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発明の名称 金属ストリップ鋳造方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−43840
公開日 平成10年(1998)2月17日
出願番号 特願平9−120903
出願日 平成9年(1997)5月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
発明者 クリス バハリス
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 冷却される鋳造ロール間に溶融金属を導入して、鋳造ロールのロール間隙上方に支持されてロール間隙端部での端が耐火性の端クロージャで構成される溶融金属鋳造溜めを形成し、鋳造ロールを回転させることにより凝固ストリップを鋳造してロール間隙から下方へと送給する金属ストリップ鋳造方法において、温度上昇が生じるように電磁界への晒しに対し感受性のある感受体素子を端クロージャに隣接して配置し、前記感受体素子各々を電磁界に晒すことにより前記感受体素子を温度上昇させて端クロージャを加熱することによって、鋳造開始前に端クロージャを予熱することを特徴とする、金属ストリップ鋳造方法。
【請求項2】 感受体素子が金属板であり、電磁界に晒されることにより電流を誘導することができて、感受体素子が温度上昇する、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項3】 金属板が鋼板である、請求項2に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項4】 感受体素子を端クロージャの内面に隣接配置した、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項5】 各端クロージャの外面に隣接して配置した一対の導電体に電流を通すことにより発生した電磁界に感受体素子を晒す、請求項4に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項6】 感受体素子を電磁界に晒して、鋳造ロール端での作動位置にある端クロージャを加熱する、請求項5に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項7】 感受体素子が、鋳造ロールと接触することなく端クロージャ上に支持される、請求項6に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項8】 鋳造開始前に感受体素子を除去する、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項9】 感受体素子を端クロージャに隣接した位置に残し置き、鋳造開始時に溶融金属により消費させる、請求項1乃至7のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項10】 感受体素子を鋳造に使われる溶融金属よりも低い融点を持つ金属で造った、請求項9に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項11】 感受体素子を電磁界に晒して、鋳造ロール端から離れた非作動位置にある端クロージャを加熱し、次いで感受体素子を除去し、予熱された端クロージャを移動させて鋳造ロール端に係合させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項12】 鋳造溜めの溶融金属を電気誘導加熱により加熱するよう、鋳造中に導電体に電流を通し続ける、請求項1乃至11のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項13】 各導電体が、ほぼ鋳造溜め表面の高さにある比較的幅広の頂部を比較的幅狭の底部に、下方に窄まる一対の側部により接続して成る単一ループである、請求項12に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項14】 ループ側部が、各端クロージャと鋳造ロールとの接続部に倣って湾曲している、請求項13に記載の金属ストリップ鋳造方法。
【請求項15】 間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、溶融金属をロール間隙に送給して、ロール間隙上方に支持された溶融金属鋳造溜めを形成する金属供給手段と、対の鋳造ロールの各端に一つずつ配した、鋳造溜めを構成する一対の耐火性の端クロージャとで構成した金属ストリップ鋳造装置において、端クロージャの外側に配した一対の導電体と、該導電体を通電して端クロージャ付近に電磁界を発生させる電気供給手段と、端クロージャに隣接して配して、温度上昇することにより端クロージャを加熱するよう前記電磁界への晒しに感じやすい一対の感受体素子とを特徴とする、金属ストリップ鋳造装置。
