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発明の名称 分子ふるい炭素膜およびその製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平10−52629
公開日 平成10年(1998)2月24日
出願番号 特願平8−227397
出願日 平成8年(1996)8月9日
代理人
発明者 岡本 健一 / 喜多 英敏 / 丸茂 千郷 / 山本 正樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】気孔率30〜80% のセラミック多孔質体表面に密着し、炭素含有率80% 以上で、細孔直径1nm以下の多数の細孔が存在することを特徴とする分子ふるい炭素膜。
【請求項2】分子ふるい炭素膜がフェノ−ル樹脂の熱分解により得られたガラス状炭素よりなることを特徴とする請求項1記載の分子ふるい炭素膜。
【請求項3】セラミック多孔質体表面にシリカゾル、アルミナゾルなどのコ−ティング層を形成し、その表面に密着した分子ふるい炭素膜が存在することを特徴とする請求項1記載の分子ふるい炭素膜【請求項4】セラミック多孔質体表面にシリカゾル、アルミナゾルなどのコ−ティング層を形成し、その表面に密着した分子ふるい炭素膜が存在することを特徴とする請求項2記載の分子ふるい炭素膜【請求項5】セラミック多孔質体表面に液状熱硬化性樹脂を塗布して高分子膜を形成した後、非酸化性雰囲気下で550 〜1,100 ℃の温度範囲で熱処理することを特徴とする分子ふるい炭素膜の製造法。
【請求項6】液状熱硬化性樹脂がフェノ−ル樹脂であることを特徴とする特徴とする請求項5記載の分子ふるい炭素膜の製造法。
【請求項7】セラミック多孔質体表面にシリカゾル、アルミナゾルなどのコ−ティング層を形成した後、その表面にフェノ−ル樹脂を塗布することを特徴とする特許請求項5に記載の分子ふるい炭素膜の製造法。
【請求項8】セラミック多孔質体表面にシリカゾル、アルミナゾルなどのコ−ティング層を形成した後、その表面にフェノ−ル樹脂を塗布することを特徴とする特許請求項6に記載の分子ふるい炭素膜の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種混合物の分離に利用される分子ふるい炭素膜、およびその製造法に係わり、さらに詳しくは、微細な細孔の分子ふるい効果による透過速度の差を利用したガスの分離精製に用いられる分子ふるい炭素膜、およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透過選択性の高いガス分離膜としては、ポリスルホン膜、シリコン膜、ポリアミド膜、ポリイミド膜など種々の高分子を素材としたものが知られている。これら公知の高分子ガス分離膜は種々の分野で実用化されているが、分離対象の混合ガス中にトルエン、キシレン等の有機溶剤が含まれると、使用中に膜が変質し劣化するという欠点を有している。また、これらの高分子膜は、耐熱性の点から高温での使用には適さないということも欠点である。
【0003】こうした欠点を改良するものとして、例えば、特開昭60−179102号公報、特開平1−221518号公報などにおいて、アクリル系の中空繊維を高温で炭化した炭素膜およびその製造法が提案されている。また、特開平4−11933号公報、特開平5−22036号公報などにおいては、芳香族ポリイミド中空糸膜の炭化、あるいは部分炭化により得られる中空糸炭素膜、およびその製造法が提案されている。しかしながらこれらの炭素膜においては、炭素材の微細構造の制御が十分でないことからガスの透過速度や選択透過性が十分とは言えず、また、強度の点でも十分とは言えないのが現状である。
【0004】一方、ガス分離用の炭素材料としては、例えば特公平6−20546号公報において開示されているように、1nm以下の厳密に制御された多数の細孔を有するペレット状の分子ふるい炭素が開発され、その選択吸着性を利用して、例えば空気中の酸素と窒素の分離に実用化されている。
