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発明の名称 深絞り熱成形ポリエステル容器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−305540
公開日 平成10年(1998)11月17日
出願番号 特願平9−130372
出願日 平成9年(1997)5月2日
代理人
発明者 川辺 雅之 / 山本 正樹
要約 目的
ポリエステル多層シートよりなる、透明性、強度、偏肉が改善された深絞り容器を提供する。

構成
三層構造のポリエステルシートからなる深絞り容器であって、該ポリエステルシートの厚さが1mm以上で、スキン層のガラス転移温度が90℃以上及び、スキン層が極限粘度0.6以上のポリエステル樹脂組成物からなり、コア層が極限粘度0.6以上のポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、スキン層が10重量%以上のポリエステル容器。
特許請求の範囲
【請求項1】 三層構造のポリエステルシートからなり、深さの開口径に対する比が0.8以上のポリエステル容器であって、該多層ポリエステルシートの厚さが1mm以上であり、スキン層のガラス転移温度が90℃以上及び、スキン層が極限粘度0.6以上のポリエステル樹脂組成物からなり、コア層が極限粘度0.6以上のポリエチレンテレフタレートからなり、スキン層の全層中の重量比率が10%以上であることを特徴とするポリエステル容器。
【請求項2】 ポリエステル樹脂組成物が、極限粘度が0.6以上のポリエチレンテレフタレート樹脂40〜90重量部と極限粘度が0.5〜0.7のポリアリレート樹脂10〜60重量部とからなるポリエステル樹脂組成物である請求項1に記載のポリエステル容器。
【請求項3】 ポリエステル樹脂組成物が、極限粘度が0.6以上のポリエチレンテレフタレート樹脂0〜70重量部と極限粘度が0.6以上のポリエチレンナフタレート樹脂30〜100重量部とからなるポリエステル樹脂組成物である請求項1に記載のポリエステル容器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は深絞り成形性が良好で、容器の透明性、偏肉、強度が改善されたポリエステル容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと記す)は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性等が優れているために繊維、フィルム、プラスチックとして広く利用されている。PETを原料とするシートを素材として作られた成形品は容易に成形可能でかつ良好な透明性、光沢、機械的強度を有するため、最近種々の商品包装用容器等として利用する試みがなされている。
【0003】しかしながら、従来のPETを原料とするシートは結晶性を有しているために、熱成形時に加熱し過ぎると結晶化による白化を起こし、本来の透明性を失ってしまうと言う問題がある。特に、容器の深さと開口の径との比(以下絞り比と記す)が0.8以上の深絞り容器を熱成形する場合には、通常の熱成形に比べて十分な加熱を行う必要があり、従来のPETシートでは白化による容器の曇りや過加熱による偏肉が生じ易く改善が望まれていた。また、絞り比が0.8以上の深絞り容器の実用強度を考えるとシートの厚みは1mm以上の厚物シートが必要であるが、このような厚物シートの場合更に十分な加熱を行うため、白化による容器の曇りや過加熱による偏肉が更に生じ易い問題がある。
【0004】ポリエステルシートの熱成形性を改善する方法として、ポリエステルの結晶性を阻害する成分を共重合し、加熱時の結晶化を防止する方法が提案されている(特開昭51−81857号公報、特開昭51−38335号公報)。しかしながら、結晶性を阻害する成分を共重合することにより、シートの結晶化による白化は改善されるものの、過加熱による偏肉は改善できない。また、共重合成分の配合によるシート物性の低下が起こり好ましくない。
【0005】また、特開平8−1766号公報には、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル層とPET層を積層したシートにより熱成形性を改善する方法が提案されているが、このような積層シートにおいても厚みが1mm未満の薄物シートの成形性は改善できるものの、厚みが1mm以上の厚物シートについては効果が見られず偏肉が起こる。