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発明の名称 金属ストリップ鋳造方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−29045
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平9−95915
出願日 平成9年(1997)4月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
発明者 クリス バハリス
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一対の冷却した鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配した細長の金属供給ノズルを介し溶融金属を鋳造ロール間に導入し、ロール間隙上方に支持され且つ鋳造溜め囲込み端クロージャによりロール間隙端部を囲込まれた溶融金属の鋳造溜めを形成し、ロール間隙から下方に送給される凝固ストリップを鋳造するよう鋳造ロールを回転する金属ストリップ鋳造方法であって、溶融金属を金属供給ノズルから相反方向に外向きの二連の噴射流として流出して鋳造溜め表面の近辺の鋳造ロール冷却表面に直接衝突させると共に、前記端クロージャを非電導材料により構成して該端クロージャの外側に配した導電体に電流を通すことにより前記端クロージャ及び鋳造溜め表面付近の溶融金属を電磁誘導加熱することを特徴とする金属ストリップ鋳造方法。
【請求項2】 相互間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、両鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配され且つ溶融金属をロール間隙に供給してロール間隙上方に支持された溶融金属の鋳造溜めを形成する細長の金属供給ノズルと、前記対の鋳造ロール各端に一つずつ配された一対の鋳造溜め囲込み端クロージャとで構成した金属ストリップ鋳造装置であって、溶融金属を相反方向に外向きの二連の噴射流として流出して鋳造溜め表面の近辺の鋳造ロール冷却表面に直接衝突させるよう金属供給ノズルが長手方向側面各々に沿った一連の側部開口を有し、前記端クロージャが非電導材料から成るプレート状であり、前記端クロージャ各々の外側に一つずつ一対の導電体を配し、前記端クロージャと鋳造溜め表面付近の溶融金属に誘導加熱を起こすため前記導電体に電流を供給する電気供給手段を設け、各導電体が、ほぼ鋳造溜め表面の高さにあって鋳造溜め端部にわたって延びる比較的幅広の水平頂部を、ロール間隙高さから上方に離間した比較的幅狭の底部へと、下方に窄まる一対の側部により接続して成る単一ループ状であることを特徴とする金属ストリップ鋳造装置。
【請求項3】 導電体のループが、鋳造溜め深さの2/3より下に延びないようロール間隙上方に離間する請求項2に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項4】 導電体のループの側部が、各端クロージャと鋳造ロールとの接続部に倣って湾曲している請求項2又は3に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項5】 導電体のループの底部が、鋳造溜め表面高さの下方約70mm以内である請求項2、3又は4に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項6】 導電体のループが、中空金属チューブから成る単一の台形ループであり、前記中空金属チューブ内に冷却流体を循環させる冷却手段を設けた請求項2乃至5のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項7】 導電体を通る電流が周波数6〜10kHzの交流電流である、請求項2乃至6のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項8】 端クロージャがプレートホルダ内に保持され、該プレートホルダは鋳造ロールに対して端クロージャを押圧可能なよう一対のスラスタシリンダ装置のピストンロッドに接続され、導電体がピストンロッド上方に離間している請求項2、3又は4に記載の金属ストリップ鋳造装置。
