絶対的に着実な金属流を提供する場合よりも表面欠陥の回避という点ではるかに有効であること、及び、ロール表面に接触するまで金属凝固が起きないため鋳造溜め表面の或る程度の変動を許容し得ることが判明している。このようなやり方の例は、新日本製鐵株式会社の特開平1−5650号や本出願人のオーストラリア特許出願第60773/96号に見られる。
【0010】流入溶融金属が比較的急速にメニスカス域に供給されることを確保するためには、側部開口を有する金属供給ノズルを用い、金属供給ノズル底部から横方向外方に鋳造ロールへと溶融金属を供給することが必要である。従来提案のこの種のノズルは、側部供給出口より下方の底端が完全に閉じられているが、この種のノズル使用時に、耐火ノズル浸漬部の炭素と遊離酸素又は鋳造溜め溶融金属中の化合物に含まれる酸素との化学反応により生じる一酸化炭素の気泡によって鋳造溜めに大きな乱流が起きる。側部開口及び閉じた底部というノズル設計であるため、鋳造溜めはノズル底部付近で澱み気味であり、ノズル底面にわたって気泡が大いに形成され、蓄積することを検知した。気泡は形成されるにつれてノズル側部を鋳造溜めメニスカス域へと流れ上り、この域に必要な定常状態を覆す。この問題は、炭素で還元され得る遊離酸素や酸素含有化合物をアルミニウムキルド鋼よりもはるかに多く含む珪素/マンガンキルド鋼の鋳造の場合に特に厳しい。メニスカスマークのほとんどはこの現象によるものと現在考えられている。
【0011】本発明は、金属供給ノズルの底部設計を修飾することによりこの問題に対処している。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属供給ノズルと、該金属供給ノズルの上方に配されて溶融金属を金属供給ノズルに供給する分配器とで構成された金属ストリップ鋳造装置において、金属供給ノズルを、ロール間隙長手方向に延びて溶融金属を分配器から受取る、上向きに開いた細長のノズルトラフで構成し、金属供給ノズルには金属供給ノズルから外方に溶融金属を流すための側部開口を備え、ノズル底部にはノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通させる開口を備えたことを特徴とする、金属ストリップ鋳造装置が提供される。
【0013】本発明は又、一対の冷却した鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配した細長の金属供給ノズルを介し溶融金属を鋳造ロール間に導入して、ロール間隙上方に支持された溶融金属鋳造溜めを形成し、ロール間隙から下方に送給される凝固ストリップを鋳造するよう鋳造ロールを回転する金属ストリップ連続鋳造方法において、金属供給ノズルを、ロール間隙長手方向に延びて溶融金属を受ける上向きに開いた細長のノズルトラフで構成し、金属供給ノズルには溶融金属を金属供給ノズルから外方に流す側部出口を備え、ノズル底部にはノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通する開口を備えたことを特徴とする、金属ストリップ連続鋳造方法を提供する。
【0014】本発明は更に又、溶融金属を受ける上向きに開いた細長のノズルトラフを成す、炭素から成る耐火材で造られた耐火体と、溶融金属を金属供給ノズルから側方外方に流す側部開口と、ノズル下側とノズルトラフ内部とを直に連通させるノズル底部の開口とから構成されることを特徴とする、鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズルを提供する。
【0015】ノズル下側とノズルトラフ内部との直の連通は、ノズル下側からの気泡放出を制御するためであるとすることができる。
【0016】ノズル底部の開口を通って金属流が降下でき、ノズル下側での鋳造溜めの停滞を防ぐことができる。ノズル底部の開口は、ノズル下側付近の鋳造溜めの余分な炭素が金属供給ノズルの溶解を引き起こすのを防ぐためのものとすることができる。
