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鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法及び装置 - 石川島播磨重工業株式会社
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発明の名称 鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−29044
公開日 平成10年(1998)2月3日
出願番号 特願平9−95914
出願日 平成9年(1997)4月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
発明者 ピーター ジェイムズ エリス / レスリー ジョージ ゴア / メアリー メイ レイ エヌジー
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶融金属流の流れ方向の横方向に細長断面を有する導管でシート状の溶融金属流を形成し、流れ方向の横方向に溶融金属流を通って流れ方向に沿いほぼ正弦曲線状に変化する磁界を前記シート状溶融金属流にかけ、それにより、磁界と相互作用する循環電流を溶融金属流に誘導して溶融金属流を遅延させる力を溶融金属に生じさせることを特徴とする、鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項2】 溶融金属流が重力場での降下流である、請求項1に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項3】 溶融金属流が溶鋼シート流である、請求項1又は2に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項4】 導管の各側にそれぞれ一組ずつ配した二組の対向する磁界誘導部間で導管内に溶融金属流を通すことにより溶融金属流に磁界をかけ、各組の磁界誘導部は相次いで逆の極性のものを流れ方向に離間して配置し、両組の誘導部素子が流れ方向横方向に整合し、それぞれ極性が逆である、請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項5】 磁界誘導部を各組の永久磁石の磁極端で構成する、請求項4に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項6】 永久磁石により提供される磁界を電磁石で補う、請求項5に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項7】 遅延力を、ひいては溶融金属流の速度を制御するよう磁界を調節する、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項8】 二組の磁界誘導部間に相対動を起こすことにより磁界を調節し、それによって、磁界誘導部間の間隙の磁界を変化させて遅延力を、ひいては溶融金属流の速度を制御する、請求項1乃至5のいずれかに記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項9】 相対動が磁界誘導部間の間隙を変化させるものである、請求項8に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項10】 相対動が、一方の組の磁界誘導部の向きを他方の組の磁界誘導部に対して変えることにより、一方の組の磁界誘導部の並びを他方の組の磁界誘導部に対して変えるものである、請求項8又は9に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項11】 相対動が、二組の磁界誘導部が相互接近・離反する線形の全体動である、請求項8乃至10のいずれかに記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項12】 相対動が、二組の磁界誘導部の回動である、請求項10に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項13】 遅延力を、ひいては溶融金属流の速度を制御するよう、電磁石への電力入力を変化させて磁界を調節する、請求項6に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法。