【請求項9】 プレートホルダがシリンダ装置のピストンロッドに枢支接続されて端クロージャの傾動を可能にし、端クロージャの傾動に干渉しないよう導電体がピストンロッドに対し固定されている請求項8に記載の金属ストリップ鋳造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属ストリップの鋳造に関する。特に鉄系金属ストリップの鋳造に適用されるが、これに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造機で連続鋳造することにより金属ストリップを鋳造することが公知である。冷却されて相反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持されロール間隙長さ方向に延びる溶融金属の鋳造溜めを形成することができる。通常、この鋳造溜めの端を構成するのは、鋳造溜め両端からの溢流をせき止めるようロール端面に摺動係合して保持される側部堰又は側部プレートである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、双ロール鋳造は、冷却によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功をおさめているが、凝固温度が高く、冷却されたロール鋳造表面での不均一な凝固により欠陥を生じやすい鉄系金属の鋳造技術に適用するにはいろいろ問題がある。従って、金属を滑らかに且つ均一に鋳造溜めへと且つ溜め内で流すよう金属供給ノズルの設計に多くの留意が払われている。アメリカ特許第5,178,205号及び第5,238,050号に開示の装置はいずれも、金属供給ノズルが鋳造溜め表面下へと延びており、鋳造溜めに浸漬した金属供給ノズル底端の長孔出口へと流下する溶融金属の運動エネルギを減らす手段を組み入れている。アメリカ特許第5,178,205号に開示の装置では、運動エネルギを減らすのは流れディフューザである。流れディフューザは複数の流路とディフューザ上方に位置したバッフルとを有しており、ディフューザ下方では溶融金属が出口長孔を介して緩やかに且つ均一に鋳造溜めへと流れ込むので乱れが最小となる。アメリカ特許第5,238,050号に開示の装置では、溶融金属流が鋭角の衝突角度でノズル傾斜側壁面に落下・衝突できるようになっているので、金属が該側壁面に付着して出口流路へと向う流れシートを形成する。ここでも、目的とするところは、鋳造溜めの乱れを最小とするよう金属供給ノズルの底部から金属流を緩やかに且つ均一に流出させることである。
【0004】新日本製鐵株式会社の特公平5−70537号公報も、鋳造溜めへ緩やかで均一な金属流を流下させるようにした金属供給ノズルを開示している。この金属供給ノズルには多孔のバッフル/ディフューザが備えられていて、流下する溶融金属から運動エネルギを除去し、運動エネルギを除去された金属流がノズル側壁の一連の開口から鋳造溜めへと流れる。開口は、ロール間隙長手方向にロール鋳造表面に沿って金属流が流れ込むような角度となっている。即ち、金属供給ノズルの一側の開口がロール間隙長手方向に金属流を一方向に流入させ、他側の開口が金属流をロール間隙長手方向の他方向に流入させ、鋳造表面に沿った滑らかで均一な流れを造り出すことにより鋳造溜め表面の乱れを最小とすることを目的としている。
【0005】本発明者は鋭意試験・研究した結果、欠陥の大きな原因は、鋳造溜め表面がロール鋳造表面と出会う、いわゆる「メニスカス」又は「メニスカス域」において溶融金属が過早凝固することにあることを見知した。これらの域各々の溶融金属は隣接する鋳造表面の方へ流れ、もしロール表面と均一に接触する前に溶融金属の凝固が起きると、金属殻とロールとの間に不規則な初期伝熱が生じやすく、結果として、窪み、さざ波マーク、湯境、割れ等の表面欠陥が形成されてしまう。
【0006】鋳造溜めに溶融金属を非常に均一に流入させようとする従来の試みは、金属が最初に殻表面形成のために凝固する域、即ち、最終的に形成ストリップの外表面となる域から外れて金属流を流入させるため、過早凝固が或る程度激化するのを避けられず、従って、ロール間の鋳造溜め表面域での溶融金属温度は流入する溶融金属の温度よりもはるかに低い。メニスカス域での鋳造溜め溶融金属温度が低くなりすぎると、割れや「メニスカスマーク」(鋳造溜めレベルが不均一なままで固化するメニスカスにより生じるストリップ上のマーク)が非常に起きやすい。従来、この問題を扱う1つのやり方として、流入する溶融金属に高レベルの過熱を与えることにより、ロール表面への到達前に凝固温度に達することなく溶融金属が鋳造溜め内で温度低下できるようにするという仕方があったが、鋳造溜めのメニスカス域に金属供給ノズルを直接差し入れて溶融金属の比較的急速な供給を確保するという遥かに有効な方法が開発され、鋳造ロール表面との接触前に溶融金属が過早固化するという傾向が最小限になっている。この方法は、鋳造溜めへ絶対的に着実な金属流を提供する場合よりも表面欠陥の回避という点ではるかに有効であること、及び、ロール表面に接触するまで金属凝固が起きないため鋳造溜め表面の或る程度の変動を許容し得ることが判明している。流入金属に必要な過熱の非常に大幅な削減も達成できる。