【請求項16】 感受体素子を端クロージャの内面に隣接配置した、請求項15に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項17】 感受体素子が金属板であり、電磁界に晒されることにより電流を誘導することができて、感受体素子が温度上昇する、請求項15又は16に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項18】 金属板が鋼板である、請求項17に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項19】 金属板の上縁にフランジを設けることにより、金属板を鋳造ロールに接触することなく端クロージャで支持した、請求項17又は18に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項20】 各導電体が、ほぼ鋳造溜め表面の高さにある比較的幅広の水平頂部を、ロール間隙高さから上方に離間した比較的幅狭の底部に、下方に窄まる一対の側部により接続して成る単一ループである、請求項15乃至19のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項21】 ループが、鋳造溜め深さの上から2/3より下に延びないよう、ロール間隙上方に離間した、請求項20に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項22】 ループ側部が、各端クロージャと鋳造ロールとの接続部に倣って湾曲している、請求項20又は21に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項23】 各ループが、中空金属チューブから成る単一の台形ループであり、前記中空金属チューブ内に冷却流体を循環させる冷却手段を設けた、請求項20乃至22のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項24】 電気供給手段が、周波数6〜10kHzの交流電流を供給するものである、請求項15乃至23のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ストリップ鋳造に関する。特に鉄系金属ストリップ鋳造に適用されるが、これに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造機で連続鋳造することにより金属ストリップを鋳造することが公知である。冷却されて相反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固したストリップとしてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持される溶融金属の鋳造溜めを形成する。この鋳造溜めの端は、ロール端面に摺動係合して保持される端クロージャ板又は端クロージャ堰により構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鋳造開始前には、金属供給システム内の耐火材と鋳造溜め端クロージャ板又は端クロージャ堰を高温に予熱することによって、開始時の溶融金属の過早凝固を防ぐことが必要である。特に鉄系金属を鋳造する場合には、耐火材は1000℃を越える非常に高い温度に予熱しなければならない。このことは、一般に、ガス又は電気加熱される予熱炉内で不活性雰囲気において個々の耐火材素子を加熱することによって達成される。このような予熱は一般に少なくとも45分かかり、予熱した端クロージャは移動させて、鋳造開始直前に鋳造ロールに組付けなければならない。このためには、非常に高温な素子を極く短時間で急速に組付けることにより、鋳造開始前に温度降下するのを防がねばならないが、これには一般に複雑なロボット工学と入念な開始体制が必要になるという問題があった。
【0004】本発明は、上述の実情に鑑みて成したもので、端クロージャを別個の炉で予熱してそれらを鋳造機に組付ける替わりに、鋳造溜め端クロージャを適宜位置で、更には本来の組付け位置でも急速予熱できるようにすることによって、開始手順を簡略化することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、冷却される鋳造ロール間に溶融金属を導入して、鋳造ロールのロール間隙上方に支持されてロール間隙端部での端が耐火性の端クロージャで構成される溶融金属鋳造溜めを形成し、鋳造ロールを回転させることにより凝固ストリップを鋳造してロール間隙から下方へと送給する金属ストリップ鋳造方法において、温度上昇が生じるように電磁界への晒しに対し感受性のある感受体素子を端クロージャに隣接して配置し、前記感受体素子各々を電磁界に晒すことにより前記感受体素子を温度上昇させて端クロージャを加熱することによって、鋳造開始前に端クロージャを予熱する、金属ストリップ鋳造方法が提供される。
【0006】感受体素子が金属板であってよく、電磁界に晒されることにより電流を誘導することができて、感受体素子が温度上昇する。金属板は例えば鋼板であってよい。
【0007】好ましくは、感受体素子は端クロージャの内面に隣接配置する。好ましくは、更に、各端クロージャの外面に隣接して配置した一対の導電体に電流を通すことにより発生した電磁界に感受体素子を晒す。
【0008】鋳造開始前に感受体素子を除去してもよい。或いは、感受体素子を端クロージャに隣接した位置に残し置き、鋳造開始時に溶融金属により完全に又は部分的に消費させてもよい。