【請求項14】 一対の平行な鋳造ロールのロール間隙上方に配した金属供給ノズルを介して溶融金属をロール間隙へと導入することによりロール間隙直上のロール鋳造表面に支持された鋳造溜めを創り、鋳造ロールを回転させてロール間隙から下方に凝固金属ストリップを送出する金属ストリップ連続鋳造方法において、細長断面を有する垂直の導管を介することにより溶融金属流をシート状の降下流として金属供給ノズルに供給し、シート降下流の横方向にほぼ水平にシート降下流を通って延び垂直方向にはほぼ正弦曲線状に変化する磁界をシート降下流にかけ、それによって、磁界と相互作用する電流をシート降下流に誘導して、シート降下流を遅延させる力を生じさせ、磁界は前記導管の両側に一組ずつ配した二組の永久磁石によって提供し、各組の永久磁石は相次いで逆の極性のものを上下に離間して配置し、両組の永久磁石が流れの横方向に整合し、それぞれ極性が逆であることを特徴とする、金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項15】 溶融金属が溶鋼である、請求項14に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項16】 導管が溶融金属を金属供給ノズルに供給する浸漬入口ノズルとして働く、請求項14又は15に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項17】 遅延力を、ひいては導管を通る溶融金属流の速度を制御するよう磁界を調節する、請求項14乃至16のいずれかに記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
【請求項18】 溶融金属流をシート状の流れに形成する細長断面の導管と、導管を横方向に通って延びて導管に沿ってほぼ正弦曲線状に変化する磁界を発生させて、磁界と相互作用する電流を溶融金属流に誘導して溶融金属流を遅延させる力を生み出す磁界発生器とで構成することを特徴とする、鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項19】 磁界発生装置を、導管の両側にそれぞれ一組ずつ配した二組の対向する磁界誘導部で構成し、各組の磁界誘導部は相次いで逆の極性のものを導管に沿って離間して配置し、両組の磁界誘導部を流れの横方向に整合させ、それぞれ極性を逆とした、請求項18に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項20】 磁界発生装置を、磁界誘導部を構成する磁極端を有した二組の永久磁石で構成する、請求項19に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項21】 相対動で両者間の間隙が変わるよう、二組の永久磁石を取付けた、請求項20に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項22】 相対動で一方の組の永久磁石が他方の組の永久磁石に対して向きが変わるよう、二組の永久磁石を取付けた、請求項20に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項23】 磁界発生装置を更には、永久磁石と組合わせて、永久磁石によって発生した磁界を補足及び調節するよう作動可能な二組の電磁石で構成した、請求項19に記載の鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置。
【請求項24】 間にロール間隙を形成する一対の鋳造ロールと、ロール間隙に溶融金属を供給してロール間隙直上の鋳造ロール表面に支持された鋳造溜めを形成する金属供給ノズルと、鋳造ロールを相反方向に回転させてロール間隙から下方に凝固金属ストリップを送出する鋳造ロール駆動手段と、シート状の降下流として溶融金属を金属供給ノズルに供給する細長断面の垂直導管を含む供給手段と、降下流を通してほぼ水平に延び降下流の方向にほぼ正弦曲線状に変化する磁界を発生させ、磁界と相互作用する電流を誘導させて降下流に降下動遅延力を生じさせる磁界発生手段とで金属ストリップ連続鋳造装置を構成し、前記磁界発生手段を、導管の両側にそれぞれ一組ずつ配した二組の永久磁石で構成し、各組の永久磁石は相次いで逆の極性のものを導管に沿って上下に離間して配置し、両組の磁界誘導部を流れの横方向に整合させ、それぞれ極性を逆としたことを特徴とする金属ストリップ連続鋳造装置。