【0007】本出願人が開発した特殊な方法及び装置によれば、溶融金属は金属供給ノズルから相反方向に外向きの二連の噴射流として流出し鋳造溜め表面の直ぐ近辺に衝突する。これにより、比較的低レベルに過熱された溶融金属で表面割れを形成することなく鋳造ができることが判明しているが、鋳造溜めの側部堰付近にいわゆるスカル(skulls)という固形金属片が形成することによりいろいろ問題が生じ得る。これらの問題は流入溶融金属の過熱を減らすことにより激化する。主に側部堰からロール端へと付随的に伝熱するために鋳造溜めからの熱損失率は側部堰付近で一番大きく、この局部的な熱損失の大きさが反映してこの域で固体金属のスカルが形成しやすく、かなりの寸法に成長し、ロール間に落下して「跳ね」散り、ストリップの欠陥を引き起し得る。
【0008】熱損失正味率は側部堰付近で大きいため、スカルを防ごうとするならこれら域への入熱率を増やさねばならない。例えば、出願人のアメリカ特許第5,221,511号に開示の金属供給ノズルに見られるように、タンディッシュから別個の金属流を受ける、金属供給ノズルの上部に坑道(galleries)を形成することによりこれらの「三重点」域に金属流を増加させるという提案が以前になされているが、このようにするには、複雑な坑道路を形成する必要があり、坑道内の金属の温度低下のため溶融金属の高レベルの過熱も必要となる。
【0009】本発明によれば、鋳造溜め全体の過熱を著しく増加させることなく、又、ロール間隙付近の鋳造溜め下方域の金属凝固に悪影響を及ぼすことなく、「スカル」の形成し得る鋳造溜め側部堰付近の鋳造溜め上部域内の溶融金属を、充分に的を絞って電磁誘導加熱することにより、必要な正味入熱増加を達成できる。
【0010】新日本製鐵株式会社の特開昭62−77156号は、双ロール鋳造機の側部堰付近での鋳造溜め電磁誘導加熱を開示している先願であるが、この出願では、鋳造ロール間のほぼ中央垂直平面内に配したC字巻きの誘導コイルを有する一対の誘導加熱装置を側部堰外側に配置することにより誘導加熱を達成しており、鋳造溜めの中央域では深さのほぼ全体に及ぶ拡散加熱が提供される。本発明によれば、遥かに注意深く的を絞った、スカルの形成が問題となる鋳造溜め上面のメニスカス域で鋳造溜めに入る溶融金属の加熱が達成可能である。これは、単一の閉鎖ループ状に形成して鋳造溜め上部付近に配置した誘導加熱コイルにより、鋳造溜めの上表面にわたり且つメニスカス域において的を絞った加熱が達成される。
【0011】ヨーロッパ特許公開第491641号は、薄い金属製の側部プレートで鋳造溜めを囲い、電磁誘導コイルをこれらの側部プレートの外側に配して、側部プレートと鋳造溜めの金属を加熱するようにした双ロール鋳造機を開示している。薄い金属製の側部プレートを使っているために、プレートの溶融や変形を防ぐための外部冷却手段が必要となり、溶融金属が冷却して厳しい問題がいろいろと生じてしまうので、この熱損失につり合う外部加熱手段が必須となる。このヨーロッパ文献に開示の装置の誘導コイルは低周波数で操作され、鋳造ロール間隙に隣接した下部域を含めて鋳造溜め端域全体にわたって拡散加熱が提供される。このことは、本発明により達成可能な的を絞った加熱とは対照的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一対の冷却した鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配した細長の金属供給ノズルを介し溶融金属を鋳造ロール間に導入し、ロール間隙上方に支持され且つ鋳造溜め囲込み端クロージャによりロール間隙端部を囲込まれた溶融金属の鋳造溜めを形成し、ロール間隙から下方に送給される凝固ストリップを鋳造するよう鋳造ロールを回転する金属ストリップ鋳造方法であって、溶融金属を金属供給ノズルから相反方向に外向きの二連の噴射流として流出して鋳造溜め表面の近辺の鋳造ロール冷却表面に直接衝突させると共に、前記端クロージャを非電導材料により構成して該端クロージャの外側に配した導電体に電流を通すことにより前記端クロージャ及び鋳造溜め表面付近の溶融金属を電磁誘導加熱することを特徴とする金属ストリップ鋳造方法が提供される。