【0009】鋳造溜めの溶融金属を電気誘導加熱により加熱するよう、鋳造中に導電体に電流を通し続けてもよい。この場合、各導電体は、ほぼ鋳造溜め表面の高さにある比較的幅広の頂部を比較的幅狭の底部に、下方に窄まる一対の側部により接続して成る単一ループであるのが好ましい。ループ側部は、各端クロージャと鋳造ロールとの接続部に倣って湾曲させることができる。
【0010】本発明は、又、間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、溶融金属をロール間隙に送給して、ロール間隙上方に支持された溶融金属鋳造溜めを形成する金属供給手段と、対の鋳造ロールの各端に一つずつ配した、鋳造溜めを構成する一対の耐火性の端クロージャとで構成した金属ストリップ鋳造装置において、端クロージャの外側に配した一対の導電体と、該導電体を通電して端クロージャ付近に電磁界を発生させる電気供給手段と、端クロージャに隣接して配して、温度上昇することにより端クロージャを加熱するよう前記電磁界への晒しに感じやすい一対の感受体素子とからなる金属ストリップ鋳造装置も提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明をより詳細に説明するために、添付図面を参照して、本発明の特定の方法及び装置を記述する。
【0012】図示した装置は、本発明と、本出願人の同時係属出願である1996年4月18日出願のオーストラリア特許出願第PN9536号「ストリップ鋳造」に十分に開示した発明の両方を具現化するものである。このオーストラリア特許出願に開示の発明は、鋳造溜めを構成する端クロージャ付近で「スカル」と呼ばれる凝固金属片が形成されるのを防ぐよう鋳造溜め表面の直ぐ近くで鋳造溜めの溶融金属を電磁加熱することに関している。そのような「スカル」の形成は鋼ストリップ鋳造で特に問題である。凝固金属のスカルがかなりのサイズに成長して鋳造ロール間に落下することにより、鋳造ロール同士が「弾き」離れて、形成ストリップに重大な欠陥が生じる恐れがある。図示した鋳造機は一対の誘導加熱器素子を鋳造時に働く鋳造溜め端クロージャの直ぐ外側に備えているので、鋳造溜め表面の直ぐ近くで鋳造溜めの溶融金属を加熱して「スカル」の形成を防ぐことができる。本発明によれば、これらの誘導加熱器素子を、鋳造溜めに隣接配置した「感受体」素子と共に鋳造開始前に操作することにより鋳造溜め端クロージャを本来の組付け位置で予熱することができる。
【0013】図1〜図10に示す鋳造機は工場床12から立上がった主機械フレーム11を有する。主機械フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーション14と鋳造ステーション15との間を水平に移動可能である。鋳造ロール台車13が担持する一対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に分配器18と金属供給ノズル19とを介して取鍋17から溶融金属が供給される。鋳造ロール16は水冷されているので、動いているロール表面に殻が凝固し、凝固殻がロール間隙で合体されて、ロール出口で凝固ストリップ20が造られる。この凝固ストリップ20は標準コイラ21に送られるが、後に第2コイラ22に送給することが可能である。容器23が鋳造ステーション15に隣接して主機械フレーム11に取付けられているので、溶融金属を分配器18上の溢れ口24を介し、この容器23へと逃すことができる。
【0014】鋳造ロール台車13を構成する台車フレーム31がホイール32を介してレール33に載り、レール33は主機械フレーム11の一部に沿って延設されているので、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動可能に載っていることになる。台車フレーム31が担持する対のロールクレードル34に鋳造ロール16が回転可能に取付けられる。鋳造ロール台車13全体をレール33に沿って移動させることができる複動油圧ピストンシリンダ装置39は鋳造ロール台車13の駆動ブラケット40と主機械フレーム11との間に接続されて、鋳造ロール台車13をアセンブリステーション14から鋳造ステーション15へ、又その逆へ移動させることができるようになっている。
【0015】鋳造ロール16は、図示しない電動モータのロール駆動軸41と台車フレーム31上のトランスミッションとを介して相反方向に回転される。鋳造ロール16の銅製周壁に形成され縦方向に延び周方向に離間した一連の水冷通路には、回転グランド43を介して水冷ホース42に接続されたロール駆動軸41内の水冷導管からロール端を介し冷却水が供給される。鋳造ロール16の典型的な大きさは径が約500mmで、幅が2mの凝固ストリップ20を造るために、長さを2mまでとすることができる。
【0016】取鍋17はまったく在来の構成であって、図示しない天井クレーンからヨーク45を介して支持されており、高温金属受けステーションから定位置へと移すことができる。取鍋17に取付けられたストッパロッド46をサーボシリンダで動かすことによって、溶融金属を取鍋17から出口ノズル47と耐火シュラウド48とを介して分配器18へと流すことができる。