すなわち、厚物シートにおいては加熱時の表層温度とシート内部温度との差が大きく、シート内部が熱成形可能な温度まで加熱された時の表層温度が共重合ポリエステル層のガラス転移温度を大きく超え、表層部分の変形が起こるために偏肉が生じると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とするところは前記のPETを原料とするシートの欠点をなくし、1mm以上の厚物シートを深絞り成形した透明性、強度、偏肉が改善されたポリエステル容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる目的で鋭意研究を重ねた結果、PET樹脂からなる主構成層の両面にガラス転移温度が90℃以上のポリエステル樹脂組成物からなる補強層を設けた多層構造シートは、深絞り成形性に優れ、透明性、強度、偏肉が改善されたポリエステル容器が得られることを見出し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち本発明は、三層構造のポリエステルシートからなり、深さの開口径に対する比が0.8以上のポリエステル容器であって、該多層ポリエステルシートの厚さが1mm以上であり、スキン層のガラス転移温度が90℃以上及び、スキン層が極限粘度0.6以上のポリエステル樹脂組成物からなり、コア層が極限粘度0.6以上のポリエチレンテレフタレートからなり、スキン層の全層中の重量比率が10%以上であることを特徴とするポリエステル容器である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートのコア層に用いられるPET樹脂は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えば低級アルキルエステル等)と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体(例えばモノカルボン酸エステルエチレンオキサイド等)とを公知の方法によって重縮合せしめて得られるものであるが、本来の物性を損なわない範囲で他の共重合成分を含んでいても良い。
【0010】このような共重合可能な成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラエチレンオキシドグリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらの共重合成分の配合量は通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
【0011】本発明の容器のスキン層は、ガラス転移温度が90℃以上である必要がある。ガラス転移温度が90℃に満たないとシートを成形して容器を製造する際の予熱により収縮が発生し、外観を損なう。
【0012】本発明において、多層構造ポリエステルシートのスキン層に用いられるポリエステル樹脂組成物の極限粘度は0.6以上である。極限粘度が0.6より低い場合は、容器の機械的強度が低く、特に低温時の衝撃強度が劣る。更に、熱成形時にシートがドローダウンし成形品に偏肉が生じたり、シートの結晶化速度が速くなるために熱成形品が不透明になる。
【0013】このような極限粘度の樹脂組成物は、各々の樹脂を固相重合することにより得られるが、固相重合時の操作性等を勘案すると、極限粘度が0.9以下とすることが好ましい。
【0014】本発明の容器のスキン層に用いられるポリエステル樹脂組成物としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂40〜90重量部とポリアリレート樹脂10〜60重量部とからなるポリエステル樹脂組成物、およびPET樹脂0〜70重量部とポリエチレンナフタレート樹脂30〜100重量部とからなるポリエステル樹脂組成物等が例示できる。
【0015】前者のポリエステル樹脂組成物を用いる場合、スキン層の極限粘度を0.6以上とするために、PET樹脂の極限粘度が0.6以上、及びポリアリレート樹脂の極限粘度を0.5〜0.7とすることが好ましい。
【0016】又、後者のポリエステル樹脂組成物を用いる場合、スキン層の極限粘度を0.6以上とするために、PET樹脂、及びポリエチレンナフタレート樹脂の極限粘度をともに0.6以上とすることが好ましい。
【0017】本発明において、多層構造ポリエステルシートのコア層に用いられるPET樹脂組成物の極限粘度は0.6以上である。極限粘度が0.6より低い場合は、容器の機械的強度が低く、特に低温時の衝撃強度が劣る。更に、熱成形時にシートがドローダウンし成形品に偏肉が生じ易い。また、成形品に偏肉が発生するのを抑制させるという観点から極限粘度を0.9以下とすることが好ましい。
【0018】本発明に用いられるポリエステル樹脂には、本来の物性を損なわない範囲で、制電剤、耐熱剤、酸化防止剤等を配合することが出来る。これらの添加剤はポリマーの重合時に加えもよいし、重合ポリマーチップを再溶融させて二軸混練機等を使用して配合してもよいし、シート製造の際の溶融ポリマーに添加してもよい。
【0019】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートとは前記の組成物を通常の製膜手段によって得た実質的に未延伸状態のシートである。本発明の未延伸シートは密度が1.34g/cm3 以下で、実質的に非晶性のものが好ましい。シートの密度が1.34g/cm3 以下だと、シートの透明性が良好であり、またシートの衝撃強度も十分高い為好ましい。かかる非晶性のポリエステルシートは、本発明の樹脂組成物を押出し機により溶融混合せしめた後、一般の多層押出し用ダイから吐出せしめ冷却ドラムにより急冷することにより得られる。