【0013】更に、本発明は、相互間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、両鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に沿って配され且つ溶融金属をロール間隙に供給してロール間隙上方に支持された溶融金属の鋳造溜めを形成する細長の金属供給ノズルと、前記対の鋳造ロール各端に一つずつ配された一対の鋳造溜め囲込み端クロージャとで構成した金属ストリップ鋳造装置であって、溶融金属を相反方向に外向きの二連の噴射流として流出して鋳造溜め表面の近辺の鋳造ロール冷却表面に直接衝突させるよう金属供給ノズルが長手方向側面各々に沿った一連の側部開口を有し、前記端クロージャが非電導材料から成るプレート状であり、前記端クロージャ各々の外側に一つずつ一対の導電体を配し、前記端クロージャと鋳造溜め表面付近の溶融金属に誘導加熱を起こすため前記導電体に電流を供給する電気供給手段を設け、各導電体が、ほぼ鋳造溜め表面の高さにあって鋳造溜め端部にわたって延びる比較的幅広の水平頂部を、ロール間隙高さから上方に離間した比較的幅狭の底部へと、下方に窄まる一対の側部により接続して成る単一ループ状であることを特徴とする金属ストリップ鋳造装置も提供する。
【0014】斯かる金属ストリップ鋳造装置における導電体のループは、鋳造溜め深さの2/3より下に延びないようロール間隙上方に離間し、また、各ループの側部が、各端クロージャと鋳造ロールとの接続部に倣って湾曲していることが好ましく、更に好ましくは、ループの底部が鋳造溜め表面高さの下方約70mm以内であると良い。
【0015】更に、導電体のループは、中空金属チューブから成る単一の台形ループとし、前記中空金属チューブ内には冷却流体を循環させる冷却手段を設けると良い。
【0016】また、導電体を通る電流は周波数6〜10kHzの交流電流であることが好ましい。
【0017】更には、端クロージャのプレートがプレートホルダ内に保持され、該プレートホルダは鋳造ロールに対して端クロージャを押圧可能なよう一対のスラスタシリンダ装置のピストンロッドに接続され、導電体がピストンロッド上方に離間していることが好ましく、プレートホルダがシリンダ装置のピストンロッドに枢支接続されて端クロージャの傾動を可能にし、端クロージャの傾動に干渉しないよう導電体がピストンロッドに対し固定されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】図1〜図8は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図示した鋳造装置は工場床12から立上がった主機械フレーム11を有する。主機械フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーション14と鋳造ステーション15との間を水平に移動可能である。鋳造ロール台車13が担持する一対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に取鍋17から分配器18と金属供給ノズル19とを介して溶融金属が供給される。鋳造ロール16は水冷されているので、動いているロール表面に金属殻が形成されロール間隙にて合わされて、ロール出口で凝固金属ストリップ20が造られる。この金属ストリップ20を主コイラ21に送って、次いで第2コイラ22に送給し得る。容器23が鋳造ステーション15に隣接して主機械フレーム11に取付けられているので、溶融金属を分配器18の溢れ口24を介して容器23へと逃すことができる。
【0020】鋳造ロール台車13を構成する台車フレーム31がホイール32によりレール33に載り、レール33は主機械フレーム11の一部に沿って延びているので、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動可能に載っていることになる。台車フレーム31が担持する対のロールクレードル34に鋳造ロール16が回転可能に取付けられる。鋳造ロール台車13全体をレール33に沿って移動させることができる複動油圧ピストンシリンダ装置39は鋳造ロール台車13の駆動ブラケット40と主機械フレーム11との間に接続されて、鋳造ロール台車13をアセンブリステーション14から鋳造ステーション15へ、又その逆へ移動させることができるようになっている。
【0021】鋳造ロール16は電動モータのロール駆動軸41と台車フレーム31上のトランスミッションとを介して相反方向に回転される。鋳造ロール16の銅製周壁に形成され縦方向に延び周方向に離間した一連の水冷通路には、回転グランド43を介して水冷ホース42に接続されたロール駆動軸41内の水冷導管からロール端を介し冷却水が供給される。鋳造ロール16の典型的な大きさは径が約500mmで、最大2m幅のストリップ品を造れるよう長さを最大2mにすることができる。