【0005】炭素膜においても、炭素層に細孔を形成しかつその細孔構造を厳密に制御して分子ふるい特性を賦与することができれば、従来の膜分離においては不可能であった分子ふるい作用を利用した膜分離が可能となるものと考えられる。また、分離膜の強度をより大きくし、かつ、優れた耐熱性を賦与することも重要な課題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは既存の分離膜の上記問題点を解決するために鋭意研究し、本発明を完成させたものであり、本発明の目的は、新規な分子ふるい炭素膜を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、選択透過性に優れかつ高強度で耐熱性が良好な分子ふるい炭素膜を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、本発明の上記分子ふるい炭素膜の製造法を提供することにある。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的および利点は、気孔率30〜80% のセラミック多孔質体表面に密着し、炭素含有率80% 以上で、細孔直径1nm以下の多数の細孔が存在することを特徴とする分子ふるい炭素膜であり、さらには好ましくは分子ふるい炭素膜がフェノ−ル樹脂の熱分解により得られたガラス状炭素であることを特徴とする上記分子ふるい炭素膜を提供することによって達成される。また、本発明の上記分子ふるい炭素膜は、セラミック多孔質体表面に液状熱硬化性樹脂を塗布して高分子膜を形成した後、非酸化性雰囲気中で550 〜1,100 ℃の温度範囲で熱処理することにより製造され、さらに好ましくは液状熱硬化性樹脂がフェノ−ル樹脂であることを特徴とする方法により製造される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるセラミック多孔質体の材質としては例えば、アルミナ質、シリカ質、あるいはムライト、コ−ジェライトなどのシリカ、アルミナあるいはシリカ、アルミナとその他の成分よりなる組成物などを好適に用いることができる。また、ジルコニア、マグネシアなどの他の酸化物あるいは炭化珪素、窒化珪素などの炭化物や窒化物、またはそれらの混合物を用いることもできる。
【0009】該セラミック多孔質体の気孔率は、通常30〜80% 程度であり、好ましくは35〜70% 、最も好ましくは40〜60% である。気孔率が小さすぎる場合には、ガスの透過性が低下するので好ましくない。また、気孔率が大きすぎる場合には、支持体の強度が低下して好ましくない。また、本発明のセラミック多孔質体の気孔径は、通常その直径が10〜100,000nm ,好ましくは、100 〜10,000nm,最も好ましくは、 500〜 5,000nmである。該セラミック多孔質体は、例えばアルミナ基質の多孔質体の表面にシリカゾルを含浸するなどの方法により基質の表面層近傍の細孔径を小さくした複合多孔質体でもよい。
【0010】本発明のセラミック多孔質体の厚さや形状については特に限定するものではない。セラミック多孔質体はその上に形成される炭素膜の支持体の役割を担うので、炭素膜が実用上十分な強度を発揮できる支持体としての強度を有していればよい。また、分子ふるい炭素膜では、分離対象成分の透過度を大きくする必要があるので、セラミック多孔質体が厚過ぎると好ましくない。更に、セラミック多孔質体の形状は、その上に形成される分子ふるい炭素膜の形状を決定するので極めて重要であるが、目的に応じて、平板状、円筒状など適宜選択すればよい。
【0011】本発明の分子ふるい炭素膜は、気孔率30〜80% のセラミック多孔質体表面に密着し、炭素含有率80% 以上で、細孔直径1nm以下の細孔が多数存在することを特徴とする分子ふるい炭素膜である。炭素含有率80% 以下では、疎水的で耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性が高いなどの炭素の優れた特徴を生かすことができない。炭素含有率は、好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上である。