【0017】上記の替わりに又は上記に加えて、ノズル下側の開口はノズル底部の開口が、ノズル下側から上方へと通気して鋳造溜めの上部域に気泡が発生するのを防ぐためのものとすることができる。
【0018】好ましくは、ノズル底部の開口がノズル長手方向に沿って離間配置されている。
【0019】又、好ましくは、ノズル下側を上方に凹ませ、開口をノズルの上方に凹ませた下側の最高部に沿って一線に配置する。上方に凹ませたノズル下側の両端を閉じて上方にトラフ状になったノズル下側を形成してもよい。
【0020】ノズル底部の開口はノズルトラフの床に形成した丸孔とすることができる。又は、それら開口を下方外方にテーパーした孔とし、金属流降下に優先して上方への通気を促進させてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を更に充分に説明するため、添付図面を参照して特定の方法及び装置を更に詳細に説明する。
【0022】図1乃至図12は本発明の実施の形態の一例を示すもので、図示した鋳造装置は工場床12から立上がった主機械フレーム11を有する。主機械フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーション14と鋳造ステーション15との間を水平に移動可能である。鋳造ロール台車13が担持する一対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に取鍋17から分配器18と金属供給ノズル19とを介して溶融金属が供給される。鋳造ロール16は水冷されているので、動いているロール表面に金属殻が形成されロール間隙にて合わされて、ロール出口で凝固ストリップ品20が造られる。この凝固ストリップ品20を主コイラ21に送って、次いで第2コイラ22に送給し得る。容器23が鋳造ステーション15に隣接して主機械フレーム11に取付けられているので、溶融金属を分配器18の溢れ口24を介して容器23へと逃すことができる。
【0023】鋳造ロール台車13を構成する台車フレーム31がホイール32によりレール33に載り、レール33は主機械フレーム11の一部に沿って延びているので、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動可能に載っていることになる。台車フレーム31が担持する一対のロールクレードル34に鋳造ロール16が回転可能に取付けられる。鋳造ロール台車13をレール33に沿って移動させることができる複動油圧ピストンシリンダ装置39は鋳造ロール台車13の駆動ブラケット40と主機械フレーム11との間に接続されて、鋳造ロール台車13をアセンブリステーション14から鋳造ステーション15へ、又その逆へ移動させることができるようになっている。
【0024】鋳造ロール16は電動モータのロール駆動軸41と台車フレーム31上のトランスミッションとを介して相反方向に回転される。鋳造ロール16の銅製周壁に形成され縦方向に延び周方向に離間した一連の水冷通路には、回転グランド43を介して水冷ホース42に接続されたロール駆動軸41内の水冷導管からロール端を介し冷却水が供給される。鋳造ロール16の典型的な大きさは径が約500mmで、最大2m幅の凝固ストリップ品を造れるよう長さを最大2mにすることができる。
【0025】取鍋17は全く従来の構成であって、天井クレーンからヨーク45を介し支持されており、高温金属受けステーションから定位置へと移すことができる。取鍋17に取付けられたストッパロッド46をサーボシリンダにより動かすことによって、溶融金属を取鍋17から出口ノズル47と耐火シュラウド48を介して分配器18へと流すことができる。
【0026】分配器18は、防食ライニングを備えた高アルミナキャスタブル等の耐火材料で造られた広皿状のものである。分配器18の一側は取鍋17からの溶融金属を受け、又、前記した溢れ口24を備えている。分配器18の他側には縦方向に離間した一連の出口開口52が備えられている。分配器18下部を担持する取付ブラケット53は分配器18を台車フレーム31に取付けるためのものであって、台車フレーム31の位置合わせペグ54を受けて分配器18を正確に位置決めするようになっている。