【請求項25】 導管が溶融金属を金属供給ノズルに供給する浸漬入口ノズルとして働く、請求項24に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
【請求項26】 二組の永久磁石を、相対動で両者間の間隙が変わるよう取付けた、請求項24又は25に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
【請求項27】 二組の永久磁石を、相対動で一方の組の永久磁石が他方の組の永久磁石に対して向きが変わるよう取付けた、請求項24に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
【請求項28】 磁界発生装置を更には、永久磁石と組合わせて、永久磁石によって発生した磁界を補足及び調節するよう作動可能な二組の電磁石で構成した、請求項24に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属鋳造機への溶融金属流を磁気的に制動する方法及び装置を提供する。特に双ロール金属ストリップ鋳造機の溶融金属降下流の制動又は遅延に適用されるが、これに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造機では、冷却されて相反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持されロール間隙長さ方向に延びる溶融金属の鋳造溜めを形成することができる。通常、この鋳造溜めの端を構成するのは、鋳造溜め両端からの溢流をせき止めるようロール端面に摺動係合して保持される側部堰又は側部プレートであるが、電磁バリア等の代替手段も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】双ロール鋳造は、冷却によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功をおさめているが、鉄系金属の鋳造技術に適用するにはいろいろ問題がある。問題の一つとして、金属流をロール間隙幅方向において極めて均一にする必要があり、少しでも流れに変動があると鉄系金属の鋳造の際に欠陥が生じる。必要な均一金属流を達成するため従来提案されてきた方法では、金属供給ノズルにバッフル及びフィルタ、或いは傾斜衝突面を備えることにより、降下溶融金属の運動エネルギーを減少させてノズル出口での金属流を滑らかで均一としていた。しかし、これらの提案はいずれも溶融金属の自由降下流をノズルの固定した表面に衝突させることに関係しており、滑らかで均一な金属流を維持しながら溶融金属の遅延を制御するのは困難なことが判明している。本発明はこの問題に適用できるものであり、金属供給システムで溶融金属降下流を磁気的に制動することを達成する。しかし、本発明はこの適用に限定されるものではなく、単一ロールドラッグ鋳造機、ベルト鋳造機、および薄板スラブ鋳造機等、他種の鋳造機での降下溶融金属流の制動に適用できることは、以下に述べる説明から明らかとなるであろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によると、溶融金属流の流れ方向の横方向に細長断面を有する導管でシート状の溶融金属流を形成し、流れ方向の横方向に溶融金属流を通って流れ方向に沿いほぼ正弦曲線状に変化する磁界を前記シート状溶融金属流にかけ、それにより、磁界と相互作用する循環電流を溶融金属流に誘導して溶融金属流を遅延させる力を溶融金属に生じさせる、鋳造機への溶融金属流を遅延させる方法が提供される。
【0005】溶融金属流は重力場での降下流とすることができ、より明細には、溶鋼の降下シート流とすることができる。
【0006】導管の各側にそれぞれ一組ずつ配した二組の対向する磁界誘導部間で導管内に溶融金属流を通すことにより溶融金属流に磁界をかけ、各組の磁界誘導部は相次いで逆の極性のものを流れ方向に離間して配置し、両組の誘導部素子が流れ方向横方向に整合し、それぞれ極性を逆とすることができる。
【0007】磁界誘導部は各組の永久磁石の磁極端で構成することができる。永久磁石により提供される磁界を電磁石で補うことができる。
【0008】遅延力を、ひいては溶融金属流の速度を制御するよう磁界を調節することができる。
【0009】二組の磁界誘導部間に相対動を起こすことにより磁界の調節を達成し、それによって、磁界誘導部間の間隙の磁界を変化させることができる。その相対動は、磁界誘導部間の間隙を変化させるもの及び/又は一方の組の磁界誘導部の向きを他方の組の磁界誘導部に対して変えることにより、一方の組の磁界誘導部の並びを他方の組の磁界誘導部に対して変えるものであってよい。