【0022】取鍋17は全く従来の構成であって、天井クレーンからヨーク45を介し支持されており、高温金属受けステーションから定位置へと移すことができる。取鍋17に取付けられたストッパロッド46をサーボシリンダにより動かすことによって、溶融金属を取鍋17から出口ノズル47と耐火シュラウド48を介して分配器18へと流すことができる。
【0023】分配器18は、防食ライニングを備えた高アルミナキャスタブル等の耐火材料で造られた広皿状のものである。分配器18の一側は取鍋17からの溶融金属を受け、又、前記した溢れ口24を備えている。分配器18の他側には縦方向に離間した一連の出口開口52が備えられている。分配器18下部を担持する取付ブラケット53は分配器18を台車フレーム31に取付けるためのものであって、取付ブラケット53に備えた開口で台車フレーム31の位置合わせペグ54を受けて分配器18を正確に位置決めするようになっている。
【0024】金属供給ノズル19はアルミナグラファイト等の耐火材料で造られた細長体として形成され、下部がテーパ状になっていて内方及び下方にすぼまっているので、鋳造ロール16間隙に挿入できる。取付ブラケット60は金属供給ノズル19を台車フレーム31で支持するために備えられ、金属供給ノズル19上部には外方に突出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケット60上に位置する。
【0025】金属供給ノズル19は、分配器18の出口開口52から流下する溶融金属を受ける、上方に開いたノズルトラフ61を有する。ノズルトラフ61の底部は下方にすぼまった側壁62間に形成され、トラフ底部は水平底部床63で閉じられる。各長手方向側壁62は、側壁62を水平方向に貫通した円形孔の形の、一連の水平方向に離間した側部開口64を穿孔されている。
【0026】溶融金属は一連の自由落下垂直流65として分配器18の出口開口52から落下し、ノズルトラフ61の底部に溶融金属のリザーバ66を形成する。溶融金属がこのリザーバ66から側部開口64を介して流出し、鋳造ロール16間のロール間隙上方に支持された鋳造溜め68を形成する。鋳造溜め68を鋳造ロール16端で囲込むのが一対の側部堰板56であり、それらは鋳造ロール16の端部57に当てて保持されている。側部堰板56は窒化硼素等の強耐火材料で造られ、プレートホルダ82に取り付けられる。プレートホルダ82は対の流体圧シリンダ装置83の作動により可動であって、側部堰板56を鋳造ロール16端に係合させて溶融金属の鋳造溜めの端クロージャを形成する。
【0027】鋳造作業では、金属流を制御することにより、金属供給ノズル19下端が鋳造溜め68に浸漬する高さに鋳造溜め68を保持し、金属供給ノズル19の2連の水平方向に離間した側部開口64を鋳造溜め68の表面のすぐ下に配置する。溶融金属は、鋳造溜め68表面のすぐ近くで鋳造ロール16冷却表面に衝突するよう、側部開口64を介し鋳造溜め68表面の全般に近くで二つの側方外方を向いた噴射流として流出する。このことにより、鋳造溜め68のメニスカス域に供給される溶融金属の温度が最大となり、ストリップ表面での割れやメニスカスマークの形成が大幅に減少することが見出された。
【0028】本発明によれば、一対の誘導加熱素子101が側部堰板56の直ぐ外側に配される。より明細には、側部堰板56がピボットピン84のまわりに旋回するのに側部堰板56の背部上部が干渉しないよう、誘導加熱素子101はスラスタ体85に取り付けられる。
【0029】各側部堰板56は、幅広の頂部102と幅狭の底部103と、鋳造ロール16の端部57に重なる弧状の側部104とで構成された形状である。各誘導加熱素子101は、装置使用時に鋳造溜め68上部に隣接するよう各側部堰板56の背部に隣接配置したほぼ台形の導電構造から成る。より詳しくは、各誘導加熱素子101は、平行なターミナルソケット105からほぼ矩形断面の厚肉管状銅導電体が台形ループ状に延びて形成され、バスバー110により交流電流供給リード120に接続された平行管状の導電部106を経てターミナルソケット105を介して交流電流が供給される。冷却水は図8に矢印121で示す如く導電部106を介してループ内を循環され、別個の冷却水流が矢印122に示す如くバスバー110内に通される。
【0030】各台形銅ループは、ほぼ鋳造溜め68表面の高さに配した幅広の頂部107と、鋳造溜め68表面よりも約70mm下方に配するよう構成された幅狭の底部108とを有する。頂部107と底部108とは、鋳造ロール16の湾曲に倣った弧状の側部109で接続される。