【0027】金属供給ノズル19はアルミナグラファイト等の耐火材料で造られた2つの同形の半部で形成され、端同士を合わせ保持されて完全なノズルを構成する。図5乃至図12は、取付ブラケット60で台車フレーム31に支持される金属供給ノズル19半部の構成を示している。金属供給ノズル19半部の上部には外方に突出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケット60上に位置する。
【0028】各金属供給ノズル19半部はほぼトラフ状であって、金属供給ノズル19は分配器18の出口開口52から流下する溶融金属流65を受ける上方に開いたノズルトラフ61を形成する。ノズルトラフ61は長手方向の側壁62と端壁70との間に形成され、金属供給ノズル19半部の2つの平らな端壁80で両端間を横方向に仕切られると見なすことができ、それら端壁80を合わせて完全なノズルとされる。ノズルトラフ61底部を閉じる水平な床63は、面取りした底隅部81で側壁62と合わされる。金属供給ノズル19の底隅部81には、ノズル長手方向に沿って一定間隔で配した、長手方向に離間する細長長孔状の側部開口64を備える。側部開口64は、溶融金属をほぼノズルトラフ61の床63の高さで出すよう配置されている。
【0029】直立した一対の流バリヤ壁84が、側部開口64に隣接してノズルトラフ61の床63から立ち上がる。流バリヤ壁84はノズルトラフ61の全長にわたって連続して延び、以下に述べる如き流入溶融金属流65を受ける内側トラフ溝85を構成する。
【0030】金属供給ノズル19半部外端には、端壁70を越えて外方に延びて、別々の溶融金属流65を鋳造溜め68の「三重点」域、即ち、2つの鋳造ロール16と側部堰板56とが会する鋳造溜め68の域に向かわせる、端形成部87を設ける。溶融金属を三重点域に向かわせる目的は、これらの域で溶融金属の過早凝固による「スカル」(skulls)の形成を防ぐことであり、それについては本出願人らのオーストラリア特許出願第35218/97号に更に詳細に記述されている。
【0031】各端形成部87は、分配器18からの溶融金属を受ける上向きに開いた小さなリザーバ88を形成し、このリザーバ88はノズルトラフ61から端壁70によって分離されている。端壁70の上端89はノズルトラフ61上端及びリザーバ88上端よりも低く、以下に詳述する如く、リザーバ88溢流時のノズルトラフ61への逆流を許す堰として働くことができる。
【0032】リザーバ88は平らな床部91、傾斜した内面92及び側面93、そして湾曲した直立外面94を有する浅皿状に形成される。一対の三重点注通路95がこのリザーバ88の横方向外側から床部91高さの直ぐ上に延びて、端形成部87下側の三重点注出口96に接続する。三重点注出口96は下方内方に傾斜して溶融金属を鋳造溜め68の三重点域に供給する。
【0033】溶融金属は一連の垂直に自由落下する溶融金属流65として分配器18の出口開口52からノズルトラフ61底部に落下する。溶融金属がこのノズルトラフ61から側部開口64を介して流出し、鋳造ロール16間のロール間隙69上方に支持された鋳造溜め68を形成する。鋳造溜め68を鋳造ロール16端で囲込むのが一対の側部堰板56であり、それらは鋳造ロール16の端部57に当てて保持されている。側部堰板56は窒化硼素等の強耐火材料で造られ、板ホルダ82に取付けられる。板ホルダ82は一対の流体圧シリンダ装置83の作動により可動であって、側部堰板56を鋳造ロール16端に係合させて溶融金属の鋳造溜め68の端クロージャを形成する。
【0034】鋳造作業では、金属流を制御することにより、金属供給ノズル19下端が鋳造溜め68に浸漬する高さに鋳造溜め68を保持し、金属供給ノズル19の、二連の水平方向に離間した側部開口64を鋳造溜め68の表面のすぐ下に配置する。溶融金属は、鋳造溜め68表面のすぐ近くで鋳造ロール16冷却表面に衝突するよう、側部開口64を介し鋳造溜め68表面の全般に近くで側方外方を向いた2つの噴出流として流出する。このことにより、鋳造溜め68のメニスカス域に供給される溶融金属流65の温度が最大となり、ストリップ表面での割れやメニスカスマークの形成が大幅に減少することが見出された。