【0010】相対動は、二組の磁界誘導部が相互接近・離反する線形の全体動や、二組の磁界誘導部の回動であってよい。
【0011】磁界を電磁石で補足する場合には、磁界の調節は電磁石への電力入力を変化させることによっても行うことができる。
【0012】本発明は、又、溶融金属流をシート状の流れに形成する細長断面の導管と、導管を横方向に通って延びて導管に沿ってほぼ正弦曲線状に変化する磁界を発生させて、磁界と相互作用する電流を溶融金属流に誘導して溶融金属流を遅延させる力を生み出す磁界発生器とで構成する、鋳造機への溶融金属流を遅延させる装置を提供する。
【0013】一つの特定な適用として、本発明は、一対の平行な鋳造ロールのロール間隙上方に配した金属供給ノズルを介して溶融金属をロール間隙へと導入することによりロール間隙直上のロール鋳造表面に支持された鋳造溜めを創り、鋳造ロールを回転させてロール間隙から下方に凝固金属ストリップを送出する金属ストリップ連続鋳造方法において、細長断面を有する垂直の導管を介することにより溶融金属流をシート状の降下流として金属供給ノズルに供給し、シート降下流の横方向にほぼ水平にシート降下流を通って延び垂直方向にはほぼ正弦曲線状に変化する磁界をシート降下流にかけ、それによって、磁界と相互作用する電流をシート降下流に誘導して、シート降下流を遅延させる力を生じさせる、金属ストリップ連続鋳造方法を提供する。
【0014】導管は溶融金属を金属供給ノズルに供給する浸漬入口ノズルとして働くことができる。
【0015】本発明は更には、間にロール間隙を形成する一対の鋳造ロールと、ロール間隙に溶融金属を供給してロール間隙直上の鋳造ロール表面に支持された鋳造溜めを形成する金属供給ノズルと、鋳造ロールを相反方向に回転させてロール間隙から下方に凝固金属ストリップを送出する鋳造ロール駆動手段と、シート状の降下流として溶融金属を金属供給ノズルに供給する細長断面の垂直導管を含む供給手段と、降下流を通してほぼ水平に延び降下流の方向にほぼ正弦曲線状に変化する磁界を発生させ、磁界と相互作用する電流を誘導させて降下流に降下動遅延力を生じさせる磁界発生手段とで構成する、金属ストリップ連続鋳造装置に及ぶ。
【0016】
【発明の実施の形態】添付図面を参照して、本発明の原理及び双ロール鋳造機の金属供給システムへの本発明の適用を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明による磁気制動システムの概略図であり、このシステムは、導電性のある溶融金属の降下シート流1の動きを遅延させるために、永久磁石によって発生した静的磁界を利用する。磁界は二組の磁界誘導部3によって発生し、それらは上下に離間した一対の磁界誘導部3で構成されている。この二組の磁界誘導部3が降下シート流1の両側に一組ずつ配置されている。各組の磁界誘導部3は降下シート流1降下方向において相次いで極性が逆となっており、二組の磁界誘導部3が水平方向に整合し、対向する磁界誘導部3同士はそれぞれ極性が逆である。図1では、磁界誘導部3を、軟鋼等の磁性物質で造ることができる磁界リターンピース4に接続された永久磁石として示している。
【0018】磁界誘導部3によって発生した磁束は、図1の矢印5で示すように降下シート流1を直角方向に貫く。磁界は、図1に曲線6で示すように垂直降下方向でほぼ正弦曲線状に変化する。空気間隙が増すと、真の正弦曲線により近くなる。本発明による制動システムでは、シート流と必要な断熱材とを収容するために空気間隙を大きくする場合が多い。分析のために、磁束密度はシート流の幅全体にわたって一定であると想定する。
【0019】以下の分析は、本発明による制動システムの設計に必要な制動力の計算を行うためのものである。分析のための考慮すべき全体的構成を図2に示す。この図を参照して、上下方向zに速度vで動く、幅w、厚さT、導電性σの平坦な導電性シート流を考えることにする。図2では、y方向は頁の紙面に直角の方向である。対向する二対の極間のシート流部分のみが示されている。シート流は磁界を通り上下方向に延びると仮定する。Hをシート流の高さ、tを時間、gを重力加速度(−9.8m/s2)、Dをシート流の密度、Nをシート流各側に等間隔にある磁極の数、hを1正弦曲線に相当する高さとする。磁界はy方向にあり、シート流全体にわたり一定であり、次の式で与えられる。