【0012】本発明の分子ふるい炭素膜は、嵩密度が好ましくは0.7 〜1.5 g/ccであり、より好ましくは0.8 〜1.3g/cc である。本発明の分子ふるい炭素膜では、その大部分の細孔は直径1nm以下の領域に分布し、従ってこの領域に細孔径分布の極大値を有する。本発明では細孔は厳密に制御されたシャ−プな分布をすることが好ましく、細孔直径0.3 〜0.7nm 程度の範囲に分布していることが特に好ましい。ナノメ−タオ−ダ−の細孔の測定には通常、窒素吸着法が用いられ、t-プロットを用いた解析が行われているが、その場合に解析可能な細孔直径は、0.6nm 以上である。さらに細かい細孔の解析には通常、モレキュラ−プロ−ブ法が用いられる。即ち、例えば、酸素(分子径0.28nm) ,エタン( 分子径0.40nm) ,イソブタン(分子径0.50nm) 等の分子径既知の分子の吸着量より、所定の細孔径範囲の細孔容積を算出する方法である。本発明の分子ふるい炭素膜は、酸素分子吸着により得られる細孔容積は、0.070 〜0.30cc/g、好ましくは、0.090 〜0.25cc/g、最も好ましくは、0.10〜0.20cc/gである。
【0013】本分子ふるい炭素膜における酸素分子の吸着は、細孔直径0.28nmから1.5nm 程度の範囲でおこるものと考えられるが、本分子ふるい炭素膜におけるイソブタン吸着量は比較的少ないことや、窒素吸着のt-プロット解析の結果などより、大部分の細孔は、1nm 以下の範囲にあるものと考えられる。
【0014】本発明の分子ふるい炭素膜の厚さは、通常 1 μm 〜5mm、好ましくは、2 μm 〜1mm 、最も好ましくは、5 〜500 μm である。
【0015】本発明の分子ふるい炭素膜がフェノ−ル樹脂の熱分解により得られたものである場合には、炭素膜の強度が高く、微細孔の分布の均一性が良好で、選択透過性に優れており、特に好ましい。
【0016】本発明の分子ふるい炭素膜は、セラミック多孔質体表面に液状熱硬化性樹脂を塗布して高分子膜を形成した後、非酸化性雰囲気中で550 〜1100℃の温度範囲で熱処理することにより製造できる。
【0017】本発明においては、前述の材質よりなるセラミック多孔質体を必要に応じてシリカゾル、アルミナゾルなどの溶液に浸漬後乾燥するなどの前処理により、支持体の細孔を調整した後、液状熱硬化性樹脂を塗布してもよい。シリカゾル、アルミナゾルの溶媒は、特に限定するものではないが、イソプルパノ−ル、エチレングリコ−ル、水などを好適に用いることができる。また、シリカやアルミナなどのセラミック粒子の含有量は、通常、10〜40%,好ましくは、20〜35% である。
【0018】本発明においてセラミック多孔質体表面に液状熱硬化性樹脂を塗布するには、例えば、熱硬化性樹脂を有機溶媒に溶かした溶液あるいは熱硬化性樹脂の水溶液に該セラミック多孔質体を浸漬するとよい。また、熱硬化性樹脂の溶液をスプレ−ガン等により薄く均一に塗布することによっても樹脂膜を形成することができる。液状樹脂の濃度は、採用する塗布法、目的の膜圧等に応じて適宜選択すれば良い。
【0019】本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、フェノ−ル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂などが上げられる。フェノ−ル樹脂は大別するとレゾ−ル樹脂とノボラック樹脂およびその他の特殊フェノ−ル樹脂や変成品等に分けられる。メラミン樹脂は、メラミンにアルデヒド、通常はホルムアルデヒドを塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる無色透明の水溶性樹脂で、熱硬化性を示す。ユリア樹脂は、ユリアとホルムアルデヒドを酸触媒または塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる無色透明の水溶性樹脂である。フラン樹脂は、フルフリルアルコ−ルの初期縮合物、フルフラ−ル樹脂、あるいはそれらの変成樹脂等であり、フルフリルアルコ−ルの初期縮合物は、低粘度のものはアルコ−ルに可溶であり、高粘度のものでも酢酸エチル、アセトン等の溶媒に可溶である。