【0031】誘導加熱素子101は側部堰板56に直ぐに隣接した鋳造溜め68上部の溶融金属に誘導加熱を引き起こすのに有効である。ループは鋳造溜め68のメニスカス域での三重点まわりで加熱を最大化するよう設計される。これにより鋳造溜め68のこの域での「スカル」形成が抑制されること、鋳造ロール16の長さ方向全体にわたり均一な金属流を鋳造溜め68のメニスカス域へ流す金属供給ノズルと相まって、鋳造用に供給される溶融金属の過熱を激減させることができること、及び、70℃以下の過熱を達成できることが証明されている。
【0032】非導電性の側部堰板56を用いることで、成形した誘導加熱素子101により生じる電磁界が側部堰板56を介して延び、側部堰板56を加熱することなく且つ電磁界成形素子又は電磁界コンセントレータ素子の必要性なく、鋳造溜め68の溶融金属の有効な加熱を引き起こすことが判明している。しかしながら、電源要件を減らす目的で適宜の電磁界成形コア片を導電体ループの周りに設けて電磁界コンセントレータとして作用させることも本発明の範囲内である。
【0033】図9及び図10は、低過熱鋳造時にスカルが形成しない本発明の有効性を説明するものである。これらの図は図1〜図6に示した如き双ロール鋳造機での鋼ストリップ単一鋳造操業時の鋳造ロール分離力を計測した結果を示している。図9は誘導加熱素子101へ通電するスイッチを故意にオフにした時に計測した鋳造ロール分離力を示しているが、時間全般にわたってロール分離力が絶えず変動していることが見て取れる。ロール分離力が変動することは鋳造ロール間隙をスカルが通ることに関連し、結果としてストリップに厳しい欠陥が形成される。図10は誘導加熱素子101へ通電するスイッチをオンにしてからのロール分離力の計測結果を示しており、ロール分離力の変動が収まることが見て取れる。このことはスカルの形成がなくなることに関連し、ストリップに相応する欠陥が生じない。
【0034】1メートル幅の鋼ストリップを60m/分の割で製造する普通の双ロール鋳造機の操業において、誘導加熱素子101には周波数6〜10kHzで3000〜8000ampの電流を供給する必要がある。従って、誘導加熱素子101への全電力入力は加熱器一台当たり10〜100kW程度である。
【0035】本発明による操業で注目すべき大切なことは、誘導加熱素子101が鋳造溜め68の下部へは延びていないことである。大きなダメージを与えるスカルが深さ約70mmまでの鋳造溜め上部にしか形成されないことが判明しており、他方、鋳造溜め下部域では鋳造ロールがロール間隙に近づくときに金属は既に凝固しているため、この段階で再加熱しないことが重要である。このことは、ループをロール間隙上方に離間させて、鋳造溜め深さの下から1/3の高さまで下方に延びないようにすることで確保できる。鋳造溜めの誘導加熱についての従来技術では、鋳造溜めの全般的な加熱が行われるだけであり、鋳造溜め深さ全体を加熱する加熱器が用いられている。誘導加熱素子101を鋳造ロール間隙よりも充分上方に配置することにより、誘導加熱素子101の下に流体圧シリンダ装置83や関連するスラスタ構成部分を配置することができ、前記したように干渉を起こしたりスラスタ構成部品を不注意で加熱したりすることなく側部堰板56をピボットピン84まわりに傾動できる。
【0036】以上説明した装置は単に例示のためのものであって、種々変更可能であるのは勿論である。例えば、図1〜図6に示した装置におけるようなタンディッシュ等の分配器から金属供給ノズルへと一連の自由落下流で溶融金属を供給する代わりに、沈下型入口ノズルを通して溶融金属を金属供給ノズルへ配給することが可能である。この種の入口ノズルは、例えば本出願人の国際出願PCT/AU97/00022に開示した如き単一チューブでよい。このことにより、金属供給ノズル出口を介し溶融金属の充分な直接流を鋳造溜めに沿って均一に配給して、鋳造溜めのメニスカス域に急速に溶融金属を配給することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ストリップ鋳造方法及び装置によれば、従来提案のような三重点注入のための複雑な注入システムを必要とすることなく、簡単な金属供給システムで溶融金属を鋳造溜めのメニスカス域及び鋳造溜め端部の三重点域に急速供給でき、低過熱で供給される溶融金属によりスカル欠陥や割れ欠陥の形成なく鋳造を成し得るという優れた効果を奏し得る。




 

 


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