【数1】
By(z)=Msin(2πz/h)、 −Nh/4<z<Nh/4 (1)
但し、Mは定数である。
【0020】図2は、式(1)の中半正弦曲線によってカバーされるシート流部分を示す。隣接磁極間の各領域は、(最初と最後の対向極対でのわずかな終端効果は別として)同様に扱うことができる。斯かる各領域では、誘導電流が領域中央(すなわち図2の原点)の周りを流れる。本発明者らは、電流路を図2に示すような連続する矩形ストリップであると近似させる。これらのストリップが問題の領域を満たし、相互に絶縁されると考えることができる。
【0021】隣接極間の領域と二つの端領域とを別々に考慮することにより、シート流に加わる制動力を計算できる。各領域内では、単一の矩形ストリップを考慮し、これらを積分すると領域に加わる力が得られる。
【0022】大きさ2x*2z、幅dzの矩形ストリップ内に誘導される電流をdI(z)とする。ループの形状を決定するには次の式が必要である。すなわち、【数2】
x=z2w/h (2)
【0023】動いているストリップ内に誘導される電圧は次の通りである。
【数3】
V(z)=−dΦ/dt=−4By(z)xv =−8By(z)wzv/h、 z>0 (3)
但し、Φは矩形ストリップを通る磁束である。
【0024】矩形ストリップの抵抗は次の通りである。
【数4】
dR(z)=2x/(σTdz)+2z/(σTdx) =z(4w2+h2)/(hwσTdz)、 z>0 (4)
【0025】このようにして次の式が得られる。
【数5】
dI(z)=V/dR =−8vBy(z)w2σTdz/(4w2+h2)、 z>0 (5)
【0026】ストリップの上部および底部に加わる上向き力の合計は次の通りである。
【数6】
dF(z)=By(z)dI4x =−32By2(z)w3σTvzdz/(h(4w2+h2)) (6)
【0027】これによって、二つの隣接する極間の領域に加わる力の合計が得られる。
【数7】

【0028】一番上の磁極上方の領域に加わる力を計算するのに同様のアプローチを用いることができる。この領域の磁界は式(1)で得られるものよりも緩やかに減衰するので、この減衰は正弦曲線状であるが、距離h/4ではなくh/2にわたって起きると近似する。これによって式(7)と同じ結果が得られるが、但し、0.703は0.2685となる。
【0029】全制動力についての全般的結果をニュートンで表すと次のようになる。
【数8】
F=−(0.703(N−1)+0.537)vM23σhT/(4w2+h2) =−0.703(N−0.236)vM23σhT/(4w2+h2) (8)
【0030】h=2wについてはdF/dh=0である。このことは、Nが一定であり磁石間の間隔が制約されなければ、使用できる最良の上下極間隔がwであることを意味している。
【0031】Hを固定し、NとhをN=H/hで変化させると、FはNが大きいときは一定となる。
【0032】制動力PはFvによって与えられ、この力は全てシート流を加熱することになる。
【0033】ここで、図2の原点において誘導される磁界を計算する。これは各ストリップループを個別に考慮し、これらを積分することによって計算できる。
【0034】原点で誘導される磁界は次の式で与えられる。
【数9】
dBy,i(0,0)=μ0dI(x2+z2)0.5/(πxz) (9)
【0035】これによって次の式が得られる。
【数10】
By,i(0,0)=0.000002193vMwσ(4w2+h2) (10)
【0036】y方向の総磁界は次の式で与えられる。
【数11】
By,t=By+By,i (11)
【0037】シート流垂直中央線に沿って、当初の磁界は降下シート流1によって効果的に下方に引かれる。誘導された磁界は対向する磁極間の線上で理想的には0であり、(図2におけるように)原点で最大、また垂直中央線に沿ってほぼ正弦曲線状である。誘導された磁界は中央と比較して、シートの両側で正負記号が逆転する。
【0038】式(3)ではByではなく総磁界By,tを用いるべきであったが、このことによる差はほとんど生じない。
【0039】発生できる制動力の例として、鋼シート降下流について以下のパラメータ設定を考える。
N=4、v=−2m/秒、σ=700000(オーム.m)-1、M=0.6テスラ、T=0.01m、w=0.11m、h=0.22m、H=0.44m、及びD=7800kg/m3【0040】式(8)に代入すると、F=40.3ニュートン(上向き力)となり、制動力は80.7ワットとなる。これに比べてシート降下流の重量による力は−37ニュートンである。一定速度のシート流速度は−1.84m/秒である。