【0020】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートの構成は、コア層の両側にスキン層がある三層シートである。スキン層がコア層の片側にしかない場合、成形時の加熱により、コア層のPETが白化するので成形品の透明性が損なわれる。
【0021】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートのスキン層の全層に対する重量比率は10%以上である事が必要である。スキン層の重量比率が10%より小さい場合は、深絞り熱成形性の改善効果が十分ではなく、成形品の白化や偏肉が発生する。また成形時の操作性、経済性を考慮するとスキン層の比率は20%以下が好ましい。
【0022】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートは、前述の通り、コア層の両側にスキン層がある三層シートであるが、両側のスキン層の重量比率を近い範囲にしておけば、製膜時のシート表面の凹凸が小さくなるため好ましい。従って両側のスキン層の重量比率は40:60〜50:50の範囲とすることが好ましい。
【0023】本発明に用いられる多層構造ポリエステルシートは、厚みが1mm以上の厚物シートである。厚みが1mmに満たない場合、得られた深絞り容器の強度は実用に耐えられないほど低い。すなわち、容器に内容物を充填した際自重によって変形したり、また、容器を手に持つだけで変形が生じる。
【0024】本発明のポリエステル容器は、該多層構造ポリエステルシートから絞り比が0.8以上の深絞り熱成形により得られる。熱成形方法としては、シートを加熱軟化せしめて所望の型に押し当て型と材料の間隙にある空気を除去し大気圧により型に密着せしめて成形する真空成形、あるいは大気圧以上の圧縮空気によりシートを型に密着せしめる圧空成形、および真空、圧空を併用する成形などが適用できる。
【0025】
【発明の効果】本発明のポリエステル容器は、透明性、機械物性等のPETシート本来が有する特性を維持し、偏肉がなく飲料コップに最適である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例における主な物性値の測定は以下に示す方法で行った。
【0027】(1)極限粘度(IV)
フェノール60重量%、1,1,2,2−テトラクロロエタン40重量%の混合溶媒50mlに試料0.5gを溶かし20℃にて測定した。
【0028】(2)密度(ρ)
密度勾配法により、23℃にて測定した。
【0029】(3)ガラス転移温度(Tg)
ポリエステル容器のスキン層部分をミクロトームにより切削した試料約10mgを、パーキンエルマー社製DSCにて、窒素気流中10℃/minの昇温速度にて測定した。
【0030】(4)透明性(ヘーズ)
ポリエステル容器の胴体部を用い、日本電色社製ヘイズメーターにてJIS−K7105に従って測定した。測定値が3%以下のものを「○」、3%を超えるものを「×」として評価した。
【0031】(5)熱成形性プラグアシスト付の1個取り圧空成形機にて深さ90mm、開口径60mm、絞り比1.5の容器を作製した。完全な容器ができたものを○、賦形不良あるいは偏肉を起こしたものを×とした。
【0032】(6)容器強度容器に150gの水を充填し、高さ2.5mの位置よりコンクリート面に落下させて評価を行った。落下試験を20回行って容器が割れた回数が1回以下の場合を「○」、2回以上割れた場合を「×」とした。
【0033】実施例1〜9 比較例1〜33つの1軸押出し機を備えた幅80cmのTダイを有する多層シート押出し機を用い、表1に示した原料を使用して厚み1.5mmの三層シートを押し出した。スキン層に用いたPET樹脂、ポリアリレート樹脂、PEN樹脂の極限粘度は各々0.85、0.51、0.63であった。押出し機のシリンダー温度は285℃、Tダイの温度は280℃、冷却ローラーの温度は40℃で行った。得られたシートの物性を表2に示す。
【0034】次いで、上記シートをスキン層樹脂組成物のガラス転移温度以上融点以下に予熱し、プラグアシスト付の1個取り圧空成形機にて深さ90mm、開口径60mm、絞り比1.5の容器を作製した。容器の評価結果を表2に示す。
【0035】比較例4実施例1と同じ樹脂組成物をスキン層、コア層に用いて、同様の押出し機を用い、同様の条件でスキン層がコア層の片面にしか積層されていない、二層シートを作製した。この二層シートを実施例1と同様の方法で容器を作製し、評価を行った。以上の結果を表1、表2に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】





 

 


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