【0020】本発明に用いる熱硬化性樹脂としては、先にも述べたように、製造時の取り扱いが容易であること、炭化収率が高く細孔制御がし易いこと、また、炭素膜の強度が大きいこと等の点でフェノ−ル樹脂が好ましく、特に、下記の粒状フェノ−ル樹脂が最も好ましい。
【0021】本発明に適用される粒状フェノ−ル樹脂は、特公昭62−30211号公報あるいは特公昭62−30213号公報等に開示されており、フェノ−ル類とアルデヒドとの縮合物を主成分とする反応性を有する粒状樹脂であって、(A) 粒径 0.1〜150 μmの球状一次粒子およびその二次凝集物を含有し、そして(B) 少なくとも全体の50重量%が 100タイラーメッシュの篩を通過しうる大きさであり、(C) メタノール溶解度が50重量%以上のものであって、しかも(D) 液体クロマトグラフィーによる測定値として、遊離フェノール含有量が500ppm以下である。ことを特徴とする。
【0022】粒状フェノール樹脂は、その殆どが粒径 0.1〜150 μmの一次粒子またはその二次凝集物からなり、少なくとも全体の50重量%、好ましくは90重量%が 100タイラーメッシュの篩を通過しうる大きさであるが、 1〜50μmの間にピークを有するように分布している。
【0023】本発明に適用される粒状フェノール樹脂は、液体クロマトグラフィーによる測定値としては遊離フェノール含有量が500ppm以下、実質的には100ppm以下のものである。また、G.P.C (ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値として、ポリスチレン換算重量平均分子量が1000以上の高分子量物でありながら、 100℃の温度に5分間保持した場合に実質的に溶融または融着するものである。
【0024】本発明に適用される粒状フェノール樹脂は、実質的に無水のメタノール中で加熱還流した場合に、下記数式1で表されるメタノール溶解度が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。該メタノール溶解度が50重量%未満では、有機溶媒を用いてフェノ−ル樹脂溶液を作製することが困難であり、従って、セラミック支持体に樹脂皮膜を形成することが出来ない。
【0025】
【数1】S={(W0 −W1 )/W0 }×100W0 :使用した該樹脂の重量(g)
1 :加熱還流後に残存した該樹脂の重量(g)
S :該樹脂のメタノール溶解度(重量%)
【0026】本発明においては、熱硬化性樹脂を溶解する溶媒としては、メタノ−ル、アセトン、テトラヒドロフランなど熱硬化性樹脂樹脂が均一に溶解するものであれば良く、特に限定するものではない。また、一部の熱硬化性樹脂においては、分子量を調整することにより水溶性となるものもあり、その場合には、水溶液を用いることもできる。
【0027】本発明においてはセラミック支持体を熱硬化性樹脂溶液に浸漬後適切な条件で乾燥し、溶媒を除去するとともに樹脂を硬化させることにより、熱硬化性樹脂膜を形成させる。
【0028】こうして得られたセラミック支持体上の熱硬化性樹脂膜を 550〜1,100 ℃で、非酸化性雰囲気下で炭化することにより、本発明の分子ふるい炭素膜が得られる。炭化温度は好ましくは 600〜 950℃、最も好ましくは 700〜 900℃である。炭化温度が1,100 ℃より高い場合には、分子ふるい炭素膜の細孔が熱収縮して減少するため透過度が低下し好ましくない。また 550℃より低い場合には炭化が十分ではなく、選択的過能性能が低く、また、耐熱性、耐薬品性等も低いので好ましくない。
【0029】また、この場合の非酸化性雰囲気とは、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気であり、二酸化炭素、水蒸気等の弱酸化性ガスを少量含む場合も本発明の範囲に含まれる。