【0041】本発明者らはメッシュ分析法を用いてさらに分析を行った。この方法では、シート降下流は図3に示すような等値抵抗の方形メッシュによってモデル化され、図4に示すような電流分布を予測する。セルあたりの誘導電圧は、所与のセルでの磁束及びシート降下流速によって決定される。この方法を上記に述べた同じパラメータに適用すると、43ニュートンの制動力が生じる。これは電流路の矩形近似を用いていないので、比較的正確な値であるはずである。矩形近似では図2の各ストリップループの電気抵抗が過大評価されることになる。というのは、実際の電流路は特に磁極間の領域では比較的丸いからである。抵抗減少によって誘導電流が大きくなり、これに対応して制動力が増大する。しかしこの条件では、上記の近似一般式(8)は正弦曲線状の磁界での金属シート降下流に加わる制動力を計算するのに用いることができる。
【0042】図5と6は、金属供給ノズルへの溶融金属供給用の浸漬入口ノズル等、金属鋳造機の部品である垂直な導管11を通って降下する金属流を制動するために本発明により設計した磁気制動システムの概略図である。導管11は細長断面を有するので、その中の降下溶融金属12はシート状を有する。
【0043】磁気制動システムは、導管11の各側にそれぞれ一組ずつ設置された二組の永久磁石14で構成される。各組の永久磁石14は導管11に沿って上下に離間して配され、各組の相次ぐ永久磁石14の極性がそれぞれ逆となっており、二組の永久磁石14が水平方向に整合し、対向する永久磁石14同士はそれぞれ極性が逆である。永久磁石14は細長バーの形状であり、適宜の保持構造物内のセルに装入され、一対の軟鋼外板15に係合し、磁界戻り路を提供する。この構成で、永久磁石14は非常に強い磁界を発生し、この磁界が矢印16で示すように永久磁石14間を水平に延びて降下溶融金属12に対し直角に交差し、垂直方向には2つの完全な正弦波で正弦曲線状に変動する。
【0044】永久磁石14はステンレス製の熱バリヤ板17で保護することができ、永久磁石14取付構造は内外冷却室19,20を形成する二重構造のケーシングで囲むことができる。内外冷却室19,20には、適宜の入口管21’,22’と出口管23’,24’を通して冷却空気流が供給される。
【0045】最も効果的な制動を得るには、磁界に少なくとも2つの完全な正弦波変動が生じることが好ましいが、磁気制動システムに利用できる空間に制限がある場合もある。その場合、図7に示すような1.5正弦波の磁石システムを用いる等の必要がある。
【0046】図8と9は、本発明による磁気制動を組入れた金属供給システムを備えた双ロール連続ストリップ鋳造機である。この鋳造機はロール間隙22を間に形成する一対の水平な鋳造ロール21で構成され、溶融金属はロール間隙22に沿って延びる細長の金属供給ノズル25により、ロール間隙22直上の鋳造ロール21鋳造表面24上に支持された鋳造溜め23に供給される。金属供給ノズル25は、取鍋出口28から下方に金属供給ノズル25内へと延びる浸漬入口ノズル27を通して、取鍋26から直接溶融金属を受取る。浸漬入口ノズル27は、取鍋出口28と接続するための管状のノズル上部29と、金属供給ノズル25に沿って延びるほぼ矩形断面の、全般に細長のノズル下部31とで構成され、ノズル上部29とノズル下部31は移行部32によって連結されている。ノズル下部31の下端は金属供給ノズル25の底部内へと延び、2つの長手方向側壁を有し、該側壁には溶融金属を金属供給ノズル25へ流すための出口開口33の列が設けられている。金属供給ノズル25内の溶融金属は、出口開口33を含む浸漬入口ノズル27下端を覆い、長孔出口34を経て金属供給ノズル25から鋳造溜め23へと流れる。金属流の条件は、鋳造溜め23が長孔出口34を含む金属供給ノズル25の底端を覆うことである。
【0047】鋳造溜め23は、ロール間隙22両端にて一対の側部堰板36によって仕切られる。該側部堰板36は、板ホルダ37内に保持され、油圧シリンダ装置38の作動により鋳造ロール端に押圧される。鋳造ロールは、電動モータと動力伝達部から駆動軸39を介して相反方向に回転され、ロール間隙22から下方に向かって凝固ストリップ40を送出する。鋳造ロールの銅製周壁には長手方向に延び周方向に離間した水冷用通路が備えられ、該水冷用通路には、回転グランド41を介し給水ホース35に接続された駆動軸39内の給水管からロール端を介して冷却水が供給される。