【0017】分配器18は、防食ライニングを備えた高アルミナキャスタブル等の耐火材料で造られて広皿状に形成される。分配器18の一側は取鍋17からの溶融金属を受け、又、前記した溢れ口24を備えている。分配器18の他側には縦方向に離間した一連の出口開口52が備えられている。分配器18下部を担持する取付ブラケット53は分配器18を台車フレーム31に取付けるためのものであって、取付ブラケット53に備えた開口で台車フレーム31の位置合わせペグ54を受けて分配器18を正確に位置決めするようになっている。
【0018】金属供給ノズル19はアルミナグラファイト等の耐火材料で造られた細長体として形成され、下部がテーパ状になっていて内方及び下方にすぼまっているので、鋳造ロール16間隙に挿入できる。取付ブラケット60は金属供給ノズル19を台車フレーム31で支持するために備えられ、金属供給ノズル19上部には外方に突出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケット60上に位置する。
【0019】金属供給ノズル19は、分配器18の出口開口52から流下する溶融金属を受ける、上方に開いたノズルトラフ61を有する。ノズルトラフ61の底部は下方にすぼまった側壁62間に形成され、トラフ底部は水平底部床63で閉じられる。各長手方向側壁62は、側壁62を水平方向に貫通した円形孔の形の、一連の水平方向に離間した側壁開口64を穿孔されている。
【0020】溶融金属は一連の自由落下垂直流65として分配器18の出口開口52から落下し、ノズルトラフ61の底部に溶融金属のリザーバ66を形成する。溶融金属がこのリザーバ66から側壁開口64を介して流出し、鋳造ロール16間のロール間隙上方に支持された鋳造溜め68を形成する。該鋳造溜め68を鋳造ロール16端で囲込むのが一対の端クロージャ板56であり、それらは鋳造ロール16の端部57に当てて保持されている。端クロージャ板56は窒化硼素等の強耐火材料で造られ、板ホルダ82に取付けられる。板ホルダ82は対の流体圧シリンダ装置83の作動により可動であって、端クロージャ板56を鋳造ロール16端に係合させて溶融金属鋳造溜めの端クロージャを形成する。
【0021】鋳造作業では、金属流を制御することにより、金属供給ノズル19下端が鋳造溜め68に浸漬する高さに鋳造溜め68を保持し、金属供給ノズル19の2連の水平方向に離間した側壁開口64を鋳造溜め68の表面の直ぐ下に配置する。溶融金属は、鋳造溜め68表面の直ぐ近くで鋳造ロール16冷却表面に衝突するよう、側壁開口64を介し鋳造溜め68表面の全般に近くで二つの側方外方を向いた噴射流として流出する。このことにより、鋳造溜め68のメニスカス域に供給される溶融金属の温度が最大となり、ストリップ表面での割れやメニスカスマークの形成が大幅に減少することが見出された。
【0022】オーストラリア特許出願第PN9356号によれば、一対の誘導加熱器素子101が端クロージャ板56の直ぐ外側に配される。より詳細には、端クロージャ板56がピボットピン84のまわりに旋回するのに端クロージャ板56の背部上部が干渉しないよう、誘導加熱器素子101はスラスタ体85に取付けられる。
【0023】各端クロージャ板56は、幅広の頂部102と幅狭の底部103と、鋳造ロール16の端部57に重なる弧状の側部104とで構成された形状である。各誘導加熱器素子101は、装置使用時に鋳造溜め68上部に隣接するよう各端クロージャ板56の背部に隣接配置したほぼ台形の導電構造から成る。より詳しくは、各誘導加熱器素子101は、平行なターミナルソケット105からほぼ矩形断面の厚肉管状銅導電体が台形ループ状に延びて形成され、バスバー110により交流電流供給リード111に接続された平行管状の導電部106を経てターミナルソケット105を介して交流電流が供給される。冷却水は図8に矢印112で示す如く導電部106を介してループ内を循環され、別個の冷却水流が矢印113に示す如くバスバー110内に通される。
【0024】各台形銅ループは、ほぼ鋳造溜め68表面の高さに配した幅広の頂部107と、鋳造溜め68表面よりも約70mm下方に配するよう構成された幅狭の底部108とを有する。頂部107と底部108とは、鋳造ロール16の湾曲に倣った弧状の側部109で接続される。
【0025】誘導加熱器素子101は端クロージャ板56に直ぐに隣接した鋳造溜め68上部の溶融金属に誘導加熱を引き起こすのに有効である。ループは鋳造溜め68のメニスカス域での三重点まわりで加熱を最大化するよう設計される。これにより鋳造溜め68のこの域での「スカル」形成が抑制されること、鋳造ロール16の長さ方向全体にわたり均一な金属流を鋳造溜め68のメニスカス域へ流す金属供給ノズルと相まって、鋳造用に供給される溶融金属の過熱を激減させることができること、及び、70℃以下の過熱を達成できることが証明されている。
【0026】非導電性の端クロージャ板56を用いることで、成形した誘導加熱器素子101により生じる電磁界が端クロージャ板56を介して延び、端クロージャ板56を加熱することなく且つ電磁界成素子形又は電磁界コンセントレータ素子の必要性なく、鋳造溜め68の溶融金属の有効な加熱を引き起こすことが判明している。しかしながら、電源要件を減らす目的で適宜の電磁界成形コア片を導電体ループの周りに設けて電磁界コンセントレータとして作用させることも発明の範囲内である。