【0030】炭化工程での最高処理温度に到達するまでの昇温速度は特に制限するものではないが、好ましくは 5〜300 ℃/H、最も好ましくは30〜180 ℃/Hである。炭化時の雰囲気、昇温速度、最高温度、最高温度での保持時間等は、セラミック支持体の種類や細孔構造、熱硬化性樹脂の種類や特性、目的とする炭素膜の細孔構造などを考慮して最適条件を選定する。通常、より細かい細孔を形成させるには、比較的高温まで昇温することが好ましいが、最高温度が高過ぎると、細孔が細かくなり過ぎ、また、細孔容積も減少するのでガス透過性が低下して好ましくない。
【0031】本発明により得られる分子ふるい炭素膜は、通常平膜状、あるいは円筒状等の形状であり、気孔率30〜80% のセラミック多孔質体表面に密着し、炭素含有率80% 以上で、細孔直径1nm以下の多数の細孔が存在する。
【0032】
【発明の効果】本発明の分子ふるい炭素膜は、気孔率30〜80% のセラミック多孔質体表面に密着し、炭素含有率80% 以上で、細孔直径1nm以下の細孔が多数存在すことから、分子直径の異なる各種混合ガスから、特定の分子径の成分のみを効率的に分離・精製する分離材として用いることができる。しかも、耐熱性、耐薬品性に優れ高強度であり、各種炭化水素や腐食性ガスの分離等に有効に利用できる。具体的には、例えば、窒素と酸素の混合ガス、メタンと水素の混合ガス、キシレン異性体、ブタン異性体、ブテン異性体等の炭化水素異性体混合物、プロパンとプロピレンの混合物、ベンゼンとシクロヘキサンの混合物、水素と一酸化炭素の混合ガス、窒素と二酸化炭素の混合ガス、アルゴンと酸素の混合ガス等の分離に使用でき、実用状極めて有用である。
【0033】
【実施例】分離膜のガス透過性については、通常、下記数式2,3で定義される透過係数Pあるいは、透過速度Rが指標として用いられる。透過係数あるいは透過速度の大小により、当該分離膜の各種ガスの透過性を表すことがでる。本発明では、混合ガスの分離性能の指標として分離係数R1 / R2 を定義した。
【0034】
【数2】透過係数 P=QL/(p1 −p2 )At【数3】
透過速度 R=P/L=Q/(p1 −p2 )AtQ: ガス透過量[cm3](0℃,1気圧)
1:高圧側ガス圧 [cmHg]p2:低圧側ガス圧 [cmHg]A: 膜面積[cm2]L: 膜厚[cm]t: 時間[sec]【0035】なお、本発明の諸物性値は下記のようにして測定した。
【0036】1.細孔容積、細孔径分布、気孔率の測定本発明の分子ふるい炭素膜およびセラミック支持体の細孔容積、細孔径分布は、細孔直径200 Å〜200 μm の範囲はポロシメ−タ−による水銀圧入法(島津製、ポサイザ−9810)により測定した。また、細孔直径100 Å以下は、窒素吸吸着法(日本ベル製、ベルソ−プ28)により測定した。測定結果の解析には、細孔直径2.0 〜20nmの範囲ではDolimore-Heal 法を、2.0nm の以下範囲ではMicropore Analysis法を適用した。なお、細孔直径1nm以下の炭素膜単位重量当たりの細孔容積の算出に当たっては、あらかじめセラミック支持体の細孔容積を測定し、本発明に用いたセラミック支持体の1nm 以下の細孔容積が実質的に0であることを確認した。このことより、測定された細孔直径1nm以下の細孔容積は、セラミック支持体上の分子ふるい炭素膜の細孔容積に帰せられるものとした。また、窒素ガス吸着測定終了後の試料を大気中で700 ℃で焼成して炭素膜除去し、そのときの重量変化より炭素膜の重量を算出し、その値を用いて単位重量当たりの炭素膜の細孔容積を求めた。さらにまた、酸素 (細孔直径0.28nm),エタン(0.40nm), イソブタン(0.5nm)の25℃における吸着量の測定により、それらのガス吸着が可能な細孔容積を求めた。また、本発明のセラミック支持体の気孔率は、水銀圧入法により求めた。
【0037】2.炭素含有量の測定柳本製作所製の元素分析計(CHN CORDER, TM-3型) で測定した。