【0048】取鍋26は従来構造のものであり、天井クレーンからヨークを介し支持されて、高温金属受けステーションから定位置へと移すことができ、浸漬入口ノズル27の上端に接続できる。取鍋26に取付けられたストッパロッド42をサーボシリンダで動かすことによって、取鍋出口28から浸漬入口ノズル27への溶融金属流を制御することができる。
【0049】本発明によると、浸漬入口ノズル27を介した溶融金属の降下を効果的に遅延させるよう、磁気制動システム51が浸漬入口ノズル27の周りに備えられる。磁気制動システムは図5〜8に関して上記したような構造とすることができるので、この構造の詳細は、ここでは再説明しない。磁気制動システム51の二組の永久磁石14が、浸漬入口ノズル27の細長のノズル下部31の各側に一組ずつ配置されていると述べれば充分であろう。取鍋出口28から流出する溶融金属の円柱状の流れは、細長のノズル下部31の全般形状に制限されて、細長のシート状の流れに変化する。磁気制動システム51の永久磁石14が発生させる磁界では、磁束が金属降下流を水平に通過し、磁界強度が上下方向に正弦曲線状に変化する。磁気制動システム51は、図5、6に示したような2正弦波で変化する磁界を発生させる装置でもよいし、空間に制限がある場合には、図7に示すような1.5正弦波で変化する磁界を発生させる装置でもよい。
【0050】図示の構成により金属降下流を充分に制動し、安定した状態の流れに維持しながら運動エネルギを除去することにより、金属降下流を大幅に遅延させることができる。このような遅延効果があるので、溶融金属は浸漬入口ノズル27底端から金属供給ノズル25へ直接流下でき、バッフル等の流れ遅延素子は必要としない。
【0051】金属供給システムを介して鋳造溜めに至る金属降下流の制御を鋳造溜め深さの測定値に応じてストッパロッド42を動かすことだけで行う場合には、浸漬入口ノズル27の大きさを金属降下流で完全には満たされない程の大きさとすることにより、流速が低下しても一定流量を維持するのに必要なシート流の幅拡張ができるようにしなければならない。しかし、以下に述べるような方法で金属降下流の速度を制御するよう磁界を調節することにより一定流量を維持すれば、金属降下流の導管を溶湯で完全に満たすことが可能である。
【0052】図示した鋳造機は鋼ストリップの連続鋳造に用いることができる。典型的には、鋳造ロールは径が約500mm、長さが約1500mmで、約1500mm幅のストリップまで製造することができる。溶鋼は非磁性であるが導電性が非常に高いので、特に本発明に適している。典型的な鋳造機では、金属供給システムを通る金属流の流量は約2×10-33/秒であり、これは約15.6kg/秒に等しい。金属流は約0.5m降下してから磁気制動システム51の磁界に入る。この場合、磁界への入口で重力による約73ワットの力が発生し、速度は約3m/秒であった。浸漬入口ノズル27の全長が約1mで磁気制動システムの永久磁石の定格ピーク磁束密度が約0.6テスラである場合、磁気制動システムによって100ワットを遙かに越える力を除去して浸漬入口ノズル27からの出口速度を2m/秒以下に低下させることができる。
【0053】電磁制動システムは、溶融金属降下流の運動エネルギーを減少させることができるが、必ずしも流量を変化させない。ストリップ鋳造機では、流量は主として金属供給システムの取鍋ストッパや仕切り弁で設定される。鋳造プロセスのさまざまな段階で、流量は2倍まで変化させる必要がある場合があり、電磁制動効果が一定のままなら、これによって溶融金属が金属供給システム内を逆流することになりかねない。従って、制動の程度を調節、即ち動力学的に制御することが有益である。このような制御を行うことにより、溶融金属流が管内部を完全に満たし、磁気制動システムが溶融金属流制御の主要手段となるシステムが可能となる。
【0054】図示した磁気制動システムでは、磁石間の間隙で発生したピーク磁束密度が間隙の幅と密接に関連している。間隙の幅を少し広げても、ピーク磁束は大幅に減少する。従って、操業中に間隙幅を変化させる手段を主として制動力の制御に使用することができ、ピーク磁束が2倍変動すると、力の変化は4倍となる。
【0055】強力な磁石を用いる実際の制動システムでは、間隙での引力はきわめて大きく、例えば0.5メートルトン以上である。従って、間隙幅を変化させる機械的構成は、この程度の力を支持し、これに抗して操作できなければならない。
【0056】磁界調節を行うために間隙幅を変更する適切な構成を図10に示す。