【0035】溶融金属流65は内側トラフ溝85に落下し、2枚の直立した流バリヤ壁84間でノズルトラフ61の床63に衝突する。従って、衝突した金属流は流バリヤ壁84に当たって外方に流れるので、側部開口64へと直接流れることが防がれる。溶融金属の運動エネルギは流バリヤ壁84との二次的衝突により大幅に減少するので、溶融金属は始めは内側トラフ溝85内に収まり、次いでほぼ定常な連続流状態で流バリヤ壁84を越えて側部開口64へと流れる。運動エネルギを減らすのを確実とするため、内側トラフ溝85を平らな床と直立した側壁62とを鋭く限定した隅で会わせることにより構成して、二重衝突効果を生み出すことが重要である。
【0036】分配器18の出口開口52と側部開口64とは、ノズル長手方向にずらされているので、溶融金属流65は相並んだ複数対の側部開口64間の位置でノズルトラフ61の床63に衝突する。鋳造溜め68が金属供給ノズル19底部より僅かに上の高さにまで上がることにより鋳造溜め68表面がノズルトラフ61床面よりも僅かに上になってノズルトラフ61内の溶融金属と同じ高さとなるよう装置を操作することができることが判明している。このようにすれば、非常に安定した鋳造溜め68状態を得ることができ、三重点注出口96が下方に充分な角度に傾斜していれば、静止した鋳造溜め68表面を得ることができる。
【0037】本図示例によれば、ノズルトラフ61の床63下側を中高にして上方に凹んだ下面100とし、床63に、更に一連の長手方向に離間した開口101を下面100最高部に沿って一線に配する。ノズル操作では、溜めが一般に下面100で澱み、この表面で、ノズル耐火材料中の炭素と遊離酸素や鋳造溜め68の溶融金属中の酸素含有化合物との間の化学反応により一酸化炭素の気泡が非常に顕著に形成されることが見いだされている。この気泡は下面100の凹みに囲まれ、開口101を通ってノズルトラフ61内へと通気される。ノズルトラフ61内では一酸化炭素の気泡は害になり得ない。このようにして又は他の制御方法で通気しないと、気泡がノズル側部を逃げ上り鋳造溜め68のメニスカス域を乱す。
【0038】開口101はノズル下側付近で鋳造溜め68へと金属流が流れる追加の源ともなることができ、ノズル下側に比較的大きな気泡が全体に停滞・蓄積するのを防ぐ。開口101は金属流が充分に流れるサイズとすることができ、気泡が形成されてかなりの大きさに成長する前に表面から除去する清掃作用を生み出す。その金属流は、ノズル下側付近で鋳造溜め68から余分な炭素を除去し、炭素と溜めの遊離酸素との化学反応を積極的に抑制する効果を有する。計算によれば、遊離酸素との化学反応が進むには少なくとも4%の炭素がなければならない。従って、清掃作用により炭素含量をこのレベルより低く保つことができれば、耐火材料に由来する炭素での化学反応が減少する。
【0039】開口101は側部開口64からの主金属流よりも優先して金属流が流れることのない程には小さくなければならないが、閉塞の起きない程度には大きくなければならない。2mm〜7mmの径の丸孔ならばこの結果を達成でき、5mm径の孔が特に好適である。このサイズの孔なら、大いに通気作用やノズル下側への金属流降下が果たせるようである。しかしながら、孔のサイズは主としては気泡通気のことを、そして補助的に金属流降下のことを考えて選択すると了解すべきである。
【0040】開口101はノズルに沿って均一に離間配置してもよいし、ノズル端に集中させてもよい。好ましくは、溶融金属流65と揃わないように配置する。従って、溶融金属流65に対して互い違いになるようノズル出口に隣接して離間配置させることができる。開口101のサイズはノズルに沿って相異ならせることができ、例えば、ノズル端域よりも気泡形成が多い形跡があるノズル中央部の開口101を大きくすることができる。
【0041】開口101は径の一様な円筒状に形成してもよいが、下方外方にテーパーした形状として気泡漏斗効果を生じさせて金属流降下に優先させて気泡通気を促進することができる。