【0027】端クロージャ板56を別個の炉で予熱してそれらを鋳造機に組付けることをする替わりに、本発明によれば、誘導加熱器素子101を使って端クロージャ板56を本来の組付け位置で予熱することができる。これは端クロージャ板56に磁性の「感受体素子」を設けることによって達成され、「感受体素子」は導電体によって発生される電磁界に対し高い感受性を持ち、加熱して直伝導により端クロージャ板56を予熱する。感受体素子は、反誘導加熱器素子101側の端クロージャ板56の面に配した金属板120の形状であって、金属板120の上縁に設けたフランジ121を端クロージャの頂部102に引っかけることによって金属板120を定位置に保持する。各金属板120は、鋳造ロール16の湾曲に倣って底部123に至る弧状の縁部122を有する。感受体素子である金属板120は、鋳造ロール16の鋳造面に関わりなく支持され、且つ、鋳造ロール16のロール間隙域に至る各端クロージャ板56のほぼ全体を覆うような形状とされている。
【0028】誘導加熱器素子101によって発生された電磁界が金属板120内に渦電流を誘導し、それにより金属板120は高温に加熱されて、端クロージャ板56を1000℃以上の温度に予熱することが十分可能である。金属板120は端クロージャ板56の予熱後に装置から除去することができる。或いは又、金属板120は単に定位置に残したままとし、鋳造開始時に鋳造溜め68の溶融金属で完全に又は部分的に溶かすこともできる。例えば、金属板120は鋳造されるべき溶鋼よりも融点の低い鋼であってよい。
【0029】金属板120を端クロージャ板56に配置するのは、端クロージャ板56を鋳造ロール16の端に定置する前でも後でもよい。
【0030】誘導加熱器素子101は鋳造溜め68の下部までは延びるべきではない。というのも、大きなダメージを与えるスカルが深さ約70mmまでの鋳造溜め上部にしか形成されないことが判明しており、他方、鋳造溜め下部域では鋳造ロール16がロール間隙に近づくときに金属は既に凝固しているため、この段階で再加熱しないことが重要だからである。このことは、加熱ループをロール間隙上方に離間させて、鋳造溜め深さの下から1/3の高さまで下方に延びないようにすることで確保できる。鋳造溜めの誘導加熱についての従来技術では、鋳造溜めの全般的な加熱が行われるだけであり、鋳造溜め深さ全体を加熱する加熱器が用いられている。誘導加熱器素子101を鋳造ロール間隙よりも充分上方に配置することにより、誘導加熱器素子101の下に流体圧シリンダ装置83のピストンロッド83aや関連するスラスタ構成部分を配置することができ、前記したように干渉を起こしたりスラスタ構成部品を不注意で加熱したりすることなく端クロージャ板56をピボットピン84まわりに傾動できる。
【0031】金属板120は誘導加熱器素子101よりも少し大きな台形に形成することもできるが、好ましくは図10に示すように下部域まで延ばすのがよい。
【0032】図11は、各端クロージャ板56が鋳造ロール16との係合から外されているが、金属板120は端クロージャ板56に付けられている状態を示す、平面図である。端クロージャ板56を鋳造作業位置へと移動してから予熱する替わりに、作業位置へと移動させる前に誘導加熱器素子101で予熱することもできることを理解すべきである。この場合、端クロージャ板56を鋳造ロール16端に係合させる前に金属板120を取外すことができ、従って、金属板120は端クロージャ板56の全面を覆うことができ、その形状やサイズは重要でなくなる。
【0033】1メートル幅の鋼ストリップを60m/分の割で製造する普通の双ロール鋳造機の操業において、誘導加熱器素子には周波数6〜10kHzで3000〜8000ampの電流を供給する必要がある。従って、誘導加熱器素子への全電力入力は加熱器一台当たり10〜100kW程度である。これが、耐火性の端クロージャ板を15分以内に1400℃程度の温度に予熱するのに充分であることが判明している。
【0034】図示した装置は単に例示のために示したものであって、種々変更が可能であるのは勿論である。例えば、図1〜6に示した装置のように、分配器であるタンディッシュから金属供給ノズルへと一連の自由落下流で溶融金属を供給する替わりに、鋳造溜めに浸漬した入口ノズルから金属供給ノズルへと金属を供給することもできる。これは、本出願人の国際出願PCT/AU97/00022で開示の如き単一チューブの形状でよく、こうすることにより、溶融金属の充分な直接流を供給ノズルを介して鋳造溜めに均一に配給することにより、溶融金属を鋳造溜めのメニスカス域に急速に配給することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ストリップ鋳造方法及び装置によれば、端クロージャを別個の炉で予熱してそれらを鋳造機に組付ける替わりに、導電体により発生される電磁界に晒すことにより感受体素子を加熱して直伝導により端クロージャを適宜位置で急速加熱することができ、更には端クロージャを本来の組付け位置としたままでも急速予熱することができるので、従来よりも開始手順を大幅に簡略化することができるという優れた効果を奏し得る。




 

 


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