【0057】この構成では、組になった永久磁石53がほぼU字形のヨーク61内に取付けられ、油圧アクチュエータ62によりヨーク61の外リムに接続され、これにより永久磁石53全体が相互に接近・離反する線形運動を行うことができ、従って、導管65の位置を間隙67の中心に維持しながら間隙67を変化させることができる。ヨーク61は永久磁石53間に油圧アクチュエータ62で発生した力を支持する適宜の頑丈な構造を持つことができ、この構成により、溶融金属付近に高電圧電気システムを設ける必要なく間隙を変化させる頑丈で信頼できる手段が提供される。これによって、導管65を通る磁界の規則性も維持される。
【0058】図11は、図10で示したシステムを用いることにより達成できるピーク磁束密度と間隙の典型的な関係を示す図である。
【0059】図12は、磁束制御のための代替の機械的手段を概略的に示している。この場合、二組の永久磁石53がヨーク73内に固定されている。ヨーク73は、固定構造物75に接続された油圧アクチュエータ74を操作することによって、導管65から物理的に取り外すことができる。
【0060】図13と14は、磁束制御のための更なる機械的手段を示す図である。図13に示した構成では、導管65に対して二組の磁石53が一体として一緒に回転する。図14の構成では、二組の磁石53を相対的に回転させる。このように回転させることにより、一組の磁石53の極の配列をもう一方の磁石53に対し変化させることができる。
【0061】図12、13、14に示した構成では、いずれも、導管65の幅方向で磁界が不規則となり導管65の出口の全体にわたっての流量が変動する。このことは本発明の一部の適用では受容しがたい場合があり、その場合には、図5に示す構成の方が好ましいかもしれない。
【0062】図15は、二組の永久磁石83と高透磁性リターンピース84とを、水冷銅管電気変調コイル86に囲繞された小さめの高透磁性部分85によって分離し、このアセンブリを頑丈な外周ヨーク87内に取付けた、磁気制動システムの改変例を示す。永久磁石83によって間隙88に発生する磁束を増減させることが、典型的には最高1000アンペアに及ぶ高電流を電気変調コイル86に流すことで達成できる。このようにして、飽和保磁力が高いという永久磁石の利点と、電気変調コイル86で構成される電磁石装置の制御能力とを組み合わせることができる。試験を行ったところ、NdFeB磁石を組み入れた永久磁石装置で発生した磁束はこの手段によって少なくとも±30%の範囲で制御できた。この範囲では、制動力の変化を3倍以上にすることができる。
【0063】適用例によっては、永久磁石と電磁石を組合わせると、永久磁石だけの装置や電磁石だけの装置よりも利点が得られる。磁束と力の間に二乗の関係があるので、制御性は非常に高い。永久磁石による飽和保磁力とその結果としての高磁束密度は、電磁石の追加の飽和保磁力によってさらに強められる。電力供給が停止した場合には、システムは、「フェイルセーフ」に設計できる平均制動状態に戻る。
【0064】図示した本発明の実施例と、双ロール連続ストリップ鋳造装置への適用は、例として示しただけであり、本発明はもっと広範囲に適用できる。例えば、本発明による磁気制動システムは他の金属鋳造システムの浸漬入口ノズルに適用できる。大抵の場合、これには変動磁界を発生させるために永久磁石のみを用いれば充分であるが、電磁石コイルによって発生する磁束で磁界を補足することが必要な場合もある。これによって、流量を制御するために制御システムに応じて磁界を連続的に調節することもできる。非常に強力な磁石や電磁石を用いて溶融金属降下流を充分に遅延させることにより、降下しながら凝固させることを本発明で行うことができ、直接自由降下鋳造法が可能である。この方法では、限定されない自由降下中に、或いは適宜断面の細長導管を通っての降下中に、溶融金属が降下流から凝固ストリップに変わり、所要形状の最終凝固製品となる。本発明はまた、銅およびアルミニウムの鋳造にも適用できる。従って、本発明は非常に広範囲に応用することができ、装置の正確な形状は特定の用途によりかなり変更し得ると理解すべきである。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、金属供給システムで溶融金属降下流を磁気的に制動することができるという優れた効果を奏し得る。




 

 


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