【0042】側部開口64が2つの金属供給ノズル19半部の内端に設けられていることが重要であって、このことによりノズル中央域付近に溶融金属が充分に供給されて溜めのこの域でのスカル形成を確実に防ぐことができる。
【0043】分配器18から流下する2つの最外溶融金属流65、即ち分配器18から流下する溶融金属流65のうち分配器18の長手方向両端部における2つの溶融金属流65をリザーバ88が受ける。分配器18の2つの最外出口開口52、即ち分配器18の長手方向両端部における2つの出口開口52は、各リザーバ88が傾斜した内面92の直ぐ外側で床部91に衝突する単一の金属流を受けるように整合している。溶融金属が床部91に衝突して床部91に外方へと扇状に広がり、三重点注通路95を経て三重点注出口96に至り、高温溶融金属の内方・下方傾斜噴射流が側部堰の面にわたって且つロール間隙69側の鋳造ロール16端に沿って生み出される。三重点注ぎは各リザーバ88の浅くて広い溶融金属溜めのみにより行われ、リザーバ88の溜め高さは端壁70の上端89の高さによって制限される。リザーバ88がいっぱいになったら溶融金属は端壁70の上端89を越えてノズルトラフ61へと溢流できるので、端壁70は端形成部87のリザーバ88の溜め深さを制御する堰の役目を果たす。この溜めの深さは、三重点注通路95に溶融金属の一定流を供給して非常に均一な溶融金属流65を達成するのに充分以上のものである。この制御流はストリップ端を適切に形成するのに非常に重要である。三重点注通路95を通る流れが過剰であるとストリップ端に膨らみが生じ、少な過ぎるとスカルが生じてストリップに「蛇卵(snake egg)」欠陥が生じてしまう。
【0044】端形成部87の底面98は溜め表面よりも上げられていて、三重点域での溜め表面の冷却を防ぐようになっている。又、底面98は外方・上方に傾斜している。このことは、金属供給ノズル19端下側でスラグ等の異物が堆積して詰まりが生じるのを防ぐために好ましい。このような詰まりが生じると、溜めからガスや煙霧が逃げるのが塞がれ、爆発の恐れがある。
【0045】以上説明した装置は単に例示のためのものであって、本発明がこれの詳細に限定されないのは勿論である。特に、金属供給ノズル19に三重点注端形成部を設けるのは、現在のところ好ましいノズル形状ではあるが、本発明にとって不可欠ではない。ノズルトラフ61に流バリヤ壁84を設けて、側部開口64へと流れる溶融金属の運動エネルギを減らすことが好ましいが、これらのバリヤをなくして他の定常流発生手段をノズルに設けてもよい。上に凹んだノズル下面をノズル両端で閉じることにより上向きトラフ状のノズル下面を構成し、底部開口101を介して通気される気泡の収集能力を高めることもできる。このような変更は、ここで述べられた全ての新規特徴及びそれらの組み合わせに及ぶ本発明の範囲内で可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ストリップ鋳造装置、鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル及び金属ストリップ連続鋳造方法によれば、以下の如き優れた効果を奏し得る。
【0047】側部開口から溶融金属を充分に供給して鋳造溜めでのスカル形成を確実に防ぐことができる。
【0048】ノズル下側からの気泡を開口を介してノズルトラフ内へ放出させることができ、気泡が鋳造溜めのメニスカス域を乱すことを防止し得る。
【0049】ノズル底部の開口をノズル下側付近で鋳造溜めへと金属流が流れる追加の源とすることができ、ノズル下側に比較的大きな気泡が全体に停滞・蓄積するのを防止し得、且つノズル下側付近で鋳造溜めから余分な炭素を除去し、炭素と鋳造溜めの遊離酸素との化学反応を積極的に抑制し得、耐火材料に由来する炭素での化学反応を減少させて金属供給ノズルの溶解を防止し得る。




 

 


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