【0038】3.ガス透過速度の測定分子ふるい炭素膜のガス透過速度の測定は、図1に示すガス透過能測定装置により測定した。すなわち、長さ100mm,外径10mmの管状膜とした試料6を恒温槽7内透過セル5に設置し、純粋ガスあるいは混合ガスをガスボンベ1より供給した。その時ガス圧力は、上流側で2 〜6atm, 下流側で1atmとし、ガス流速は流量計18で計測した。また、恒温槽7内設定温度は、35℃に保持した。上流側出口配管8および下流側出口配管9から流出する分離されたガスの定量を、それぞれ行った。以下、実施例を挙げて具体的に説明する。
【0039】(実施例1)平均粒子径20μm の粒状フェノ−ル樹脂(鐘紡製:ベルパ−ルS-895 )をメタノ−ルに溶解し、20重量% のメタノ−ル溶液を作製した。この溶液に外径10mm、厚さ1mm 、長さ100mm ,平均孔径 1μm 、気孔率35% の円筒状多孔質アルミナ管(三井研削砥石製:マルチポアロン )を糸でつり下げ、200mm/min の一定速度でフェノ−ル樹脂溶液中に浸漬し、再び同一速度で引き上げた。該試料を80℃で5時間乾燥した後、上記操作を繰り返し、フェノ−ル樹脂皮膜を 4回塗布した。同様の操作を繰り返して試料を 5本作製(試料1,2,3,4,5)した。
【0040】浸漬、乾燥の済んだ各試料を電気炉に入れ、窒素ガス雰囲気中で60℃/hの昇温速度で所定の温度まで昇温し、該温度で1時間保持した後冷却して、炭素膜を作製した。
【0041】上記のごとくして作製した試料を用いて、種々のガスの透過速度を測定した。その結果を表1に示す。表1の実験結果より気体の分離係数を算出した結果を表2に示す。表1、表2より、520 ℃炭化試料 1では、ガス透過速度は大きいが分離性能は殆どないことがわかる。また、試料 2,3,4では、炭化温度の上昇とともにガス透過速度は減少していくが透過速度比は増大していくことがわかる。1,200 ℃炭化試料 5ではガス透過速度が小さくなりすぎ、分離膜として適さないことがわかる。
【0042】(実施例2)外径10mm、厚さ1m、長さ100mm ,平均孔径 1μm 、気孔率35% の円筒状多孔質アルミナ管(三井研削砥石製:マルチポアロン)をシリカゾル溶液(日産化学工業製:スノ−テックス EG-ST) に30分間浸漬した後、引き上げて大気中で乾燥した。次に、平均粒子径20μmの粒状フェノ−ル樹脂(鐘紡製:ベルパ−ルS-895)をメタノ−ルに溶解し、20重量% のメタノ−ル溶液を作製した。この溶液にシリカコ−トしたセラミック支持体、あるいはシリカコ−トなしのセラミック支持体を実験1と同様にしてフェノ−ル樹脂溶液中に浸漬し、再び同一速度で引き上げた。該試料を80℃で 5時間乾燥した後、上記操作を繰り返し、フェノ−ル樹脂皮膜を所定の回数塗布した。同様の操作を繰り返して試料を 4本作製(試料8,9,10,11)した。
【0043】浸漬、乾燥の済んだ各試料を電気炉に入れ、窒素ガス雰囲気中で60℃/hの昇温速度で600 ℃まで昇温し、該温度で1時間保持した後冷却して、炭素膜を作製した。炭素膜の炭素含有率は、いずれの試料も88.0〜89.0% の範囲であった。
【0044】上記のごとくして作製した試料を用いて、種々のガスの透過速度を測定した結果を表3に、また、表3の結果より算出した分離係数R1 /R2 の値を表4に示す。製膜回数1回の試料は気体透過速度が大きく分離性能も殆どない。製膜回数が増えると気体透過度が減少し分離性能が向上した。特に分子径の大きい気体の透過速度が大幅に低下した。試料10では、 O2/ N2, CO2/ N2の分離係数が5.7 と19となった。また、試料11では、 C3H6/ C3H8 の分離係数は134 と非常に大きくなった。
【0045】(実施例3)実施例2の試料10を用い CO2 19.1mol%, N2 80.91mol% の混合ガスの透過実験を行った結果を表5に示す。ガス供給側の圧力は、表5に示すように 2,4,6気圧の3条件とし、透過側のガス圧力は、1 気圧の一定値とした。
【0046】表5より、試料10では、実験した圧力範囲で窒素と二酸化炭素の分離係数が良好な値を示しており、分離が可能であることが明らかになった。




 

 


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