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発明の名称 滑り性、制電性に優れるポリエステル多層シート及び成形品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−226031
公開日 平成10年(1998)8月25日
出願番号 特願平9−49655
出願日 平成9年(1997)2月17日
代理人
発明者 國丸 哲男 / 川辺 雅之 / 沢井 崇 / 山本 正樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (A)テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルに、不活性粒子および脂肪酸エステル化合物およびアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を含有してなるポリエステルからなるスキン層並びに(B)テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルからなるコア層からなり、スキン層は少なくともコア層の片面に積層されているポリエステル多層シートであって、スキン層に含まれる不活性粒子の平均粒径が0.5μm〜10μm、含有量が10〜5000ppm、脂肪酸エステル化合物の含有量が0.1〜3重量%、アルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が0.1〜3重量%で、全スキン層の肉厚がシート全層に対して3〜50%であることを特徴とするポリエステル多層シート。
【請求項2】 スキン層(A)の脂肪酸エステル化合物が、脂肪族アルコールと脂肪族モノカルボン酸からなる炭素数の合計が30〜60個のエステル化合物および/又は3個以上の水酸基を有する多価アルコールと炭素数が12個以上の脂肪族モノカルボン酸からなるエステル化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル多層シート。
【請求項3】 請求項1または2記載のシートを裁断して得られたポリエステル枚葉品。
【請求項4】 請求項1または2記載のシートを熱成形してなるポリエステル成形品。
【請求項5】 請求項1、2または3記載のシートを裁断、打ち抜き、折り曲げ、接着および組立加工の工程を経て得られるポリエステル容器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性が損なわれることなしに滑り性、制電性、カット性が改良されたポリエステルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】飽和ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下これをPETと略す)に代表されるポリエステル樹脂は、その優れた耐薬品性及び低ガス透過性を活かして炭酸飲料、ジュース、ビール等の飲料用ボトル、化粧品容器、食品用トレー、などに広く使用されている。
【0003】中でもA−PETと呼ばれる、非晶状態のPETシートはその優れたリサイクル性、低公害性、食品安全性が注目され近年塩化ビニールシートやポリスチレンシートに替わる包装素材として急速に使用量が増大している。このPETシートは熱成形により食品、薬品の容器や雑貨のブリスターパックとして使われるほかその優れた透明性を生かして化粧品や電気機器等を入れるブリスター容器やクリアケースとしても用いられている。
【0004】従来このようなPETシートはシートを裁断して得られる枚葉品やシートを熱成形して得られる成形品、クリアケース等として用いられる際、PET樹脂本来の粘着性によりシート及び成形品同士がブロッキングを起す。また、ポリエステルは帯電しやすいため、成形、加工、使用時等において、静電気による種々のトラブルが発生する等の問題があり改善を望まれていた。
【0005】従来よりPETシートの滑り性を改善する方法については多くの提案がある。例えば内部粒子を析出させる方法、不活性粒子を添加する方法として特開昭53−14753号公報、特開平4−136263号公報等が知られているがこの方法では添加量を増加させなければ満足した滑り性が得られず、添加量が多すぎると透明性が低下するため必ずしも満足できる方法とはいいがたい。
【0006】また、表面にシリコンを塗布する方法があるがこの方法では均一な塗布、乾燥を行うことが困難であるため製品の物性が安定せず、また印刷性、接着性が低下し、ほこり等の異物が付着しやすくなるために満足する方法とはいいがたい。
【0007】一方、滑り性及び帯電性の両方を改善する方法としては不活性粒子とアルキルスルホン酸金属塩および/またはアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を添加する方法(特開平7−148901号公報)等が提案されているがこの方法では制電性を改善することは可能であるが、滑り性に関して必ずしも満足できる方法とはいいがたい。また、表面層および裏面層に芳香族ジカルボン酸と2価の脂肪族アルコールとともに、2価の脂環族アルコールを共重合させて得られた高分子量の鎖状ポリエステルを使用したシートも提案されている(特開平5−162271号公報)。これは、表面層として特殊な成分を含んだPETシートを貼り合わせることにより、上記問題を解決しようとするものである。しかしこのような方法では表面の滑り性は十分に解決されているとはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はこのような従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステルに対し特定の割合の不活性粒子および特定の割合の脂肪酸エステル化合物、また特定の割合のアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を配合することにより、A−PETの特性である透明性を損なうことなしに優れた滑り性、制電性、耐傷つき性、カット性を付与できることを見いだし本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は第一に(A)テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルに、不活性粒子および脂肪酸エステル化合物およびアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を含有してなるポリエステルからなるスキン層並びに(B)テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルからなるコア層からなり、スキン層は少なくともコア層の片面に積層されているポリエステル多層シートであって、スキン層に含まれる不活性粒子の粒径が0.5μm〜10μm、含有量が10〜5000ppm、脂肪酸エステル化合物の含有量が0.1〜3重量%、アルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の含有量が0.1〜3重量%で、全スキン層の肉厚がシート全層に対して3〜50%であることを特徴とするポリエステル多層シートである。
【0010】第二の発明はスキン層(A)の脂肪酸エステル化合物が脂肪族アルコールと脂肪族モノカルボン酸からなる炭素数の合計が30〜60個のエステル化合物および/又は3個以上の水酸基を有する多価アルコールと炭素数が12個以上の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物である上記第一のポリエステル多層シートである。
【0011】第三の発明は上記第一または第二発明のシートを裁断して得られたポリエステル枚葉品である。
【0012】第四の発明は上記第一または第二発明のシートを熱成形してなるポリエステル成形品である。
【0013】第五の発明は上記第一、第二または第三発明のシートを裁断、打ち抜き、折り曲げ、接着および組立加工して得られるポリエステル容器である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のコア層(B)に用いるポリエステルとはホモPETはもちろんの事、テレフタル酸成分の一部をイソフタル酸、アジピン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸等の如き他の1種以上のジカルボン酸成分へ置換し、及び/又は、エチレングリコール成分の一部をジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグルコール、ブチレングリコール等の如き他の1種以上のグリコール成分で置換したコポリエステルをも包含する。
【0015】該ポリエステル中に実質的に直鎖状と見なされる範囲で三官能以上の化合物や単官能の化合物を重合成分として含んでいても良い。更にポリエステル中に透明性を低下させない範囲内で熱安定剤、流動性改善剤、紫外線吸収剤、防曇剤等を添加することができる。
【0016】本発明で使用されるシート厚みは特に限定しないが好ましくは50〜1500μmであり、さらに好ましくは100〜500μmである。
【0017】本発明のポリエステル多層シートの固有粘度は0.5〜1.1が好ましい。この粘度範囲にあると、ポリエステル樹脂のシート製造時の溶融押出性が良好でシートの衝撃強度も満足いくものである。
【0018】本発明中でスキン層(A)として使用されるポリエステルは、テレフタル酸を主たる酸成分としエチレングリコールを主たるグリコール成分で構成されているホモPETであるが、酸成分の90モル%以上がテレフタル酸で、グリコール成分の90モル%以上がエチレングリコールであるコポリエステルであっても良い。
【0019】本発明で使用される不活性粒子とはポリエステル重合反応系に不活性な微粒子をいい、具体的にはシリカ、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、含フッ素系微粒子ポリマー、架橋ポリスチレンポリマー等の微粉末がある。
【0020】これらの不活性粒子は単独使用でも二種類以上を併用しても良い。シート中で均一に分散させるためには、重合時にスラリーとして添加する方法、あるいは不活性粒子と樹脂を溶融混練することによりあらかじめマスターバッチとし、このマスターバッチをシート製造の際に不活性粒子の存在量が所定の値となるよう押出機に供給する方法などが用いられる。またシートの透明性を低下させない範囲内でオレフィンワックスや脂肪酸、脂肪酸の金属塩等で不活性粒子の表面処理を行っても構わない。
【0021】本発明においては、平均粒径が0.5〜10μmの不活性粒子を10〜5000ppm使用することを特徴とし、好ましくは平均粒径が3〜10μmである微粒子100〜4000ppmが必要である。該粒子の平均粒径が0.5μm未満あるいは添加量が10ppm未満になると滑り性が不十分となり、平均粒径が10μmを超えるか添加量が5000ppmを超えると透明性を損なう。
【0022】本発明においては脂肪酸エステル化合物を含有することが肝要である。耐熱性の観点から炭素数が30以上のものが好ましく、相溶性の点から炭素数60以下が好ましい。同様の理由から、3個以上の水酸基を有する多価アルコールと炭素数が12以上の脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物も好ましく使用される。具体的な化合物としてはラウリルステアレート、ステアリルステアレート、ラウリルメリセート、ベヘニルベヘネート、セリルメリセート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールジベヘネート等が挙げられるがこれに限定するものではない。
【0023】また、脂肪酸エステル化合物の含有量として0.1〜3重量%必要である。含有量が0.1重量%未満だとシート表面へのブリードアウト量が少なくなり十分な滑り性が得られない。又、含有量が3重量%を超える場合は透明性が低下する。
【0024】本発明においてはアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩を使用することが肝要である。金属塩となる金属はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。具体的なアルキルスルホン酸金属塩としてはラウリルスルホン酸Na、ステアリルスルホン酸Na、ステアリルスルホン酸K、セチルスルホン酸Ca等が挙げられる。またアルキルベンゼンスルホン酸塩の具体的な化合物名としてラウリルベンゼンスルホン酸Na、ステアリルベンゼンスルホン酸K、ミリスチルベンゼンスルホン酸Ca等が挙げられる。この中でラウリルスルホン酸Na、ラウリルベンゼンスルホン酸Naが特に好ましい例として挙げられる。
【0025】本発明で使用されるアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩は0.1〜3重量%必要である。含有量が0.1重量%未満になると制電性能不十分となり、3重量%を超えると透明性が著しく低下する。
【0026】上記の脂肪酸エステル化合物およびアルキルスルホン酸金属塩および/又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩の添加の方法は公知の方法が適用でき特別な制約はない。例えば、予めマスターバッチとしてペレット状にして押出し時に供給する方法、重合時に添加する方法などがある。
【0027】本発明のポリエステル多層シートの層比としては、全スキン層の肉厚がシート全層に対して3〜50%であることが肝要で、好ましくは3〜40%である。3%未満になるとシート製造時、スキン層の均一な製膜が困難となり、50%を超えると経済性に劣るばかりか、透明性が損なわれる。
【0028】本発明のポリエステル多層シートを製造する場合の押し出し方法としては溶融ラミネート、共押出し、ドライラミネート等公知の技術が利用可能であるが、シートの品質から共押出し法が好ましい。又、共押出し法による多層シートは、例えば二軸ベント式押出機の様な通常のポリエステル用エクストルーダーにより溶融押出しを行い、溶融状態の樹脂を冷却ドラムにより冷却することにより得ることが出来る。シートは結晶化による透明性の低下を防ぐため出来るだけ急冷することが好ましく、結晶化度は10重量%以下(密度1.348g/cm3 以下)、シートヘイズは6.5%以下が望ましい。
【0029】又、製膜方法としては金属ロール間で挟み冷却する方法(タッチロール法)や静電印加法、エアーナイフ法等があるがシートの光沢性、厚みの均一性の点からタッチロール法が好ましい。
【0030】製膜時にシートを所定の幅にカットする際に出る耳部や製品打ち抜き時に出るスケルトン部等を粉砕して原料として戻すインラインリサイクルがA−PETで一般的に用いられるが、本発明においてもシートの固有粘度を極端に低下させない範囲内でこのような方法を使用することが可能である。
【0031】このようにして得られたシートは従来のA−PETと同様に熱成形により容器とすることが出来る。用いる熱成形方法は真空成形、圧空成形、熱盤成形、プラグアシスト成形、リバースドロー成形、エアースリップ成形等またはこれらを組み合わせた成形方法が常法として考えられるが、本発明では何れの方法も用いられる。
【0032】また、製膜直後および後加工において所定のサイズに裁断した枚葉品や該シートを通常の方法によって裁断し、打ち抜き、折り曲げ、接着および組立加工することにより、クリアケースとすることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、A−PETの透明性を維持したままでシート状態時やシートから製品にする際の滑り性や、シート同士のブロッキング性、制電性、傷つき性が改善される。さらに熱成形品やクリアケースの耐ブロッキング性、制電性が改善される。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。尚、各物性測定は次の方法に従って行った。
【0035】(1)固有粘度(IV)
重量比60/40のフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、1.0g/dlの濃度、20℃の条件で測定した。
【0036】(2)シートヘイズ日本電色(株)製ヘイズメーターNDH−20Dを使用し、JIS−K−7105に準じた方法にてシートのヘイズ(曇価)を測定した。
【0037】(3)静摩擦係数東洋精機(株)製摩擦測定機TR型を使用し、ASTM−1894に準じた方法にてシートの静摩擦係数を測定した。
【0038】(4)制電性シート表面をウール布で20回(約1回/sec)こすり10秒後に乾燥したタバコの灰の上2.5cmに近づけ静電気での灰の付着評価を行った。評価は下記表1に基づき行った。
【0039】
【表1】

【0040】(5)カット性縦200mm×横200mmのシートを50枚重ね、トムソン刃にて押し切りを行い評価を行った。評価は下記表2に基づいた。
【0041】
【表2】

【0042】(6)傷つき性静摩擦係数測定後サンプルを日本電色(株)製ヘイズメーターNDH−20Dを使用しJIS−K−7105に準じ測定を行い、表3に基づきシートのヘイズ(曇価)の評価を行った。
【0043】
【表3】

【0044】(7)平均粒径コールターエレクトロニクスリミテッド社製MULTI SIZER装置で測定した等価球形分布における積算体積分率50%の直径(粒径)を平均粒径とした。
【0045】実施例1〜12表4に記載のスキン層のポリエステル樹脂(固有粘度0.65〜0.70)を水分率200ppm以下になるように乾燥させた。この乾燥チップと表4に記載の粒径の不活性粒子とを二軸混練機により280℃で溶融混練し、10重量%のマスターバッチを作製した。同様に表4に示した脂肪酸エステル化合物10重量%のマスターバッチと制電剤即ちアルキルスルホン酸金属塩およびアルキルベンゼンスルホン酸金属塩10重量%のマスターバッチを作製した。次に、スキン層に各添加剤(不活性粒子、脂肪酸エステル化合物、制電剤)が表4に示した配合量になるようにマスターバッチを配合し、二軸ベント付き押出機を用い285℃、ベント部の圧力5mmHgの条件でTダイより多層溶融押出を行いタッチロール方式にて製膜を行い、3層構造、厚さ250μmの表4に示す組成の多層シートを製造した。
【0046】比較例1実施例に示した装置を用い、実施例と同様の操作でホモPETのシート(厚さ250μm)を製造した。
【0047】比較例2〜8実施例に示したのと同様の装置・方法により表5に示す組成の3層構造、膜厚さ250μmの多層シートを製造した。実施例、比較例のシートの物性を表6に示した。
【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】





 

 


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